【翻訳】フランクに考えよう 戦乱のゼンディカー、ピック順位表 前編
2015年11月2日 翻訳 コメント (3)◆ 【翻訳】フランクに考えよう 戦乱のゼンディカー、ピック順位表
A Pick Order List for Battle for Zendikar
By Frank Karsten 2015年10月27日
http://www.channelfireball.com/articles/a-pick-order-list-for-battle-for-zendikar/
プロツアーも遠い記憶になりつつある今こそ、戦乱のゼンディカーリミテッドについて語るべきタイミングだろう。私のピック順位表を公開しようと思う。1パック目の1ピック目という前提で、ピックの優先度で上から下まで並べたものだ。
ピック順位表では、多色のカードや特定の色の組み合わせでのみ輝くようなカードは、少し評価を落としてある。初手でこういった曲者のカードをとってしまうと、ドラフト中に柔軟性を欠くことになりかねない。反対に、無色のカードや複数のアーキタイプで使えるカードは、選択肢を狭めなくて済むので高めに見てある。一般的な考え方として、あまり早くから色を決めつけてしまうと、空いている色を見逃したり、上家と全く同じ色をとってしまったりしかねない。
最後に付け加える点として、施行した中では青赤、青黒、赤黒が最も勝率の高い組み合わせだった。なのでグリクシス(青黒赤)カラーのカードは少しだけ高めに評価している。緑や白のデッキは、青・黒・赤と比べるとパンチ力に欠けることが多かった。
この表は初手の優先順位をつけたものだが、これだけでは戦乱のゼンディカーのリミテッドで必要不可欠な要素が入っていない。つまり、シナジーに満ちた、ゲームプランのあるデッキを作ることの重要性は汲み取れていない。このシナジーこそ、他のドラフト環境と戦乱のゼンディカーとの差異に他ならない。例えばマジック・オリジンでは、ブースターから一番強いカードを取り続けることでドラフトに勝つこともできた。マナカーブに注意したりする必要はあったものの、そこまでデッキの生み出すシナジーが強力ではなかったのだ。しかし戦乱のゼンディカーは違う。ここ最近のセットでは一番、カード同士の組み合わせを考え、最もゲームプランに合致したものを選択する必要がある。シナジーを考えるための助けとして、2色の組み合わせ10通りそれぞれでデッキを作る際、最も有用なコモン・アンコモンを集めてみた。記事の後半部分を見てみてほしい。
とはいえ、まずはピック優先順位表を見るとしよう。読みやすさのため、あとコメントのため、いくつかの塊に分けてあるけれど、一つの表として続いていると思ってくれて構わない。
ここにあげたカードは、あらゆるコモン・アンコモンを差し置いて初手で取る。
金銭的価値はピック基準に含めていないので、Expeditionは除いてある。ここでの基準はゲーム中カードの持つ価値だけに限定している。まあ現実的には、プロツアーのようなプレミア・イベント以外のドラフトでExpeditionが出たら、何を差し置いてもとる。そうだろ?色安定にも貢献するし!
《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》は、本体に撃ちこんでゲームを終わらせることができる。これだけでも十分に強力だが、状況次第では盤面を薙ぎ払ってしまうこともできるので、トップアンコモンといっていいだろう。
雷鳴の後ろに続くレア、《放浪する森林/Woodland Wanderer》、《ムラーサの緑守り/Greenwarden of Murasa》、《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》、《アクームの火の鳥/Akoum Firebird》、《荒廃を招くもの/Blight Herder》、《破滅の伝導者/Conduit of Ruin》といった面々は、どれも《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》に負けず劣らず強力だ。今は雷鳴より下にしているものの、初手で雷鳴を差し置いてとったとしても何ら問題ないと思う。特に荒廃を招くものと破滅の伝導者は無色で、色選択を保留できるので魅力的だ。一つ覚えておくこととして、伝導者の能力は嚥下を前にするとうまく機能しない。占術にもいえることだけど、嚥下との相性は気を付けよう。
《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》がコモン中最強だ。マナレシオが素晴らしく、3マナでパワー2の飛行というだけで採用には十分だが、欠色であることと、お供のエルドラージ・末裔の力添えもあってトップに君臨している。《掴み掛かる水流/Clutch of Currents》も、《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》に似た強烈な一撃をお見舞いするが、それでも最高の欠色カードのが優れていると思う。
既にお気づきかもしれないが、トップコモンは全てグリクシス(青黒赤)カラーだ。上でも触れたが、今回の環境では欠色デッキこそドラフト最強だと考えている。なので可能であれば、ちょっとくらいの差には目を瞑って、赤、青、黒のどれかから入りたい。例えば《停滞の罠/Stasis Snare》や《血統の観察者/Brood Monitor》は素晴らしいカードだが、色的な理由でカード本来の強さより少し優先順位は下にしてある。
ここから下は、まず同盟者でぶっ飛んだ強さのが少々(緑か白をやると大体同盟者はどこかに入る)。それから普通に強いレアだ。ただ、ここから下のレアは、強力ではあるものの、多色だとか、ちょっと悠長だとか、色拘束が厳しいとか、状況を選ぶとか、何かしらの制限がつく。
A Pick Order List for Battle for Zendikar
By Frank Karsten 2015年10月27日
http://www.channelfireball.com/articles/a-pick-order-list-for-battle-for-zendikar/
プロツアーも遠い記憶になりつつある今こそ、戦乱のゼンディカーリミテッドについて語るべきタイミングだろう。私のピック順位表を公開しようと思う。1パック目の1ピック目という前提で、ピックの優先度で上から下まで並べたものだ。
ピック順位表では、多色のカードや特定の色の組み合わせでのみ輝くようなカードは、少し評価を落としてある。初手でこういった曲者のカードをとってしまうと、ドラフト中に柔軟性を欠くことになりかねない。反対に、無色のカードや複数のアーキタイプで使えるカードは、選択肢を狭めなくて済むので高めに見てある。一般的な考え方として、あまり早くから色を決めつけてしまうと、空いている色を見逃したり、上家と全く同じ色をとってしまったりしかねない。
最後に付け加える点として、施行した中では青赤、青黒、赤黒が最も勝率の高い組み合わせだった。なのでグリクシス(青黒赤)カラーのカードは少しだけ高めに評価している。緑や白のデッキは、青・黒・赤と比べるとパンチ力に欠けることが多かった。
この表は初手の優先順位をつけたものだが、これだけでは戦乱のゼンディカーのリミテッドで必要不可欠な要素が入っていない。つまり、シナジーに満ちた、ゲームプランのあるデッキを作ることの重要性は汲み取れていない。このシナジーこそ、他のドラフト環境と戦乱のゼンディカーとの差異に他ならない。例えばマジック・オリジンでは、ブースターから一番強いカードを取り続けることでドラフトに勝つこともできた。マナカーブに注意したりする必要はあったものの、そこまでデッキの生み出すシナジーが強力ではなかったのだ。しかし戦乱のゼンディカーは違う。ここ最近のセットでは一番、カード同士の組み合わせを考え、最もゲームプランに合致したものを選択する必要がある。シナジーを考えるための助けとして、2色の組み合わせ10通りそれぞれでデッキを作る際、最も有用なコモン・アンコモンを集めてみた。記事の後半部分を見てみてほしい。
とはいえ、まずはピック優先順位表を見るとしよう。読みやすさのため、あとコメントのため、いくつかの塊に分けてあるけれど、一つの表として続いていると思ってくれて構わない。
最強格のレア・神話レア
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
《隔離の場/Quarantine Field》
《次元の激高/Planar Outburst》
《マラキールの解放者、ドラーナ/Drana, Liberator of Malakir》
《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
《タジームの守護者/Guardian of Tazeem》
《忘却蒔き/Oblivion Sower》
《希望を溺れさせるもの/Drowner of Hope》
《破滅の道/Ruinous Path》
《果てしなきもの/Endless One》
ここにあげたカードは、あらゆるコモン・アンコモンを差し置いて初手で取る。
金銭的価値はピック基準に含めていないので、Expeditionは除いてある。ここでの基準はゲーム中カードの持つ価値だけに限定している。まあ現実的には、プロツアーのようなプレミア・イベント以外のドラフトでExpeditionが出たら、何を差し置いてもとる。そうだろ?色安定にも貢献するし!
