【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー マルドゥ・白 (by LSV)
2014年9月16日 翻訳 コメント (3)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー マルドゥ・白 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Mardu + White
Luis Scott-Vargas, 2014年9月14日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-mardu-white/
タルキール覇王譚のセットレビューへようこそ!今回は3色の氏族を一つ一つ、単色のカードと一緒に評価していくよ。今日はマルドゥ(赤白黒)と、白のカードを見てく予定なんだが、白はアブザンとジェスカイにも属す色でもある。だから白のカードは、マルドゥ・アブザン・ジェスカイ視点で比較検討していくことになるかな。多色は多色で、2色は2つの氏族でどうかって具合に、きちんと見ていくからね。最終的には全てのカードをレビューするわけだから、これが理に叶ったやりかただと思う。
多色のカードの評価は、ほとんどのデッキが3色で構築されるって前提で評価していくよ。全部が全部3色なわけじゃないけれど、アラーラの断片のときの経験からいえば、3色以外でデッキを組むのは大変だったからさ(アラーラは3色セットの先輩。マナ安定要素は今回ほど充実してなかったけど)。3色前提ってことはつまり、多色のカードの評価が現実の色拘束を計算に入れた場合より、ちょっぴり高くなるということだ。だからといって、色安定要素を全く取らずにいても全く問題ないという意味じゃないよ。アラーラの断片では、3色土地ことタップイントライランドは十分初手で取って良かった。今回もそこは変わらないだろう。
いつも通り、点数付けはこんな具合だ:
というわけで、カードを見ていこう!
多色
マルドゥ
白
白のリミテッドトップ5
5.《必殺の一射/Kill Shot》
4.《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
3.《大物潰し/Smite the Monstrous》
2.《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
1.《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
白のコモンはどれも超強力ではないものの、マルドゥのコモンは気に入ったよ(子馬乗り部隊のことね)。《必殺の一射/Kill Shot》を過大評価しているかもしれないというのは分かってるんだけど、対戦相手の巨大な多色カードに対する回答は、持っておくのが望ましいと思うんだ。《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》は本当に強いと思うし、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》は攻守ともに隙がない。この環境では全ての色が、それぞれ異なるスタイルを持つ氏族に複数属しているせいで、同じ色でもカードの性質に競合が起きている。白のコモンにも見て取れるね。氏族ごとの食い合わせによって、単色の柔軟さが決まってくるだろう(強襲と果敢は相性のいい組み合わせだけど、長久は合わないなど)。あと、真の力を発揮するのに、どのくらい氏族のテーマに合わせた構築をする必要があるのかというのも未知数だ。考えるのはきっと楽しいぜ。難しい問題だけど、リミテッド環境に習熟するためには、考えるのが大切さ。
明日はティムールをレビューするよ。もしかすると、ティムールこそ最強の氏族かもしれないぜ(文字通りの意味でね)。
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Mardu + White
Luis Scott-Vargas, 2014年9月14日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-mardu-white/
タルキール覇王譚のセットレビューへようこそ!今回は3色の氏族を一つ一つ、単色のカードと一緒に評価していくよ。今日はマルドゥ(赤白黒)と、白のカードを見てく予定なんだが、白はアブザンとジェスカイにも属す色でもある。だから白のカードは、マルドゥ・アブザン・ジェスカイ視点で比較検討していくことになるかな。多色は多色で、2色は2つの氏族でどうかって具合に、きちんと見ていくからね。最終的には全てのカードをレビューするわけだから、これが理に叶ったやりかただと思う。
