◆ 基本セット2013・レビュー 白
 
 Magic 2013 Set Review – White
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年7月8日
 
 http://www.channelfireball.com/home/magic-2013-set-review-white/
 
 四半期ごとのレビューへようこそ!このレビューではカードを「一枚一枚」レビューしていくよ(つまり中にはカード1枚の仕事をしないダメダメなのがあるってことだな)。なんだけどこいつは基本セットだから、今回はちょっと趣向を変えてみようと思うんだ。最近の基本セット(M10-M12あたり)にあったカードは必ずしもレビューしない方向でいこうと思う。もう《天使の慈悲/Angel’s Mercy》について面白いことを言うのは無理ってこった。天使の慈悲なんて評価も全く変わっちゃいないしね。環境に影響するとかが何かあれば、採録でもレビューするからさ。新しくなかったり、取り立てて嬉しくないカードを俺が飛ばしてても慈悲をかけてくれよ。
 
 そんなことを言ったところで、まずは採点表だ(説明つきでね)。そのあと始めるよ!
 構築
 
 5.0点:フォーマットをまたいでの大活躍。価格も大高騰間違いなし
 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
 
 4.0点:環境定番のカード。
 《マナ漏出/Mana Leak》、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》
 
 3.5点:色々なデッキで使えて強いけど、必須とまではいかない。
 《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》、《原始のタイタン/Primeval Titan》、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
 
 3.0点:アーキタイプが合えば必ず入る。
 《はらわた撃ち/Gut Shot》、《鍛えられた鋼/Tempered Steel》
 
 2.5点:定番として使われるデッキもあるけど、必須ではない。
 《熟慮/Think Twice》《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》
 
 2.0点:隙間を埋めてくれるカード。サイドボード要因や、強いけどまだ居場所のないカード。
 《天界の粛清/Celestial Purge》(結構2.0点がつくカードは多いけど、2.0点がついたら説明が重要だって考えてくれ)
 
 1.0点:使われることもあるかもしれない。
 《空虚自身/One with Nothing》(これすらハウリング・オウル相手に使われたことがある。あまり意味がない気もするけれど)
 
 
 
 リミテッド
 
 5.0点:何があろうとも使う。それだけ。
 
 4.5点:他に何が取れてようとも間違いなく使うレベル。
 
 4.0点:それだけのために色を使う価値がある。
 
 3.5点:見たらその色に行こうと思う。
 
 3.0点:その色が使いたくなる。色が合うなら100%使う。
 
 2.5点:このレベルのカードが何枚も取れたら色は確定。色が合うならほぼ間違いなく使う。
 
 2.0点:色が合うなら大体使う。70%くらいの確率で使う。
 
 1.5点:メインには半々くらいの確率でしか入らない。50%で使うかも。
 
 1.0点:これを使うようじゃ酷いデッキだと思わざるを得ない。30%くらい。
 
 0.5点:サイドボードとして使うことを考えなくもない。でも絶対にメインに入れない。10%くらいの可能性で使う。
 
 0点:メインだろうとサイドだろうと、絶対に使わない。
 
 
 いつも通りの注意だけど、点数だけじゃなくてコメントも読んでくれよな。同じ点数のカードでも、どうしてその評価になったかが全然違ったりするからさ。じゃ、楽しんでくれ!
《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》
 構築3.0点
 《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》は中々のやり手だったから、新アジャニもそそられるね。中々の強化、それに超ダメージをたたき出してくれる。だけど同時に自身を守る手段が欠けているみたいだ。出てすぐに忠誠度が5になるのは、攻撃を耐えるのに悪くないから絶望的ではないにしてもね。とはいえ構築で一流のプレインズウォーカーは皆、最低一つ防御に使える能力がついていたってことは覚えておきたい。
 
