【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 黒 (by LSV) 前編
2015年1月21日 翻訳◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
Fate Reforged Limited Set Review - Black
Luis Scott-Vargas, 2015年1月13日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-black/
さ、果敢特集の色も終わったことだし、次は黒を見ていこう。除去あり、手札破壊あり、墓地いじりあり、疾駆でのビートダウンまでちらほら、よりどりみどりだ。
Fate Reforged Limited Set Review - Black
Luis Scott-Vargas, 2015年1月13日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-black/
さ、果敢特集の色も終わったことだし、次は黒を見ていこう。除去あり、手札破壊あり、墓地いじりあり、疾駆でのビートダウンまでちらほら、よりどりみどりだ。
《アリーシャの先兵/Alesha’s Vanguard》
リミテッド1.5点
疾駆のカード一番乗り!いい機会だから、疾駆というメカニズムについて話しておこう。バニラクリーチャーに疾駆がついても、特に超強力というわけではない。突然相手を殴ることができるけど、ちょっとマナ喰い虫が過ぎる。3ターン目をこういうカードの疾駆で使ってしまうのはできれば遠慮したい。疾駆が輝くのはもっと後半になってから。突然追加のアタッカーが現れて、喉元に食いついてくる場合だ。ゲーム全体を通して、いつ疾駆しても有効というわけではないね。何もやることがないときにダメージを狙いに行けるのは結構嬉しいし、ちょっとのマナで強襲を達成できるのもいい。とはいえ、疾駆は疾駆能力持ちに寄せてデッキを構築するようなメカニズムではないね。複数あっても強みが伸びるわけではないし、手札に疾駆クリーチャーが重複しても嬉しくない。
なんて考えていくと、こいつはつまり《丘巨人/Hill Giant》そのもの。そして丘巨人くらいのサイズはすぐに圧倒されてしまう環境だ。疾駆がついたからといって、評価は覆らないと思う。
《先祖の復讐/Ancestral Vengeance》
リミテッド3.0点
+1/+1カウンターと-1/-1修正の抱き合わせが2マナとか、喜んで払うよ。特に+1/+1カウンターとシナジーのあるアブザンクリーチャーと組み合わさったら最高だ。色シンボルはちょっと厳しいけど、率先して取りたくなる強さだとも。
《悪行の大悪鬼/Archfiend of Depravity》
リミテッド4.0点
5マナ5/4飛行が弱いはずがない。能力もオマケとしては結構嬉しいし、相手の盤面がクリーチャーでひしめいていたら笑いが止まらないところだ。能力が誘発するまで、1ターンの猶予がなければもっと強かったろうが、5/4飛行にこれ以上を求めるのは酷というもの。
《戦いの喧嘩屋/Battle Brawler》
リミテッド3.0点
3点は3ターン目までに白か赤のパーマネントを安定して出せること前提の評価だけど、安定してお供を出せるデッキでは名前に恥じぬ暴れっぷりを見せてくれるはず。前のめりに組んだ戦士デッキにおいては、なにをおいても2マナ域のクリーチャーが必要だから、こいつはうってつけの性能だ。これより強い、戦士デッキの2マナ域はそうそういないはず。
殴らないデッキや、お供のクリーチャーを安定して出せないデッキでは今一つの活躍しかできないだろうから、その点はくれぐれも忘れないように。あと、戦闘中にお供をやられて先制攻撃を失うとあっさり死にかねないから、除去やバウンスで討ち取られないように気を付けたい。
《粗暴な軍族長/Brutal Hordechief》
リミテッド4.0点
下の能力が起動できなくても、攻撃クリーチャー1体に付き1点のドレインはダメージレースにおいて粗暴を通り越して極悪非道。場に出して攻撃して2点ドレインすれば、5ターン目に総攻撃へ繰り出しやすくなるというもの。対戦相手の命は風前の灯だろう。能力もまったく手が付けられない。どうでもいいクリーチャーを全力でブロックさせて本命の攻撃を通してもいいし、あるいはこちらの有利になるようなブロックを強要する選択肢もある。
攻撃的なデッキで使わないと途端に強さが薄れてしまうものの、コントロールでもいけるだけの力はある。もっともコントロールでは、爆弾レアというほど強くは使えないだろうが。
《命運の核心/Crux of Fate》
リミテッド4.0点
《対立の終結/End Hostilities》は、他環境の全体除去と比べてかなり強くてお気に入りだった。《ゴブリンすべり/Goblinslide》コントロールとか変なドラフトをしてたせいかもしれないけど、タルキール覇王譚はクリーチャー多めのデッキが多かったから、全体除去を意識しながらプレイするのが難しかったのも一因かもしれない。とにかく、基本的にこいつは黒い《対立の終結/End Hostilities》で、うまくいけばこっちの盤面にドラゴンが残るかもしれないし、あるいは相手の盤面にドラゴンが残って困る可能性もある。もちろん、相手の場にドラゴンが残るときはドラゴンを絶滅させてもいいわけだが、どっちにしても唱える側が都合よく選べることは確かだ。
《闇取引/Dark Deal》
リミテッド0.0点
要するにこれは《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》みたいなもので、探査カードを使いやすくするように見せかけた罠なんだな(策謀も結構罠だったけど、それでもこれよりは使えたと思う)。こんな取引をしちゃいけない。そもそもカード名で警告されてるだろ。闇取引なんて危険に決まってるじゃないか。正体の見えないカードに手札1枚を投資した上、相手に損害を与えることもできないだなんてな。
《荒野での交渉/Diplomacy of the Wastes》
リミテッド0.5点
《強要/Coercion》は《帰化/Naturalize》みたいなサイドボード要員だった。たまに2点ダメージが追加されるようになってもそれは変わらない。重たくて強いカードをこれでもかとばかりに詰め込んだデッキ相手にサイドインすることはあっても、そんなときでもなけりゃ3ターン目をこれなんかに使うのは御免蒙りたいね。
《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》
リミテッド3.0点
《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》がギルドパクトから再録だ。未だに通用するよ。目を見張るようなカードではないにしても、相手の3ターン目に出てきた変異クリーチャーを撃ち落としてライフも得られるというのは、序盤を凌ぐのにぴったり。除去の豊富な環境で選択肢が多いわけではないから、軽い《絞首/Throttle》くらいに思っておけばいい。そう考えると結構いいでしょ?
