◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review – White
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月16日
 
 http://www.channelfireball.com/home/dragons-of-tarkir-limited-set-review-white/
 
 5.0点 強すぎる神いわゆるゴッド。《群れネズミ/Pack Rat》、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》、《風番いのロック/Wingmate Roc》
 
 4.5点 素晴らしい爆弾レアだが、対処できなくはない。《軍族の解体者/Butcher of the Horde》、《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》、《火口の爪/Crater’s Claws》

 4.0点 優秀なレアや、それに比肩し得るアンコモン。《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》、《対立の終結/End Hostilities》、《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》

 3.5点 《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》、《停止の場/Suspension Field》

 3.0点 ほぼデッキに入る良カード。《消耗する負傷/Debilitating Injury》、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》、《肉は塵に/Flesh to Dust》

 2.5点 まず抜けることのないカード。《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《苦々しい天啓/Bitter Revelation》、《弱者狩り/Hunt the Weak》

 2.0点 数合わせでデッキに入る。でもたまに抜けるカード。《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》、《果敢な一撃/Defiant Strike》、《取り消し/Cancel》

 1.5点 頭数の水増し。入るかどうかは半々くらい。《境界の偵察/Scout the Borders》、《飛空士の修繕屋/Aeronaut Tinkerer》、《レインジャーの悪知恵/Ranger’s Guile》

 1.0点 数合わせとしても役不足。ほぼ入らない。《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》、《青銅の黒貂/Bronze Sable》、《抑圧的な光線/Oppressive Rays》

 0.5点 ギリギリデッキに入るかどうかなカード。もしくはサイドボード用カード。《帰化/Naturalize》、《部族養い/Feed the Clan》、《集い/Congregate》

 0.0点 役立たず。《市内捜査/Search the City》、《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》