トップアンコモンと強レア
《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》
《荒廃を招くもの/Blight Herder》
《破滅の伝導者/Conduit of Ruin》
《放浪する森林/Woodland Wanderer》
《ムラーサの緑守り/Greenwarden of Murasa》
《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》
《アクームの火の鳥/Akoum Firebird》
《荒廃の一掴み/Grip of Desolation》
《不快な集合体/Vile Aggregate》
《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》
《怒りの座、オムナス/Omnath, Locus of Rage》
《不死のビヒモス/Deathless Behemoth》
《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》は、本体に撃ちこんでゲームを終わらせることができる。これだけでも十分に強力だが、状況次第では盤面を薙ぎ払ってしまうこともできるので、トップアンコモンといっていいだろう。
雷鳴の後ろに続くレア、《放浪する森林/Woodland Wanderer》、《ムラーサの緑守り/Greenwarden of Murasa》、《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》、《アクームの火の鳥/Akoum Firebird》、《荒廃を招くもの/Blight Herder》、《破滅の伝導者/Conduit of Ruin》といった面々は、どれも《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》に負けず劣らず強力だ。今は雷鳴より下にしているものの、初手で雷鳴を差し置いてとったとしても何ら問題ないと思う。特に荒廃を招くものと破滅の伝導者は無色で、色選択を保留できるので魅力的だ。一つ覚えておくこととして、伝導者の能力は嚥下を前にするとうまく機能しない。占術にもいえることだけど、嚥下との相性は気を付けよう。
トップコモンや中堅レア・アンコモン
《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》
《完全無視/Complete Disregard》
《虚空の接触/Touch of the Void》
《停滞の罠/Stasis Snare》
《下生えの勇者/Undergrowth Champion》
《掴み掛かる水流/Clutch of Currents》
《ウギンの洞察力/Ugin’s Insight》
《血統の観察者/Brood Monitor》
《連射する暴君/Barrage Tyrant》
《ランタンの斥候/Lantern Scout》
《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》
《粗暴な排除/Brutal Expulsion》
《深水の大喰らい/Fathom Feeder》
《沿岸の発見/Coastal Discovery》
《淀みの種父/Sire of Stagnation》
《ハリマーの潮呼び/Halimar Tidecaller》
《棘撃ちドローン/Nettle Drone》
《破滅を導くもの/Ruination Guide》
《息詰まる忌まわしきもの/Smothering Abomination》
《多勢/Outnumber》
《水底の潜入者/Benthic Infiltrator》
《風乗りの巡回兵/Windrider Patrol》
《コジレックの歩哨/Kozilek’s Sentinel》
《陰惨な殺戮/Gruesome Slaughter》
《タジュールの戦呼び/Tajuru Warcaller》
《泥這い/Sludge Crawler》
《塵の中を忍び寄るもの/Dust Stalker》
《アクームのヘルカイト/Akoum Hellkite》
《うねる撃ちこみ/Serpentine Spike》
《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner》がコモン中最強だ。マナレシオが素晴らしく、3マナでパワー2の飛行というだけで採用には十分だが、欠色であることと、お供のエルドラージ・末裔の力添えもあってトップに君臨している。《掴み掛かる水流/Clutch of Currents》も、《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》に似た強烈な一撃をお見舞いするが、それでも最高の欠色カードのが優れていると思う。
既にお気づきかもしれないが、トップコモンは全てグリクシス(青黒赤)カラーだ。上でも触れたが、今回の環境では欠色デッキこそドラフト最強だと考えている。なので可能であれば、ちょっとくらいの差には目を瞑って、赤、青、黒のどれかから入りたい。例えば《停滞の罠/Stasis Snare》や《血統の観察者/Brood Monitor》は素晴らしいカードだが、色的な理由でカード本来の強さより少し優先順位は下にしてある。
ここから下は、まず同盟者でぶっ飛んだ強さのが少々(緑か白をやると大体同盟者はどこかに入る)。それから普通に強いレアだ。ただ、ここから下のレアは、強力ではあるものの、多色だとか、ちょっと悠長だとか、色拘束が厳しいとか、状況を選ぶとか、何かしらの制限がつく。
【翻訳】チーム・パンテオン製デッキの手引き 黒緑アリストクラッツ 後編
2015年10月27日 翻訳緑黒アリストクラッツ
土地
3:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
1:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1:《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1:《燻る湿地/Smoldering Marsh》
2:《ならず者の道/Rogue’s Passage》
5:《沼/Swamp》
3:《森/Forest》
クリーチャー
4:《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
4:《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》
3:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
4:《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
4:《捕らわれの宿主/Carrier Thrall》
4:《息詰まる忌まわしきもの/Smothering Abomination》
4:《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》
呪文
1:《進化の飛躍/Evolutionary Leap》
4:《集合した中隊/Collected Company》
2:《残忍な切断/Murderous Cut》
1:《強迫/Duress》
サイドボード
3:《光輝の炎/Radiant Flames》
4:《前哨地の包囲/Outpost Siege》
4:《引き裂く流弾/Rending Volley》
1:《焙り焼き/Roast》
3:《強迫/Duress》
3マナ以下が19枚で《集合した中隊/Collected Company》を運用するのはきわどいが、大事なところはほとんど残せたと思う。
2枚の《残忍な切断/Murderous Cut》は、アタルカレッドの激闘コンボを止めるため。それに《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》を出されたとき絶望しないため。残忍な切断は単純に強く、フェッチランドが9枚あって、他に探査呪文がないなら入れ得感すらある。
少数なら《膨れ鞘/Blisterpod》も悪くなかったのだが、結局抜くことにした。サイドボードに取りたいカードが溢れてしまって、メインに《強迫/Duress》と《進化の飛躍/Evolutionary Leap》を入れる枠が必要だったのだ。
《引き裂く流弾/Rending Volley》はほとんど対ジェスカイ用で、アナフェンザ相手にも《焙り焼き/Roast》と一緒に2枚投入することにしている。
《光輝の炎/Radiant Flames》は赤単相手に鍵となるサイドで、対ジェスカイでも相手の構築次第で入ってくる。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》はジェスカイとコントロールを相手にするとき用。それにミラーマッチにもいい。ミラーでは盤面次第で龍のモードが輝く。インスタントで《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》に1点を当てられるとか、理論的には超強力だ。
《強迫/Duress》は厳密に検証したわけではないものの、ジェスカイとコントロールに対して何とかワンチャン作れないか、望みを託してみた。アタルカレッドがサイドボード後も強化呪文を残していると睨んだら、サイド後数枚お守りに入れておいてもいいと思う。
これを書いている今、プロツアー戦乱のゼンディカーの成績は4-4。そのうち構築部門の成績は2-3だった。超接戦を惜しいところで逃がしたり、回りがよくなかったり、見た目の数字より好感触だった。2日目もデッキの力を思いきり開放してやりたい。それに、たとえ内部に欠陥を抱えるデッキだとしても、調整したくって楽しみにしているくらいだ。ちょうどもうちょっと真剣にマジックをやろうと思ったところなので、もしかしたらTwitchで私を見かけるかも。プロツアー後、マジックオンラインの放送とかしようと思っているので、そのときはよろしく!
黄色い帽子のガブリエル・ナシフ
【翻訳】チーム・パンテオン製デッキの手引き 黒緑アリストクラッツ 前編
2015年10月26日 翻訳 コメント (3)◆ 【翻訳】チーム・パンテオン製デッキの手引き 黒緑アリストクラッツ
Team Pantheon Deck Tech – BG Aristocrats
Gabriel Nassif 2015年10月20日
http://www.channelfireball.com/articles/team-pantheon-deck-tech-bg-aristocrats/
今回、チーム・パンテオンとはプロツアー当日の月曜まで合流しなかった。もっとも私も構築はプレイしていたし、メタゲームも大体は掴んでいたつもりだ。
パンテオン製のジェスカイブラックの出来には満足していたものの、プロツアー本番ではステファン・スローン(Stephen Sloan)の黒緑アリストクラッツでいってみることにした。出だしは好調で、まずアタルカレッドに勝ち、続いて緑白大変異相手に3ゲームほど連勝したものの、その後失速して4-4という結果に終わった。
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=92651
元のデッキから自分なりにいじろうとはしたものの、はっきりと差を実感できるようになるまでは時間がかかった。しかし《息詰まる忌まわしきもの/Smothering Abomination》を入れたとき、歯車が噛み合うのを感じた。《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》はどのマッチでも大活躍というわけにはいかない。しかし緑白相手には本当に輝くので、集合した中隊を撃つときは毎回めくれてほしい一枚だった。息詰まる忌まわしきものは、中隊の5~8枚目のように機能した。《勇敢な姿勢/Valorous Stance》も《絹包み/Silkwrap》といった、使い勝手のいいクリーチャー除去が通用しないのが実にいい。
《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer》は期待したほど活躍しなかったし、《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》はジェスカイ相手、しかも相手が《搭載歩行機械/Hangarback Walker》を出してこないとき限定でしか役に立たなかったので抜くことにした。
私の調整としては後、フェッチランドを足して色の安定向上を図ったのと、サイドボードで赤いカードをとれるようにマナ基盤を少しいじった。ささやかながらデッキ圧縮効果もあって、中隊でクリーチャーカードをめくる確率を上げている。少なからず3マナ以下のクリーチャーを削ったので、ささやかな確率だとしても上げておきたかったのだ。必死だった。
ただマジックオンラインを含めて何度か回してみて、手ごたえを確実に感じつつも、不運なことに時間切れになってしまった。プロツアーの最終日にアリストクラッツの仕上げを手伝ってくれるよう、応援を頼むことはできなかった。ジェスカイとの相性が悪く、こちらも壊れというほどは強くないと思ったので、私もあまりごり押しするのはやめることにした。
木曜の時間はほとんどマジックオンラインでアリストクラッツを回すことに使った。総合的に見れば戦績はかなり良かったものの、ジェスカイと《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》入りのアブザンには全敗した。ただ全敗といっても、ジェスカイ相手は大体接戦だったし、プロツアー本番でアナフェンザ満載のデッキは少ないだろうと予想していた。
地雷、もといローグ系デッキには全勝だったし、赤系のデッキにも同様に勝てたが、それでもやはり、ジェスカイブラックと黒緑アリストクラッツのどちらを使うか決めかねていた。アリストクラッツなら赤系デッキや白緑には有利と感じていたのと、十分時間が取れなかった以上、ジェスカイのミラーマッチはできれば避けたかったのが決め手だった。リード・デューク(Reid Duke)のエスパーコントロールはかなり気に入ったものの、コントロールを時間内に収まるよう操れるかは自信がなかった。