多色のカードの評価は、ほとんどのデッキが3色で構築されるって前提で評価していくよ。全部が全部3色なわけじゃないけれど、アラーラの断片のときの経験からいえば、3色以外でデッキを組むのは大変だったからさ(アラーラは3色セットの先輩。マナ安定要素は今回ほど充実してなかったけど)。3色前提ってことはつまり、多色のカードの評価が現実の色拘束を計算に入れた場合より、ちょっぴり高くなるということだ。だからといって、色安定要素を全く取らずにいても全く問題ないという意味じゃないよ。アラーラの断片では、3色土地ことタップイントライランドは十分初手で取って良かった。今回もそこは変わらないだろう。
いつも通り、点数付けはこんな具合だ:
5.0点 強すぎる神いわゆるゴッド。《群れネズミ/Pack Rat》、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
4.5点 素晴らしい爆弾レアだが、対処できなくはない。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》、《超音速のドラゴン/Hypersonic Dragon》
4.0点 優秀なレアや、それに比肩し得るアンコモン。《密集軍の指揮者/Phalanx Leader》、《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士/Vitu-Ghazi Guildmage》、《混沌のインプ/Chaos Imps》
3.5点 トップコモンや強力なアンコモン。《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad》、《屑肉の刻み獣/Dreg Mangler》
3.0点 ほぼデッキに入る良カード。《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad》、《本質の散乱/Essence Scatter》
2.5点 まず抜けることのないカード。《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur》、《死の歓楽者/Dead Reveler》
2.0点 数合わせでデッキに入る。でもたまに抜けるカード。《蛮族の血気/Savage Surge》、《前兆語り/Omenspeaker》、《武器庫の護衛/Armory Guard》
1.5点 頭数の水増し。入るかどうかは半々くらい。《鋤引きの雄牛/Yoked Ox》、《長屋壊し/Tenement Crasher》
1.0点 数合わせとしても役不足。ほぼ入らない。《迷宮での迷子/Lost in a Labyrinth》、《無視/Pay No Heed》
0.5点 ギリギリデッキに入るかどうかなカード。もしくはサイドボード用カード。《瓦礫の調査/Survey the Wreckage》、《天界の粛清/Celestial Purge》
0.0点 役立たず。《市内捜査/Search the City》、《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
というわけで、カードを見ていこう!
多色
マルドゥ
《足首裂き/Ankle Shanker》
リミテッド3.5点
こいつというよりマルドゥのカードは大体、ビートダウンする側で使いたいだろう。ドラフトでマルドゥを使うなら殴り1択、というようなことはないと思うけれど、殴りに行った方が良いことは多そうだ。マルドゥの力の大部分は強襲のメカニズムから来るものだから、強襲に関係なく毎ターン自然に攻撃に行けるデッキなら、ぐっと強さも上がるというもの。コントロールでも強襲は使えるけれど、誘発できなかったり、したくない戦闘をしなくてはならない羽目になるかもしれない。ビートダウンなら、そういう事態にはなりにくいだろう。
そんなことを踏まえた上で、足首裂きを見てみよう。馬鹿げて低いマナレシオ(と名前)だが、その脅威はホンモノだ。敵軍で先制攻撃がついていないクリーチャーが全部チャンプブロッカーに成り果てるせいで、押していた盤面が一気に喉元へ迫るものとなる。一番の欠点は、こいつが単体だと大した脅威でないことで、登場の前にお膳立てしておかないと、大して戦局は動かない。それでも、こいつのせいで相手を叩きのめせることもあれば、膠着した盤面を文字通り破壊してのけれるカードなのは間違いない。
《軍族の解体者/Butcher of the Horde》
リミテッド4.0点
2番目の能力がなくたって強いのに、その2番目の能力が異様な強さだ。ダメージレースを挑むのが難しい巨大な飛行クリーチャーは、3色のマナコストに見合ったものだし、こいつに寄せた構築を全くしなくても十分強い(とはいえ、餌を用意しておけばもっと強くなるけどね)