 
《族樹の精霊、アナフェンザ/Anafenza, Kin-Tree Spirit》
 リミテッド4.0点
 クリーチャーを展開するたびに+1/+1カウンターがついてくるってのはかなり嬉しい。しかもその能力が、カウンターを乗せる先にもなるクリーチャーについてるとくれば最高だ。2ターン目にアナフェンザを出して後続がしっかり控えてるようなら、ゲームはもはや勝ったようなもの。後半引いてきて嬉しい類のカードではないものの、それでもアナフェンザと何かもう1枚といった具合に展開することくらいはできるはず。強レアだね。
《アラシンの先頭に立つ者/Arashin Foremost》
 リミテッド4.0点
 3マナ2/2二段攻撃はそれだけで十分強力だ。強化呪文も併せて投入できれば更に凄いことになる。そんなクリーチャーに戦士シナジーがついてるから、然るべきデッキで使えばさぞかし猛威を振るってくれるだろう。仮に序盤こいつを取って、戦士が全然取れなかったり、引いてこれなくても心配することはない。単体で十分、戦闘に役立つ者だ。
《巧みな機動/Artful Maneuver》
 リミテッド2.0点
 前のめりであればあるだけ強く使える。反復の方は、白い《溶岩の斧/Lava Axe》といってほぼ差し支えないだろう。1回目で戦闘を突破すれば、コンバットトリック分の仕事をしたことになる。反復分は何も消費せず、強烈な一撃をお見舞いできるようなもの。とはいえ仮に殴り得だとしても、あまり攻撃に行きたくないデッキもあるから、攻撃的なデッキなら使えばいいし、そうでないコントロール系のデッキならサイドアウトすればいいだろう。そもそもコントロールデッキでは、あまりコンバットトリック自体採用しないしね。中速程度のデッキなら22~23枚目として入れて問題ないし、果敢系のカードが多ければ反復呪文をあるだけ詰め込みたくなりそうだが、こういうカードは2マナクリーチャーで殴るデッキ向けって気がするね。
《エイヴンの陽光弾手/Aven Sunstriker》
 リミテッド3.0点
 ここ数か月間、リミテッドをプレイしてきた人なら分かると思うけれど、色の合っている変異はどれも強いと思ってくれていい(アイノクの足跡追い?知らない子ですね)。大変異もまさに、変異の例に漏れないと思う。エイヴンの陽光弾手は素出ししても、変異で出しても3マナ域として申し分のないクリーチャーだ。二段攻撃と大変異との相性が抜群で、大変異にかかるマナを支払うだけの価値がある。色さえ合えば採用していい強カード。上の《巧みな機動/Artful Maneuver》とかと一緒に使えれば尚良し。
《エイヴンの戦術家/Aven Tactician》
 リミテッド2.5点
 鼓舞だから望んだようにカウンターを配置できないものの、ほぼ3/4飛行のようなものだろう。もしかしたら戦術家より強いクリーチャーに乗るかもしれないし、鼓舞のメリットデメリットはほぼ相殺されてると見ていい。5マナ3/4飛行だと思えば、はっきり評価できるでしょ?
《熟達した戦い/Battle Mastery》
 リミテッド0.5点
 龍紀伝は謎の二段攻撃推しだから、普通のセットより使うことがあるかも?二段攻撃推し→コンバットトリック大人気→コンバットトリックと相性の良い《熟達した戦い/Battle Mastery》も強い!的な理論で。それでも、個人的にはできれば使いたくない。最強クリーチャーを作り上げるにしても、あまりに大量のマナが必要な割に、見返りが小さすぎる。おまけにオーラ特有の、アドバンテージを失うデメリットもそのままだ。
《魂の基点/Center Soul》
 リミテッド2.0点
 《巧みな機動/Artful Maneuver》と驚くほどよく似ているね。どちらもコンバットトリックであり、反復でダメージを取りに行けて、マナコストが白1と無色1マナだ。魂の基点の場合、バウンスやダメージでない除去からクリーチャーを守れる点は優れるものの、3/3で4/4を討ち取ったりすることはできない。パッと見た限りでは魂の基点の方がほんの少し上かなと思うけれど、これと巧みな機動のどちらが優れるかは、クリーチャーの質によるところが大きいと思う。素の状態のクリーチャーが優秀であればあるほど、魂の基点の方が良い。それにデッキがどのくらい攻撃的かを加味すれば、大体どちらが欲しいかは導き出せるだろう。
《アラシンの勇者/Champion of Arashin
 リミテッド2.0点
 3マナ以下のクリーチャーとお見合いするとグヌってしまうものの、1:1交換をしつつ3点のライフが得られるならまあ良し。替えのきく程度のクリーチャーではあるものの、まあどんなデッキに入れてもいいし、コンバットトリックを使えば強いカードさ。
《ドラゴンを狩る者/Dragon Hunter》
 リミテッド2.5点
 1マナで終盤まで役に立つヤツとは是非仲良くしたい。プロテクションは役に立つときも立たないときもあるだろうけれど、1マナ2/1はそれだけで十分だし、結構ドラゴンも目にしそうだ。
《龍の眼の歩哨/Dragon’s Eye Sentry》
 リミテッド0.5点
 来いよベネット!防衛なんて捨ててかかって来い!
《ドロモカの隊長/Dromoka Captain》
 リミテッド2.0点
 序盤は2/2先制攻撃というスペックだけで、強気に殴っていけばいい。ゲームが長引くにつれ苦しくなるから、3/3が出てきても殴れるよう、コンバットトリックを用意しておくといいかも。
《ドロモカの砂丘唱え/Dromoka Dunecaster》
 リミテッド1.5点
 普通はタッパーとか大好きなんだけど、こいつは罠な気がする。飛行が止めれるのが本来のタッパーの持ち味だし、起動に2マナもかかるのはいただけない。1枚くらい入れたくなるマッチアップもありそうだけど、第一印象は今一つといったところ。
《ドロモカの戦士/Dromoka Warrior》
 リミテッド2.5点
 リミテッドで2マナ3/1が弱いはずがない。タフネス1に人権の無い環境、というわけでもなさそうだしね(とはいえ黒にはタフ1を咎めるカードがいくつかあったから気を付けておこう)。
《族樹の残響/Echoes of the Kin Tree》
