【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV) 前編
2015年1月13日 翻訳 コメント (4)◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
Fate Reforged Limited Set Review – White
Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
セット・レビューへようこそ!今回は運命再編を見ていくよ。今回からは新しいセットが出るごとに、文章だけでなく音声でもお届けするつもりだ。文章版は、今見てるこれだね。それに加えて、ポッドキャストのリミテッド・リソース(Limited Resources)で、マーシャル・サトクリフ(Marshall Sutcliffe)と全てのコモン・アンコモンを見ていく予定。月曜から始まるよ。《予言/Divination》がいかに強いか俺が力説するのを、目でも耳でも楽しんでもらえるってことだね。
http://lrcast.com/
(↑ リミテッド・リソースのページ)
それじゃいつも通り、リミテッド視点でカードを見ていくよ。点数付けはこんな具合だ(カード例も差し換えたんだぜ):
Fate Reforged Limited Set Review – White
Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
セット・レビューへようこそ!今回は運命再編を見ていくよ。今回からは新しいセットが出るごとに、文章だけでなく音声でもお届けするつもりだ。文章版は、今見てるこれだね。それに加えて、ポッドキャストのリミテッド・リソース(Limited Resources)で、マーシャル・サトクリフ(Marshall Sutcliffe)と全てのコモン・アンコモンを見ていく予定。月曜から始まるよ。《予言/Divination》がいかに強いか俺が力説するのを、目でも耳でも楽しんでもらえるってことだね。
http://lrcast.com/
(↑ リミテッド・リソースのページ)
それじゃいつも通り、リミテッド視点でカードを見ていくよ。点数付けはこんな具合だ(カード例も差し換えたんだぜ):
5.0点 強すぎる神いわゆるゴッド。《群れネズミ/Pack Rat》、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》、《風番いのロック/Wingmate Roc》
4.5点 素晴らしい爆弾レアだが、対処できなくはない。《軍族の解体者/Butcher of the Horde》、《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》、《火口の爪/Crater’s Claws》
4.0点 優秀なレアや、それに比肩し得るアンコモン。《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》、《対立の終結/End Hostilities》、《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》
3.5点 《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》、《停止の場/Suspension Field》
3.0点 ほぼデッキに入る良カード。《消耗する負傷/Debilitating Injury》、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》、《肉は塵に/Flesh to Dust》
2.5点 まず抜けることのないカード。《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《苦々しい天啓/Bitter Revelation》、《弱者狩り/Hunt the Weak》
2.0点 数合わせでデッキに入る。でもたまに抜けるカード。《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》、《果敢な一撃/Defiant Strike》、《取り消し/Cancel》
1.5点 頭数の水増し。入るかどうかは半々くらい。《境界の偵察/Scout the Borders》、《飛空士の修繕屋/Aeronaut Tinkerer》、《レインジャーの悪知恵/Ranger’s Guile》
1.0点 数合わせとしても役不足。ほぼ入らない。《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》、《青銅の黒貂/Bronze Sable》、《抑圧的な光線/Oppressive Rays》
0.5点 ギリギリデッキに入るかどうかなカード。もしくはサイドボード用カード。《帰化/Naturalize》、《部族養い/Feed the Clan》、《集い/Congregate》