《恐るべき目覚め/Fearsome Awakening》
リミテッド1.0点
5マナもつかって、5マナかそれ以下のクリーチャーしか釣れないことがあるとか、恐るべき不安定さ。しかも5ターン目意気揚々と唱えようとして墓地が空のことすらあるとかもうね……。
《恐ろしい徴兵/Ghastly Conscription》
リミテッド1.0点
環境に探査というメカニズムが無ければお友達になれたと思うんだがな。フィニッシャーとして使うはずが、空振りに終わりましたとか、考えるだに恐ろしい。色々なデッキに入りそうに見えるが、その割に使いどころは選ぶという、奇妙な扱いを受けると思う。不安定さがネックだ。フィニッシャーとしてサイドボードから投入といのはいいね。変な感じがするけど、いずれにせよ疑問符のつくカードなのは間違いない。
探査を全く使わない色の組み合わせは存在しないから、安定にはかなり欠けることになる。7マナも使ってフィニッシャーにならないかもしれないとか、わざわざ使う必要があるか怪しくなってくる。
《墓所の力/Grave Strength》
リミテッド1.5点
使いたければ止めはしないが、終盤にならないと強みは出ないと思う。安定して+2/+2くらいはつかないと検討にすら値しない。しかも序盤からは使えないとなると、遠慮しておきたいかな。
面白いのは、クリーチャーカードを墓地に落とすデッキほど、探査で墓地のクリーチャーカードを取り除くことが多いというところだね。だからこれは、クリーチャー多めでかつ探査もかなり利用するようなデッキ向け、ということになるかな。そんなデッキがあればだけど。+1/+1カウンターマニアのアブザンで使うとちょっと強いかもしれない。突然+5/+5修正がついた上に飛んだり絆魂を得始めたら、きっと愉快だろう。
《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
リミテッド2.5点
知ってるかい?《境界の偵察/Scout the Borders》を唱えて、何も手札に入れないのは適正なプレイだ。そうすれば都合6枚のカードが墓地に落ちるから、次ターンにこいつと変異が出せるぞ!すごい!そんな後悔しそうな偵察はともかく、探査デッキにすんなり入る巨大生物が増えたのは嬉しいね。型破りなデッキが増えるのは歓迎だ。それにこいつがこぞって採用されるなら、重さ的に《宝船の巡航/Treasure Cruise》を取りたがるプレイヤーが減るだろうから、個人的にはその意味でも歓迎だね。
《頭巾被りの暗殺者/Hooded Assassin》
リミテッド2.0点
3マナ2/3バニラ、もしくは1/2で手負いのクリーチャーを仕留められるというのは、超強力でこそないにしろ普通に強い。殴りに行くのが自然なデッキでこそ強い一枚だけど、一方的にやられても構わないトークンを使うようなデッキで使うといいだろう。こいつが環境にいる以上、殴りに来るクリーチャーは何であれ接死がついているようなものだから、相手の1/1が攻撃してきたときに5/5で止めるかどうかはよく考えた方がいい。
《マルドゥの影槍/Mardu Shadowspear》
リミテッド1.0点
実質1マナ2/1みたいなものでも、戦闘で2/1として扱えないのはかなりガッカリ性能だ。《鼓動の追跡者/Pulse Tracker》がゼンディカーで強かったのは、環境が超前のめりだったからで、この環境はゼンディカーほど攻撃を推奨していない。疾駆がついたからといって、その評価は変わらない。
《マルドゥの急襲指揮者/Mardu Strike Leader》
リミテッド3.5点
上の影槍と比べて、こちらは指揮者というだけあって、中々の襲い掛かりっぷりだ。普通の使い方は、3ターン目素出しして、4ターン目に相手の変異と相討ちして2/1が残るというところか。でももっと凄いことだってできる。除去やコンバットトリックで道をこじ開ければ、何回も急襲をかけられるぞ。こいつに何度も襲われたら、そこから押し返すのはかなり難しい。しかも終盤引いたら速攻で襲い掛かれるんだ。強烈なポテンシャルを持ちつつ、特に何の支援が無くても強い、素晴らしいカードだね。
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