◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー ティムール・赤 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Temur
Luis Scott-Vargas, 2014年9月17日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-temur/
赤のリミテッドコモン トップ5
5.《素早い蹴り/Swift Kick》
4.《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
3.《苦しめる声/Tormenting Voice》
2.《矢の嵐/Arrow Storm》
1.《打ち倒し/Bring Low》
赤は状況やデッキを選ぶカードが多いから、評価も揺れる部分が多い。前のめりなカードはアンコモンに多いものの、コモンで攻めるカードは少なめだから、赤系の速攻デッキが有力なら驚くことになると思う。3色に傾いて、タップイン土地の数が増えたり、マナ基盤の不安定要素が増したら、速攻デッキの強みの序盤の強さが薄れてしまう。そうするとそもそも速攻というゲームプランが疑問に感じてしまうな。コントロール向けな除去は3色デッキに合いそうだし、《苦しめる声/Tormenting Voice》使ってドローを安定させるというのも良い感じだと思う。赤い《予言/Divination》の名前は伊達じゃないぜ。
明日はアブザンと緑、それからいくつか残ってるカードをレビューしてセットレビューをまとめるよ!
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Temur
Luis Scott-Vargas, 2014年9月17日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-temur/
《反逆の行動/Act of Treason》
リミテッド1.5点
デッキによっては超強力で、また多くのデッキにとっては取るに足らないカードの代表例だから、点数をそのまま捉えたらいかんよ。前のめりなデッキにとっては、3色のマナ基盤で重たいクリーチャーを出してきた相手を咎めるのに最適な手段だ。殴らないデッキなら、サイドボードに残しておくのがいいね。
《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker》
リミテッド2.5点
突然先制攻撃3/3に化けて相手を討ち取る使い方でないと、唱えるにも及ばない感じだ。変異の中でも最弱クラス。そうはいっても、色の合っている変異をサイドに下げておくのはそうそうできることじゃない。
《弧状の稲妻/Arc Lightning》
リミテッド4.0点
巨大生物が跋扈している環境では普段ほど壊れじゃないにしても、依然優秀だ。いつでも1:1交換は取っていくし、2:1交換を取れることもあるだろう。衝撃の3:1交換だって十分あり得る。
《矢の嵐/Arrow Storm》
リミテッド3.0点
ストームって書いてあるカードをドラフトで取るのはお好き?5マナ4点でも十分。それが5マナ5点になってもそこまで超強化ではないけれど、総括して特別優先するほどではないが、優秀な除去といったところだろう。本体に撃ちこんでゲームを終わらせることもできるのはいいね。大半の火力と同じく、前のめりなデッキで使えば更に輝くだろう。
《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
リミテッド4.5点
他の変異と真逆に、まず表で出されてから裏になる。これは素晴らしい。4マナ4/1飛行は強力だし、死んで2/2になるのも嬉しい。更にマナさえあれば何度でも帰ってくるのはマジでぶっ壊れだ。
《石弾の弾幕/Barrage of Boulders》
リミテッド1.5点
相手の場に小粒なクリーチャーが並んでたら明らかに強い。そこそこのサイズのクリーチャーがいて盤面が膠着しそうときにも悪くない。強い場面を2つ考えてみたけれど、それでも依然入れたくないゲームが多そうではあるから、メインには入れないで始めようかなと思ってるよ。
《沸血の熟練者/Bloodfire Expert》
リミテッド1.5点
実はあんまりこいつのこと好きじゃない。リミテッドの熟練者として考えると、タフネス1の果敢クリーチャーは変異相手に上手く立ち回れない。だからセットの中でもこいつは強くない3マナって扱いになると思う。果敢デッキが組めたら、クリーチャー枠に死にやすい奴を残しておく余裕なんてないはずだし、果敢デッキでなければ大したことはしてくれないだろう。
《沸血の導師/Bloodfire Mentor》
リミテッド2.0点
このルーターのガタイが良くなった代わりに、ルーター能力が重くなるって謎の傾向はどこから来たんだろう?とはいえ個人的にはそう気に入らなくもない。無条件で入れられるわけではない……というより実際にはかなり劣化だけど、ルーター能力自体はもっと面白くなった。ブロックしたいデッキで、掘って辿り着きたい強いカードもあるならうってつけのカードということになるね。青赤のデッキでそういう立ち位置のデッキはどのくらい作れるか分からないけれど。