金曜の朝、登録したデッキはこちら:
Team Pantheon Deck Tech – BG Aristocrats
Gabriel Nassif 2015年10月20日
http://www.channelfireball.com/articles/team-pantheon-deck-tech-bg-aristocrats/
今回、チーム・パンテオンとはプロツアー当日の月曜まで合流しなかった。もっとも私も構築はプレイしていたし、メタゲームも大体は掴んでいたつもりだ。
パンテオン製のジェスカイブラックの出来には満足していたものの、プロツアー本番ではステファン・スローン(Stephen Sloan)の黒緑アリストクラッツでいってみることにした。出だしは好調で、まずアタルカレッドに勝ち、続いて緑白大変異相手に3ゲームほど連勝したものの、その後失速して4-4という結果に終わった。
http://sales.starcitygames.com/deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=92651
元のデッキから自分なりにいじろうとはしたものの、はっきりと差を実感できるようになるまでは時間がかかった。しかし《息詰まる忌まわしきもの/Smothering Abomination》を入れたとき、歯車が噛み合うのを感じた。《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》はどのマッチでも大活躍というわけにはいかない。しかし緑白相手には本当に輝くので、集合した中隊を撃つときは毎回めくれてほしい一枚だった。息詰まる忌まわしきものは、中隊の5~8枚目のように機能した。《勇敢な姿勢/Valorous Stance》も《絹包み/Silkwrap》といった、使い勝手のいいクリーチャー除去が通用しないのが実にいい。
《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer》は期待したほど活躍しなかったし、《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》はジェスカイ相手、しかも相手が《搭載歩行機械/Hangarback Walker》を出してこないとき限定でしか役に立たなかったので抜くことにした。
私の調整としては後、フェッチランドを足して色の安定向上を図ったのと、サイドボードで赤いカードをとれるようにマナ基盤を少しいじった。ささやかながらデッキ圧縮効果もあって、中隊でクリーチャーカードをめくる確率を上げている。少なからず3マナ以下のクリーチャーを削ったので、ささやかな確率だとしても上げておきたかったのだ。必死だった。
ただマジックオンラインを含めて何度か回してみて、手ごたえを確実に感じつつも、不運なことに時間切れになってしまった。プロツアーの最終日にアリストクラッツの仕上げを手伝ってくれるよう、応援を頼むことはできなかった。ジェスカイとの相性が悪く、こちらも壊れというほどは強くないと思ったので、私もあまりごり押しするのはやめることにした。
木曜の時間はほとんどマジックオンラインでアリストクラッツを回すことに使った。総合的に見れば戦績はかなり良かったものの、ジェスカイと《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》入りのアブザンには全敗した。ただ全敗といっても、ジェスカイ相手は大体接戦だったし、プロツアー本番でアナフェンザ満載のデッキは少ないだろうと予想していた。
地雷、もといローグ系デッキには全勝だったし、赤系のデッキにも同様に勝てたが、それでもやはり、ジェスカイブラックと黒緑アリストクラッツのどちらを使うか決めかねていた。アリストクラッツなら赤系デッキや白緑には有利と感じていたのと、十分時間が取れなかった以上、ジェスカイのミラーマッチはできれば避けたかったのが決め手だった。リード・デューク(Reid Duke)のエスパーコントロールはかなり気に入ったものの、コントロールを時間内に収まるよう操れるかは自信がなかった。
金曜の朝、登録したデッキはこちら:
緑黒アリストクラッツ
土地
3:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
1:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1:《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1:《燻る湿地/Smoldering Marsh》
2:《ならず者の道/Rogue’s Passage》
5:《沼/Swamp》
3:《森/Forest》
クリーチャー
4:《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
4:《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》
3:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
4:《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
4:《捕らわれの宿主/Carrier Thrall》
4:《息詰まる忌まわしきもの/Smothering Abomination》
4:《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》
呪文
1:《進化の飛躍/Evolutionary Leap》
4:《集合した中隊/Collected Company》
2:《残忍な切断/Murderous Cut》
1:《強迫/Duress》
サイドボード
3:《光輝の炎/Radiant Flames》
4:《前哨地の包囲/Outpost Siege》
4:《引き裂く流弾/Rending Volley》
1:《焙り焼き/Roast》
3:《強迫/Duress》
【翻訳】チャネル・ファイアーボール製デッキの手引き エスパードラゴン
2015年10月24日 翻訳 コメント (2)◆ 【翻訳】チャネル・ファイアーボール製デッキの手引き エスパードラゴン
TeamCFB Deck Guide – Standard Esper Dragons
By Paul Cheon 2015年10月19日
http://www.channelfireball.com/articles/teamcfb-deck-guide-standard-esper-dragons/
エスパードラゴンくらい、バトルランドが入ったことで恩恵を受けたデッキはそうないだろう。エスパードラゴンはカードパワーこそ他を寄せ付けなかったが、色マナ確保に頭を悩ますデッキでもあった。《汚染された三角州/Polluted Delta》と《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》の両方が、青・白・黒の2色土地をサーチできるようになったことで、マナ基盤は大きく向上し、《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》以外の白い呪文すら採用が可能になったと。戦乱のゼンディカーでエスパードラゴンというデッキがどれほど躍進を遂げるか、私は期待に胸を膨らませていたものだが、やはり期待は裏切られなかった。
ゲームプラン
序盤を打ち消しと除去でしのいで、呪禁つきのドラゴン(《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》と《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》)でゲームを終わらせる。
ゲームプランがスムーズに進められるよう、ドラゴンを参照する向上カードで軽いものを採用した。《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn》は、ドラゴンさえ手札にあれば信じられないほど強力だ。《対抗呪文/Counterspell》が刷られてから幾星霜、シルムガルの嘲笑は歴代亜種の中でも、かなり初代対抗呪文に近いレベルといえるだろう。どんなヤバいものでも2マナで対処可能な嘲笑があるからこそ、このデッキを使いたいと思わされる。《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》もまた実に強力で、4点ゲインは終盤まで生き延びるのに大いに役立ってくれる。
エスパードラゴンは特に、序盤から攻めてこない中速のミッドレンジ系デッキに強い。緑系のミッドレンジは、こちらの終盤の動きを指をくわえてみているしかないだろう:
トーナメントに出場するなら、自分が真っ先に候補として考えるのはエスパーだ。ただ最近、《はじける破滅/Crackling Doom》がとられるようになったので、かつてかなり有利だったジェスカイとの相性差は大分縮まってしまった。
ジェスカイや白緑大変異が多いなら、エスパードラゴンは選択肢として正解といえるだろう。以前だと、何度も戻ってくる《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》を相手にしなければならない、大変異系のデッキは骨だったが、《完全無視/Complete Disregard》と《完全なる終わり/Utter End》をとれるエスパーにとって、相性は改善したと思う。
火力をしっかりとってくる純正ジェスカイも、終盤の本体火力を《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》や打ち消し呪文で妨害できる上、一度着地した《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》を対処する手段があまりないこともあり、相性はかなり良かった。ただそんな好相性もジェスカイ・ブラックの流行ででガラリと変わった。アンタップ状態のオジュタイに対して触る手段の少なかったジェスカイが、《はじける破滅/Crackling Doom》という対抗策をタッチで採用してくるのだ。
そして永遠の宿敵との相性はさらに悪化してしまった。アタルカレッドはあまりに速く、ダメージ的にエスパーは歯が立たない。以前は《胆汁病/Bile Blight》に《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》と、アタルカレッドに対して刺さるカードをこちらも用意できたが、それももう過去の話だ。けど何から何まで悪くなったわけじゃない。白マナが出しやすくなったもので、《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》や《正義のうねり/Surge of Righteousness》といったカードをサイドから入れられる。サイド後なら希望があるかも。
サイドボード
TeamCFB Deck Guide – Standard Esper Dragons
By Paul Cheon 2015年10月19日
http://www.channelfireball.com/articles/teamcfb-deck-guide-standard-esper-dragons/
エスパードラゴンくらい、バトルランドが入ったことで恩恵を受けたデッキはそうないだろう。エスパードラゴンはカードパワーこそ他を寄せ付けなかったが、色マナ確保に頭を悩ますデッキでもあった。《汚染された三角州/Polluted Delta》と《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》の両方が、青・白・黒の2色土地をサーチできるようになったことで、マナ基盤は大きく向上し、《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》以外の白い呪文すら採用が可能になったと。戦乱のゼンディカーでエスパードラゴンというデッキがどれほど躍進を遂げるか、私は期待に胸を膨らませていたものだが、やはり期待は裏切られなかった。
エスパードラゴン
土地
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2:《進化する未開地/Evolving Wilds》
1:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
3:《大草原の川/Prairie Stream》
2:《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
4:《島/Island》
2:《沼/Swamp》
1:《平地/Plains》
クリーチャー
4:《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》//《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》
4:《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》
1:《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
呪文
1:《払拭/Dispel》
4:《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn》
1:《魂裂き/Reave Soul》
1:《究極の価格/Ultimate Price》
1:《手酷い失敗/Horribly Awry》
2:《完全無視/Complete Disregard》
3:《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》
1:《風への散乱/Scatter to the Winds》
2:《完全なる終わり/Utter End》
1:《衰滅/Languish》
1:《オジュタイの命令/Ojutai’s Command》
1:《命運の核心/Crux of Fate》
1:《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