《刃の隊長/Chief of the Edge・鱗の隊長/Chief of the Scale》
リミテッド3.0点
白黒という色で、平均どのくらい戦士が集められるかまだ分からないんだけど(こいつら正確にはマルドゥ専用じゃないけど、それっぽいからさ)、ここの評価は戦士がそんなに集まらないって前提だと思ってくれ。あまり無理なく2ターン目に白黒を出せるようなら、2枚はどちらも単体でマナコストに見合ったクリーチャーだから、他にも戦士がいれば嬉しい実用的なおまけがついてくることになる。戦士がたくさん入ったデッキならとても強く使えると思う。入れておいて不満が出ることはないと思うな。
《はじける破滅/Crackling Doom》
リミテッド3.5点
《悪魔の布告/Diabolic Edict》系のカードとしてはかなり強化されてて嬉しいね。「パワーの一番高いクリーチャー」と書いてあるから、相手は適当なクリーチャーを身代わりにできない。かなり強いところをむしり取れるわけだ。普通、布告系の除去は相手の一番弱いクリーチャーを倒しておしまいなものだが、こちらは全くの別物。2点のダメージだってあると無いとでは随分違う。
《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy》
リミテッド3.0点
攻撃クリーチャーにタダで《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》がついてくるってのは実に素晴らしい。2番目の能力も、全軍突撃で効果を上げやすくなるだろう。ただ、攻撃し続けないと腐るカードの一つだから、評価する際にはそこんところを考えてね。
《マルドゥの魔除け/Mardu Charm》
リミテッド3.5点
どんな魔除けだろうと、1つ目のモードが「クリーチャー1体を対象とする。~の魔除けはそれに4点のダメージを与える。」で始まってれば強いに決まってる。一つ強いモードがあれば、他の2つが完全なボーナスとして考えられるからね。実際には、他の2つのモードも使うことになるだろう。使用割合はそれぞれ60%:30%:10%くらいだろうか。1/1を2体出して、犠牲を出さずに相手のクリーチャーを討ち取るのは中々嬉しいが、普通はでかいところを除去するのが優先されるだろう。生贄を要求するカードも少数存在するし、強襲のために攻撃するクリーチャーが必要なこともあるだろうから、この《急報/Raise the Alarm》っぽいモードも悪くない。最後の《強迫/Duress》モードを使うのは、もうほぼ勝ちが決まっていて、負け筋を潰しにかかるときくらいだろう。そうでなければ温存しておいて除去として使う方がよほどいいんだから。相手のターン終了時やドローステップに《強迫/Duress》モードで使ってから、アンタップしてゲームを決めに行くとういのは全然ありなんだが、他の2つのモードと比べて、何故このモードで使うか理由が必要だ。それはともかく、こいつはリミテッドで強い魔除けの一つだ。柔軟さがいかに強力かというのを雄弁に語っていると思う。
《マルドゥの荒くれ乗り/Mardu Roughrider》
リミテッド2.5点
こいつを抑え込むのは容易じゃない。ブロッカーを使って止めようとすれば、尚更辛いことだろう。呪文を使えば何とかなるし、ちょっとばかり出てくるのは遅いが、クリーチャーで止めるのは困難を極める。こいつを止めるため、デカブツを2体残してきた相手に除去を合わせたら大惨事間違いなしだ。こいつに戦闘で挑むなら、こちらから仕掛けるのが一番だろう。
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》
リミテッド3.0点
タルキールのゴブリンは、頭が悪そうで最高だ。この子馬乗り部隊は特にギャグ漫画みたいに見えて、実はかなりのやり手。展開はゆっくりだけどね。コモンで4体のクリーチャーをばら撒けるのは特筆に値するし、変異がリスクヘッジとして機能している。普通なら、6マナのクリーチャーは手札にたまっていって、プレイできなくてあっさりゲームに敗北する原因になったりする。3ターン目に繰り出すカードにできるのは、かなり大きいといえるだろう。今一度言うけど、やっぱり柔軟性は強力だってことさ。これを使って相手を罠にかけることもできる。突然変異を解除してブロッカーを展開したり、あるいは相手のターン終了時にばら撒いて奇襲をかけたりね。
《騎乗追撃/Ride Down》
リミテッド2.5点