 リミテッド1.5点
 環境の速さが分からないとはいえ、ドラフト的にはちょっと悠長すぎる気がする。シールドでも辛そう。相手にしたら相当面倒そうだから、少なくともカードパワーはあるんだろうけど、3マナ支払って+1/+1カウンターを得る……というのは何か違う。その上カウンターが、乗せたいところに乗ってくれないこともあるのはちょっとね。輝くマッチアップもありそうだけど、そう多くはないんじゃないかな。
《不朽の勝利/Enduring Victory》
 リミテッド2.5点
 重くても除去は除去。ドラゴンを倒すためなら、5マナくらい支払ってもいいさ。鼓舞もついてないよりは大分嬉しい。重くても多少は使う気になれるかな。限定的な除去の上に重いから、複数枚あって強いカードではない。こればかり集めるのは避けたいところ。
《忘れられた運命/Fate Forgotten》
 リミテッド0.5点
 サイドボード要員になる運命。
《まばゆい神盾/Glaring Aegis》
 リミテッド2.5点
 こんな高い点をつけるなんて、我ながら正気の沙汰とは思えない……が、これより低い点をつけるのは間違いだと思う。たった1マナで上がるサイズとしてはかなりのものだし、場に出たターンにブロッカーをタップすれば、4~5点くらいは軽く持っていく。続くターンにも、3,4点くらい追加で入れられそうだ(相手に3/3がいたとして、こちらが2/2にこれをつけて突破すれば、追加の3点打点を稼いだことになる。単なるパワーの修正値じゃないぞ)。ビートダウン御用達って感じがしないか?この手のカードをかき集めるデッキは結構あるもんさ。
《権威の微光/Gleam of Authority》
 リミテッド2.0点
 軽くて強力な効果だが、1:2交換を差し出してしまうのが唯一最大の欠点。数ターン処理されなければ、カウンターをばら撒きつつ強烈な一撃をお見舞いして元は取れると思うけどね。除去はそれなりにある環境だから、干渉手段の多い相手に対しては、サイドに落とす勇気を持とう。
《雅刃の職工/Graceblade Artisan》
 リミテッド1.5点
 3マナ2/3が欲しければどうぞ。オーラがどうこうってところはあまり見なくていいと思う。たまたまこれとオーラが一緒のデッキに入るようなことがあれば、それは素晴らしいことなんだが、無理矢理オーラを使おうとするのはお勧めできないよ。
《偉大なる師の指令/Great Teacher’s Decree》
 リミテッド2.0点
 使いどころを選ぶ代わりに強力なカードが白には多いなあ。いいことだと思うけどね。2ターンに渡って3体のクリーチャーで殴り掛かれるときには、それはもう素晴らしい。でも押されているときには何の役にも立たない。これが自分のデッキに入るかどうか、またいつ唱えるか、よくよく考える必要のあるカードだ。どんなデッキで使っても強い優等生より、こういうカードのが面白い。白は割と前のめりな色に見えるから、しれっとデッキに入ってることが多そうではある。
《ドロモカの伝令/Herald of Dromoka》
 リミテッド2.0点
 《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》と見比べてみた感じ、どうもアナフェンザと比べてドロモカは伝令を重要視していないらしい。見てくれよこの性能差。まあそうは言っても、2マナ2/2にちょっと嬉しい能力がついているのは、強化呪文を詰め込んだビートダウンにぴったり。まず間違いない安全牌だね。戦士シナジーは別になくたっていい。もちろんシナジーがあれば素直に喜んでおけばいいけれど、無理矢理追及するようなものじゃないよ。
《隠れたる龍殺し/Hidden Dragonslayer》
 リミテッド4.0点
 2ターン目に出すこともできる《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》だって?いいね!名前に反して、強さは隠れてないってとこかな。見たら取ろう。倒したいクリーチャーは大体倒せるだろうし、軽い。しかもタッチで使うことだって難しくない。
《光歩き/Lightwalker》
 リミテッド1.5点
 2/1は2/2と比べるとやっぱ一段落ちる。とはいったものの、鼓舞系の要素がちょっとあるなら話は変わってくる。名前は歩きって書いてあるけど、こいつは飛ぶんだ。光歩きが晴れて光飛びになった日には、これはもう全くの別物。2マナ2/1を無理なく採用できて、鼓舞のついてるカードが2~3枚でもあるなら、まさにこいつはうってつけ。鼓舞がなければ、頭数合わせくらいに思っておけばいい。
《霧蹄の麒麟/Misthoof Kirin》
 リミテッド3.0点
 素出ししても変異を経由しても優秀。どっちで使っても良く、しかもどちらか選べるのはかなり大きい。4ターン目、5ターン目、他に展開するものがあるなら、多分麒麟は3ターン目に出してしまうと思う。でも直近のターン特にやることがなさそうなら、変異で出してから表にするときっと幸せ。
《神話実現/Myth Realized》
 リミテッド2.5点
 非クリーチャー呪文が8枚以上入っているデッキで1ターン目に出したら、きっと凄いことが起きること請け合い。でも後半トップから引いてきたら実に困ってしまう。呪文が噛み合わなくとも、マナをつぎ込めば成長できるというところはいいものの、育てるのにマナを支払わなくちゃならないようなデッキでは使いたくないね。初手で手を出すカードではないと思うものの、青白の呪文を数枚取った後で見たなら、2.5点のカードとしてピックするか考えてもいいね。
《オジュタイの模範/Ojutai Exemplars》
 リミテッド4.5点
 歌って踊れる4マナ4/4。見たら初手で取ろう。こちらの手札にたとえ呪文がなくても、相手からしたら4/4程度のクリーチャーでブロックしたい手合いではない。実際に呪文を抱えていたら、こいつは除去するのも激しく困難な上、ダメージレースに持ち込むのも厳しい。爆弾レアとはこうあるべきだね全く。もしも取れたなら、呪文の評価を少し優先して取っていきたいけれど、別に専用デッキを組む必要はないよ。