4:《時を越えた探索/Dig Through Time》
サイドボード
2:《強迫/Duress》
1:《層雲の踊り手/Stratus Dancer》
1:《否認/Negate》
1:《衰滅/Languish》
3:《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
3:《正義のうねり/Surge of Righteousness》
1:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
2:《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》
1:《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
ゲームプラン
序盤を打ち消しと除去でしのいで、呪禁つきのドラゴン(《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》と《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》)でゲームを終わらせる。
ゲームプランがスムーズに進められるよう、ドラゴンを参照する向上カードで軽いものを採用した。《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn》は、ドラゴンさえ手札にあれば信じられないほど強力だ。《対抗呪文/Counterspell》が刷られてから幾星霜、シルムガルの嘲笑は歴代亜種の中でも、かなり初代対抗呪文に近いレベルといえるだろう。どんなヤバいものでも2マナで対処可能な嘲笑があるからこそ、このデッキを使いたいと思わされる。《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》もまた実に強力で、4点ゲインは終盤まで生き延びるのに大いに役立ってくれる。
エスパードラゴンは特に、序盤から攻めてこない中速のミッドレンジ系デッキに強い。緑系のミッドレンジは、こちらの終盤の動きを指をくわえてみているしかないだろう:
1.《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》を出す。
2.打ち消しを構えながらオジュタイで殴る。
3.アド・ソ・ノモノ
トーナメントに出場するなら、自分が真っ先に候補として考えるのはエスパーだ。ただ最近、《はじける破滅/Crackling Doom》がとられるようになったので、かつてかなり有利だったジェスカイとの相性差は大分縮まってしまった。
有利なマッチアップ
アブザンコントロール
アブザン大変異
白緑大変異
ジェスカイ(純正青白赤)
不利なマッチアップ
アタルカレッド
赤緑上陸
とにかく4ターン目までに全力で殺しにくるデッキ全て
ジェスカイや白緑大変異が多いなら、エスパードラゴンは選択肢として正解といえるだろう。以前だと、何度も戻ってくる《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》を相手にしなければならない、大変異系のデッキは骨だったが、《完全無視/Complete Disregard》と《完全なる終わり/Utter End》をとれるエスパーにとって、相性は改善したと思う。
火力をしっかりとってくる純正ジェスカイも、終盤の本体火力を《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》や打ち消し呪文で妨害できる上、一度着地した《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》を対処する手段があまりないこともあり、相性はかなり良かった。ただそんな好相性もジェスカイ・ブラックの流行ででガラリと変わった。アンタップ状態のオジュタイに対して触る手段の少なかったジェスカイが、《はじける破滅/Crackling Doom》という対抗策をタッチで採用してくるのだ。
そして永遠の宿敵との相性はさらに悪化してしまった。アタルカレッドはあまりに速く、ダメージ的にエスパーは歯が立たない。以前は《胆汁病/Bile Blight》に《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》と、アタルカレッドに対して刺さるカードをこちらも用意できたが、それももう過去の話だ。けど何から何まで悪くなったわけじゃない。白マナが出しやすくなったもので、《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》や《正義のうねり/Surge of Righteousness》といったカードをサイドから入れられる。サイド後なら希望があるかも。
サイドボード
アタルカレッド
IN
2:《強迫/Duress》
1:《否認/Negate》
1:《衰滅/Languish》
3:《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
3:《成長のうねり/Swell of Growth》
1:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
OUT
4:《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn》
2:《完全無視/Complete Disregard》
1:《風への散乱/Scatter to the Winds》
2:《完全なる終わり/Utter End》
1:《命運の核心/Crux of Fate》
1:《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
シルムガルの嘲笑は活躍しそうに見えるが、白のカードをサイドインすると、要求されるマナシンボル的にかなり苦しい。序盤に白をサーチしなければならない以上、2ターン目に青青を揃えることが困難になってしまう。打ち消しを構えるより、フルタップしながら動くタップアウトコントロールとして振舞った方がうまくいくと思う。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》を張られた場合に備えて《完全なる終わり/Utter End》を残しておいた方がいいかも。でもまあ、そこまであれこれ思い悩むより、先手後手を決めるダイスにお供え物をしたり、相手が事故るよう祈った方がマシだろう。。
ジェスカイブラック
IN
2:《強迫/Duress》
1:《否認/Negate》
2:《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》
OUT
1:《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
1:《命運の核心/Crux of Fate》
1:《衰滅/Languish》
1:《風への散乱/Scatter to the Winds》
1:《時を越えた探索/Dig Through Time》
ジェスカイにもたくさんの型があるので、最後の判断はその都度自分ですること。《搭載歩行機械/Hangarback Walker》がいるなら、《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》は外した方がいいだろう。歩行機械がいないなら、全除去はちょっと遅いし使いにくい。ジェスカイ側も《時を越えた探索/Dig Through Time》に対抗するために打ち消しを3~4枚入れてくるけれど、こちらの《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》は打ち消されないドローとして大活躍間違いなし。
ミラーマッチ
IN
2:《強迫/Duress》
1:《否認/Negate》
2:《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》
1:《層雲の踊り手/Stratus Dancer》
1:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
OUT
1:《命運の核心/Crux of Fate》
1:《衰滅/Languish》
1:《完全無視/Complete Disregard》
1:《手酷い失敗/Horribly Awry》
1:《究極の価格/Ultimate Price》
1:《魂裂き/Reave Soul》
重くても多用途な除去を選んで残したい。《完全なる終わり/Utter End》と《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》はどちらもジェイスやドラゴンを始末できる。後手のゲームでは、ジェイスを倒す手段を一枚余分に残しておくのもいい。
白緑大変異
IN
1:《衰滅/Languish》
1:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1:《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
OUT
1:《払拭/Dispel》
2:《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》
払拭も忌呪の発動も全く要らない。相手のデッキにインスタントはほとんど入っていないし、発動は搭載歩行機械に邪魔される。《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》をパクッて紋章にしてやろう。これを書いてる時点ではまだやったことないけど、早くギデオンを相手にキメて実績解除したいね!
前編はこちら
http://misdirection.diarynote.jp/201510212233223714/
弱点
間違いなく刺激的なデッキではあるものの、かなり大きな欠点も存在する。まず《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》を出されるとほぼ詰んでしまう。デッキのカードの大半が墓地絡みのカードなので、どうしようもない。メインデッキでは《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》だけが回答だ。アブザンにとって、除去を構えて濫用能力を妨害するのは容易いので、そうなったらほぼ無防備だ。ただ、緑白系のデッキがアナフェンザのために色を足すとは考えにくい。少なくとも私はそう信じているし、そうであってほしい。
打ち消し呪文もまた、潜り抜けるのは至難の業だ。《集合した中隊/Collected Company》も《先祖の結集/Rally the Ancestors》も、デッキの核でありながら《払拭/Dispel》で消されてしまう。プレッシャーをかけてこない相手の払拭なら、手札を整え一転攻勢を狙うこともできるだろう。しかし《カマキリの乗り手/Mantis Rider》に殴られながらとなると、たやすいことではない。
サイドボード
既に気づいたかもしれないが、サイドボーディングで多くのカードを入れ替えることはしない。コンボデッキはごちゃごちゃと不純物を混ぜない方がいい。コンボデッキの持ち味を希釈してしまうのは大問題だ。集合した中隊を使うデッキなのでことさら気を付けたい。メインには27枚のクリーチャーカードが入っているが、中隊の運用的には23枚までなら何とか使い物になると感じた。23を割るようなら、それはデッキの強みをかなり失うことになると覚悟した方がいい。
http://misdirection.diarynote.jp/201510212233223714/
弱点
間違いなく刺激的なデッキではあるものの、かなり大きな欠点も存在する。まず《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》を出されるとほぼ詰んでしまう。デッキのカードの大半が墓地絡みのカードなので、どうしようもない。メインデッキでは《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》だけが回答だ。アブザンにとって、除去を構えて濫用能力を妨害するのは容易いので、そうなったらほぼ無防備だ。ただ、緑白系のデッキがアナフェンザのために色を足すとは考えにくい。少なくとも私はそう信じているし、そうであってほしい。
打ち消し呪文もまた、潜り抜けるのは至難の業だ。《集合した中隊/Collected Company》も《先祖の結集/Rally the Ancestors》も、デッキの核でありながら《払拭/Dispel》で消されてしまう。プレッシャーをかけてこない相手の払拭なら、手札を整え一転攻勢を狙うこともできるだろう。しかし《カマキリの乗り手/Mantis Rider》に殴られながらとなると、たやすいことではない。
サイドボード
ジェスカイ
IN
2:《払拭/Dispel》
2:《残忍な切断/Murderous Cut》
OUT
4:《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》
メインデッキ同士なら、相性はかなりこちら有利といっていい。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》でプレッシャーをかけてこれはするものの、打ち消しはそれほどとられていないのが普通だ。サイドから打ち消しを投入されるとかなり厳しくなる。こちらも《払拭/Dispel》をとって対抗できるが、カマキリの乗り手のかけてくるプレッシャーへの対抗策も欲しい。
アタルカレッド
IN
4:《ジャディの横枝/Jaddi Offshoot》
3:《残忍な切断/Murderous Cut》
OUT
3:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
4:《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》//《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》
