【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー まとめ (by LSV)
2014年10月6日 翻訳 コメント (9)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー まとめ (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review Wrap-up
Luis Scott-Vargas, 2014年9月19日
http://www.channelfireball.com/articles/luis-scott-vargas/khans-of-tarkir-limited-set-review-wrap-up/
今日はレビューの総括をするよ。でもその前に、セット全体への評価へ一言。もう気づいてる人もいると思うけど、タルキール覇王譚は3点以上のつくカードがこれまでのセットと比べて非常に多かった。それはつまり、セット全体で箸にも棒にもかからないカードがほとんどないということ。他のセットにあったら、いつでもデッキに入るようなカードがたくさんあるんだ。プールのカードを全部使うのは無理だから、30枚とか候補があるとどれかを抜かなきゃならないね。これを踏まえた上で、点数の付け方には2つばかり選択肢があって:
1.タルキール覇王譚の中で点数を調整する。普通なら3点級のカードの評価を、2点か2.5点に下げる。
2.今まで通りに点数をつけて、詳細を解説する。
見てわかる通り、このレビューでは2番を採用することにした。実際、3点のカードのうち半分を2点台に下げるより、「正確な」評価を付けた方が良いと思ったんだ。何せ同程度の強さのカードが本当にたくさんあるんだから。似たような点数のカードが多いということは、プレイヤーが各自、自分でデッキや環境の流行り廃りに合わせたカード選択をしなくてはならないということだ。同じ3点のカードでも、今回採用するのはこっち、次はあっちといった風にね。でもどちらも同じ点数といった塩梅だ。
タルキール覇王譚のリミテッドでは、ドラフトでもシールドでも、使用に堪えうるカードの取捨選択、サイドボードのイン・アウト、弱めのカードでも状況に応じて使う判断をする。こういった技術を身につけることが報われると思う。サイドボードに複数枚、メインで使うに足るカードが常に存在するというのはとても面白そうだ。サイドボーディングや、メインデッキの構築が面白くなるんじゃないかな。ドラフトですらね。
いつでも点数だけじゃなくてコメントを読んでくれとは言ってるけど、カードがどのくらい強力かということだけでなく、どんな用途のあるカードなのかというところに光を当てていきたいね。それとPV(Paul Vitor Damo da Rosa)も言ってるけど、全員が強いカードを使うということは、マナ基盤の安定性がかなり重要になるということでもある。どの色を使ってもカードが余るのなら、マナ基盤の優先度を高めた方がいい。
PV’s Playhouse - Khans of Tarkir Prerelease Primer
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-khans-of-tarkir-prerelease-primer/
氏族ランキング
5.アブザン
4.ジェスカイ
3.スゥルタイ
2.マルドゥ
1.ティムール
氏族ランキング(リミテッドの強さ順)
5.スゥルタイ
4.ジェスカイ
3.ティムール
2.マルドゥ
1.アブザン
プレリリースではアブザン家がいいな。氏族のランキングは上のような感じになると思う。ドラフトではどの氏族も同程度に強いということがあり得るかもしれないけれど、スゥルタイのメカニズムである探査はそればかり集めても上手く機能しないし、ジェスカイの果敢も、呪文を増やせばクリーチャーが足らず、クリーチャーを増やせば果敢のための呪文が足らずという自己矛盾を抱えている。
Khans of Tarkir Limited Set Review Wrap-up
Luis Scott-Vargas, 2014年9月19日
http://www.channelfireball.com/articles/luis-scott-vargas/khans-of-tarkir-limited-set-review-wrap-up/
今日はレビューの総括をするよ。でもその前に、セット全体への評価へ一言。もう気づいてる人もいると思うけど、タルキール覇王譚は3点以上のつくカードがこれまでのセットと比べて非常に多かった。それはつまり、セット全体で箸にも棒にもかからないカードがほとんどないということ。他のセットにあったら、いつでもデッキに入るようなカードがたくさんあるんだ。プールのカードを全部使うのは無理だから、30枚とか候補があるとどれかを抜かなきゃならないね。これを踏まえた上で、点数の付け方には2つばかり選択肢があって:
1.タルキール覇王譚の中で点数を調整する。普通なら3点級のカードの評価を、2点か2.5点に下げる。
2.今まで通りに点数をつけて、詳細を解説する。
