◆ 【翻訳】神々の軍勢 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
 
 Born of the Gods Limited Review - White
 
 Luis Scott-Vargas, 2014年1月28日
 
 http://www.channelfireball.com/home/born-of-the-gods-limited-review-white/
 
 
《太陽神の一瞥/Glimpse the Sun God》
 リミテッド2.5点
 中にはこういう効果が他と比べて際立って役立つ環境もあるけれど、テーロスの経験からいって、役に立つか無意味かといえば中間くらいだろう(どちらかというと役立つ方に入ると思う)。相手の全軍をタップするのは盤面が膠着したときに最大の力を発揮する。道をこじ開けて15点一気にねじ込めるからね。きわどいレースにも役立つね。レースすることはありそうな環境だし。消耗戦やコントロールデッキを使ってるときは必要ないな。
 
 それに英雄的があれば攻撃性能が際立つ。相手の全軍をタップしながら、ついでに自軍のクリーチャーを対象にとれば、かなり魅力的に映るだろう。
 
 下の条件が複数当てはまるなら、積極的にとっていきたい。全く当てはまらないか、当てはまっても1つくらいなら、1枚だって入れたくないかもしれない(デッキの内容によって、凄まじい性能を発揮したりゴミだったりするカードがあるから、リミテッド環境が面白くなるんだよね)。
 
 1.デッキが前のめりであること。一番重要な条件だ。
 2.英雄的クリーチャーがいること。これも大切だ。
 3.終盤まで有効なカードがあるが、除去が無いこと。爆弾レアはあるけれど、唱えるまで生き延びるのが難しいとき。この使い方は苦しいけどね。
 4.フレイバー・ドラフトで、ヘリオッドをテーマにしたデッキが作りたいとき(ベンスターク風にね)。
《神に寵愛された将軍/God-Favored General》
 リミテッド1.5点
 攻撃して生き残らせたときの見返りは十分だけど、プレイヤーに寵愛されるにはちと誘発条件が厳しいようだ。恐れずに使っていけるコンバットトリックやオーラだってあるかもしれないが、そういうトリックやオーラは、俺なら代わりに英雄的って書いてあるクリーチャーに使いたいね。先手2ターン目にこいつを出すって夢もたまにはかなうだろうけれど、ほとんど7ターン目とかに引いてチャンプブロックに使うのが関の山だろう。
《大アカシカ/Great Hart》
 リミテッド1.0点
 4マナ域がこれしかないとかの、でもしかなら。
《グリフィンの夢掴み/Griffin Dreamfinder》
 リミテッド2.0点
 1/4飛行は、大体のブロッカーを抑え込めるから嬉しいところ。普通そんなスペックのためだけに5マナは払いたくないから、戻すエンチャントが2枚くらいあれば使いたい。エンチャントを2枚拾うのはそんなに難しくないだろうし。
《イロアスの英雄/Hero of Iroas》
 リミテッド3.5点
 オーラが軽くなるなんてまさに英雄。いつだって英雄的とオーラで、巨大なオーラバトラーを作りたい。オーラ無しのデッキなんてそうそうないだろうから、早い順目で消えるカードだろう。最悪でも熊で、ブン回った時の性能は折り紙つき。1ターン早く授与して、英雄的を誘発させたらかなりの強さだ。
《くぎ付け/Hold at Bay》
 リミテッド1.0点
 タフネスにしか影響しないコンバットトリックとか、上手く使われたら目が釘付けになりそう。自分自身に使えたとしても、必要なマッチ以外では23枚目のカードにすらなりはしないだろう。
《忠実なペガサス/Loyal Pegasus》
 リミテッド1.5点
 2/1飛行というスペックはお供を積極的に神風特攻させたいほどではないから、家畜ばりに働かせるには回避能力持ちの数がほしいところだ。タフネス1でダブルブロックするのは旨くないが、複数のクリーチャーで攻撃してきたら効果的なブロックもできるかもしれない(そして攻撃側は簡単にそんな事態を回避できる)。忠実なペガサスと土地だけのデッキとか組んでみたいね。5体とか6体とかずらずら並べてみるのを想像してみてくれ!
《定命の者の熱意/Mortal’s Ardor》
 リミテッド2.5点
 中々イカす軽量コンバットトリックだ。+1/+1という修正はイマイチだが、1マナという軽さで効率が良い。序盤こいつは1マナで相手のクリーチャーを討ち取り、ライフゲインがおまけについてくる。後半には授与のついたクリーチャーに唱えて、5点以上のライフを稼いでくれるだろう。
《ニクス生まれの盾の仲間/Nyxborn Shieldmate》
 リミテッド3.0点
 《従者/Squire》を仲間に入れたいと思ったことは無いけれど、バニラ授与クリーチャーサイクルは結構気に入ってるんだ。戦術的なプレイに対するご褒美になるし、きっと役立ってくれるだろう。サイクルのどれもがぶっ壊れではないけれど、堅実に使えるカードだ。
《オレスコスの太陽導き/Oreskos Sun Guide》
 リミテッド2.0点
 《旅する哲人/Traveling Philosopher》はよく俺のデッキにも旅で紛れ込んだものだけど、軽量クリーチャーで英雄的と書いていない奴はあまり好きでないんだよね。絆魂よりかなり劣るにしてもだけど、ライフ回復はいいね。あまりコンボを狙ってみようとは思わないけどさ。
《羽撃王/Ornitharch》
 リミテッド4.0点
 貢納は面白いメカニズムだ。相手が選べるというのは大きな欠点だが、そのどちらもが強力なら大体問題ない。懲罰者カード(《怒鳴りつけ/Browbeat》や《焚書/Book Burning》のようなカードだ)と比較すると、懲罰者の2つのモードがかなり異質だった。つまりどちらが選択されても嬉しいということはほとんどなかったといえる。
 
