◆ 【翻訳】チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンの使った白黒アグロ
 
 #TeamCFBP Deck Tech – White/Black Aggro
 
 By Zvi Mowshowitz 2014年8月5日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/teamcfbp-deck-tech-whiteblack-aggro/
 
 チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンで調整する最大のメリットの一つが、サム・ブラック(Sam Black)特製の最新デッキを味わい、また制作側に入れることだ。サムは思いもよらないようなカードを取り上げて、活躍させる方法を見つけてくるんだよ。そして誰も考え付か鳴ったような戦略を一流の戦略にしてみせるんだ。初期段階では、実際に使うときのデッキよりずっとぶっ飛んだ構成なんだけどね。今日紹介するデッキは、もともと《ザスリッドの屍術師/Xathrid Necromancer》と《カルテルの貴種/Cartel Aristocrat》を、《戦列への復帰/Return to the Ranks》と《ヘリオッドの指図/Dictate of Heliod》で強化する人間デッキだった。そのままでも凄いことは色々できたけど、苦労が報われたと思ったのは、人間デッキを考えたことで、スタンダード現環境を相手どるための骨格をサムが見出せたときだ。そのときのデッキには、スタンダードで必要なことをしないカードがたくさん入っていた。それはつまり、単体で、かつ速やかにゲームに勝利するということ。速さと支配力がないと《群れネズミ/Pack Rat》、《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》に飲み込まれてしまう。
 
 今日紹介するデッキのテーマは、軽くて単体でゲームを終わらせられるカードを使うこと。群れネズミが対処されなければ、唱えるのはその1枚だけでゲームに勝てるというのは周知の事実だね。《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》や《管区の隊長/Precinct Captain》はネズミ並みではないものの、見た目より相当やり手だ。ブリマーズや隊長の効果は累積するから、速やかに巻き返しの不可能な盤面になるし、コントロールに対しては後続をさほど追加しなくても解答を迫ることができる。《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》は典型的な重量級アタッカーだ。《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》の方が好みでも、このデッキは自分のクリーチャーを対象にとりたいことがままあるので、オブゼダートを採用している。《冒涜の悪魔/Desecration Demon》や《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》はマナカーブを埋めつつ、デッキによっては悪夢のようなカードだ。
 
 単体で強いクリーチャーを入れてはいるものの、手助けが必要なこともある。《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》や《森の女人像/Sylvan Caryatid》に対しては、こちらのクリーチャーが素のままでは小粒すぎることが多い。それが《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》や《責め苦の伝令/Herald of Torment》を入れている理由だ。オブゼダートがいれば群れネズミ無しでも十分最後の一押しを決められるし、群れネズミだけで押し勝てるゲームも相変わらず存在する。それに《儚き盾/Ephemeral Shields》でクリーチャーを守ることだって可能だ。管区の隊長やブリマーズのトークンを使えば、大体マナを使わずに唱えられるだろう。
 
 デッキの残りの部分は、標準的な《思考囲い/Thoughtseize》と除去パッケージだ。群れネズミを相手にするため、《胆汁病/Bile Blight》は外せない。胆汁病は加えて他の用途でも何かと役に立ってくれる。《英雄の破滅/Hero’s Downfall》はスタンダードで最も信頼でき、かつ柔軟な除去だ。《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》や《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》、それにサイドボード後は《テューンの大天使/Archangel of Thune》や《夜帷の死霊/Nightveil Specter》と、コントロールデッキ相手でも引いて悪くない除去の部類だね。除去、手札破壊に優秀なクリーチャー、群れネズミとマナを使わずにネズミを守る呪文と、マナさえきちんと出れば、最高のネズミゲーができるよ。
 
 このデッキを成立させた立役者こそ、マナ基盤だ。《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》と《マナの合流点/Mana Confluence》が、《静寂の神殿/Temple of Silence》と《神無き祭殿/Godless Shrine》を補完する形で、白白の要求されるカードも黒黒の要求されるカードも回していくことができる。そして群れネズミと《変わり谷/Mutavault》があることで、マナフラッドのリスクも緩和することができる。まあ綺麗なマナベースではないし、結構痛い。試合によっては土地からダメージをくらい続けてライフが一桁にまで落ち込むこともあるだろう。しかし、こちらのカードはとても強力なので、一度も攻撃を受けずにゲームを終わらせられたりすることもしばしば起きるし、必要な時は手を休めてダメージを喰らわないようにすることもできる。
 