0.0点 役立たず。《市内捜査/Search the City》、《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
《アブザンの優位/Abzan Advantage》
リミテッド1.0点
エンチャント除去なのでサイドボード要員安定っぽく見えるものの、2マナで鼓舞1がついてるから、メインに入れても腐りにくい。鼓舞が面白いのは、普通の強化呪文と比べて強化先に制限がかかっているものの、どこかしらに+1/+1カウンターは乗るから、対戦相手が対応して何かしても2:1交換を取りづらくなっている。鼓舞1は特別優秀というわけでないし、エンチャントを除去できない限りアドバンテージが稼げるわけでもないから、できればサイドボードに置いておきたい類のカードだね。
《アブザンの呪印/Abzan Runemark》
リミテッド1.5点
リミテッドで使うオーラは好きになれないものの(だからって構築で使いたいわけでもないが)、安定して警戒がつくようなら強烈ではある。対戦相手に除去が無ければ大体殴りにはこれないだろうし、どんなクリーチャーに付けても毎ターン4点くらいのクロックは刻めるだろう。+2/+2の修正がつけばダメージ除去の大部分には耐性ができるし、そもそもタルキールブロックは除去が潤沢な環境というわけでもない。呪印の中では強い方でないが、除去の薄い相手や、確定除去の少ないデッキにサイドボードから投入すればかなり効果的だろう。
《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
リミテッド3.0点
4マナ2/2飛行というスペックは、昔と比べてそこまで強くなくないものの、ただの2/2と比べて鼓舞2がついたのは大幅強化といえる。相手からすると、盤面が荒れないよう上手く対処するのは極めて困難だし、使う側はある程度、鼓舞先が機能するよう調整もできる。自軍の鼓舞を上手く運用しつつ、相手の鼓舞に対抗するのは、環境の中でも腕が問われる部分になるだろう。戦闘中の除去やバウンス呪文との兼ね合いが極めて複雑になりそう。今から楽しみなんだけど、こんなシチュエーションはどうだろう。まず先制攻撃持ちのクリーチャーを飛空隊長でチャンプブロックするだろ。そしたら鼓舞が誘発して、鼓舞先が戦闘で一方殺を取る……楽しみだなぁ。
《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
リミテッド1.0点
超高速環境だったゼンディカーにいたら活躍したかもしれないが、進んでデッキに入れたくなるようなカードではないね。この環境において、後半全く何の役にも立たない2マナ域を入れることは必須じゃない。白黒戦士みたいなデッキへのサイドボードとしては有効だし、メインに入れる羽目になっても別にそこまで悪くはないんだけどね。とはいえ、ゲーム全編を通じて仕事のできる《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》や《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》のようなカードの方が、2マナ域としては優秀だ。
《エイヴンの散兵/Aven Skirmisher》
リミテッド0.0点
まーた出たな。《灯籠の神/Lantern Kami》とか《陽光尾の鷹/Suntail Hawk》って、リミテッドでしょっちゅう刷られる割に、カード1枚分の性能のあったためしがない。こいつは戦士だから、鷹と比べると少しだけ強化されているものの、間違ってデッキに入れる読者が出ないようにもう一度語っておこう。
まず、こんなカードを使わなければいけない状況というのは極めて稀だ。単純にクリーチャーとして弱い。1/1飛行は単体で相手を倒せるようなカードでないし、殴り値的にも大して貢献しない。かといって効果的にブロックができるわけでもない。そんなクリーチャーに戦士シナジーが加わったところで焼け石に水だ。《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》が2枚3枚とあったと仮定して、それで初めて考えるくらいだが、まずそんなことはないだろう。単に0点をつけて構わないと思う。2/1飛行ばかり出してくる相手がいるのなら、サイドボード要因として価値が出てくるかもしれないが、それもそうそうあり得ない話だ。
ちょっと手厳しいことばかり言ったかもしれないけれど、経験則で、この手のカードが一番、実際の強さよりも強く見えるというのを知ってるからね。デッキの一マナ域として採用したくなるのは、こういうカードじゃないってことさ。
《交感の痛手/Channel Harm》
リミテッド2.5点
相手のクリーチャーを始末しつつ、こちらの被害を劇的に防いでくれる。これはもう、古のコンボ《チャネル/Channel》+《火の玉/Fireball》を再現したような効果と言ってしまっても構わないのでは。うちのサイト名とも縁があるし好感が持てるね!