見てわかる通り、このレビューでは2番を採用することにした。実際、3点のカードのうち半分を2点台に下げるより、「正確な」評価を付けた方が良いと思ったんだ。何せ同程度の強さのカードが本当にたくさんあるんだから。似たような点数のカードが多いということは、プレイヤーが各自、自分でデッキや環境の流行り廃りに合わせたカード選択をしなくてはならないということだ。同じ3点のカードでも、今回採用するのはこっち、次はあっちといった風にね。でもどちらも同じ点数といった塩梅だ。
タルキール覇王譚のリミテッドでは、ドラフトでもシールドでも、使用に堪えうるカードの取捨選択、サイドボードのイン・アウト、弱めのカードでも状況に応じて使う判断をする。こういった技術を身につけることが報われると思う。サイドボードに複数枚、メインで使うに足るカードが常に存在するというのはとても面白そうだ。サイドボーディングや、メインデッキの構築が面白くなるんじゃないかな。ドラフトですらね。
いつでも点数だけじゃなくてコメントを読んでくれとは言ってるけど、カードがどのくらい強力かということだけでなく、どんな用途のあるカードなのかというところに光を当てていきたいね。それとPV(Paul Vitor Damo da Rosa)も言ってるけど、全員が強いカードを使うということは、マナ基盤の安定性がかなり重要になるということでもある。どの色を使ってもカードが余るのなら、マナ基盤の優先度を高めた方がいい。
PV’s Playhouse - Khans of Tarkir Prerelease Primer
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-khans-of-tarkir-prerelease-primer/
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
リミテッド4.0点
最悪でもゴッサムシティのバットケイブとして、バットマンを送り出すことで身を守ることができる。盤面が充実していればかなりのライフを得られるし、色々な状況に対応が可能だ。プレインズウォーカーとしての期待に十分応えられると思う。しかも他のプレインズウォーカーは苦手としている、対空防御すら可能だ。確かに自軍が窮していて、相手にクリーチャーが山ほどいたら、ソリンとて大逆転はできないけど、数あるプレインズウォーカーの中でもそんな窮地を何とかできる奴はほとんどいない。
旗サイクル(《アブザンの戦旗/Abzan Banner》・《ジェスカイの戦旗/Jeskai Banner》・《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》・《マルドゥの戦旗/Mardu Banner》・《ティムールの戦旗/Temur Banner》)
リミテッド2.0点
3ターン目には変異クリーチャーをプレイしたい環境だし、旗は超強力というほとではないけれど、マナ基盤はマナ基盤だからね。強力な呪文を唱えるのにマナは必要だし、終盤はドローにも変換できる。デッキには1枚入るのが普通か。とはいえ、3色とも合っていないとサイクリングできなくて痛い目をみそう。デッキによっては全く使うことがなかったり、あるいは2枚とか喜んで入れるデッキもあるかもしれない。そしてよくできたデッキであれば、旗に頼らなくてもマナは土地で賄えるだろう。細かくいえば、マルドゥの旗はアブザンのよりありがたみが薄いとか、攻撃的かどうかによる違いはあるけど大した差じゃない。
《群の祭壇/Altar of the Brood》
リミテッド1.0点
強く使うためにはライブラリーを大量に削りつづけないといけないから、ライブラリー破壊は難しい。ライブラリーをかなり掘るタイプのスゥルタイに対するサイドボードとしては効果的かもしれないけれど、この環境でライブラリー破壊デッキがドラフト可能だとは思わない。
《贈賄者の財布/Briber’s Purse》
リミテッド2.5点
フレイバー4.0点
コントロールより、是非ビートダウンで使いたいね。でもコントロールで使っても強いよ。大量のマナが必要とはいえ、ブロック不可に3回もすれば、かなりのダメージが見込めるだろう。押されてるのを凌ぐ使い方は、ダメージレースを仕掛けているか、ゲームプランに沿っているのでない限り、あまり効果的な使い方とは言い難い。
《頭蓋書庫/Cranial Archive》
リミテッド1.0点
こちらの墓地をライブラリーに戻すのは大した意味が見いだせないので、相手の探査を妨害する使い方になるだろうか。マナだけあればカードは要らないから、能力としてあってもいいと思うけれど、メインには入れようと思わない(サイドインすることもあまりないだろう)。果敢を誘発することも、まあ覚えておこう。
《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》
リミテッド1.5点
おい、そこに座れ。効果は非常に強力なものの、そこそこのサイズのクリーチャーを戦闘に参加させず座らせて、最低でも9マナを支払ったうえ、他にもクリーチャーが複数体必要となると、ちょっと希望的観測すぎないかと思うね。玉座という名前の割に、座っても勝つどころか逆に死んでしまいそう。なんだその目は!