 こいつを見てみると、5/5飛行もしくは3/3飛行と1/1飛行2体がばらまかれるわけだけど、リミテッド的にそのどちらもが5マナに見合うものだ。どちらかのモードを効果的に対処するカード自体、それほど存在しない。でも単体除去で処理できる分、5/5飛行として出ることが多いかな。
《導きの嘆願/Plea for Guidance》
 リミテッド1.0点
 エンチャント2枚のために6マナを支払うってのは、かなりぶっ飛んだことをやり始めない限り重すぎる。リミテッドで重さに見合うだけのことを起こすこと自体がまずない。単純に2枚カードを引っ張るとしても、6マナ支払うというのは損失だよ。
《存在の破棄/Revoke Existence》
 リミテッド1.5点
 他のエンチャント・アーティファクト除去と比べて、ドラフトならメインに入れても差し支えないし、シールドでは強いとさえ言えるかもしれないが、どちらにしてもあまり嬉しくはない。追放とは愛嬌があるけど、神を相手にするとき以外ほとんど関係ないだろう。リミテッドで計算に入れることじゃない。サイドボードにあるとかなり嬉しい一枚なんだえkど、だからといってドラフトで優先的に取りたくなるほどでもない。プレリリースなんかのシールドでは、これが効くカードを相手が何枚見せたか覚えておこう。サイドボード後、何枚について有効か把握しておくのはかなり重要だからね。
《沈黙の歩哨/Silent Sentinel》
 リミテッド3.5点
 重たい飛行で、能力を使うには攻撃に参加する必要があって、さらに墓地にエンチャントを要求するというのは、サイズが十分であっても手放しで褒められたものではない。白が使いたければプレリリースで白を選べばいい。俺はプレリで白を選ばないけどね。
《迷宮の霊魂/Spirit of the Labyrinth》
 リミテッド3.0点
 《第六隊の刃/Blade of the Sixth Pride》は普通に使えるカードだった。こいつは第六隊の刃よりちょっと困った奴になることがある。《タッサの褒賞/Thassa’s Bounty》をしょっちゅうデッキに投入する俺としては、迷宮で迷子にならないようにしないといけないな。もっともそんな自体になる人はほとんどいないだろうけど。2マナ3/1というのはリミテッドならまず投入できるサイズだし、構築で通じるカード(ほら、レガシー級のカードだぞ)を使うなんてきっと素敵さ。
《陽絆/Sunbond》
 リミテッド1.0点
 絶対に使うなとはいえない。ターボライフゲインみたいなデッキがドラフトで組めれば、少なくとも使えるカードにはなる。ようやるなって感じではあるけど。
《ブリマーズの先兵/Vanguard of Brimaz》
 リミテッド3.0点
 白1マナと無色1マナより、白白ダブルシンボルの方が強い可能性があるってのは面白いね。もっとも信心系のデッキでも、2マナは唱えやすい奴がいいだろうけど。《沈黙の職工/Silent Artisan》はダブルシンボルだから、白1と無色4の包囲マストドンよりかなり強く使えたけど、それは5マナだからだ。軽いカードにも万遍なく当てはまるわけじゃない。それはともかく、《ブリマーズの先兵/Vanguard of Brimaz》は攻撃的なクリーチャーで、更にまあまあの英雄的能力も持っている。エンチャントしたクリーチャーが処理されると一緒に消えてしまう+1/+1カウンターが乗るのでなく、1/1のトークンがばら撒かれるんだ。警戒もついてて悪い能力じゃないどころか、かなり重要になることすらある。それでも、英雄的を狙わない白系のデッキで使いたくなるほどではないけどね(そんなデッキが存在すればだが)。

 
 
 白のコモントップ3
 3.《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》
 2.《散兵の精鋭/Elite Skirmisher》
 1.《ニクス生まれの盾の仲間/Nyxborn Shieldmate》
 
 小セットでは各色のコモントップ3を見ていきたい。3枚選ぶのすら、層の薄さに苦労することもあるけどね(白、お前のことだぞ)《ニクス生まれの盾の仲間/Nyxborn Shieldmate》が無条件で最良のコモンだ。でも最強という意味ではない。強く組めた英雄的デッキなら、《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》が一番強力になり得るだろう。でもドラフト序盤では、《ニクス生まれの盾の仲間/Nyxborn Shieldmate》から始めるのが無難だ(特に盾の仲間は空護衛も欲しいデッキで一番輝くからね)。散兵の精鋭は中間で、英雄的を目指すデッキでも目指さないデッキでも中々だけど、どちらで使っても無条件に強力なカードではない。テーロス同様、白は攻める色だし、英雄的は未だにゲームの核だ。
 
 
 
 LSV

コメント

re-giant
2014年2月12日23:55

大量訳お疲れ様です。《大アカシカ/Great Hart》の原文の「He’s got hart, I’ll give him that.」は色々と訳の選択肢があって面白そうかもしか。

Taku
2014年2月14日0:04

> re-giantさん

いえいえ、少し気恥ずかしかったですが、やはり人に読んでもらえるというのは嬉しいです。

大アカシカは腕の見せ所だったのですが、今一つ決定的で面白い訳が思い浮かびませんで……でもしか系でうまく面白みを出せると良かったのですが。

ちょこりす
2014年3月8日23:54

Mortal’s Resolveの説明がMortal’s Ardorのモノになっていると思います。

Taku
2014年3月12日0:09

> ちょこりすさん

ご指摘感謝です。修正しますね。

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