 新アジャニを出してすぐに+1能力を使って、相手の防御陣を突破できれば強い。アジャニが殴られるという問題もあるから、戦場にパワーが5ないことを祈ろうじゃないか。相手がアジャニを処理する前、やられる前にやるくらいでプレッシャーをかけていこう。守るのに生物を立たせていくと、アドバンテージの面で旧アジャニと比べて少し霞むけどね。警戒がつく小マイナス能力こそ、アジャニが輝くデッキで彼を立役者たらしめてた能力だからさ。
 
 一方でトークン戦略を取る必要があった旧アジャニよりも、こいつは多くのデッキにすんなりといはいる。クリーチャーと《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》が入ってるようなデッキなら無条件で入れてみたいところだ。《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart》が飛んだりしたら馬鹿げてると思わないかい?
 
 新プレインズウォーカーの例にもれなく、こいつがどれほどのものか理解するには時間がかかるだろうけれど、カードパワーはホンモノだよ。
 
 リミテッド4.0点
 リミテッドでアジャニを守るのはずっと簡単だ。特に忠誠値5とくれば尚更。飛行に対しては少し不安だけど、地上を支配できれば勝てるだろう。自軍生物を大きくするだけで相手はとてもやりづらいはずだし、1ターンで即落ちるとは思えない。無理やり複数のクリーチャーで殴ってきたら、一番いいカタチでブロックしてダメージを少し食ってやっていいだろう。忠誠値が多少減っても問題ないからね。
《アジャニの陽光弾手/Ajani’s Sunstriker》
 構築1.0点
 なんでかわからないけど、《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を思い出した。俺とジョシュ・アター・レイトン(Jsoh Utter-Leyton)が2人してプロツアーで使ったらしいんだが、すっかり忘却の彼方だったよ。そのプロツアーでは2位になったけど、使った記憶がないんだよな。あんな2/2絆魂先制攻撃を使ったなんて信じられないよ。ジョシュも俺も、驚くなかれ4枚も騎士を使ったらしい。
 
 《アジャニの陽光弾手/Ajani’s Sunstriker》の方に話を戻すと、ちょっとばかり逆風が強いようだ。《近野の巡礼者/Nearheath Pilgrim》を押しのけて採用するのはかなり厳しい。こいつが人間じゃないのは《魂の洞窟/Cavern of Souls》がモノを言う世界でとても残念だし、タフネスが1上がっただけで、絆魂が単体になってしまうのは痛すぎる。最初こいつと《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart》を組ませるって考えたんだけど、それなら《近野の巡礼者/Nearheath Pilgrim》のがずっといいってことにすぐ思い当ったよ。
 
 それにさ、《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を使ったことすら信じられないのに、その劣化版を使うなんて、一体どう正当化したらいいんだ?
 
 リミテッド2.5点
 白白のダブルシンボルが苦にならなければ、いつだって入れたい1枚。強化呪文がなくても、2マナ域で相打ちを取りつつ2点、4点くらいのライフを得られるのは悪い交換なはずがない。
《天使の祝祷/Angelic Benediction》
 構築1.0点
 俺も天使に祝祷されたいです!でも構築でこいつは要らない。
 
 リミテッド1.5-3.0点
 環境がどのくらい前のめりか、プレイしないで評価するのは難しいから話半分に聞いてくれ。とても高速なデッキなら超強いと思う。ひっくり返せない盤面を形作っていく一枚になるだろう。賛美持ちが複数いてこいつにつながったらまさに外道。まっとうなブロック要因がいないなんてことになりそうだ。一方で、殴らないなら全くの役立たずでもある。こういうカードを取るときは保険を考えないことだ。要るか、要らないか。はっきりしないなら、取らない方がいいだろう。
《従者つきの騎士/Attended Knight》
 構築2.0点
 アド厨歓喜。名前に従者とか入ってるのに、《刃の接合者/Blade Splicer》よりお供が弱いとはいかに。接合者と違って強い騎士の方が本体だから、《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》に対しての相性はいいだろう。それに両方とも白いおかげで、《清浄の名誉/Honor of the Pure》の価値が2か月ばかりまた評価上がるね。
 