赤相手なら盤面をガチガチに固めてやれるのでは?と思うかもしれないが、《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》を使って一撃必殺をかましてくるデッキが多い。なので実はメインの相性は良くない。大体激闘が悪い。《ジャディの横枝/Jaddi Offshoot》で時間を稼ぎ、コンバットトリックは残忍な切断で止めよう。
エスパー
IN
4:《払拭/Dispel》
3:《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》
OUT
4:《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》
3:《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
エスパーは打ち消し山盛りだけど、早めにクロックをかけてくるわけでもなければ、こちらのクリーチャーに対して鉄壁の防衛線を引いているというわけでもない。《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》や他の有象無象を駆使してフルタップさたところに、《先祖の結集/Rally the Ancestors》や《集合した中隊/Collected Company》をお見舞いしてやろう。サイドボード後にはより小型なクリーチャーが出てくるだろうけど、《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》でうまいこといなしてやろう。
緑白系
IN
3:《残忍な切断/Murderous Cut》
OUT
3:《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
相手がアナフェンザを使っているかどうかが全て。アナフェンザ不在なら、盤面を固めて結集のための時間を稼ぐのは造作もないこと。アナフェンザが出てきてしまったら、除去なりバウンスなりをしてから一気に動くことになるけれど、かなり無理してる感は否めない。
既に気づいたかもしれないが、サイドボーディングで多くのカードを入れ替えることはしない。コンボデッキはごちゃごちゃと不純物を混ぜない方がいい。コンボデッキの持ち味を希釈してしまうのは大問題だ。集合した中隊を使うデッキなのでことさら気を付けたい。メインには27枚のクリーチャーカードが入っているが、中隊の運用的には23枚までなら何とか使い物になると感じた。23を割るようなら、それはデッキの強みをかなり失うことになると覚悟した方がいい。
◆ 【翻訳】スタンダードデッキの手引き 4色《先祖の結集/Rally the Ancestors》
Standard Deck Guide – 4-Color Rally
By Matt Nass 2015年10月19日
http://www.channelfireball.com/articles/standard-deck-guide-4-color-rally/
プロツアー・戦乱のゼンディカーでは、4色《先祖の結集/Rally the Ancestors》を使う予定だ。まだデッキリストは動かす余地がないところまで詰めてないけど、これを書いている今(プロツアー前日だ)はこんな形だ:
ゲームプラン
このデッキは、ジェイスや《集合した中隊/Collected Company》を使って、盤面に墓地にとクリーチャー(カード)をばら撒く。そして《先祖の結集/Rally the Ancestors》でトドメを刺すデッキだ。前環境の結集デッキと違い、一撃必殺奥義で相手を倒すわけではないが、《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》を使って相手のライフを吸い尽くす。《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》のドローと《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》の占術で掘れば、1回の先祖の結集から連鎖することだって難しくない。あとたまに、巨大な《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》で殴り切ったりもすることもある。ブロッカーを並べてくる相手だと難しいが、《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》で鞘虫を通したりできる。
シディシの信者とかいう名前がさりげなく出てきたけど、おそらくプロツアーでこんなクリーチャーを使おうなんて人はそういないだろう。シディシの信者を入れようというのは、デンヴァーで調整していたときにマイケル・ジェイコブ(Michael Jacob)から出された提案で、実際素晴らしいアイディアだった。《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》は軽くて守るに固いクリーチャーで、大きくテンポを稼ぐことができる。不気味な腸卜師がいれば濫用はドローに変換できるし、《エルフの幻想家/Elvish Visionary》を出しなおしたりするのにも使える。集合した中隊との組み合わせも旨い。戦闘中にバウンスで相手を驚かしてやると、してやった感が味わえること請け合いだ。
このデッキを回すのはちょっとややこしいけれど、他のコンボデッキと比べるとそこまででもない。コンボを使ってみたいけれど、操縦が難しそうで気乗りがしないというのなら、入門用にいいかもしれない。
目指すことは3つあって、まず一つは生き延びること。このデッキはあまり速くないので、すべての準備が整うまで十分時間を確保するのが不可欠だ。二つ目に、必要なクリーチャーを見つけること。コンボするには《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》が1番重要で、2番に《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》だ。《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》は結集を連鎖させるには便利だが、地下墓地の選別者でだって同じ役割は果たせる。最後に一番大事なこととして、先祖の結集を引くこと。このデッキは構成上、結集を唱えずに勝つのは難しい。クリーチャーを揃えたら、占術なりドローなりを繰り返して結集を探そう。唱えて、勝とう。
カード同士の相互作用について
・《先祖の結集/Rally the Ancestors》はジェイスとの相性が若干微妙。というのも先祖の結集は解決すると追放されてしまうので、ジェイスでフラッシュバックすることができあい。幸運なことに、打ち消されたり《強迫/Duress》なんかで抜かれた結集は墓地へ行く。それに追放されてしまうとはいえ、結集が解決したのなら、フラッシュバックせずに大体ゲームに勝ってるんじゃなかろうか。
・《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》は、先祖の結集で戻すとマナを生み出す。土地6枚の時に、先祖の結集を3で唱えた後、《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》の出したエルドラージ・末裔のマナで《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》を召喚するのは素敵だ。
Standard Deck Guide – 4-Color Rally
By Matt Nass 2015年10月19日
http://www.channelfireball.com/articles/standard-deck-guide-4-color-rally/
プロツアー・戦乱のゼンディカーでは、4色《先祖の結集/Rally the Ancestors》を使う予定だ。まだデッキリストは動かす余地がないところまで詰めてないけど、これを書いている今(プロツアー前日だ)はこんな形だ:
土地
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《進化する未開地/Evolving Wilds》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
1:《大草原の川/Prairie Stream》
2:《梢の眺望/Canopy Vista》
1:《沼/Swamp》
1:《島/Island》
1:《平地/Plains》
1:《森/Forest》
クリーチャー
4:《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》
4:《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
4:《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》
3:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
4:《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》
4:《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》//《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》
4:《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
呪文
4:《集合した中隊/Collected Company》
4:《先祖の結集/Rally the Ancestors》
サイドボード
3:《残忍な切断/Murderous Cut》
4:《ジャディの横枝/Jaddi Offshoot》
1:《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》
3:《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》
4:《払拭/Dispel》
ゲームプラン
このデッキは、ジェイスや《集合した中隊/Collected Company》を使って、盤面に墓地にとクリーチャー(カード)をばら撒く。そして《先祖の結集/Rally the Ancestors》でトドメを刺すデッキだ。前環境の結集デッキと違い、一撃必殺奥義で相手を倒すわけではないが、《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》を使って相手のライフを吸い尽くす。《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》のドローと《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》の占術で掘れば、1回の先祖の結集から連鎖することだって難しくない。あとたまに、巨大な《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》で殴り切ったりもすることもある。ブロッカーを並べてくる相手だと難しいが、《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》で鞘虫を通したりできる。
シディシの信者とかいう名前がさりげなく出てきたけど、おそらくプロツアーでこんなクリーチャーを使おうなんて人はそういないだろう。シディシの信者を入れようというのは、デンヴァーで調整していたときにマイケル・ジェイコブ(Michael Jacob)から出された提案で、実際素晴らしいアイディアだった。《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》は軽くて守るに固いクリーチャーで、大きくテンポを稼ぐことができる。不気味な腸卜師がいれば濫用はドローに変換できるし、《エルフの幻想家/Elvish Visionary》を出しなおしたりするのにも使える。集合した中隊との組み合わせも旨い。戦闘中にバウンスで相手を驚かしてやると、してやった感が味わえること請け合いだ。
このデッキを回すのはちょっとややこしいけれど、他のコンボデッキと比べるとそこまででもない。コンボを使ってみたいけれど、操縦が難しそうで気乗りがしないというのなら、入門用にいいかもしれない。
目指すことは3つあって、まず一つは生き延びること。このデッキはあまり速くないので、すべての準備が整うまで十分時間を確保するのが不可欠だ。二つ目に、必要なクリーチャーを見つけること。コンボするには《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》が1番重要で、2番に《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》だ。《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》は結集を連鎖させるには便利だが、地下墓地の選別者でだって同じ役割は果たせる。最後に一番大事なこととして、先祖の結集を引くこと。このデッキは構成上、結集を唱えずに勝つのは難しい。クリーチャーを揃えたら、占術なりドローなりを繰り返して結集を探そう。唱えて、勝とう。
カード同士の相互作用について
・《先祖の結集/Rally the Ancestors》はジェイスとの相性が若干微妙。というのも先祖の結集は解決すると追放されてしまうので、ジェイスでフラッシュバックすることができあい。幸運なことに、打ち消されたり《強迫/Duress》なんかで抜かれた結集は墓地へ行く。それに追放されてしまうとはいえ、結集が解決したのなら、フラッシュバックせずに大体ゲームに勝ってるんじゃなかろうか。
・《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》は、先祖の結集で戻すとマナを生み出す。土地6枚の時に、先祖の結集を3で唱えた後、《地下墓地の選別者/Catacomb Sifter》の出したエルドラージ・末裔のマナで《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》を召喚するのは素敵だ。
