◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review – White
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
 
 
《光変化/Lightform》
 リミテッド3.5点
 60%程度の確率でクリーチャーでないカードを予示する計算でも、予示してくっつくエンチャントはとても強力だ。3マナ2/2飛行絆魂というだけで既に十分すぎるほど強いし、予示でクリーチャーを引き当てようものなら、まず負けなくなる。うっかり表が《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》なんかだった日には、ダメージレースが成立しない。ハズレでも強さが保障されていて、その上とんでもないことになる可能性も秘めているとくれば、素晴らしいカードなのは間違いないね。
《蓮眼の神秘家/Lotus-Eye Mystics》
 リミテッド2.0点
 エンチャントが回収できるか、その真否を問わず、4マナ3/2果敢というだけでデッキによっては採用できる。3回に1回程度でいいから、回収できるエンチャントがあるなら是非使いたい。上で話した《光変化/Lightform》とか、強力なエンチャントも増えたし、回収する先を作るために無理をしなくても良さそうなのは追い風だね。
《マルドゥの悲哀狩り/Mardu Woe-Reaper》
 リミテッド2.5点
 前のめりな白黒戦士なら優先して取りたいところだが、普通に白が入っているという程度のデッキでは平凡な性能。中速デッキに1マナを詰め込んだら、その分、中盤から終盤にかけて引いてくるカードがちょっと色褪せることになる。1マナ2/1という性能はどちらかというとリミテッドより構築向けで、能力の方もやはり構築のが活かせるだろう。総じてリミテッドではまあまあ程度のカードだけど、軽くて《エレボスの鞭/Whip of Erebos》への対抗策にもなる構築のが居場所としては確かだろう。
《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
 リミテッド2.5点
 4マナで2/2を産みだす2マナのエンチャントとして見ても悪くない性能だけど、見た目以上に強い。予示していけば中にはクリーチャーも混じっているだろうから、単なる2/2に留まらずそれ以上のものを出してるようなものだし、ライフゲインがついてくるから大暴れするだけの時間が稼げるだろう。だからアドバンテージ源としてとても優秀だし、終盤はまさに産む機械だ。どちらかというとコントロール向けな性能だから、デッキを作る際は意識してみよう。
《僧院の導師/Monastery Mentor》
 リミテッド4.0点
 然るべきデッキで使えば壊れ性能だが、適当に使っても単なる《灰色オーガ/Gray Ogre》止まり。総員、注意して使うように。俺なら《果敢な一撃/Defiant Strike》や《抵抗の妙技/Feat of Resistance》、《再集中/Refocus》に《圧点/Pressure Point》とかスペルばかりのデッキを作りたい。さぞかし無双っぷりを見せてくれるだろうね。呪文一つあたり1/1を出すだけでも十分強いのに、トークンに果敢までついているというのは驚嘆すべき性能だ。トークンを出せば出すほど、先に出したトークンまで強くなるというのは、まさにデッキの機関部。幸運にも《ゴブリンすべり/Goblinslide》も拾えたら、コンボを目指してみてもいいね。
《圧点/Pressure Point》
 リミテッド3.0点
 どう転んでも悪くはない効果だし、果敢に寄せたデッキでは大活躍することも珍しくないだろう。果敢デッキではキャントリップというだけで採用したいし、殴りに行く場面でも猛攻を凌ぐ場面でも、クリーチャーをタップする効果は中々需要に合ってんじゃないかな。果敢を使わないデッキでもすんなり入るカードだから、優先して取っていきたい。
《先祖の結集/Rally the Ancestors》
 リミテッド0.5点
 変なカードだよね。戻したクリーチャーに速攻がつくと思ったら、そういうわけではないらしい。ブロックに使えるだけ。リミテッド的にはガッカリだね。構築なら何かしらコンボができそうだけど、リミテで無理して使うこともないんじゃないかな。重たい上に用途が限定的で、しかも前提としてクリーチャーがある程度墓地にいなきゃならないカードはちょっと扱いにくすぎる。
《賢人の夢想/Sage’s Reverie》
 リミテッド1.0点
 何らかのコンボを仕込まないと、4マナ+1/+1にカード1枚がついてくるだけ。ときめかないね。オーラ戦略が可能かと言われれば好意的に見積もっても怪しい止まりだし、カード損失なしで使えるとはいえ重い。採用を検討することは滅多にないだろう。
《砂爆破/Sandblast》
 リミテッド3.0点
 点数は3点をつけたけれど、環境に存在する除去の多くに何かしらの制限がついていることを考えると、3点より高めにみて優先してとってもいいかもしれない。でかすぎる《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》みたいに、倒せない生物が存在するのは残念だが、それでも5点のダメージは破格だ。コントロールデッキなら《必殺の一射/Kill Shot》を選ぶだろうけれど、殴りたい人はこちらをどうぞ。
《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
 リミテッド3.5点