《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》
リミテッド3.5点
変異クリーチャーが足りてないなら評価は下げざるを得ないけど、3~5体も変異が確保できていれば、序盤凄まじい力を発揮するだろう。終盤は変異でないクリーチャーにつけても素晴らしい。とても強力な装備品だと思う。
《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》
リミテッド2.0点
攻撃にいけるクリーチャーが十分確保できていれば、1点ダメージを飛ばせるのは強力だ。でも、相手にタフネス1のクリーチャーが多くなければサイドアウトも明らかだ。この環境はタフネス1のクリーチャーが少なそうだから、どちらかというとサイドボード要員だろう。
《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》
リミテッド0.0点
主張を鮮明にしておきたいけれど、使うのはやめとけ。相手のデッキがいかに変異まみれであっても、カード1枚の投資には見合ってないよ。変異が《スカークの猛士/Skirk Commando》か《乱打する岩角獣/Battering Craghorn》か考えないといけない環境ではないし、仮にそうだとしてもレンズを使う理由にはならない。
《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》
リミテッド0.0点
どうして神話のアーティファクトは紙率が高いんだろう?ウギンのきずなもまさに紙。追加ターンを得るためには尋常じゃない労力が必要で、得られる効果に見合っていない(相手の追加ターンを止めることもまずないだろう)。
《星霜の証人/Witness of the Ages》
リミテッド3.0点
これぞ変異クリーチャーの代表格。使えるが取り立てて強いわけではない。
《精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon》
リミテッド0.5点
どれだけ変異クリーチャーがいようと全力でスルーすることをお勧めする。マナ基盤が充実しすぎて困るということはありえないからね。
トライランドサイクル(《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》・《神秘の僧院/Mystic Monastery》・《華やかな宮殿/Opulent Palace》・《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》・《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》)
リミテッド3.5点
アラーラの断片ではかなり点数が高かった。変異がいたり、他にも色マナ供給源があっても、評価は変わらないだろう。トライランドは最小限のコストで色マナを安定させてくれる。3色中2色あっているだけで十分なくらいだ。トライランドに合わせて氏族を選択するのは、選択の理由として申し分ないよ。
フェッチランド(《汚染された三角州/Polluted Delta》・《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》・《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》・《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》・《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》)
隠れ家サイクル(《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》・《花咲く砂地/Blossoming Sands》・《岩だらけの高地/Rugged Highlands》・《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》・《平穏な入り江/Tranquil Cove》・《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》・《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》・《急流の崖/Swiftwater Cliffs》・《茨森の滝/Thornwood Falls》・《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》)
リミテッド3.0点
色があっているなら、まずピックして後悔することはあるまい。どちらかというとフェッチランドが取りたいけど、デッキに沼を入れずに色をタッチしたいこともあるだろう。その場合は隠れ家が役立つ。どれもトップクラスのコモンには見劣りするけれど、普通より強い程度のコモンよりは評価が上だ(今回、どれだけ使用に足るカードが取れるか考えれば特にね)。ドラフト終盤では、強いカードよりも優先して取らなきゃいけない瞬間もあるだろう。フェッチランドは探査の役に立つね。取り切りも捗るし(^q^)
氏族ランキング
5.アブザン
4.ジェスカイ
3.スゥルタイ
2.マルドゥ
1.ティムール
氏族ランキング(リミテッドの強さ順)
5.スゥルタイ
4.ジェスカイ
3.ティムール
2.マルドゥ
1.アブザン
プレリリースではアブザン家がいいな。氏族のランキングは上のような感じになると思う。ドラフトではどの氏族も同程度に強いということがあり得るかもしれないけれど、スゥルタイのメカニズムである探査はそればかり集めても上手く機能しないし、ジェスカイの果敢も、呪文を増やせばクリーチャーが足らず、クリーチャーを増やせば果敢のための呪文が足らずという自己矛盾を抱えている。
コメント
凄く参考になりましたし、面白かったです。
ありがとうございました。
プレリ前後で同じ記事を読んでも思うところが違ったり、
違う発見があったり・・・といった意味でも、このような
記事を残して頂けるのは、非常にありがたい限りです。
次の構築レビューもお待ちしています!
今回もニヤリとさせる言い回しが多く、楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました。
どうもありがとうございます。
毎回、気がつけば翻訳がある。
そんな状態にもっていきたいですね。
> 幸夢さん
ありがとうございます。
毎日読みに来てくださる方がいらっしゃるのが、一番の励みです。
> osaさん
更新速度を優先すると、ニヤリとさせる部分へ言及しづらかったりで少し歯がゆいのですが、拾ってくださってありがたい限り。
今後もエンターテイメント性を失わないよう心がけたいですね。
意訳が楽しかったです。
実績で言いますと、ゴミあさりの評価をここで聞いておいたおかげでドラフト助かりました。
探査系でまとめると自分で墓地にカード捨てる効果がマジで暗黒の儀式だというのを実感できました♪
点数表に限らず翻訳文章また楽しみにさせていただきます。
今回もただの情報としてだけでなく、読む物としても楽しませてもらいました。面白かったです。
いつぞやは指摘コメントありがとうございました。
翻訳が役に立ったなら幸いです。まあ暗黒の儀式というのはオーバーな表現だと思いますが、誇張気味に、また昔の強力カードの名前を引き合いに出すのはみんな大好きですからね。
これからも期待に沿えるよう頑張ります!
> SHINEさん
嬉しいコメントありがとうございます。
元の記事が優れている上に面白いので、面白く翻訳するのが使命!
言うほどできているかはわかりませんが、楽しく読んでいただけたならこれに勝る喜びはありません。
新しいエキスパンション出ると、Takuさんの翻訳レビューが楽しみの一つになってますw
ありがとうございました!
読んでいただいて、どうもありがとうございます!
こちらも風物詩のような扱いになれるよう、頑張ります!