【翻訳】チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンの使ったダークジェスカイ 後編
2015年10月20日 翻訳 コメント (6)前編はこちら
http://misdirection.diarynote.jp/201510192341125296/
この新マナ基盤で、たった3色しか使わないのは馬鹿げている。仮に下のようなマナ基盤を採用したとしよう:
《燻る湿地/Smoldering Marsh》は赤黒の土地だが、《汚染された三角州/Polluted Delta》で赤い土地を持ってくるのに必要だ。全体的に強固なジェスカイのマナ基盤といえるが、この時点で既に黒マナソースが9枚もある。さらに《窪み渓谷/Sunken Hollow》を1枚足してやれば14枚になる。新スタンダードで、ぴったり3色だけを使うのは無駄が多い。お分かりいただけただろうか。
ジェスカイに黒でなく緑をタッチすることも考えた。《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》と《棲み家の防御者/Den Protector》はどちらも強力だったが、突き詰めると黒をタッチする方が得られるものが大きい。黒をタッチすると、《はじける破滅/Crackling Doom》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》、それに《強迫/Duress》が使えるようになるのだ。
クリーチャー枠はすんなり決まった:
取り立てて革新的なことはない。前回のプロツアーで使ったジェスカイと違って、このデッキは攻めの姿勢でガンガンいくのでなく、どちらかというとコントロールのように振る舞うことが多い。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》は使わないと勿体ないほど強力だし、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》はフェッチランド、ジェイス、軽い火力などとの相性が抜群だ。
考えなければならないこととして、軽い除去が何枚必要かということと、どの除去を選択するかというのが最初の問題だった。《乱撃斬/Wild Slash》は本体に撃ち込めるし、忠誠度を上げずにフラッシュバックを使った《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》を倒すことができる。しかし一方、《焦熱の衝動/Fiery Impulse》だと魔巧を達成するのが簡単な上、3点のダメージを狙えるのがとても大きい。特に《カマキリの乗り手/Mantis Rider》に対して効果的だ。
合計で5枚採用することにして、内訳は《乱撃斬/Wild Slash》3枚と《焦熱の衝動/Fiery Impulse》2枚に決めた。《はじける破滅/Crackling Doom》はどんなときどんな相手にも大体強いので、4枚以下にする理由がない。悲しいことに、《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》は割を食うことになってしまった。昔のジェスカイで使う魔除けは格別だったが、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》とはじける破滅をしっかり取ると、それ以上3マナの呪文をたくさん入れることは正当化できない。それでもジェイスのフラッシュバック対象として優秀なので、結局魔除けも1枚は採用することにした。全員が全員フェッチランドをガン積みするなら、ライブラリーのトップに戻すモードは確定除去のように使える。特に《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》に対して有効だ。
上でこのデッキはコントロールらしく振る舞うと書いたけれど、普通コントロールデッキはプレインズウォーカーやドロー手段を核として構築することが多い。だけどこのデッキはプレインズウォーカーもドローも目立って採用していない。デッキを4色にすることによって、《オジュタイの命令/Ojutai’s Command》と《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》を採用することが可能になった。どちらも《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》や《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》との組み合わせが強力だが、《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》も命令と組んでカチコミをかける戦闘員だ。多色ミラーのマッチは相当数あると踏んでいたが、そういったマッチはリソースの削りあいに終始することが多い。コラガンの命令で相手のジェイスを倒しつつ、こっちのジェイスを回収するのは本当に本当に強力だ。土地が6枚並んだら、後は6枚の命令とジェイスを使って、のけ者を戻し続けるだけ。見た目よりずっとしぶとい奴だよ。
調整中、《払拭/Dispel》がそこそこの数とられることを見越して、《時を越えた探索/Dig Through Time》をやめて《宝船の巡航/Treasure Cruise》にするべきか検討した。しかし、払拭を入れてくるような相手には6枚の命令サイクルが突き刺さるし、命令自体、払拭のいい的なのだから、より強力なカードである探索を使おうという結論になった。また相手の払拭を懸念するのとまったく同じ理由で、こっちも払拭を採用することにした。《時を越えた探索/Dig Through Time》、《強大化/Become Immense》、命令、《勇敢な姿勢/Valorous Stance》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《究極の価格/Ultimate Price》と、スタンダードでメジャーなデッキを見回してみて、払拭の対象には事欠かないのが分かるだろうか。黒緑生贄コンボデッキですら、4枚の《集合した中隊/Collected Company》を採用している。払拭があれば、デッキで一番強いカードである中隊を消せるのだ。
そんな経緯を経て、このリストが完成した:
《強迫/Duress》はミラーマッチやコントロールデッキ用。《フェリダーの仔/Felidar Cub》は、サイドボード後、白緑系のデッキが《絹包み/Silkwrap》や《進化の飛躍/Evolutionary Leap》を入れてくることを見越してのサイド。《消去/Erase》とネコとどっちがいいかは微妙なラインだったが、6枚の命令があるならクリーチャーのがいいだろうという結論に落ち着いた。《影響力の行使/Exert Influence》、《宝船の巡航/Treasure Cruise》、追加の《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》と払拭は、低速なデッキやリソースを削りあうマッチのときに入れる。《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》と《光輝の炎/Radiant Flames》は、赤系のデッキを相手取るとき用だが、赤系相手は、メインデッキのままでも結構いけると思う。お客様とまではいかないにしてもね。
《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》は、アブザンやコントロール全般相手に投入する。《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》は絶対に打ち消さなくてはならない。できれば見たくないカードだ。ウギンの着地を許すな。
チーム内でのメタゲームの予想だが、ジェスカイブラックと白緑が2大勢力で、《アタルカの命令/Atarka’s Command》・《強大化/Become Immense》を擁する赤系デッキがそれに続くと考えた。他にも4色から強いカードだけをあれこれつまめることを考えると、デッキの選択肢として優秀なのはいくらでもある。しかし上の3つが代表選手になると思った。どれも単体で見て強く、また他の2つに対して3すくみのようにならない。つまりメジャーなデッキに突かれるような弱点がなかったのが理由だ。白緑系のデッキはジェイスやカマキリの乗り手、他のシステムクリーチャーを処理するのに、絹包みに頼らなければならないが、プロツアーでは当たり前のように使われるだろう。
赤単系のデッキや白緑に対しては、コントロールデッキとして戦うのでリソースを削ることに心を砕くことになるだろう。大変異は面倒だが、命令、ジェイス、時を越えた探索を駆使すれば十分勝てるマッチアップだ。赤系を相手にするときは、リソースをぶつけ合って相殺して、こちらの強いカードが相手を抑え込めれば良し。赤系といっても、火力は4~6枚の軽い火力と2枚程度の《極上の炎技/Exquisite Firecraft》に留めてくると予想しているので、本体火力を連発されて危機に陥ることはあまりないと読んでいる。代わりに単体除去を構えて、コンボでとどめを刺されないように注意したい。その点我々の作ったダークジェスカイは、《はじける破滅/Crackling Doom》、《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》、《払拭/Dispel》とコンボに対して劇的にきくカードで武装している。《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》を命令で回収するのも素晴らしいし、サイドボード後には《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》まで戻すことができる。
チーム・パンテオンの多くがこのリストを使う予定だが、ジェイスを唱えつつ《はじける破滅/Crackling Doom》へ繋げることを考えると、若干マナが安定しないこともある。しかしマナ基盤としては十分だし、デッキは相当強力に仕上がった。しばらくパッとしない戦績が続いていたから、今回は少し上の方に食い込みたい。このデッキなら、やれると思う。
http://misdirection.diarynote.jp/201510192341125296/
この新マナ基盤で、たった3色しか使わないのは馬鹿げている。仮に下のようなマナ基盤を採用したとしよう:
2:《山/Mountain》
2:《島/Island》
2:《平地/Plains》
4:《神秘の僧院/Mystic Monastery》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
1:《大草原の川/Prairie Stream》
1:《燻る湿地/Smoldering Marsh》
《燻る湿地/Smoldering Marsh》は赤黒の土地だが、《汚染された三角州/Polluted Delta》で赤い土地を持ってくるのに必要だ。全体的に強固なジェスカイのマナ基盤といえるが、この時点で既に黒マナソースが9枚もある。さらに《窪み渓谷/Sunken Hollow》を1枚足してやれば14枚になる。新スタンダードで、ぴったり3色だけを使うのは無駄が多い。お分かりいただけただろうか。
ジェスカイに黒でなく緑をタッチすることも考えた。《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》と《棲み家の防御者/Den Protector》はどちらも強力だったが、突き詰めると黒をタッチする方が得られるものが大きい。黒をタッチすると、《はじける破滅/Crackling Doom》、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》、それに《強迫/Duress》が使えるようになるのだ。
クリーチャー枠はすんなり決まった:
4:《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》//《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》
2:《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
4:《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
2:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1:《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1:《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》
取り立てて革新的なことはない。前回のプロツアーで使ったジェスカイと違って、このデッキは攻めの姿勢でガンガンいくのでなく、どちらかというとコントロールのように振る舞うことが多い。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》は使わないと勿体ないほど強力だし、《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》はフェッチランド、ジェイス、軽い火力などとの相性が抜群だ。
考えなければならないこととして、軽い除去が何枚必要かということと、どの除去を選択するかというのが最初の問題だった。《乱撃斬/Wild Slash》は本体に撃ち込めるし、忠誠度を上げずにフラッシュバックを使った《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》を倒すことができる。しかし一方、《焦熱の衝動/Fiery Impulse》だと魔巧を達成するのが簡単な上、3点のダメージを狙えるのがとても大きい。特に《カマキリの乗り手/Mantis Rider》に対して効果的だ。