効果は超強力なものの、その分相応のマナがかかってしまう。それでも、名前だけじゃなくカードとしても、俺は結構気に入ったね。普通の環境なら、6マナも構えたら露骨すぎて、ちょっと頭の回る対戦相手には易々とケアされてしまう。しかしこの環境なら、6マナ立てていても全く不審に見えない。変異を2体出していてマナが立っていても、相手からすると変異を表にする機を伺っているように見えるから、殴ってきた相手は交感の痛手に突っ込んでしまうというわけさ。仮にバレていたとしても、強力すぎて相手からすると何ができるわけでもないというのもある。相手のクリーチャーが何であれほぼ除去できるし、戦線を立て直す時間も稼いでくれる。
上手いプレイヤー相手だとケアされてしまうものの、見せていない状態で最初に突き付けた際の効果は凄まじいものがあるだろう。ダメージを軽減して複数のクリーチャーを守りつつ除去すれば、完璧に形勢が一転する。2回目以降は警戒されるだろうけれど、インスタントを多めに採用して、これを構えつつマナを使う手段を用意しておくと更にいい感じだ。
カードセットを眺めただけで評価するのが最も難しいカードの一枚だけど、2.5点から大幅に上方修正も、10手目以降安定になるのも、どちらも十分あり得ると思うよ。
《城塞の包囲/Citadel Siege》
リミテッド4.5点
どちらの選択肢も正解とか、選択の意味をなしてないんじゃない?どれだけ城塞の包囲が強力か、伺い知れるというものだね。確かにカンのモードを選んだら、相手が3発くらい連続で除去をぶっ放してきた、なんてことだってあるかもしれないけど、普通のゲーム展開で城塞の包囲が残ってたら、どちらのモードを選んでも負ける気がしない。毎ターン一番強いクリーチャーを寝かせ続けるのはそれだけでバカバカしい強さだから、龍のモードのが安定ではある。でも盤面がある程度構築できていたら、カンのモードで相手を速やかに蹴散らすことができるだろう。その上長久で能力を与えるクリーチャーと組み合わせれば、もっと凄いことに。明確な壊れだね。
《不屈のダガタール/Daghatar the Adamant》
リミテッド4.0点
4マナ4/4というだけで十分強い上、能力もかなり強力だ。ダガタールがいるだけで戦闘が恐ろしくやりにくくなる上、相手の+1/+1カウンターをマイナス要因にしてしまう。カウンターを移動する能力は「あなたがコントロールする~」とはどこにも書いてないから、アブザン相手にぶつけたらさぞかし相手の顔を歪ませられるだろう。《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》と《牙守りの隊長/Tuskguard Captain》と並んでいるところを想像してみよう。相手のクリーチャーが突然、パワーとタフネスが1~2上がって、先制攻撃だのトランプルだのを持ち始めるんだ。しかも敵軍に+1/+1カウンターが見えるなら、相手を縮ませながら自軍のサイズを弄れてしまう。
能力のマナコストも、黒か緑を選べるハイブリッドになっているからそれほど厳しくはない。早めに取らない手はないね。
《龍鐘の僧兵/Dragon Bell Monk》
リミテッド2.5点
果敢を意識したデッキで嬉しい一枚。3マナは変異のせいで大体足りてることが多いとはいえ、それでも中々。コンバットトリックを考えると戦闘を避けたくなるものの、攻撃しつつブロックにも立たせられるのはかなりいい。警戒のおかげで、攻守にわたってコンバットトリックを意識させられるからね。強すぎはしないものの、個人的には是非お供にしたくなるヤツだ。
《龍鱗隊の将軍/Dragonscale General》
リミテッド3.5点
俺は終盤輝くようなカードが好きだが、こいつはまさに理想的だ。3ターン目変異、4ターン目変異で攻撃した直後に出して強いし、9ターン目くらいに出しても嬉しい。とても強力、かつ柔軟なカードだ。盤面に何もなくて4マナ2/3バニラということもあるだろうけど、カウンターの1つや2つくらい載せるのは難しくないだろう。1回使えるだけで十分強い。
《鱗衛兵の精鋭/Dragonscale General》