押されているとき、救いの手になる除去呪文でないとはいえ(除去の最も基本的な使い方の一つだ)、相手の防壁を突破してダメージを通すのに一番簡単な方法の一つだ。普通のコンバットトリックのように2:1交換を取られるものでなし、ダメージまで押し通すことができる。こういうカードの欲しいデッキでは、点数以上に早く取りたいカードだろうね。でも手を休めず攻撃し続けるって要件を考えると、これに早めに手を出したばかりに使えないということにもなりかねないんだよなぁ(特にこれは2色だし、コントロール色の強いジェスカイになったりするかもしれない)
《完全なる終わり/Utter End》
リミテッド3.5点
土地でないパーマネント除去でも、対象は毎回クリーチャー、なんてなっても完全に驚いたりしないね。それでも依然、強力だし初手級だ。それにこれは2色だから、多くの多色カードより制限が緩い。どの氏族に落ち着くか分からないとき、制限が緩くて使えるカードはかなり偉い。
《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》
リミテッド3.5点
ズルゴは最低でも7点ダメージをねじ込むか相手のクリーチャーを排除できる。被害の小さい方を相手が選ぶとはいえ、最低ラインにしては凄い。更にデッキによっては、ズルゴへの有効な対処手段が皆無ということもあるだろう。マイナス修正や追放除去で倒されるとはいえ、唱えるのに膨大なマナがかかるわけでもないから、全く何もせず退場することはまずないだろう。ブロックはあまり得意でないとしても、赤白黒というマルドゥの色がまず守りを考える色じゃないだろう。本当に必要なら第2メインに唱えてもいいけれど、自分のターン以外は脆いことに気を付けて。
白
《アブザンの戦僧侶/Abzan Battle Priest》
リミテッド3.0点
長久のついてるクリーチャーはどれも強く見えるけど、その中でも仲間にキーワード能力を与える奴らは素晴らしい。最初から内蔵されている能力ではないから、能力をつけるためには1回攻撃かブロックを飛ばさなきゃならないけれど、反面、組み合わせて有用という強みもある。出せばすぐに絆魂がつくこともあるだろう。絆魂が即つくのは大きい。最悪でも4マナ3/2だし、色々とそれ以上の活躍をする能力が付いてるから(大きくなれるし、絆魂を自分や友軍につけれる)、サイドに置いておくことはまずないだろう。こいつの場合、生き残るためのライフを当てにしてるのでない限り、戦闘中にやられても計算が狂いにくいしね(得られる予定のライフが無くなって窮地に陥ることはあるとしても、飛行や先制攻撃が突然無くなるより軽傷で済むはず)。
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》
リミテッド3.0点
飛行なら任せろーバリバリ。3マナ2/3とか、4マナ3/2よりサイズまで優秀じゃあないか。とはいえリスクはこっちのが大きい。こいつ自身が飛んで殴るのは安全でも、他の長久クリーチャーが飛んで殴って、戦闘中に鷹匠が撃ち落とされたら大惨事になりかねない。それだけ覚えておいてくれ。俺はこいつをデッキから抜けって言ってるわけじゃないからね。
《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
リミテッド3.0点
他の長久クリーチャーもだが、こいつはやり手だ。どのクリーチャーもぶっ壊れでないにせよ、長久コストはかなり安いからね。全員にマナを行き渡らせたりとか、全軍をタップするわけにはいかないという意味では少しもじもじすることがあるとはいえ、能力を共有するという意味ではコンボだ。意図されて作られてるんだろうけど、ゆっくりじっくり攻めるデッキにはぴったりだよ。俺は気に入ったな。
《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》
リミテッド2.0点
4マナ2/3飛行というのは、まあまっとうな方のクリーチャーで、警戒がついてるから平均より上と言っていいだろう。4マナが他にもいたら抜くかもしれないけど、使うことの方が多いんじゃないかな。
《砂への挑戦/Brave the Sands》
リミテッド0.5点
超強いカードには見えないですな。まずデッキに入れる気がおきない。長久と相性が良くない上に、サイズも上がらないんじゃねえ。過去の環境でこの手のカードが強かったためしもないし……。
《まばゆい塁壁/Dazzling Ramparts》
リミテッド1.5点
なんて後ろ向きであることに積極的なんだ。越えられない壁を感じるぜ。大体のものを受け止められるくらい硬いし、止められないものならタップしてしまうこともできる。とはいえそんなに能率がいいわけじゃないから、重たいカードの好きな俺ならともかく、どんなデッキでもお呼びがかかるとはいかないね。
《果敢な一撃/Defiant Strike》
リミテッド2.5点
