◆ ラヴニカへの回帰・レビュー アゾリウス(青白)
 
 Return to Ravnica Set Review – Azorius
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年9月26日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/return-to-ravnica-set-review-azorius/
 
 いつも通り、点数表はこの通り:
 構築
 
 5.0点:フォーマットをまたいでの大活躍。価格も大高騰間違いなし
 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
 
 4.0点:環境定番のカード。
 《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》、《スラーグ牙/Thragtusk》
 
 3.5点:色々なデッキで使えて強いけど、必須とまではいかない。
 《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》、《修復の天使/Restoration Angel》、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
 
 3.0点:アーキタイプが合えば必ず入る。
 《無形の美徳/Intangible Virtue》、《墓所這い/Gravecrawler》
 
 2.5点:定番として使われるデッキもあるけど、必須ではない。
 《熟慮/Think Twice》、《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》
 
 2.0点:隙間を埋めてくれるカード。サイドボード要因や、強いけどまだ居場所のないカード。
 《帰化/Naturalize》(結構2.0点がつくカードは多いから、2.0点がついたら説明が重要だって考えてくれ)
 
 1.0点:使われることもあるかもしれない。
 《空虚自身/One with Nothing》(これすらハウリング・オウルに対する秘密兵器として使われたとかなんとか。効果のほどは疑わしいが)
 
 
 
 リミテッド
 
 5.0点:何があろうとも使う。それだけ。
 
 4.5点:他に何が取れてようとも間違いなく使うレベル。
 
 4.0点:それだけのために色を使う価値がある。
 
 3.5点:見たらその色に行こうと思う。
 
 3.0点:その色が使いたくなる。色が合うなら100%使う。
 
 2.5点:このレベルのカードが何枚も取れたら色は確定。色が合うならほぼ間違いなく使う。
 
 2.0点:色が合うなら大体使う。70%くらいの確率で使う。
 
 1.5点:メインには半々くらいの確率でしか入らない。50%で使うかも。
 
 1.0点:これを使うようじゃ酷いデッキだと思わざるを得ない。30%くらい。
 
 0.5点:サイドボードとして使うことを考えなくもない。でも絶対にメインに入れない。10%くらいの可能性で使う。
 
 0点:メインだろうとサイドだろうと、絶対に使わない。
 
 
 いつも通りの注意だけど、点数だけじゃなくてコメントも読んでくれよな。同じ点数のカードでも、どうしてその評価になったかが全然違ったりするからさ。じゃ、楽しんでくれ!
《三巨頭の執政官/Archon of the Triumvirate》
 構築1.0点
 書いてあることは面白いけれど、7マナで飛行を出したいなら《静穏の天使/Angel of Serenity》を選ぶなあ。天使があるせいでフィニッシャーになれるかもしれない奴らも地面に留置されてしまうだろう。こいつもその中の一枚だ。
 
 リミテッド3.5点
 三巨頭って3体合体するってこと?とにかく、無事に殴れればゲーム終了だろう。もちろん、問題はそこまでたどり着くことだ。7マナで何の除去耐性もなく場に出たときの効果もないのは不安定。攻撃した時の誘発能力がそんなのをものともしないとはいえだ。重いフィニッシャーに関して言えば、こいつは悪くない。それでも必死でフィニッシャーを確保したいのでもなければ、《拘留の宝球/Detention Sphere》なんかより弱い。
《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》
 構築2.5点
 カードの質といえば、よく過小評価されてる要素に柔軟性がある。過去の構築級カードの中でも最高とうたわれたものの中には柔軟さを買われてのものも入っているんだ。どんな状況でも役立つというのは凄まじく強力だからね。典型的な例に《火+氷/Fire+Ice》がある。2枚の基本的には使えないカードが組み合わさったことで、使用可能な間、フォーマットを超えて色々なデッキで使われるカードに仕上がった。
 
 魔除けサイクルも考え方は同じで、使いどころを選ぶ、一つ一つは大したことのない効果が、まとまることでとても強力なものになるという寸法だ。アゾリウスチャームはまさにそれで、サイクリングそのものと、用途が限定的な絆魂を与える効果の二つが、より一般的なテンポを奪う効果にくっついてる。これら全てが合わさってしっくりきた。色々なテンポやコントロールデッキで使ってみるよ。サイクリング、バウンス、それに適当に5~10点くらいのライフゲインはとってもステキ。魔除けの中でこれが一番、地味な効果が合わさって強いカードになってるのを体現してるかもしれない。
 