リミテッド3.0点
5マナ4/5、攻撃に参加したとき対象のクリーチャー1体をタップすると読み替えてしまっていい性能。そしてもちろん、そんな5マナクリーチャーは強い。しかも嬉しいことに、鼓舞は大体こいつ自身でなく、召喚良いしてないクリーチャーに置かれるだろうから、すぐ殴れて尚良し。勿論、欠点としては鼓舞のカウンターがどこに乗るか自由に選べないところで、本来の力を発揮できないこともあるだろう。概して強いカードだけれど、5マナはあまりたくさん採用できるマナ域でもないのもちょっと注意。
《大角クルショク/Great-Horn Krushok》
リミテッド1.0点
《軍用ビヒモス/War Behemoth》みたいな変異で溢れた環境で、デカいだけのバニラは強くない。名前が強そうでもダメ。3マナで出す選択肢のあるカードを差し置いて、こちらを使う意義が見いだせない。
《名誉の報賞/Honor’s Reward》
リミテッド2.0点
運用は難しいけれど、使いこなせればかなりの報賞が見込めるカードだ。4点のライフゲインをしつつ、戦闘で一方を取った上に、+1/+1カウンターによる強化が永続とくれば素晴らしいじゃないか。欠点はカウンターを置く先を好きに選べないことか。タフネスの揃えてあるデッキや、長久シナジーの見込めるデッキで輝きそうだが、その分普通のコンバットトリックとはかなり異なる挙動になるだろう。たとえばブロック前に唱えて、ダメージ除去が飛んでくるか、どこにカウンターが乗るか見届けてから使うとかね(相手は解決する前に動かないといけないため)。当たり前だけど、確定除去を持たれていたら先にブロックしたいところだから、インスタントの鼓舞は難しい。
ライフゲインがあまりありがたくないマッチでは、随分と強さが落ちてしまうし、強化呪文の常として、除去満載のデッキを相手にするのは厳しい。メインに採用できると思うけれど、相性の悪い相手に当たったらすぐサイドアウトすると思う。
《ジェスカイのバリケード/Jeskai Barricade》
リミテッド2.0点
これはいいね。俺は壁が好きだし、工夫の凝らしがいのあるカードも好きだ。おっと、好きといえばアドバンテージを稼げるカードを忘れちゃいけない。そんな3つの要素が詰まってるとか、なんて素晴らしいカードなんだ!クリーチャーがたくさん入っていないと真価を発揮できないから、どんなデッキにでも入るカードではないが、除去に対応して唱えられるといい感じ。メインに入らなくても、サイドボード要員として優秀だし、戦場に出たとき能力の誘発するクリーチャーの数を確保できれば更に強くなる。こういう工夫次第でより強くなるクリーチャーは大好きだ。2枚取れば無限ブロッカーにもなるぞ。
コメント
(あちこちよくわからなかったので)
Takuさんの翻訳力が身に浸みます。ありがとうございます。
プレリ前に必ず読みに来るので大いに助かっています
《エイヴンの散兵》の評価が部族支援や鼓舞のあるこの環境だと
ある程度マシになると思いきや0.0のままとは興味深いですね
鼓舞があれば後半でもある程度腐りにくくなると思うのですが...
いつもありがとうございます。
もはやライフワークと化しておりますが、やはりコメントがいただけるのは嬉しい限り。
楽しみにしてもらえるのはありがたいものです。
> 桜/メイプルさん
どうもありがとうございます。
部族支援や鼓舞をあてにしないと戦力にならないようなカードに頼ることへの警鐘なのではと捉えています。「~すれば強い」は、実際には条件を満たせないので弱い、と読み替えられる、リミテッドの基本に忠実だと、こんな評価になることもあるかと。
特殊環境で強い弱いなどはありますし、もっとも、環境理解が進むにつれ、当初の評価から点数が大きく上下するというのも珍しくはないのでもしかするとご指摘のようにワンチャン……?
部族支援に鼓舞に急襲と大変多くのシナジーを見込んで投入されたカードなのは明白ですからね、相方は戦利品に限らず頭蓋狩りでも猛進でも隊長でもいいわけで
WotCも昔のようなカードパワー重視のリミテッドではなく、横の繋がりを意識して組ませようとしている様に思えます
翻訳お疲れ様でした