◆ ラヴニカへの回帰・レビュー イゼット(青赤)
 
 Return to Ravnica Set Review – Izzet
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年9月30日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/return-to-ravnica-set-review-izzet/
  
 構築
 
 5.0点:フォーマットをまたいでの大活躍。価格も大高騰間違いなし
 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
 
 4.0点:環境定番のカード。
 《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》、《スラーグ牙/Thragtusk》
 
 3.5点:色々なデッキで使えて強いけど、必須とまではいかない。
 《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》、《修復の天使/Restoration Angel》、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
 
 3.0点:アーキタイプが合えば必ず入る。
 《無形の美徳/Intangible Virtue》、《墓所這い/Gravecrawler》
 
 2.5点:定番として使われるデッキもあるけど、必須ではない。
 《熟慮/Think Twice》、《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》
 
 2.0点:隙間を埋めてくれるカード。サイドボード要因や、強いけどまだ居場所のないカード。
 《帰化/Naturalize》(結構2.0点がつくカードは多いから、2.0点がついたら説明が重要だって考えてくれ)
 
 1.0点:使われることもあるかもしれない。
 《空虚自身/One with Nothing》(これすらハウリング・オウルに対する秘密兵器として使われたとかなんとか。効果のほどは疑わしいが)
 
 
 
 リミテッド
 
 5.0点:何があろうとも使う。それだけ。
 
 4.5点:他に何が取れてようとも間違いなく使うレベル。
 
 4.0点:それだけのために色を使う価値がある。
 
 3.5点:見たらその色に行こうと思う。
 
 3.0点:その色が使いたくなる。色が合うなら100%使う。
 
 2.5点:このレベルのカードが何枚も取れたら色は確定。色が合うならほぼ間違いなく使う。
 
 2.0点:色が合うなら大体使う。70%くらいの確率で使う。
 
 1.5点:メインには半々くらいの確率でしか入らない。50%で使うかも。
 
 1.0点:これを使うようじゃ酷いデッキだと思わざるを得ない。30%くらい。
 
 0.5点:サイドボードとして使うことを考えなくもない。でも絶対にメインに入れない。10%くらいの可能性で使う。
 
 0点:メインだろうとサイドだろうと、絶対に使わない。
《薬術師の計略/Chemister’s Trick》
 構築1.0点
 私にいい計略がある。
 
 リミテッド2.0点
 計略の中でも上等な方だろう。除去を持たれていてこちらの受け止める予定だったクリーチャーを消されたりすると裏目るから、若干危険が伴うが1:1交換として大体使えそうだ。ほとんどの場合は軽いコンバット・トリックで、盤面がごちゃごちゃしてくると凄いってとこだろうね。ただ何枚もあっても、その分クリーチャーが少なくなってこいつが活かせなくなるだけだから、弱くなるだけだ。これがばかげた強さになるマッチもあれば、ほとんど意味のないマッチも出てくるだろう。
《対抗変転/Counterflux》
 構築2.5点
 スタンダードで複数の呪文を消すことはなさそうだが、打消し合戦に終止符を打てるのは魅力的だ。青赤のコントロールでもやはり《雲散霧消/Dissipate》が選択されると思うけれど、予想より打消しがずっと強かったとか、青赤が青赤以外のコントロールデッキに対して弱いとかなれば、打消しにこいつが選ばれることもあるだろう。他のフォーマットでは、ストームに対して有無を言わさぬ回答になるものの、4マナでは依然《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》の方が優秀だと思う。
 
 リミテッド1.5点
 純青赤のデッキなら(俺は純正2色それほどやらないと思うけど)、こいつはつまり《取り消し/Cancel》だ。まず取り消し自体がそれほど素晴らしくはないし、テキストが2行ばかり追加されたからってコストが増えてもあまり改善はしないな。
《世紀の実験/Epic Experiment》
 構築2.0点
 これほどの大実験ならいつでも真面目に考えなきゃならならない。儀式系のマナ加速が使えるフォーマットで間違いなく実験してみると思う(つまりモダンでやってみるってことだ)。更に掘っていけるようなら素晴らしい。もっとももし世紀の実験で世紀の実験がめくれたらぐにゃあ~ってなるけどさ。スタンダードでは、スペルしか入れてないデッキで《連絡/Tidings》もどきとして使ってみることはできるけど、やってのけるのはちょっと難しそうだ。もちろんコンリー(Conley Woods)は世紀の実験に着手してるだろうし、こちらで第一印象について書いてさえいるよ。
 http://www.channelfireball.com/articles/spoiler-spotlight-conley-woods-on-epic-experiment/
 
 リミテッド1.0点
 使われることは少ないだろうけど、使われたら凄いのは間違いない。呪文をたくさん入れなきゃならないだけじゃなく、状況に依存せず使える呪文を集めなきゃならないし、超過呪文も入れすぎたらダメで、しかも7マナか8マナ出るまで生き延びなきゃならない。中々骨が折れそうだが、俺は乗ったね。
《本質の反発/Essence Backlash》
 構築1.0点
 その呪文のパワーに等しいダメージを与える、か。つまり10点刻みでいうと何点のカードかでダメージが決まるってこと?どうやってその呪文の本当のパワーを測るってんだ?俺のレビューから点数をつけるのかい?それならもしものために1点をつけておこうか。
 