 こいつや他の魔除けに関しては、PVの記事を参考にしてみてくれ。
 Spoiler Spotlight – PV On: The Charms
 http://www.channelfireball.com/articles/spoiler-spotlight-pv-on-the-charms/
 
 リミテッド3.5点
 絆魂のモードがかなり強いかもしれないし、2マナの《追い返し/Repel》はもちろんかなりのもの。2マナサイクリングできなくもないが、土地が詰まってるとか酷いことになってるのでもなければ、サイクリングはお勧めしないな。
《拘留の宝球/Detention Sphere》
 構築3.0点
 これの一番いいところは、《忘却の輪/Oblivion Ring》でやったみたいに無限ループを作ってMO(マジックオンライン)をクラッシュさせたりできないところかな。Walking the Planesより才気溢れるNate Holtが作ってくれたのがこちらだ:
 http://www.channelfireball.com/wp-content/uploads/2012/09/Awp42FaCAAAOgnS.jpg(画像)
 http://www.youtube.com/watch?v=AGXG5rNe_tI(参考動画:LSV Breaks MTGO)
 
 責任のうち少しは俺にあるんじゃないかとね、ちょっとばかり思ってみたり。残りの効果も強いよ。《忘却の輪/Oblivion Ring》は既に定番だし、何枚も処理できる能力がついたのは大きい。特に新しいプレインズウォーカーのカードパワーを考えると、ジェイス2種類を始末するのは骨が折れそうだからね。
 
 明らかにマナコストが使用に制限をかけるけれど、白と青が入るなら、《忘却の輪/Oblivion Ring》よりかなり優れているといっていいだろう。それに《忘却の輪/Oblivion Ring》も使われると思う。
 
 リミテッド4.0点
 確定除去は決して軽々しく流していいものではない。たまに2:1交換も取ることすら不可能ではない。いつも通り、たまにエンチャント除去で計算が狂うこともあるけれど、そんなことは滅多にないだろうから《名誉回復/Vindicate》と思って差し支えない。ああ、それと《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》と同じく、相手のパーマネントと名前が同じばっかりに、自分のものまで吹き飛ばしてしまったりしないようにしよう。
《劇的な救出/Dramatic Rescue》
 構築2.0点
 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》との差はなんて劇的なんだ。マナコストは2倍になって、攻めよりずっと守り寄りの効果がついてくる。ライフの変化が2倍になったからって、こいつは救出されそうにない。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》がフラッシュバックする対象に困ってこいつを使ったりするかもしれないが、とても《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》が占めていた位置を埋めることはできないだろう。守るのに使うなら面白い。だがそれでも、もっと多目的に使える《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》と、全く同じマナコストで争うことになるからな。
 
 リミテッド2.5点
 バウンス呪文を無理して取ることはないが、最初の1,2枚はとても良さそう。前のめりなデッキが相手にプレッシャーをかけるのにいいし、レースしていればライフを得るのも無関係ではない。遅めのデッキが盤面を膠着させるのにも役立つし、そういう用途ならライフゲインもずっと意味が出てくる。中速だが後半に勝ちきれないデッキがドラフトでできたら、あんまり強くない。中途半端な中速はやめておくことだ。
《閉廷宣言/Fall of the Gavel》
 構築2.0点
 驚くかもしれないが、俺はちょっとこういうカードが好きだ。確かにかなり重たいし、5マナの打消しは5点ゲインが役立つデッキを相手にしてるときに欲しいものじゃないが、効果は非常に強力だ。このカードが凄いとは言わないが、コストに見合った効果をもたらしてくれるから、超遅いコントロールデッキが盤面をゆっくりさせるのにうってつけだ。
 
 5ライフは打ち消すのにターンを丸々使って受けたライフ損失を埋めるのにぴったりだし、打消しが弱いことによって、あまり使われない打消しが強くなる。みんな打消しをケアしなくなって、打消しに弱いでっかいやつをプレイしてきたりね。試さずに捨てるなよ。
 