 リミテッド3.0点
 リミテッドは2対1交換を取っていくことに終始するゲームだから。これほどわかりやすいのも少ない。3マナ2/2先制攻撃の時点で中々の実力なんだから、1/1の兵士がおまけでついてくるとくれば素晴らしい。
《エイヴンの従者/Aven Squire》
 構築1.0点
 前回いたときも今一つだったけど、こいつに関してはあまり周りも変わってないと思う。2マナで実質的なパワーが2以下という時点で、複数枚引いたときを考えると既に辛い。それに何と言ってもこいつは《従者/Squire》だ。マジックで《従者/Squire》ってのはダメだという烙印を押されてるようなものだからな!
 
 リミテッド3.0点
 この環境でアグロデッキが強いだろうか。こいつを見ればそんな疑問も氷塊ですね。強力なカードの溢れるアラーラドラフトでさえ、単体で白緑ビートダウンを鬼強化したカードだ。回避能力を持ってて、クロックになり、他のクリーチャーを強化までしてくれる。おまけに出したターンにすぐ賛美で仕事をすると来れば、強くないわけがない。あるだけデッキに突っ込むべし。
《戦飛びの鷲/Battleflight Eagle》
 構築1.0点
 鷹と鷲、どこで差がついた。慢心、環境の違い。
 
 リミテッド2.0点
 このセットを見てるとなぜかアラーラを思い出すよ。変なの。前のめりなデッキでプレッシャーを与えていったり、でかいクリーチャーを飛ばしてフィニッシャーもどきを作るのは良いんだけど、どんなデッキにも入るかといえばそうでもな。特に理由もなく漫然とデッキに入るカードじゃないね。十分使用に耐える良カードだけどね。
《警備隊長/Captain of the Watch》
 構築1.0点
 隊長!隊長じゃないか!!久しぶりだけど、やっぱり自宅警備へお帰りください。
 
 リミテッド4.0点
 実質的なパワーが9なら6マナに十分見合う。自軍の兵士が強化されるのもボーナスとして悪くない。
《隊長の号令/Captain’s Call》
 構築1.0点
 トークン生成系カードで最弱。《未練ある魂/Lingering Souls》って知ってますか?《深夜の出没/Midnight Haunting》は?もっとうまいやり方があるだろうに(可笑しいのはこれを《警備隊長/Captain of the Watch》が号令してるってところかな)。
 
 リミテッド3.0点
 これほど簡単にクリーチャーを3体並べられる呪文があったろうか?《種のばら撒き/Scatter the Seeds》は召集こそあったけれど、他のトークン生成カードとは一線を画しているといえるだろう。特に強力なコンボとか考えなくても(実際強いコンボもあるしね)、ただプレイして十分だ。守りに回って時間が稼げるし、攻撃面でこそ《丘巨人/Hill Giant》に劣るけれど、色々なコンバット・トリックともうまく噛んでくれるのさ。

コメント

みみみ
2012年7月16日23:50

同じとこ勉強に翻訳してみたんですがTakuさんの訳は自然で本当に凄いです!
参考にさせていただきますー

Taku
2012年7月17日0:30

> mimimiさん

いえいえ、こちらも同志が増えるのは嬉しい限りです!
丁寧に詳細な翻訳していくのも需要あると思うので、お互いに切磋琢磨できるようがんばります!

カサイ
2012年7月17日15:44

自宅警備隊長www

部下を3人もつけてなにから家を守るんだ?

REQUIEM
2012年7月17日20:01

祝復帰!

ざきもま
2012年7月17日21:42

隊長の号令は時代が悪すぎた

Taku
2012年7月17日22:09

> カサイさん

自宅警備隊長www
合計4人の食い扶持は大変そうですね。

> REQUIEMさん

ありがとうございます!
ご無沙汰しているのにコメントもらえて嬉しいです。

> ざきもま@クー子さん

全くその通りのようで。
でも前の時代でも、幽体の行列クラスと比べると流石に分が悪そうですね。

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