《打ち倒し/Bring Low》
リミテッド3.5点
4マナ3点火力のままだと、強いとまでは言い切れずともそれなり。3点では倒せなさそうなクリーチャーを、実際には結構倒せるのは優秀だ。おまけにインスタント除去とくれば、たくさん取っても多すぎるということはないだろう。
《焼き払い/Burn Away》
リミテッド3.0点
特定の氏族を狙い撃ちする火力が複数あるとか、他の色にこれまで無かったと思うけれど、何も悪いことはないね。《打ち倒し/Bring Low》とくらべるとオマケは大きくないけれど、それでも相手のクリーチャーを焼いて、永遠に退場願うには十分だ。
《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》
リミテッド2.5点
表になったとき、タフネスの上がらない変異に対する不満をまた書いておかないといけない。対戦相手がまず、戦闘で変異にクリーチャーをぶつけてもいいと思っているのなら、少なくとも変異が表になったら死なずに残りそうだと相手に思わせたい。でもまあ、変異の常として弱くてもデッキには入るよ。
《火口の爪/Crater’s Claws》
リミテッド4.0点
《猛火/Blaze》+2だって?くれ。
《龍の握撃/Dragon Grip》
リミテッド1.5点
元から戦闘で勝てるクリーチャーにつければ、相手はぼろ人形のように崩れ落ちるぞ!パワー4のクリーチャーがいれば他のクリーチャーも対象に取れるってのは分かってるけど、カードアドバンテージをむざむざ失いに行くルートだから、そこまでしなくてもと思ってしまうね。
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》
リミテッド3.5点
何ともスタイリッシュだけれども、少々重いかな。確かに、相手を1発か2発で仕留めてくれると思うけれど、それでも「爆弾」までいかず「優秀」くらいのが近いと思う。タルキールは除去も豊富そうだから、それも痛そうだ。
《ゴブリンすべり/Goblinslide》
リミテッド1.5点
確かにヴィンテージマスターズドラフトで、チェオン(Paul Cheon)にゴブリンすべりをやれってけしかけたけどね(見れなかった人のために解説すると、《霊体の地滑り/Astral Slide》入りのゴブリンデッキさ!)。呪文が十分あれば上手く働くかもしれないけど、呪文満載のデッキで大量のゴブリンを上手に使うのは難しいと思うんだよね。
《軍団の伏兵/Horde Ambusher》
リミテッド3.0点
終盤前のめりなデッキに役立つ能力を備えた2マナクリーチャーというのは、まさにビートダウン御用達のパーツだ。赤は強力なビートダウンが組めるかも。3色環境でビートダウンをすることにはちょっと懐疑的だけど、2色に集中して取って、カードパワー不足を速度で補うというのは十分可能性がある。多分そんな戦略を取るときは、こういうカードがきっと大切だろう。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
リミテッド2.5点
良質なアドバンテージのとれるカードだ。唯一の懸念は赤赤のダブルシンボルなこと。それさえなければもっと自信を持って勧められたんだけど。繰り返すけど、3色のデッキばかりの世界でダブルシンボルのカードを使うのは本当に大変なんだ。
《軍族の雄叫び/Howl of the Horde》
リミテッド1.0点
超強力で軽い除去が大量にあるのでもない限り、雄叫びがあたり一面にこだまするだけだと思うよ。
《嘲る扇動者/Jeering Instigator》
リミテッド3.5点
《軍団の伏兵/Horde Ambusher》強みを持ちながら、大幅強化されてて大変よろしい。大した特技だよ。
《跳躍の達人/Leaping Master》
リミテッド2.0点
赤白のデッキでも、本当に2マナ域が必要な時くらいしか使わないと思う。デッキによっては本当に2マナ域が必要なこともあるから、そんなときには入れていいけれど、ゲーム中に思わず席から跳躍するほどの活躍はしないと思う。
《マルドゥの炎起こし/Mardu Blazebringer》
リミテッド1.5点
1回きりのブロッカーとして使うのがベストだろう。4点の本体火力として使っても上手くいかないと思う。4点ダメージをもぎ取りたいと思う頃には相手もブロックできることが多いし、序盤にこいつをぶつけるのは、相手を火力で焼き尽くせるよう祈りながらカードを投げ捨ててるようなものだ。ブロッカーとしては見えてる除去みたいなものだけど、相手がこいつを見て攻撃を諦めるなら、それはそれでいいよね。
《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》
リミテッド3.5点