 リミテッド1.5点
 環境が素晴らしく、凍りついたように動かないような遅さでもない限り、メインというよりはサイドボード用だろう。必要なら使ってもいいけれど、ほとんどのマッチアップで凡庸だと思う。
《軽騎兵の巡視部隊/Hussar Patrol》
 構築1.0点
 俺が警戒している限り、こういうカードが構築級だと人々が欺かれることはない。
 
 リミテッド2.5点
 奇襲するのはそこそこできると思う。環境が進むにつれて確率は落ちるだろうけどね。プレリリースではさぞかし素晴らしかったことだろう。みんなが警戒してケアしだしても、そこそこの重さと中々のサイズだ。
《至高の審判者、イスペリア/Isperia, Supreme Judge》
 構築2.0点
 あまり手厳しく審判を下すつもりはないんだが、あまり感銘を受けなかったことは確かだ。対戦相手は結局のところ、攻撃しないことも選べるわけで、こいつは大抵の除去で落ちる。タフネスが4なせいで特に脆くなっている。理由の一つに、最良の除去《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》が使えるということとかね。前のスフィンクス(《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》)の方がずっと強かったけど、まあそっとしておいてやるか。
 
 リミテッド4.0点
 巨大な飛行生物で、しかもレースを仕掛けて攻撃してくる奴らにペナルティがつくなんて、まさにリミテッドでほしい効果じゃないか。イスペリアの能力は戦場に出たときに誘発する(EtB)能力に近い。すぐに除去しなければ、相手にとっては良くない状況になるだろう。

コメント

dioxide@イゼット団
2012年10月4日21:35

翻訳ご苦労様です。
閉廷宣言が妙に評価高いのにびっくりしましたw

じゃこ
2012年10月5日0:04

お疲れ様です
閉廷宣言の構築好評価は私もちょっと驚きですね
スフィンクスの啓示を唱えたくなるマナ域に被ってきますし
劇的な救出の方が好きそうな・・・ああ、でもこっちは点数同じでした

ゆうやん
2012年10月5日10:54

軽騎兵の巡視部隊は構築2点なんですか?コピペミスですよね?
いつもいつもお疲れ様です。たまにこうしてコメントをつけるこおしか出来ませんが、頑張ってください。

ペロペロ男爵
2012年10月9日0:00

本日ドラフトご一緒させてもらった者です。
リンクさせていただきました。
宜しくお願いします。

運び屋
2012年10月9日23:45

はじめましてhak0と申します。いままでDNは見る専だったのですがアカウントを作ったのでリンクさせていただきました。翻訳記事、とくに点数表は大変参考にさせてもらいました。コメントにてリンク報告失礼します。

ブラウニー@Mr.WJ
ブラウニー@Mr.WJ
2012年10月10日4:13

毎回、翻訳記事を見させてもらっています。
リンクさせていただきました。よろしくお願いします。

Taku
2012年10月10日22:56

コメント返信遅れてすみません。
風邪ひいたのにドラフトがやめられないダメな大人でした!!

> dioxide@イゼット団さん

ありがとうございます。
レアリティを差し引いても、吸収と比べてびっくりな弱さですが、環境内での相対的な強さゆえの評価ですが。もっとも、今後出てくるものによって覆りそうではあります。

> じゃこさん

まあコントロール脳のLSVだから、差し引いて考える必要があるかも?
巻き直しや雲散霧消も依然健在ですし、まあ選択肢の一つ、くらいでしょうか。

> ゆうやんさん

ミスですすいません!毎回一応全部消してるんですが、何故かたまにこういうミスは起きてしまいます。
コメントありがたいですよ。
間違いの指摘かと思ってビクビクしてるときもありますが。

> ペロペロ男爵さん

おおー、これはこれはどうもありがとうございます。
早速人の輪が広がるのは嬉しいですね。お相手ありがとうございました。
また一緒にドラフトしましょう!

> hak0さん

いらっしゃいませ!やはり受信だけでなく、発信もしたくなるのが人のサガ。
こちらからもりんくさせていただきますね。

> ブラウニーさん

どうもありがとうございます。コメント励みになります。
こちらからもリンクさせていただきますね。

nophoto
Travis
2012年10月30日15:23

Grade A stuff. I’m unequstiaonbly in your debt.

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