◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー スゥルタイ・黒 (by LSV)
 
 Khans of Tarkir Limited Set Review – Sultai
 
 Luis Scott-Vargas, 2014年9月16日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-sultai/
 
 
 
《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute》
 リミテッド3.0点
 へえ、名前からすると壁とか、ガッチリ系クリーチャーかと思ったけど違うのか。でもとにかく、殴ってればとてもマナレシオの良いクリーチャーだから、大体のデッキでは採用していいだろう。クリーチャーの少ない、防御的なデッキでだけ疑問符がつくくらいかな。一番支払うだけライフに余裕のあるデッキが、一番敬遠するってのは面白いね。
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
 リミテッド3.0点
 ライフを支払ってカードを引くのは何度もできることじゃないから、複数枚取るとどんどん弱くなっていく。でも4枚見て2枚を選ぶというのは超強力だ。探査とのシナジーもおまけとしては中々嬉しい。スゥルタイのコントロールで欲しいのはまさにこういうカードだろう。
《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
 リミテッド3.0点
 前のめりなデッキなら、これぞまさに欲しい一枚。ミッドレンジ~コントロールに寄るほど、これ自体の強さは薄れてしまうから、初手としては、評価が同程度の他のカードに譲ることになるかもしれない(逆にいえば、前のめりになれば3.5点くらいの評価になる)。
《死の投下/Dead Drop》
 リミテッド2.0点
 死んでも使ってみたい一枚だけど、あらゆるデッキで使えるカードではなさそう。ガチで探査を組んでなくても、探査カードを1,2枚採用して軽く唱えることができるというのは、メカニズム的に良いことだ。でもそれは、探査カード同士の食い合わせはあまり良くないということを反映している。死の投下はかなり重いから、少なくとも少しは墓地を肥やせるよう、労力を割かなくてはいけないだろう。でも6ターン目くらいにこれが使えれば、かなり強いと思う。あと、イラストがかなりいい感じだ。唱えられなくて手札で腐ってたら、絵を見て楽しめばいいな。
《消耗する負傷/Debilitating Injury》
 リミテッド3.0点
 分かりやすく、軽くて使いやすい。デッキにあって重みにならない。
《蔑み/Despise》
 リミテッド1.0点
 リミテッドでこういうカードって本当に嫌いなんだ。手札から何か落とせてやっと1:1交換を取れるわけだけど、相手はマナを消費してない上、外したときは無残そのもの。これを唱えたときどんなことが起きるか、相手の凄まじく強いクリーチャーが落とせた場合を含めて考えても、適当に他のそこそこのカードを入れた方がマシじゃないかと思える。そうは言ったものの、全く出番がないわけじゃない。もし相手のデッキに超重量級の強力生物がみっちり詰まってて、その上どいつもこいつも、手札破壊以外対処のしようがないカードばかりなら、サイドから投入することはあるかもしれない。「もし」とか「かもしれない」とかが多いけど、嫌いって明言するからにはちゃんとした理由があるんだよ。
《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
 リミテッド3.0点
 縁を切るなんてとんでもない。かなり多芸なクリーチャーだ。強襲を達成するのにぴったりだし、前のめりなデッキの序盤ブロッカーになるし、終盤は自身を大きくして殴りにも行ける。
《従順な復活/Dutiful Return》
 リミテッド1.5点
 強力なクリーチャーがたくさん取れてて、かつ探査を使わないで、しかもカードアドバンテージが必要なら、使ってもいいだろう。大半のデッキは3つも条件があったら当てはまらないものだから、まあ要するに22枚目とか23枚目のカードだね。強いときはかなりの性能を発揮するから、そこだけは普通の数合わせカードと違うところだね。
《奈落の総ざらい/Empty the Pits》
 リミテッド2.0点
 《悪逆な富/Villainous Wealth》と同じようなカードだけれど、悪逆な富より軽く、効果はより強力な可能性がある。安定して墓地にカードを落とし続けられるなら、6マナでゾンビを4体出すとかも夢じゃないかもしれないし、あるいはもっと凄いことになるかも。名前と違って、カードは奈落の底辺ってわけでもない。普通のデッキには入らないと言ってもね(採用頻度を考えると1.5点級だが、もし使えるような場合はずっと高い点数になるから2.0点をつけておくよ)。
《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
 リミテッド3.5点
 変異解除の軽さを考えると、カードを数枚引けるような状況にもっていくのは難しくないはずだ。3マナ3/2で、簡単にカードを引けるというのは破格の性能だから、特に工夫しなくても強いはずだ。デッキによっては更に凄まじい芸当が可能性もある。これをサイドボード要員にしておくデッキなんてありえないだろう。
《グルマグの速翼/Gurmag Swiftwing》
 リミテッド1.5点
 よく考えてみたんだが、強襲があっても素晴らしく強いカードではないんじゃなかろうか。強襲があるからという理由で採用はできると思うけど、他に入れる理由があまり見当たらない。オーラがテーマであるわけでもなし、探査や長久との相性も特に見るものはないし。
《ケルゥの吸血者/Kheru Bloodsucker》
 リミテッド1.5点
 でかいクリーチャーが多い?おめでとう!既にデッキは十分強いね!確かに、そういうデッキで強いカードだとは思うけれど、他に単体で強いカードがあるときだけ、それによりかかる形で強いカードって、あまり嬉しいカードじゃないよね。サクり台とかドレインする機械いうより、除去対策カードという印象を受けるけど、長期戦になったら相手を吸い殺せることもあるかもな。
《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
 リミテッド1.5点
 これまたうさんくさい防御カードだけど、重いのでもっさり感は否めない。地上を止めてくれるし、生き残るためのライフも稼いでくれるから、俺は結構使ってもいいかなと思うけど、欠片も興味がないというデッキのが多いだろう。
《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》
 リミテッド2.5点
 変異としても別に強いとは思えない。変異は高タフネスのが俺好みというのもあるし、表になっても戦闘で一方を取れず、大体相討ちというのは凡庸だ。でもまあ、マナカーブを埋める目的なら入れてもいいんじゃないかな。