 リミテッド2.0点
 相手より優勢ならこいつは最高のカードだ。優勢なままに、ゲームに復帰しようとする相手の顔面にダメージを叩きこめる。《霊魂放逐/Remove Soul》+《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》は驚くべき強力な組み合わせで、たくさんのゲームを終わらせてくれるだろう。このカードが環境にあるから、ゲームがもう決まるなら、打ち消されてこちらが反対に死ぬようなクリーチャーをプレイするべきでないということもわかる。弱点は4マナの打消し呪文ということで、相手にこちらが構えてることを悟られたらそれほどうまくない。いったん序盤に十分展開することで支援してさえやれば、強力な武器になってくれる。
《火想者の予見/Firemind’s Foresight》
 構築1.0点
 おいおい、《連絡/Tidings》や《強迫的な研究/Compulsive Research》を心待ちにしてた俺でも、7マナはちょっとばかり重すぎる。3枚とも手に入るのは呪文というのが面白い。ただ呪文でなければならないというのがちょっと残念だけど。1マナの呪文がたまたま今の盤面で役に立たないのなら、7マナで格好いい《霊感/Inspiration》を使ってるみたいなものだね。3,2,1のコストの組み合わせでできるヤバいコンボが突如完成でもしない限り、マナを注ぎ込んだだけの見返りはなさそうだ。そんなコンボの存在する下の環境でも、7マナも支払うのは現実的でない。せっかくだから、俺はこの《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》を選ぶぜ。
 
 リミテッド1.5点
 3,2,1それぞれに優秀なサーチ先が何枚もあるなら入れよう。そうでないなら、7マナも使って2枚微妙なカードを引くのは勝利に貢献しないと予見しよう。
《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》
 構築2.5点
 レアみたいな効果だったから、コモンなのにびっくりしたよ。《陽景学院の使い魔/Sunscape Familiar》から《精神の願望/Mind’s Desire》につなげるのがどんなに素敵かまだ覚えてるよ。そんなんでこのゴブリンも、実力十分として使われるかもしれない。カードパワーは間違いなくあるから、一か八かのコンボを目指さなくても、スタンダードの青赤デッキで使われるくらい実力十分かもしれない。《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》とあれば、呪文で十分なアドとテンポが稼げるというもの。
 
 リミテッド2.5点
 2マナとして強いクリーチャーで、1マナか2マナしか軽くならないとしても、十分強い。序盤に1ターン早く呪文が唱えられるのは、実質4マナ以上得をしてるようなことが多い。こいつがいなければ他に何もできないなんて場合には特にね。デッキによっては悪用もできるだろう。
《超音速のドラゴン/Hypersonic Dragon》
 構築2.0点
 こういう実質バニラみたいなクリーチャーが強いと呼ばれる時代は終わったと思うけれど、パワー4の飛行速攻は覚えておく価値があるよ。ルール破壊の方はそれほど深いものじゃないと思うけど、時々ありがたいことがあるだろう。
 
 リミテッド4.0点
 ソニックブーム!相手を倒すのにこいつ以外大して工夫は要らないと思うけど、俺だったら欲張ってソーサリーが最低5枚くらい手札に溜まるまでプレイしないだろうな。
《イゼットの魔除け/Izzet Charm》
 構築3.5点
 魔除けとして軽く最強。スタンダードで四六時中使い、使われ、モダンでも若干見ると予想するね。《イゼットの魔除け/Izzet Charm》の柔軟性は本当に好きだ。どんな種類のカードに対しても回答になり、腐ってるならルーターにも使える。もちろん、2点ダメージと2マナ払わせるのは、そのどちらも《終止/Terminate》でもなければ《対抗呪文/Counterspell》でもないが、《ショック/Shock》/《呪文貫き/Spell Pierce》の分割カードだって見るものがあるし、最後のモードがこの魔除けをずっと大きいものにしてる。イゼットの魔除けはこれまで見てきた中では、《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》や《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》みたいなどでかい呪文に対して最高の対抗策だし、この魔除けは実に有用で柔軟だから、入れたくなるデッキは多いだろう。
 
 リミテッド3.5点
 リミテッドではおそらく《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm》に負けるが、それでも大安売りだ。こいつの効果は爆弾レアより優先して取るほど大地を揺るがすものじゃないが、除去や打消しとして非常に有効だし、後半土地を引きすぎたときの救済にもなる。
《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster》
 構築2.5点
 《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》は在任中スタンダードにとても影響を与えたけれど、こいつもさほど後れを取ってない。《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》が環境にないしサーチも容易でないのが大きな違いだ。バジリスクの首輪こそ、狡猾な火花魔道士の立役者だからね。擁護すると、トークンを撃ち落すのはこっちのが効率良いし、トークンは今大きな獲物だ。プレイヤーに撃ちこめなくなったのも無意味ではないから、今よりトークンが凄い使われるようにでもならない限り、静電術師の方はそこまで使われないと思う。
 