強襲の達成は大概のデッキで難しくないと思う。もし強襲を達成するためクリーチャーを一体特攻させなきゃいけないとしても、こいつなら十分美味しい。こういうカードでアドを取っていきたいけど、ブロッカー排除の役には立たないというのが面白い。強襲連発によって手が付けられなくならないよう、調整されてる。
《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》
リミテッド2.5点
マナ安定要素というよりは、クリーチャーを並べたてる手段だと思うけど、辛いときはタッチ色のカードを唱える助けにもなってくれるだろう。攻勢に回れていてガス欠にもなっていない前提だから、勝ってる時だけ強い感じが少しあるけど、最悪でも《丘巨人/Hill Giant》だからね。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
リミテッド1.5点
呪文を唱えないと弱い果敢クリーチャーはあまり好きになれない。1/2は典型的だね。速攻があるから強襲を誘発させるのにはいけど、果敢に寄せたデッキではもうちょっと頼りがいのあるサイズが欲しいと思うぞ。
《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》
リミテッド4.5点
真に強すぎるカードに分析は必要ない。サルカンを見ればなぜかは分かるね。どの能力もぶっ壊れだ。逆転することも、均衡状態から押し込むこともできる。しかもたった5マナでだ。こちらの盤面に全く何もなくて、相手が複数のクリーチャーを並べたててるときだけ(それかクリーチャーが1体でも、そいつのタフネスが5以上とか)十分性能を発揮できないかもしれないけど、他の状況ならまあ強いよ。
《粉砕/Shatter》
リミテッド0.5点
ミラディン以外では純然たるサイドボード要員さ。
《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
リミテッド2.5点
4マナ4/3はいつだって強いけれど、赤赤というコストのせいでどんな赤いデッキにも入るというわけにはいかなそうだ。
《素早い蹴り/Swift Kick》
リミテッド2.5点
格闘するならタフネス修正のがありがたいが、果敢デッキで使えないということもあるまい(もしくは獰猛デッキ用だろうか)。名前は中々いいけれど、この名前に見合う性能をつけるのは、蹴りだけに骨が折れそうだ。
《苦しめる声/Tormenting Voice》
リミテッド3.0点
マナカーブに沿って完璧に展開するのでもない限り、デッキに入れないのが難しいくらいじゃないだろうか。たった2マナとカード1枚でカード2枚を引けるとか、サイドボードに入れたら苦しむこと請け合い。それに赤いデッキならちょっとばかり土地事故したときの保険をかけておいて、後悔することはないと思うよ。
《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》
リミテッド1.0点
専用みたいなトークンデッキでだけ使うカードかな。トークンデッキにとっては、他のデッキで無用なものだから、掠め取られないで済むのが朗報だろうか。果敢も誘発することはするけれど、ラッパは果敢用ではないと思う。
《谷を駆ける者/Valley Dasher》
リミテッド1.5点
入れるならマジモノのビートダウンを仕掛けるときだろうけど、俺はちょっと及び腰だ(こいつ自身は喜んで突っ込んでいくけど)。あまりに裏目が多すぎて、単純にカードを1枚失っただけ、というのが一番怖い。それはちょっと誇張だたとしても、予想よりあるものだよ。
《戦名を望む者/War-Name Aspirant》
リミテッド3.0点
3ターン目か4ターン目まで待たなきゃいけないかもしれないが、3/2で出すのは難しくない。強襲達成して出たらかなりのものだ。2/1として出したとしても、トークンを出すカードがそれなりに種類のある環境で、1/1をよけて歩くのはかなりの良能力。
赤のリミテッドコモン トップ5
5.《素早い蹴り/Swift Kick》
4.《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
3.《苦しめる声/Tormenting Voice》
2.《矢の嵐/Arrow Storm》
1.《打ち倒し/Bring Low》
赤は状況やデッキを選ぶカードが多いから、評価も揺れる部分が多い。前のめりなカードはアンコモンに多いものの、コモンで攻めるカードは少なめだから、赤系の速攻デッキが有力なら驚くことになると思う。3色に傾いて、タップイン土地の数が増えたり、マナ基盤の不安定要素が増したら、速攻デッキの強みの序盤の強さが薄れてしまう。そうするとそもそも速攻というゲームプランが疑問に感じてしまうな。コントロール向けな除去は3色デッキに合いそうだし、《苦しめる声/Tormenting Voice》使ってドローを安定させるというのも良い感じだと思う。赤い《予言/Divination》の名前は伊達じゃないぜ。
明日はアブザンと緑、それからいくつか残ってるカードをレビューしてセットレビューをまとめるよ!
LSV
コメント
MPが足りない
まさかパルプンテをもじったのが伝わるとは……