《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》
 リミテッド3.0点
 ブロッカーとしての性能は惨めなものだけど、2:1交換が取れる可能性があるってだけで、どんなデッキでも採用したい。ほぼ強襲を達成できないという確信があるならのけておいてもいいけど、入れない理由を探す方が難しいくらいだ。
《マー=エクの夜刃/Mer-Ek Nightblade》
 リミテッド3.0点
 戦闘中除去られたくないクリーチャーランキングでも、かなり上の方に名前がある奴だ。しかしそれを差し引いても優秀。マナコストの割には小粒なクリーチャーだけど、それも速やかに自己解決するからね。3/4接死はシャレにならん。
《殻脱ぎ/Molting Snakeskin》
 リミテッド1.0点
 ここまで見てきて、やっとカード未満のカードだ!マナ効率が良いわけでもなく、除去やバウンスへの弱点が増やすだけという。探査の餌で追放してるときが一番輝くかな(注:お勧めはしないよ)。
《残忍な切断/Murderous Cut》
 リミテッド3.5点
 ついカッとなってしまったかい?これぞまさに探査呪文のあるべき姿。普通のカードより1マナか2マナ重いだけで、突然予想外のところから1マナで撃ったら大惨事を引き起こせる。
《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》
 リミテッド4.0点
 5マナくらいで唱えられるというだけで強いし(5マナといっても、5ターン目に唱えることはあまりないと思うけどね)、実質タダでクリーチャー除去のできる能力までついているのは超強力。いずれ餌が尽きるにしても、1体倒せるだけで十分すぎる。
《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》
 リミテッド1.5点
 パワーが上がるというのは分かるけど、強いセットだから戦利品にわざわざ頼らなくてもいいんじゃないかな。戦士がたくさん取れてるか、トークンをばら撒けるのでない限り(そういうデッキなら、戦士トークンも混じってることだろう)、4マナあれば何か違うことができるはず。
《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret》
 リミテッド2.5点
 《精神腐敗/Mind Rot》はいつもギリギリ入るくらいの強さで、環境によっては強カードだ。無視できないマナ加速までついているなら、結構使えるはずさ。
《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》
 リミテッド1.5点
 しかるべきデッキで使えば、カードアドバンテージを稼いでくれる強力なカードだと思うのだけれど、とても気の長い話だし対象も選ぶから《霊体の地滑り/Astral Slide》と呼べるほどではなさそう。長久クリーチャーが6体以上いれば、多分強い。だから2パック目とか3パック目で長久クリーチャーが取れてたら、取ってみていいと思う。この手のカードを最初に確保して、そこからこれを機能させるためのカードを集めるのは好きじゃない。勿論、使ってみたらただ強だったという可能性もあるけど、多分そこまでではないと思う。
《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
 リミテッド3.0点
 6マナのカードは、デッキにたくさん入れちゃダメって言っただろ!あ、でも俺は欲張ります。節度を守って楽しみたい系プレイヤーなら、6マナとして最初に枠を取るのはこういうカードだ。確定除去はそう簡単に諦められるものじゃないからね。蛇トークンが出るというオマケもジャマにはならない。まあ格段に強くなるわけでもないけどね。脈絡のないアブザンいじめは何なんだ?
《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》
 リミテッド1.0点
 環境が変異クリーチャーで溢れてるせいで、パワーたった2の、重たいバニラを使う理由がほとんどない。ところで朽ちたらタフネスが上がるっておかしくない?
《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
 リミテッド3.5点
 1マナ1/1接死として出せる選択肢があるだけで、強くないはずがない。それにこいつは、突然相手の巨大クリーチャーを打ち倒したり、ライフが追いつめられている対戦相手にとどめを刺すこともできる。実に多芸だ。
《よろめく従者/Shambling Attendants》
 リミテッド2.5点
 ほとんどのデッキで、重めの探査枠は1,2枚だとすると、こいつに活躍の場は多くなさそうだ。それでもクリーチャーとしては強い部類だから喜んで使いたいと思うけれど、他の探査系カードと比べると見劣りするのも確か。
《シディシのペット/Sidisi’s Pet》
 リミテッド3.0点
 変異解除が軽くて、ブロック性能も良好。変異からのライフゲインも驚くほどではないにしろ、ついてて悪いものじゃない。
《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
 リミテッド3.5点
 探査をつけてくれるなら、3/3飛行が1マナ重くなったって全く構わない。しかも大体、4マナくらいで出てこれるとくれば実に素晴らしい。探査の入れ過ぎには気を付けたいけれど、こいつは探査軍団でも筆頭候補だね。
《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》
 リミテッド2.0点
 最初は小さいものの、ひとたび戦闘が起きれば栄えある巨大飛行クリーチャーの仲間入りだ。こいつ中心のデッキが組めたらさぞかしバケモノのような強さだろうけれど、そんな頑張らなくても危険なカードであることは間違いない。相手の場にこいつがいたら、戦闘を仕掛けたいとは思わないね。ただ、除去やバウンスに対する脆さがあるから、あまり早く取りたいカードではないかな。
《絞首/Throttle》
 リミテッド3.0点
 《鞭の一振り/Lash of the Whip》が超強力だと主張する人はついぞ見たことがないけど、それとてデッキから抜けるようなカードでもなかった。変異コストと絞首を同時に構えられれば、ちょっと強さも増すというもの。それにつまるところ、除去は除去だからね。《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》の方が確定除去な分、重要だと思うけど、6マナのカードを大量に入れたら自分の首を絞めてるようなものだからね。
《不撓のクルーマ/Unyielding Krumar》
 リミテッド2.5点
 白黒デッキで使えば、止めにくい《丘巨人/Hill Giant》だから悪くはない。目を見張る強さではないにしろね。