超軽いからお手軽にデッキに入れられるけど、その分単体では大したことをしないカードになってしまった。果敢を誘発するにはうってつけだから、ジェスカイが一番強く使えると思うけど、2/3いらのクリーチャーが頭数いれば、どんなデッキでも仕事はするだろう。俺はキャントリップが好きだからよく入れるけど、本当の意味でどんなデッキにでも入るカードではなさそう。果敢に寄せたデッキで使えば立役者になるかもしれないにしてもね。
《対立の終結/End Hostilities》
リミテッド3.5点
リミテッドの全体除去は好きじゃない。特に重い奴は嫌いだって何度も言ってきたけれど、5マナはまだ悪くない方だろう。対立の終結はゆっくりした立ち上がりを埋め合わせてくれるし、過剰なまでの盤面を作った相手を咎められるし、ドラフトで授与を持ち込まれてても安心だ!5マナなら、タップインの土地だの戦旗だの置いていれば、展開しないでもそこまで不自然には映らない。とはいえ一度相手に持ってることがばれたら、急速に価値も失ってしまうけどね。前のめりなデッキなら使わないと思うけど、ミッドレンジ~コントロールデッキなら喜んで入れるだろうね。
《消去/Erase》
リミテッド0.5点
メイン登用には消極的にならざるを得ない。サイドボード用。リミテッドより構築向けだよねこういうの。
《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
リミテッド3.0点
多用途なコンバットトリックって素敵だよな。こいつは戦闘でも、除去でもクリーチャーを守ってくれるし。しかも永続的に強化してくれるトリックときてるから、とにかく優秀な呪文だ。クリーチャーでも除去でもない枠を消費するカードだから、大概のデッキでこの手のカードを入れる枠は多くないと思うけど、似たような呪文の中では最強格だろう。
《炎蹄の騎兵/Firehoof Cavalry》
リミテッド1.0点
1マナ域に大量のマナをつぎ込んで、相手の2マナ域と相討ちするというのは、デッキを考えるときのプランとしてはちょいと苦しい。どうしてもクリーチャーが必要というのでもなければ、サイドがお似合いだろう。
《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》
リミテッド3.5点
長久してる間、盤面で押し負けないようにトークンが出るとは、単体でシナジーを持っている。素晴らしい戦士だ(もっともこいつのクリーチャータイプは兵士なんだが)。いつ引いてもマナをつぎ込む先として優秀だし、何より1マナと軽いのがいいね。奇妙な格好以外はまるで欠点がない。
《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》
リミテッド4.0点
4マナ3/4飛行というサイズだけで弱いはずがない。能力も保証付き。インスタントで味方を育てられる上に、自身までデカくなる。取らない理由がない。
《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》
リミテッド2.5点
実は俺、2マナ1/3とか結構好きでね。しかもこいつが戦闘にいく場合、トリックで急襲してくるかもしれないという恐怖を与えられる。果敢は面白いメカニズムで、こちらが何も動かなくても、果敢というだけで相手が考えてくれるんだ。なるほど格闘技ってのはこういうものかもしれないな。マナを立てておけば、対戦相手的には果敢を意識せざるを得ないから、果敢がついていないクリーチャー相手にするときは、通常とは違う動きをしてくるだろう。相手が何を持っているか分からないと、そう動かざるを得ない。とはいえこいつの場合、アタックしても1点ぽっちだから、俺にとっては防御性能の方が大切かな。マナを立て続けるとテンポロスにつながるから、果敢は守る側が使ってもそこまで怖くない。何も考えられずに入れられるカードじゃないな。
《必殺の一射/Kill Shot》
リミテッド2.5点
実は俺、こういう守りを固めるカードって好きなんだ(守れるカードがないと禁断症状で手が震える)。それに3マナと軽めだから、その程度のマナなら立てていても露骨な構えには見えんだろう。ブロックに回れない長久クリーチャーを使わずに3マナ立てたら、これがありますって言ってるようなものだから、ちょっとばかり長久とは相性が微妙だけどね。マナ効率も良好とはいえ、守るカードだから使わないデッキもあるだろう。後ろ向きな戦略を考えてたら棚ボタ的に取れたりするかもね。
《マルドゥの悪刃/Mardu Hateblade》
リミテッド2.0点
マナを立てておいて結局使わないというのは嫌なんだけど、こいつはマナ効率がいいから多分使うと思う。どんな盤面でも大体何も恐れずに突っ込んでいけるだろうし、ブロックするなら1マナくらい、立てておいてもどうということはない。最初の3ターンに展開できるカードが必要なこともあるからね。こいつなんてぴったりさ。