 リミテッド3.5点
 こちらのクリーチャーが巻き込まれるかもしれないし、本体にも叩き込めないが、それでもティムはティムだ。出てすぐに撃ちこめるおかげで、タフネス1が多くないデッキ相手でも最低1回は有効打が放てる。ちゃんと実力の裏付けがあるから、それほど流れるカードじゃないと思うよ。
《気紛れな薬術師/Mercurial Chemister》
 構築1.0点
 スタンダードは気紛れな環境とはいえ、こいつが勝利の方程式に組み込まれることはなさそうだ。5マナでターンが返ってくるのを待たなきゃならなくて、タフネスが3しかないのでは強いとはいえない。使用に耐えるとさえ言い難い。
 
 リミテッド4.0点
 コンリーの奴、俺らがスペルスリンガー(ガンスリンガー)を務めたプレリリースでこいつを2枚引き当ててね。俺も数ゲームコンリーとやってみた。幸運のコンリーって俺らが呼ぶのももっともだ。こいつが一度起動し始めたら勝てっこない。

コメント

じゃこ
2012年10月21日22:39

お疲れ様です
イゼットは使い時を選ぶカードが多いせいか高低評価が分かれてますねー
予見はドラフトで使われてるのを見ましたが
《ひきつけ》《迫撃砲》《取り消し》をサーチしていて
確かにワンチャンスはありそうに見えました

surucucu
2012年10月22日0:30

初めまして、リンクさせていただきました。いつも楽しませてもらっています。
読みやすく訳してあるのでありがたいです。

nophoto
通りすがり
2012年10月22日11:23

いつも翻訳お疲れ様です。先日エディタの日記でコメントした通りすがりです。
その後、色々考えていたんですが、毎回定型的なHTMLである事を考えると、
HTMLを快適に編集するというのをやめてみるといのもありかな、と思い始めました。じゃぁどうやって編集するの?って話ですが、具体的には以下の通り。

1.
ExcelでCSVを開く
2.
横一行を一つのカードとして考え、1列目がカード名、2列目が構築の点数、3列目が構築のコメント、という具合に翻訳内容を書き込んで行く。
3.
所定のファイル名で保存。
4.
同じディレクトリにあるexeファイル的なものをダブルクリックする。
*このプログラムは私が書きます。
5.
ダイアリーノートのHTMLにCSVの値が代入されたファイルが出力される。
6.
ダイアリーノートにコピペして貼り付け、細かいところはエディタで編集

っていう感じかな、と思っているんですが、もしワンチャンありそうなら適当にレスして下さい。進め方とか、教えていただきたい事を別途質問します。
あと当たり前ですが何も見返りは求めて居ませんので(笑)

Taku
2012年10月22日22:52

> じゃこさん

なん……だと……?
そんな予見なら、遅くても問題ないですね。
まあひきつけだの迫撃砲だのが単体で強いというのが理由の大部分な気もしますがwww

> surucucuさん

どうもどうも。読みやすく思っていただけたなら訳者冥利に尽きます。
意訳多めになっておりますゆえ。
こちらからもリンクさせていただきますね。

> 通りすがりさん

またまたコメントありがとうございます。

なるほど、確かにスクリプトなどを利用してテキスト整形するというのはありですね。
というか今までなんで思いつかなかったんだろう……。
Perlなどを使えば割合楽にできそうな気がして参りました。
協力していただくのはありがたくもどこか申し訳ないですが、エディターを変えるよりももしかするとずっと効果的なのかもしれません。

確実に上手くいくか確信がなく、お願いしていいものか歯切れのいいお返事ができませんが、よろしければまたレスなどくださいませ。

ゆきあ
2012年10月23日1:44

上の通りすがりです。
DN界隈では秘密日記で私信をやり取りするという文化のようなので、それに習って取り敢えずDN開設してみました。
//eastwest.diarynote.jp/201210230140338174/

取り急ぎ、Takuさんをリンクさせて頂きました。
多分、私をリンクして頂ければTakuさん宛の私信日記をご確認頂けるかと思います。

ご明察の通りPerlで考えていまして、ぶっちゃけ試作品が動いている感じです。
お暇な時にご確認下さい。ではでは。

ああああ
ああああ
2012年10月23日23:13

優れた翻訳をいつも楽しみにしています。

ところで《火想者の予見》で《ミジウムの迫撃砲》持ってくるプレイヤーって相当マジック上手いですね。インスタントをサーチするカードでソーサリーを持ってきて、なおかつ相手に気付かせないんですからね。

nophoto
Bashan
2012年10月29日1:52

That’s cleared my tohughts. Thanks for contributing.

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