合計で5枚採用することにして、内訳は《乱撃斬/Wild Slash》3枚と《焦熱の衝動/Fiery Impulse》2枚に決めた。《はじける破滅/Crackling Doom》はどんなときどんな相手にも大体強いので、4枚以下にする理由がない。悲しいことに、《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》は割を食うことになってしまった。昔のジェスカイで使う魔除けは格別だったが、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》とはじける破滅をしっかり取ると、それ以上3マナの呪文をたくさん入れることは正当化できない。それでもジェイスのフラッシュバック対象として優秀なので、結局魔除けも1枚は採用することにした。全員が全員フェッチランドをガン積みするなら、ライブラリーのトップに戻すモードは確定除去のように使える。特に《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》に対して有効だ。
上でこのデッキはコントロールらしく振る舞うと書いたけれど、普通コントロールデッキはプレインズウォーカーやドロー手段を核として構築することが多い。だけどこのデッキはプレインズウォーカーもドローも目立って採用していない。デッキを4色にすることによって、《オジュタイの命令/Ojutai’s Command》と《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》を採用することが可能になった。どちらも《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》や《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》との組み合わせが強力だが、《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》も命令と組んでカチコミをかける戦闘員だ。多色ミラーのマッチは相当数あると踏んでいたが、そういったマッチはリソースの削りあいに終始することが多い。コラガンの命令で相手のジェイスを倒しつつ、こっちのジェイスを回収するのは本当に本当に強力だ。土地が6枚並んだら、後は6枚の命令とジェイスを使って、のけ者を戻し続けるだけ。見た目よりずっとしぶとい奴だよ。
調整中、《払拭/Dispel》がそこそこの数とられることを見越して、《時を越えた探索/Dig Through Time》をやめて《宝船の巡航/Treasure Cruise》にするべきか検討した。しかし、払拭を入れてくるような相手には6枚の命令サイクルが突き刺さるし、命令自体、払拭のいい的なのだから、より強力なカードである探索を使おうという結論になった。また相手の払拭を懸念するのとまったく同じ理由で、こっちも払拭を採用することにした。《時を越えた探索/Dig Through Time》、《強大化/Become Immense》、命令、《勇敢な姿勢/Valorous Stance》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《究極の価格/Ultimate Price》と、スタンダードでメジャーなデッキを見回してみて、払拭の対象には事欠かないのが分かるだろうか。黒緑生贄コンボデッキですら、4枚の《集合した中隊/Collected Company》を採用している。払拭があれば、デッキで一番強いカードである中隊を消せるのだ。
そんな経緯を経て、このリストが完成した:
ダークジェスカイ
土地
4:《神秘の僧院/Mystic Monastery》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1:《平地/Plains》
1:《島/Island》
2:《山/Mountain》
1:《沼/Swamp》
1:《大草原の川/Prairie Stream》
2:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
2:《燻る湿地/Smoldering Marsh》
クリーチャー
4:《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
2:《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
4:《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》//《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》
2:《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
1:《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
1:《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》
呪文
2:《時を越えた探索/Dig Through Time》
1:《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》
3:《乱撃斬/Wild Slash》
3:《オジュタイの命令/Ojutai’s Command》
4:《はじける破滅/Crackling Doom》
3:《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》
2:《払拭/Dispel》
2:《焦熱の衝動/Fiery Impulse》
サイドボード
2:《強迫/Duress》
1:《フェリダーの仔/Felidar Cub》
1:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
3:《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
2:《影響力の行使/Exert Influence》
1:《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》
3:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
1:《払拭/Dispel》
《強迫/Duress》はミラーマッチやコントロールデッキ用。《フェリダーの仔/Felidar Cub》は、サイドボード後、白緑系のデッキが《絹包み/Silkwrap》や《進化の飛躍/Evolutionary Leap》を入れてくることを見越してのサイド。《消去/Erase》とネコとどっちがいいかは微妙なラインだったが、6枚の命令があるならクリーチャーのがいいだろうという結論に落ち着いた。《影響力の行使/Exert Influence》、《宝船の巡航/Treasure Cruise》、追加の《竜使いののけ者/Dragonmaster Outcast》と払拭は、低速なデッキやリソースを削りあうマッチのときに入れる。《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》と《光輝の炎/Radiant Flames》は、赤系のデッキを相手取るとき用だが、赤系相手は、メインデッキのままでも結構いけると思う。お客様とまではいかないにしてもね。
《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》は、アブザンやコントロール全般相手に投入する。《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》は絶対に打ち消さなくてはならない。できれば見たくないカードだ。ウギンの着地を許すな。
チーム内でのメタゲームの予想だが、ジェスカイブラックと白緑が2大勢力で、《アタルカの命令/Atarka’s Command》・《強大化/Become Immense》を擁する赤系デッキがそれに続くと考えた。他にも4色から強いカードだけをあれこれつまめることを考えると、デッキの選択肢として優秀なのはいくらでもある。しかし上の3つが代表選手になると思った。どれも単体で見て強く、また他の2つに対して3すくみのようにならない。つまりメジャーなデッキに突かれるような弱点がなかったのが理由だ。白緑系のデッキはジェイスやカマキリの乗り手、他のシステムクリーチャーを処理するのに、絹包みに頼らなければならないが、プロツアーでは当たり前のように使われるだろう。
赤単系のデッキや白緑に対しては、コントロールデッキとして戦うのでリソースを削ることに心を砕くことになるだろう。大変異は面倒だが、命令、ジェイス、時を越えた探索を駆使すれば十分勝てるマッチアップだ。赤系を相手にするときは、リソースをぶつけ合って相殺して、こちらの強いカードが相手を抑え込めれば良し。赤系といっても、火力は4~6枚の軽い火力と2枚程度の《極上の炎技/Exquisite Firecraft》に留めてくると予想しているので、本体火力を連発されて危機に陥ることはあまりないと読んでいる。代わりに単体除去を構えて、コンボでとどめを刺されないように注意したい。その点我々の作ったダークジェスカイは、《はじける破滅/Crackling Doom》、《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》、《払拭/Dispel》とコンボに対して劇的にきくカードで武装している。《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》を命令で回収するのも素晴らしいし、サイドボード後には《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》まで戻すことができる。
チーム・パンテオンの多くがこのリストを使う予定だが、ジェイスを唱えつつ《はじける破滅/Crackling Doom》へ繋げることを考えると、若干マナが安定しないこともある。しかしマナ基盤としては十分だし、デッキは相当強力に仕上がった。しばらくパッとしない戦績が続いていたから、今回は少し上の方に食い込みたい。このデッキなら、やれると思う。
【翻訳】チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンの使ったダークジェスカイ 前編
2015年10月19日 翻訳 コメント (2)◆ 【翻訳】チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンの使ったダークジェスカイ
Team Pantheon Deck Tech – Dark Jeskai
By Kai Budde 2015年10月18日
http://www.channelfireball.com/articles/team-pantheon-deck-tech-dark-jeskai/
戦乱のゼンディカーのフルスポイラーが公開されてから、チーム・パンテオンはテストにぼちぼち着手したものの、いつも通り不精を決め込んで、リリース直後の週末のトーナメント結果を待つことにした。ブライアン・デマーズ(Brian DeMars)が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》コンボで人を血祭りにあげてたのには驚かされた。クネオ(Andrew Cuneo)が《満月の呼び声/Call of the Full Moon》を入れたりしていて、《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》の力は本物だった。4マナか5マナで全体除去を唱えた後、《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》・《強大化/Become Immense》・《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》と撃ち込むと、4マナで18点のダメージ。突然の死が訪れるんだ。そこまででなくても、《タイタンの力/Titan’s Strength》と《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》でも12点のダメージになる。ゲームを畳みかけるには十分だろう。速槍でなくても速攻がついてて代わりになるクリーチャーはたくさんいるから、コンボ要素を集めるのはそこまで困難でない。コントロールの組み方は大分変わってくるだろう。
次に解くべき課題としては、スタンダードのマナ基盤が大きく変わったことだ。占術ランドが落ちて、フェッチランド・バトルランドが新顔として加わった。まったく、フェッチランドがいかにダメなメカニズムか、原稿用紙いっぱいに書き付けるのをこらえるのに苦労した。かいつまんで言えば、私は相手のデッキを何度もシャッフルすることなくマジックがプレイしたい。誰も彼もがデッキに12枚フェッチランドを入れているというのは最悪だ。モダンのために再録しなくてはいけなかったというのは理解できるが、なんでフェッチランドでサーチできる2色土地を入れなければならなかったのかは理解に苦しむ。
フェッチランドからサーチできる2色土地の影響は凄まじく大きい。アンタップインのためには基本土地を2枚コントロールしていないといけない制約が設定されているものの、どっちみち1・2ターン目にフェッチランドから持ってこれるので些細なことだろう。数週間前のSCGオープンで、ケント・ケッター(Kent Ketter)が使っていたデッキのマナベースを見てみると。
《平地/Plains》《沼/Swamp》《島/Island》《山/Mountain》《森/Forest》を1枚ずつ。
バトルランドを1枚ずつ(今のところ友好色しか出てない)。
フェッチランドを5種3枚ずつ
→以上で土地25枚也。完成。