《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
リミテッド3.0点
サイドボードにこいつを置いておくようなデッキとかあるのかね。クリーチャーの多くない、守りを固めるデッキでも、3マナ2/3は別に悪くない。しかもたまにオマケの従者までくっついてくる(しかもなんと両方戦士だ)。クリーチャーが7体しかいないとかなら、入れないこともあるかもしれないけれど、そんなデッキ自体そう滅多にあることじゃないだろう。
《真珠の達人/Master of Pearls》
リミテッド4.0点
こちらに真珠の達人がいるとバレてたり、あるいはいそうな気配を察知されてても、これだけ強力な効果だとケアしてプレイするのは難しい。攻勢に回ってて相手が追いつめられていたら、一方的な《神の怒り/Wrath of God》みたいに使えるだろう。素敵だね。どうしても必要なときに2/2として展開することだって可能だ。貝のごとくに閉ざしたる世間の口をこじあけて、真珠をちょうだいするのみだってね。
《戦場での猛進/Rush of Battle》
リミテッド1.5点
こいつが輝くのは戦士デッキで使ったときだと思うけれど、ソーサリーだからねえ。《清められた突撃/Sanctified Charge》が強すぎたせいで見劣りしてるのかもしれないけど、《踏み荒らし/Overrun》系の中でも底辺だと思う。絆魂がつくのは魅力的だから、10~15点くらいライフ回復できるなら中々良さそう。でもドラフト中に急いで取る必要があるとは思わないな。仮に俺がこれを欲しいと思うくらい戦士を取っていたなら、他の人は欲しいと思わないはずのカードだからね。
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
リミテッド2.0点
変異がついてて空の守りもガッチリとくればどんなデッキに入れても申し分ない。とはいえ、どんなデッキでも優先して取られるカードにはならないだろう。中堅どころのサイズをもった変異クリーチャーがいれば、変異で出して除去を誘うことで、生き残らせたい変異を守ったりできて中々結構だけど、1ゲーム目はそれほど関係ないことでもあるし、変異ばかり取ろうとは思わないよ。
《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》
リミテッド2.5点
長久を払わないといえば、こいつなんかは長久しなくても支障がないカードの代表格だ。この高タフネスはいいね。序盤生き延びるのに貢献して、終盤は殴りにいくこともできる。仕事のできる生物ってのはこういう奴だ。
《道の探求者/Seeker of the Way》
リミテッド3.0点
大きくなる上に、絆魂を得られる熊とくればかなり魅力的だ。果敢デッキを組むとすれば、まさにこういうカードこそが立役者になるだろう。ダメージレース中のライフゲイン目的で送り込むのもいい。コンバットトリックが十分あれば、手痛い一撃をお見舞いするのも難しくないはずだ。
《包囲戦法/Siegecraft》
リミテッド1.0点
全世界1億人の《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》ファンの皆、やったね!一般的にオーラは強くない。それにこいつはリスクに見合うだけの強さすらない。
《大物潰し/Smite the Monstrous》
リミテッド3.0点
こういった限定的な除去がどの程度必要なのか、何度も使ってみないで正確に評価するのは難しい。《大物潰し/Smite the Monstrous》自体、特別マナ効率に優れているわけではないからね。特に噛み合わないで撃てないこともままあるとくれば尚更だ。それでも、相手の巨大クリーチャーを倒す手段が必要で、しょっちゅうデカブツに悩まされるなら、1,2枚は確保しておきたいカードになるだろう。潰しがきかなそうに見えても、取っておいた方がいいのかもね。普通なら2.5点くらいだけど、3.5点級のカードに出世しても驚かないよ。大物つぶし、獰猛、長久、果敢と、活躍できる下地はあるからね。
《停止の場/Suspension Field》
リミテッド3.5点
なんて奇妙なカードなんだ。《未達への旅/Journey to Nowhere》が強すぎたのは理解できるし、これが弱すぎると主張するつもりもない。実際、強さは全く問題ない。何がヘンなのかって、《大物潰し/Smite the Monstrous》(と獰猛)でパワー4以上を参照したと思ったら、今度はタフネス3以上をチェックするのかい?ややこしくて絶対、間違う人が出てくるぜ。それはともかくとして、軽くて幅広いクリーチャーに通用する。優秀な除去だ。やったね!