コメント

listener
2015年3月18日0:27

いつもありがとうございます。
この訳文はいつも以上に切れがいいと思うのは気のせい?

dds666
2015年3月18日0:30

>>ひ
自分もニヤッとしちゃいました
いいっすね~この訳!

すずくま
すずくま
2015年3月18日9:27

うひゃ~LSV兄貴のレビューだぞおぉぉおぉ!!

Why?を意訳するとこいベネになるのかwww

re-giant
2015年3月18日9:41

お疲れ様です。ノってる訳を見ていると、楽しんで訳してるのが伝わってきてとても良いです。ところで《巧みな機動/Artful Maneuver》が《溶岩の斧/Lava Axe》に例えられているのが不思議な感じでした。戦闘前に+2/+2で強化されたクリーチャー = 5点分の火力に相当、ってことだとは思うのですが。

Taku
2015年3月18日21:08

> listenerさん

いえいえこちらこそ。
毎回限られた時間の中でベストを尽くすと、たまにこうやってキレのいい訳文がにたどり着けることがあります。
やはりレビューは数がありますので、一つ一つ満足いくまで時間をかけるのは残念ながら難しいんですが、こういったのができたときはやったぜ!ってなりますね。

> dds666さん

いやー、このマニア的喜びを理解していただけて実に嬉しい!
気に入っていただけて嬉しいなあ!

> すずくまさん

ヒャッハー!

Why?は逆に情報量少なすぎてネタに走れるんですが、「ワイ」という音を活かした分かりにくいネタより直球を選んでみました。

> re-giantさん

本当、自分でも2番目にして手ごたえを感じられたので、感覚をシェアできたようで嬉しいです。
そうですね、原文でもまさに白い溶岩の斧と言っていますが、強化されたクリーチャーはディスアドバンテージにつながるからブロックしづらい……だから大体通って更にダメージを奪えるだろう、ということと呼んでいます。
前に探査絡みで、自分のライブラリーを削る様を「暗黒の儀式」って喩えてたことも分かりづらかった模様なので、やはり少し壁はありますね。うまく訳せるといいのですが。

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