 このデッキはサイドボードも素晴らしい。デッキには核となる、絶対に抜かない部分もあるけれど、他のカードと入れ替えて質を高める枠も存在する。《儚き盾/Ephemeral Shields》、《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》、《責め苦の伝令/Herald of Torment》は、相手を妨害するための手札破壊や除去にすることがよくあるし、除去をより効果的な除去や手札破壊にすることもあるね。青単信心は《放逐する僧侶/Banisher Priest》と《貪る光/Devouring Light》、それに《神討ち/Deicide》が苦手で、《波使い/Master of Waves》と《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》でゲームを押していきづらくなる。コントロール相手には《強迫/Duress》が刺さるし、《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》はたいていオブゼダートと交換で参戦するけど、現環境最強の貫録を見せつけてくれる。たまにどちらも入れずマナカーブを低めに寄せることもあるたとえば対青単信心戦とか)。両方抜いてしまっても大丈夫なときはね。《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》は相手の血男爵を撃ち落とすし、クリーチャーをまっとうに展開してくる白や緑のデッキに対しては、特に工夫の必要もなくカードアドバンテージをむしり取っていく。《貪る光/Devouring Light》の採用は、相手の展開に追いつく目的と、マナカーブを低くするためだけど、管区の隊長もブリマーズも盤面を押さえつけるという点では、サイドの手を借りなくとも優秀だ。
 
 さてこのデッキだが、柔軟に入れ替えて調整のできる枠が存在する。プレイヤーによっては間違いなく、儚き盾をリストラして除去を入れたいと思うだろう。もっとビートダウンを相手に調整してみれば、問題なく除去と入れ替えられるかどうか分かるだろう。トドメになるカードや除去もまた、枚数を増減したり、あるいはもっと大胆に変えてみてもいい。赤や緑のデッキも、一戦一戦が重要なプロツアーでかなり目にしたから、他の相手を想定して入れているカードを入れ替えれば有利に戦えることも多そうだ。
 
 他のサムが作ったデッキの例に漏れず、サイドボードには特定のデッキへの対策カードより、デッキの調整をするためのカードが多い。サイドボードを行うときは、マナカーブをいじったり、相手に合わせた適切なクリーチャー、除去、手札破壊を入れたり、相手に対してより有利に働くよう、カードを入れ替える。サイドボードは相手がどうゲームを展開してくるかが鍵だね。白黒アグロは、相手が何であれ料理する道具を持っている。2ゲーム目、相手がこちらのカードに対してノーケアで動いてきたら、3ゲーム目その意識されなかったカードを入れてみるといい。相手がケアして動いてきたら、他のカードが突き刺さるだろう。特に《儚き盾/Ephemeral Shields》と《貪る光/Devouring Light》は、対戦相手の警戒次第で全く価値が変わってくる。
 
 
 土地
 4:《神無き祭殿/Godless Shrine》
 4:《静寂の神殿/Temple of Silence》
 4:《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
 2:《マナの合流点/Mana Confluence》
 4:《平地/Plains》
 2:《沼/Swamp》
 1:《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
 4:《変わり谷/Mutavault》
 
 クリーチャー
 4:《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
 4:《管区の隊長/Precinct Captain》
 4:《群れネズミ/Pack Rat》
 4:《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》
 1:《責め苦の伝令/Herald of Torment》
 2:《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
 2:《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》
 
 呪文
 3:《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
 3:《胆汁病/Bile Blight》
 4:《思考囲い/Thoughtseize》
 2:《儚き盾/Ephemeral Shields》
 2:《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》
 
 サイドボード
 4:《放逐する僧侶/Banisher Priest》
 2:《貪る光/Devouring Light》
 3:《強迫/Duress》
 1:《神討ち/Deicide》
 2:《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
 3:《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》

 
 
青単信心へのサイドボーディング
 IN
 4:《放逐する僧侶/Banisher Priest》
 2:《貪る光/Devouring Light》
 1:《神討ち/Deicide》
 OUT
 2:《儚き盾/Ephemeral Shields》
 2:《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》
 1:《責め苦の伝令/Herald of Torment》
 2:《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》
 

 
黒単信心へのサイドボーディング
 IN
 2:《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
 OUT
 2:《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》
 

 
白黒へのサイドボーディング
 IN
 2:《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
 3:《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
 OUT
 2:《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》
 2:《儚き盾/Ephemeral Shields》
 1:《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》
 

 
青白系コントロールへのサイドボーディング
 IN
 3:《強迫/Duress》
 3:《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
 2:《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
 OUT
 3:《胆汁病/Bile Blight》
 1:《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
 1:《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
 2:《儚き盾/Ephemeral Shields》
 1:《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》
 

コメント

YMS
2014年8月7日21:22

いつも翻訳お疲れ様です&ありがとうございます。
Takuさんの翻訳記事が更新されているとおぉやったぜ!ってなります。

特に今回と前々回の日記は、個人的に今かなり興味のある黒白の内容だったこともありとても楽しく読ませていただきました。

Taku
2014年8月9日1:04

> YMSさん

どうもありがとうございます。
訳している側も、温かいコメント本当にありがたいです。
読みに来てくださる方が多いのも励みになりますが、やはり言葉でコメントをもらえると嬉しさもひとしおです。

期待に応えられるようにまたアップしてきます!

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