◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー アブザン・緑 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Abzan
Luis Scott-Vargas, 2014年9月18日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-abzan/
緑のリミテッドコモントップ5
《煙の語り部/Smoke Teller》
《サグの射手/Sagu Archer》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《凶暴な殴打/Savage Punch》
《遠射兵団/Longshot Squad》
緑は到達持ちに長久クリーチャーと、長期戦に強そうな面々が揃っている。そこに格闘やコンバットトリック各種が加わって、力押し以外もできるようになっている。攻めるよりは守るカードの方が若干優秀そうに見えるけれど、殴りに向いてるカードも多少あるから、緑は最も柔軟な色なんじゃないかと思ってるよ(特に、攻守どちらでも機能するカードが多そうだしね)。
残りのカードは明日レビューするよ。それから環境がどんな感じになるか、予想を話してみたい。
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Abzan
Luis Scott-Vargas, 2014年9月18日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-abzan/
《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
リミテッド3.0点
変異と相討ちってのは気に入らないけど、変異となら3マナ同士の交換だし、相手の土地が詰まったり、除去を当てていければかなりのダメージを与えられる。4マナや5マナの奴が攻撃してきたら相討ちにもっていけるから、守備性能も高い。
《射手の胸壁/Archers’ Parapet》
リミテッド2.0点
相手の攻撃を防ぎつつ、止まらないクロックを刻めるのは悪くないけど、そりゃまず守るデッキでの採用が前提だからね。前のめりなデッキではこういうダメージの通し方はお呼びじゃないと思う。こいつがいくら、止めることの難しいクロックになるといってもね。あと、相手の主戦力がパワー4以下だってなら、サイドボードとしては素晴らしい。こちらは十分にあり得る話だしね。
《熊の覚醒/Awaken the Bear》
リミテッド2.5点
トランプルがついたからって2マナも重くなるのは、《巨大化/Giant Growth》として割に合ってないから、ただのコンバットトリックというよりはフィニッシュ手段といったところだろう。3マナ同士の戦闘に熊の覚醒を使えば勝てるけど、使ったらターンはそれだけで終わって無為に費やすことになる。3点ぽっちダメージを通すくらいなら、他のクリーチャーを展開したいところだ。それでも、コンバットトリックが使えるときは使うものだし、選択肢としてこいつは悪くない。終盤はかなり強力で、7点以上のダメージを簡単に稼いでくれるだろう。たとえ序盤、マナコストが隠せないほど重たいにしても目をつぶるさ。
《強大化/Become Immense》
リミテッド2.0点
1マナで唱えたらさぞかし強大になったような気分になるだろうけど、兄弟分の探査の仲で、こいつの優先度は下の下だ。効果は大きいから、標準的なスゥルタイコントロールより、ビートダウン剥きだろうね。
《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》
リミテッド2.5点
完全にはいったら流し斬り並みの大打撃だろう。前のめりなデッキであればあるほど、こちらがマナを立てていても相手はブロックを強いられることになるだろうね。逆にいえば、いかに《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》をうまく使われないように立ち回るかが、リミテッドの力量の試金石ということになるだろう。相手が4~6ターン目に、タップ状態のクリーチャーのみを残して何も展開してこなかったら、無闇に攻撃せずじっくりと考えよう。これを持たれていても、こちらが攻撃しなければ相手はマナ効率を重視して普通に使ってくるかもしれない。でもその使い方なら、クリーチャーをアンタップすることで攻撃中に奇襲されるのと比べて、そこまで壊滅的でない。長久クリーチャーが回りにいれば、キーワード能力もつくことがある。かなり重要だよ。
《部族養い/Feed the Clan》
リミテッド0.5点
働かないカードで食う飯は旨いか?相手が信じられないほど超攻撃的なデッキなら、サイドからあるいは入れるかも。
《硬化した鱗/Hardened Scales》
リミテッド1.0点
長久クリーチャーがいればいるほど、驚くほど効果的だと思うけれど、勝ってる時だけ強く見えるって奴じゃないのかな。
《荒野の後継者/Heir of the Wilds》
リミテッド3.5点
2マナ2/2接死の時点で素晴らしいし、その上サイズが上がる可能性まであるというのは凄い。その上、こいつ自身を4/4にまで持っていくことすら可能だ。そうなったら横に頼もしいサイズのクリーチャーがいなくても自家発電で強くなれる。
《高地の獲物/Highland Game》