《武器を手に/Take up Arms》
リミテッド2.5点
スッゴイ急報なだけあって、凄い名前に凄い効果だ。とはいえ何も考えずに投入するんじゃなくて、正当な理由が欲しいところかな。気高く戦士が好きと言ってみるとか、神秘的に果敢を誘発させたいとか、あるいは生贄が欲しいという邪悪な理由でもいいだろう。まあ事情は人それぞれでも、表面上大したことが無さそうに見えて中々のやり手だから、手を伸ばす人もぼちぼちいて、結構早めに消えるカードだと思う。それと、全軍突撃して勝ちに行くかどうか決断する上で、こういうカードの存在は覚えておきたい。撃てば大体の攻撃は受け止めてくるカードだからね。
《機を見た軍族朋/Timely Hordemate》
リミテッド3.0点
こいつの点数は他にどんな2マナがいるかによって変わるものの、強いときは本当に強い。殴ったクリーチャーが止められて討ち死にしても、すぐさまこいつを出せば死んだクリーチャーが帰ってくるから、何も犠牲にすることなく攻撃できるのは素晴らしいね。《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》二世と呼んでもいいくらいだぜ(ん!?まちがったかな…)
《尊いラマスー/Venerable Lammasu》
リミテッド1.5点
アンコモンでパワー5の飛行が欲しければどうぞ。見た目どおりです。デッキによっては血眼でフィニッシャーを探し求めることもあるだろうけど、俺は重たい変異や長久クリーチャーを使う方がいいなあ。
《軍用ビヒモス/War Behemoth》
リミテッド2.5点
変異といえば、軍用ビヒモスは素敵なサイズの上に、分割支払いにも対応してる。まさに求めていた人材だ。3マナ域をこいつで埋められるのは中々良い感じだから、入れ過ぎることは中々ない。カードのどの面を取っても、そこまで凄い強い感じはしないのにね。マナコスト、変異コスト、サイズとどれも一級ではないのに、全部が合わさって柔軟なカードに仕上がってる。
《休息地の見張り/Watcher of the Roost》
リミテッド3.0点
これまた特別優れた点はないけれど、カード全体でみると優秀な奴だ。3マナ2/1飛行は良好だし、変異がついてるのも中々いい。飛び上がりつつ2点ライフゲイン出来るのも悪くない。マナを使わないで解除できる変異のアイディアはとてもいいと思うけど、2点のライフゲインよりスゴい効果がついてると、もっと盛り上がれると思うんだけどね。
《風番いのロック/Wingmate Roc》
リミテッド4.5点
神話レアらしさについての議論は別にして、リミテッドでこいつは驚異的なカードだ。5ターン目に強襲を達成してこいつを唱えたら、攻撃についてくるライフゲインを抜きにしても負けようがない。押されていても押し返せて、元から優勢なときは速やかに相手を倒せる強力なカードは、まさに爆弾レアに求める性能そのものだ。
白のリミテッドトップ5
5.《必殺の一射/Kill Shot》
4.《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
3.《大物潰し/Smite the Monstrous》
2.《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
1.《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
白のコモンはどれも超強力ではないものの、マルドゥのコモンは気に入ったよ(子馬乗り部隊のことね)。《必殺の一射/Kill Shot》を過大評価しているかもしれないというのは分かってるんだけど、対戦相手の巨大な多色カードに対する回答は、持っておくのが望ましいと思うんだ。《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》は本当に強いと思うし、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》は攻守ともに隙がない。この環境では全ての色が、それぞれ異なるスタイルを持つ氏族に複数属しているせいで、同じ色でもカードの性質に競合が起きている。白のコモンにも見て取れるね。氏族ごとの食い合わせによって、単色の柔軟さが決まってくるだろう(強襲と果敢は相性のいい組み合わせだけど、長久は合わないなど)。あと、真の力を発揮するのに、どのくらい氏族のテーマに合わせた構築をする必要があるのかというのも未知数だ。考えるのはきっと楽しいぜ。難しい問題だけど、リミテッド環境に習熟するためには、考えるのが大切さ。
明日はティムールをレビューするよ。もしかすると、ティムールこそ最強の氏族かもしれないぜ(文字通りの意味でね)。
LSV
コメント
いつもありがとうございます。
コメントはやっぱり励みになるね!
ありがとういえーい。