 
 
 黒のリミテッドコモン トップ5
 1.《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
 2.《消耗する負傷/Debilitating Injury》
 3.《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
 4.《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
 5.《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
 
 黒は重たい除去に、優秀な飛行生物、前のめりデッキ御用達なクリーチャーと揃い踏みだ。中々幅広いラインナップだけど、特にカードの質が気に入った。黒には全マナコストに色々な選択肢があって、どんな種類のデッキを組むときでも役立つカードがある。
 
 明日は赤と一緒にティムールをレビューするよ。ティムールは赤い氏族じゃないんだが、マルドゥと白を最初に組み合わせちゃったものだからさ。全く一筋縄ではいかないゲームだぜ。
 
 
 
 LSV

コメント

ざきもま
2014年9月23日21:18

最期のが切れてますよ。2.5点のところ
毎回楽しみにしています。
ゴミあさりは毎回大活躍でした。幻影獣として使うことがたいていでしたね

Taku
2014年9月23日21:26

> 入札黙示録ざきもまさん

最後なので、嬉しくて勢い余ってすっ飛ばしちゃったかな。ご指摘感謝します。

幻影獣懐かしいですねー。火力で落ちるとはいえ素晴らしいスペックでした。

ゴミあさりは密かに戦士なのも見逃せないポイントです。

お気に入り日記の更新

お気に入り日記

登録したユーザー
384
登録されたユーザー
1001

この日記について

日記内を検索