リミテッド2.5点
タダで2点ライフがついてくるのはありがたいし、それでなくても大概のデッキは2マナクリーチャー確保に躍起になるものさ。緑にとって守りがどのくらい重要かは分からないけど、ライフがついてきて悪くはないはずさ。
《頭巾被りのハイドラ/Hooded Hydra》
リミテッド4.0点
多芸なカードの上に、カードパワーまで備えた怪物だ。全国1億人のハイドラファン大歓喜だね。Xの値を1にすることだけはお勧めしないけれど、1以上ならどんな数字にしても正当化できると思うよ。X=2で唱えるのはよほど必要に迫られてるときだけだろうけど、Xが3以上ならいくつで唱えても素晴らしい。変異経由だと、何も残さず死んでしまうんじゃないかと少し心配だけど、変異が強いときもあるだろう。変異で騙し討ちを仕掛けなくても、十分すぎるほど強力な上に止めることも難しい奴だよ。
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
リミテッド3.0点
4マナくらいで唱えるのは難しくないだろうし、4マナで唱えられたら強いとまでいえるだろう。勿論、4ターン目に4マナで唱えられるわけじゃないにしても、終盤とてマナ効率の良さは重要だ。たまに1マナか2マナでこいつを展開して、更にもう1枚強いクリーチャーを追加して攻めたてることもできるだろう。
《増え続ける成長/Incremental Growth》
リミテッド3.5点
黒い方の《増え続ける荒廃/Incremental Blight》には敵わないにしても(嗚呼!黒いピンポンパンときたら!)、永続的な《踏み荒らし/Overrun》であり、長久との噛み合いも完璧だ。性能を十分引き出すためにクリーチャーの頭数を十分確保したいところではあるけれど、それは大した手間にはならないよね。
《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》
リミテッド3.0点
強襲を誘発させたいとか、5ターン目にきっかり《増え続ける成長/Incremental Growth》を使いたいというのでもない限り、ほとんどの場合裏向きで出すことになると思う。変異解除がとても軽いから、除去に対応して表になってかわせたら、かなりいい感じだ。
《遠射兵団/Longshot Squad》
リミテッド3.5点
狙い撃つぜ!大きくなって蜘蛛になる《丘巨人/Hill Giant》とかとても好みだし、場に出てすぐ他のクリーチャーに到達がついたりするとくれば尚いい。盤面を止めるというのは長久のゲームプランにぴったりだから、そんな戦略に《遠射兵団/Longshot Squad》はうってつけだね。
《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》
リミテッド3.5点
攻撃性能は非常にゆっくりでも、いずれウサギにすら追いつくことに定評のある亀さんだからね。しかも乗り越えるのはほぼ無理だから、盤面を好きなだけせき止めてくれる。足止めしていずれゆっくり、着実に勝てばいい。
《帰化/Naturalize》
リミテッド0.5点
サイドボードにいるのが自然ってものさ。
《松歩き/Pine Walker》
リミテッド3.0点
5マナ5/5とか強いし、変異がついててうまくやればクリーチャーも討ち取れるとくれば、どんなデッキにも採用できるな。
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》
リミテッド3.5点
マナ基盤がレアってのにどうも慣れないんだが、優秀なのに変わりはないね(ただ、出現頻度は変わるにしても)。2ターン目に出して嬉しいし、4ターン目に爆発的な加速をしたいなら変異で出せばいい。とにかく、マナ加速と色安定要素と良好な変異能力が組み合わさってて実に素晴らしい。
《挑発の咆哮/Roar of Challenge》
リミテッド2.0点
盤面に巨大なクリーチャーがいること前提のカードをデッキに入れるのは厳しいけれど、《挑発の咆哮/Roar of Challenge》は採用に足るだけのカードパワーがあると思う。使い方の一つとしては、6/6くらいのクリーチャーに使って相手のクリーチャーを一方的に殺戮すること。もう一つの使い方は、1/1とかにブロックを集中させることで、致死量のダメージを通すこと。この2つの使い方ができるおかげで、場面異存の中では優秀なカードに仕上がっている(それでも無条件でデッキに入れられるほどじゃないと思うけどね)。
《サグの射手/Sagu Archer》
リミテッド3.0点
素で出して良し、変異して良し。スゥルタイやアブザンの守りにうってつけ。
《凶暴な殴打/Savage Punch》
イラスト5.0点
フレイバー5.0点
リミテッド3.5点
軽くて効果は大きく、相手へのダメージをも追加できる可能性がある。しかもこんな素晴らしいイラストがついてるとくれば、中々流せないな。
《境界の偵察/Scout the Borders》
リミテッド1.5点
フレイバーテキスト3.5点
フレイバーテキストが素晴らしすぎて筆舌に尽くしがたいものの、カードの効果そのものも結構悪くないと思う。探査を使うか爆弾レアを探すのでない限り使わないと思うけれど、それはつまり緑のデッキの中でも限られた層しか使わないということでもある。3ターン目をカードの質を上げるために使うというのはどんなデッキでもできることじゃないし、環境がそれを許さない可能性もあるけれどね。