 この選択肢付きクリーチャーのサイクルは実にいいね。こういう選択肢があるとゲームがぐっと面白くなるし、コモンにもサイクルがあって実に素晴らしい。そうはいっても、砂草原ののけ者の難易度は高くない。1/1飛行がついてくる方がほとんどの場合嬉しいだろうからね。サイクルでも他のカードの場合、もう少し難しい選択を迫られるけれど、だからといって砂草原ののけ者が弱いということではないよ。2/1でも3/2でも変異と相討ちはできるから、それに1/1飛行がついてくる方が嬉しいよね。
《魂の召喚/Soul Summons》
 リミテッド3.0点
 2マナ域はこういうカードを採用したい。確かにほとんど2マナ2/2バニラだろうけれど、それ以上のものが得られる可能性があるというのはかなり大きい。表にすることで奇襲できれば、それだけで追加のカード1枚分の働きといってもいいくらいだし、単なる2/2だったとしても、相手にはそうと分からない。予示を相手にするのは難しい。ほとんどの場合は単なる2/2だとしても、クリーチャーとして表になる可能性を計算に入れなければならないし、仮に表になったら何が出てくるか、あまりに多くのパターンが考えられて大変だ。うっかり《真珠の達人/Master of Pearls》でも表になろうものなら大惨事だし。予示されてるカードを見たら、ついつい裏側がバケモノだと思ってしまいそう(だからといって、カードの評価が大幅に変わるわけではないにしろ、ね)。
《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
 リミテッド4.0点
 2マナ2/2絆魂というだけで十分やり手なのに、マナをつぎ込めば普通の呪文でアドバンテージが稼げるとか素晴らしい。素晴らしすぎる。呪文に絆魂がつくというところに拘らなくてもいいから、そちらは嬉しいオマケということで。オマケ扱いと呼ぶには凄すぎるけどね。ジェスカイの強いカードの例に漏れなく、真の力を引き出すにはカードに合わせた構築が必要になるけれど、軽い呪文を集めるという方針はそこまで厳しくないはずだし、ジェスカイのデッキ構築方針とも多くの場合合致する。ちなみにこいつの点数は、真の力を発揮できたときでつけているから覚えておいてね。
《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
 リミテッド3.5点
 除去対象に制限がかかっているが、条件は結構緩い。除去したくなるようなクリーチャーは大体タフネス4以上だろうし、タフネス制限で対象に取れないようなクリーチャーには、もう一つのモードが役に立つはずだ。軽いコンバットトリックとしても、除去としても使えることで、かなり強いカードに仕上がっているね(リミテッドでも、構築でも)。
《放浪する勇者/Wandering Champion》
 リミテッド3.0点
 2マナ2/2はそれほど好きじゃない俺でも、3/1となれば使ってみたくなるというもの。パワーが3あれば後半になっても相討ちを取りやすい。それにこいつの場合、空気でない能力がくっついてるから、相手は易々とダメージを通せないだろう。コンバットトリックのたくさんある色で、こういうブロックしなきゃいけないと思わせるクリーチャーはいいね。ルーター能力はかなり、スルーを躊躇させる能力だ。
《護法鱗のドラゴン/Wardscale Dragon》
 リミテッド2.5点
 4/4飛行はいつでも4/4飛行。リミテッドの華だ。とはいえマナコストを見るとちょっと心配でね。こいつが戦闘に参加した瞬間、もう能力は有効だから、《必殺の一射/Kill Shot》であっさりやられることはない。だから6マナのクリーチャーを出して攻撃するまで持っていければきっと有利な状況に持っていけるだろう。マナカーブのトップにいてくれると嬉しい、《河水環の曲芸士/Riverwheel Aerialists》みたいなカードだね。

 
 白のリミテッドコモントップ5
 5.《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
 4.《圧点/Pressure Point》
 3.《魂の召喚/Soul Summons》
 2.《砂爆破/Sandblast》
 1.《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
 
 白はセット中最強のコモン《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》を擁し、優良除去の《砂爆破/Sandblast》もあり、《魂の召喚/Soul Summons》や《圧点/Pressure Point》のようなアーキタイプを形作るカードまで揃っている。アグロかコントロールか、どちらかを決定づけるような指向性は見られない。なので白をメインカラーに据えてドラフトするなら、タルキール覇王譚でアグロかコントロールか、どちらで組むか決めればいいだろう。白のカードパワーは間違いなく一級だ。それも柔軟ゆえに強いカードが多い。
 
 次は青をレビューするよ。たくさんカードを引くぞ!!
 明日午前11時ごろには上がる予定だから、チェックしてみてくれ。
 
 
 
 LSV

コメント

いぜっと@オルゾフ組
2015年1月14日23:59

>需要に合ってんじゃないかな。
ここクスリときましたw

Taku
2015年1月15日22:02

> いぜっと@オルゾフ組さん

言葉遊びもまた、LSV記事翻訳の愉しみの一つ。
反応していただけるのは翻訳者冥利に尽きます。

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