《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
リミテッド1.5点
安定してクリーチャーを2体連れてこれるなら、レビューを書いてもいいよ。でも不文律として、効果が見えにくいカードは使うなってのもあってね。獰猛を達成していない場合、6マナも支払ってスカる可能性がある上に、そもそも6マナかからないクリーチャーに余分なマナを支払うことになってしまう。2体出せるなら、マナ的にもカード的にも美味しいから、使ってみようという気になるね。
《地平の探求/Seek the Horizon》
リミテッド1.5点
遅くてアドバンテージを稼ぐカードの好きな俺にとってすら、ちと遅すぎる。多くの場合、唱えてもすぐにディスカードしてしまいそうだし、ディスカードしなくても4ターン目を《地平の探求/Seek the Horizon》に使うというのは厳しい。色安定要素が少なく、かつ7マナ以上のクリーチャーがたくさん入っていたりするのでない限り(何で皆、俺のデッキのことだと思うわけ?)、もっと違うものを違うやり方で探究した方がいいんじゃないかな。
《煙の語り部/Smoke Teller》
リミテッド3.0点
テキスト欄が空白だったとしても、2マナ2/2というだけで大体のデッキは使うんじゃないかな。特にささやかでも、こいつはおまけ能力がついてるしね。ただ2マナに見合った効果ではないから、2マナ2/2というコストとサイズ故の採用でもね。
《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》
リミテッド3.0点
タフネス4以上のクリーチャーがこいつしかいなくて、かつ4マナ3/4も必要でないというデッキは非常に稀なんじゃないだろうか。こいつ自身でも回復するしね。そうそう何回も誘発しないと思うけど、1回回復できるだけで十分強いよ。
《ティムールの軍馬/Temur Charger》
リミテッド3.0点
2マナ3/1の時点で優秀な上に変異まであっていうことなし。他のクリーチャーにトランプルをつけたり、マナを使わず表になってタフネス3のクリーチャーを交換を迫ったりできるから、どんなデッキにでも入れられるね。
《神秘の痕跡/Trail of Mystery》
リミテッド1.5点
変異デッキは眉唾だと思ってる。基本土地を探してこれるといってもそこは変わらない。表になったときの+2/+2というのもなんだかなあと思う。軽く変異解除できるクリーチャーが大量に取れてるのでもない限り、手は出さないかな。
《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》
リミテッド1.5点
変異で溢れた環境で頑張るためには相当きばらないと。同じようなマナコストとサイズで変異もついてるクリーチャーのいる環境で、何でこんな中途半端な6マナクリーチャーを使わないとならないんだ?たまに他の選択肢がないからってことはあるにしても、進んで取るカードじゃないと思うよ。
《牙守りの隊長/Tuskguard Captain》
リミテッド3.5点
トランプル付与は驚異的な能力でないにしても、3マナ2/3で、しかもたったの緑1マナで自己強化できるカードは単体で十分強い。
《暴風/Windstorm》
リミテッド0.5点
メインから入れるほど飛行の多い環境だとは思わない。特に到達持ちが結構いるしね。
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
リミテッド3.0点
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》みたいなのがいるから、大牙……何とかさん?みたいなバニラを使うのが、他に何もないときの非常手段になるんだ。《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》ならサイズが一回り上な上3ターン目に唱えられ、表になることで戦闘をうまく運べる可能性もある。カードを柔軟に使えるようなメカニズムはいいね。特に7マナのカードをたくさん入れても厳しく咎められないなんて最高さ。
緑のリミテッドコモントップ5
《煙の語り部/Smoke Teller》
《サグの射手/Sagu Archer》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《凶暴な殴打/Savage Punch》
《遠射兵団/Longshot Squad》
緑は到達持ちに長久クリーチャーと、長期戦に強そうな面々が揃っている。そこに格闘やコンバットトリック各種が加わって、力押し以外もできるようになっている。攻めるよりは守るカードの方が若干優秀そうに見えるけれど、殴りに向いてるカードも多少あるから、緑は最も柔軟な色なんじゃないかと思ってるよ(特に、攻守どちらでも機能するカードが多そうだしね)。
残りのカードは明日レビューするよ。それから環境がどんな感じになるか、予想を話してみたい。
LSV
コメント
あまり獰猛などのシナジーについて触れていないのがちょっと意外です。
カード単体の強さ重視なんでしょうか。
いつも温かなコメントありがとうございます。
確かにカード単体の強さの方が重視されている印象はありますね。
ただ、獰猛は素の状態でも機能するカードが多く、獰猛達成することで本領発揮とはいえ、あくまでボーナス扱いなカードが複数みられるためかもしれません。