後は《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、《包囲サイ/Siege Rhino》、《白日の下に/Bring to Light》などにその他強いカードを詰め込んで一丁上がりだ。このマナベースでは3ターン目《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、4ターン目《包囲サイ/Siege Rhino》と動くのは難しいはずなので、このまま採用しようとは思わないものの、フェッチランドとバトルランドがどんなに強力かはわかってもらえると思う。
有効2色を使うのであれば、それぞれの色の基本土地を5枚ずつ。バトルランドを3~4枚に、フェッチランドを10~12枚採用することで、3ターン目にはどの色のフェッチランドでも、バトルランドをアンタップインすることができるだろう。4マナのカードなら、(1)(赤)(赤)(赤)と(1)(黒)(黒)(黒)といった、トリプルシンボルの共存すら十分可能だろう。土地を24枚入れるとすると、上のマナベースで各色は20枚ずつある計算だ。
とはいえこの計算が当てはまるのは友好色に限定される。黒緑といった対抗色のデッキの場合、例えば《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》を使って《燃えがらの林間地/Cinder Glade》を持ってきたりすることは可能なので決して悪くはないのだが、友好色には遠く及ばない。となれば次には、これほど強固なマナ基盤を使って何をするか、というのが問題になる。スタンダードに存在する他のセットと比べると、戦乱のゼンディカーのカードパワーは低い。《放浪する森林/Woodland Wanderer》は強力だが、《包囲サイ/Siege Rhino》に迫るほどではない。我々はまず《はじける破滅/Crackling Doom》や《白日の下に/Bring to Light》をタッチしたりして、何通りかアブザンを試してみた。環境の柱は2つ:
・ブロッカーをも乗り越えて、4~5ターンの間に相手を葬り去る赤系デッキ
・2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》を出してくるデッキ
アブザンは除去として《究極の価格/Ultimate Price》や《絹包み/Silkwrap》を使えるものの、上のデッキに対する除去としては心もとなく感じられた。ところでドローは好きかい?単体でカードを回転させつつドロー呪文をフラッシュバックするプレインズウォーカーはどう?我々がジェイスを使う側に回るのは自然な成り行きだった。前回のプロツアーで、フィンケル(Jon Finkel)、シャハール(Shahar Shenhar)、ルービン(Ben Rubin)、それに私(Kai Budde)の使ったジェスカイは、戦績こそ今一つものだったものの、今回は結構、必要な要件を満たしていた。赤の除去を採用することで、ビートダウンの猛攻を防ぎつつ相手のジェイスを除去できて、かつこちらもジェイスと《時を越えた探索/Dig Through Time》を使うことができるのだ。
Team Pantheon Deck Tech – Dark Jeskai
By Kai Budde 2015年10月18日
http://www.channelfireball.com/articles/team-pantheon-deck-tech-dark-jeskai/
戦乱のゼンディカーのフルスポイラーが公開されてから、チーム・パンテオンはテストにぼちぼち着手したものの、いつも通り不精を決め込んで、リリース直後の週末のトーナメント結果を待つことにした。ブライアン・デマーズ(Brian DeMars)が《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》コンボで人を血祭りにあげてたのには驚かされた。クネオ(Andrew Cuneo)が《満月の呼び声/Call of the Full Moon》を入れたりしていて、《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》の力は本物だった。4マナか5マナで全体除去を唱えた後、《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》・《強大化/Become Immense》・《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》と撃ち込むと、4マナで18点のダメージ。突然の死が訪れるんだ。そこまででなくても、《タイタンの力/Titan’s Strength》と《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》でも12点のダメージになる。ゲームを畳みかけるには十分だろう。速槍でなくても速攻がついてて代わりになるクリーチャーはたくさんいるから、コンボ要素を集めるのはそこまで困難でない。コントロールの組み方は大分変わってくるだろう。
次に解くべき課題としては、スタンダードのマナ基盤が大きく変わったことだ。占術ランドが落ちて、フェッチランド・バトルランドが新顔として加わった。まったく、フェッチランドがいかにダメなメカニズムか、原稿用紙いっぱいに書き付けるのをこらえるのに苦労した。かいつまんで言えば、私は相手のデッキを何度もシャッフルすることなくマジックがプレイしたい。誰も彼もがデッキに12枚フェッチランドを入れているというのは最悪だ。モダンのために再録しなくてはいけなかったというのは理解できるが、なんでフェッチランドでサーチできる2色土地を入れなければならなかったのかは理解に苦しむ。
フェッチランドからサーチできる2色土地の影響は凄まじく大きい。アンタップインのためには基本土地を2枚コントロールしていないといけない制約が設定されているものの、どっちみち1・2ターン目にフェッチランドから持ってこれるので些細なことだろう。数週間前のSCGオープンで、ケント・ケッター(Kent Ketter)が使っていたデッキのマナベースを見てみると。
《平地/Plains》《沼/Swamp》《島/Island》《山/Mountain》《森/Forest》を1枚ずつ。
バトルランドを1枚ずつ(今のところ友好色しか出てない)。
フェッチランドを5種3枚ずつ
→以上で土地25枚也。完成。
後は《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、《包囲サイ/Siege Rhino》、《白日の下に/Bring to Light》などにその他強いカードを詰め込んで一丁上がりだ。このマナベースでは3ターン目《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、4ターン目《包囲サイ/Siege Rhino》と動くのは難しいはずなので、このまま採用しようとは思わないものの、フェッチランドとバトルランドがどんなに強力かはわかってもらえると思う。
有効2色を使うのであれば、それぞれの色の基本土地を5枚ずつ。バトルランドを3~4枚に、フェッチランドを10~12枚採用することで、3ターン目にはどの色のフェッチランドでも、バトルランドをアンタップインすることができるだろう。4マナのカードなら、(1)(赤)(赤)(赤)と(1)(黒)(黒)(黒)といった、トリプルシンボルの共存すら十分可能だろう。土地を24枚入れるとすると、上のマナベースで各色は20枚ずつある計算だ。
とはいえこの計算が当てはまるのは友好色に限定される。黒緑といった対抗色のデッキの場合、例えば《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》を使って《燃えがらの林間地/Cinder Glade》を持ってきたりすることは可能なので決して悪くはないのだが、友好色には遠く及ばない。となれば次には、これほど強固なマナ基盤を使って何をするか、というのが問題になる。スタンダードに存在する他のセットと比べると、戦乱のゼンディカーのカードパワーは低い。《放浪する森林/Woodland Wanderer》は強力だが、《包囲サイ/Siege Rhino》に迫るほどではない。我々はまず《はじける破滅/Crackling Doom》や《白日の下に/Bring to Light》をタッチしたりして、何通りかアブザンを試してみた。環境の柱は2つ:
・ブロッカーをも乗り越えて、4~5ターンの間に相手を葬り去る赤系デッキ
・2ターン目に《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》を出してくるデッキ
アブザンは除去として《究極の価格/Ultimate Price》や《絹包み/Silkwrap》を使えるものの、上のデッキに対する除去としては心もとなく感じられた。ところでドローは好きかい?単体でカードを回転させつつドロー呪文をフラッシュバックするプレインズウォーカーはどう?我々がジェイスを使う側に回るのは自然な成り行きだった。前回のプロツアーで、フィンケル(Jon Finkel)、シャハール(Shahar Shenhar)、ルービン(Ben Rubin)、それに私(Kai Budde)の使ったジェスカイは、戦績こそ今一つものだったものの、今回は結構、必要な要件を満たしていた。赤の除去を採用することで、ビートダウンの猛攻を防ぎつつ相手のジェイスを除去できて、かつこちらもジェイスと《時を越えた探索/Dig Through Time》を使うことができるのだ。
【翻訳】チャネル・ファイアーボール製デッキの手引き 赤緑上陸
2015年10月18日 翻訳◆ 【翻訳】チャネル・ファイアーボール製デッキの手引き 赤緑上陸
#TeamCFB Deck Guide – RG Landfall
By Luis Scott-Vargas 2015年10月17日
http://www.channelfireball.com/articles/teamcfb-deck-guide-rg-landfall/
赤緑上陸は、チームで最初に作ったデッキの一つだった。メタゲーム的にはアタルカレッドと同じ位置付けになるものの、アタルカレッドと比べてクリーチャーのサイズが優れていて、瞬間的な爆発力だけでなく、攻め続けることもできる面々を採用しているところが長所だ(代わりに相手への干渉手段が犠牲になってるけど)。そんな上陸デッキのリストはこちら:
ゲームプラン
デカい上陸クリーチャーを展開して、君がッ 死ぬまで 殴るのをやめないッ!相手への干渉は最小限にとどめて、一つのこと……相手を殴り倒すことだけに専念する。でもそのたった一つのことが滅茶苦茶強力なんだ。
《血の渇き/Blood Lust》《Berserk》
1994年から存在したコンボだよ!
使ってみると《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》や《強大化/Become Immense》で終わるゲームが結構多い。別に特別なサポートがなくても、採用しているクリーチャーはどれも十分なサイズだ。しかし上の2つのどちらかを惹くと、途端にダメージ量が跳ね上がる。アタルカレッドになく、赤緑上陸にある強みの一つが、これら2種の強化呪文との抜群の相性だ。
《強大化/Become Immense》《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
《マキンディの滑り駆け/Makindi Sliderunner》は元からトランプルがあるから、《強大化/Become Immense》のダメージが突き抜けるし、上陸クリーチャーに《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》を合わせれば、ブロッカーがいたとしても5点以上のダメージが入る。
《アタルカの命令/Atarka’s Command》
《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》がなくても、《アタルカの命令/Atarka’s Command》は化け物だ。果敢を誘発させつつ全軍を強化し、ライフゲインを防いだりすらできる。たった2マナなのに、しばしばダメージ量は6点以上にすら及ぶ。こちらのデッキがクリーチャー多めなので命令との相性はバッチリだし、相手だってアタルカの命令をちらつかせられたら、戦闘は相当やりにくい。典型的な赤単系デッキよりトークンをばらまく呪文は少ないけど、代わりに非クリーチャー呪文も少ないからね。どちらのデッキで使っても《アタルカの命令/Atarka’s Command》は超強力だ。
《鎌豹/Scythe Leopard》《噛み付きナーリッド/Snapping Gnarlid》《マキンディの滑り駆け/Makindi Sliderunner》
1マナ3/3、2マナ4/4、2マナ4/3トランプル。デッキの代表選手で、デッキ名の由来だ。普通のデッキより火力類が控えめで、安定性が下がるのに上陸を選択する理由は、土地を出し続けられればという条件付きながら、とにかくクリーチャーが強いこと。しかもそのうち2種は《正義のうねり/Surge of Righteousness》に引っかからない。正義のうねりは相当数サイドボードに採用されると思うから、これは大きい。除去を警戒するなら、必要に応じて後々のためにフェッチランドを残しておいたりもできるね。
クリーチャーだけで相手を蹂躙できるというのは実に強力で、マナカーブ通りにクリーチャーを展開すれば、それだけで勝つことが可能だ。ただ土地が置けないと状況は苦しくなる。土地2枚で詰まってしまったりすると、アタルカレッドみたいなデッキと比べてとても苦しい戦いになってしまう。ただマナフラッドに関して、赤単より有利に働くのは利点だろう。普通、赤系のデッキは土地が20~22枚程度に抑えられるのに、24枚も土地を採用しているのは上陸デッキならでは。
《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》
面白いことに、戦乱のゼンディカーの構築レビューで、《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》は完全にスルーしていた。実際使ってみると、クリーチャーをブロック不能にしたりパワーを追加できるのは想像以上に大きく、まさにこのデッキのためにあるようなカードだったね。相手からすると、ブロッカーを立ててもブロック不能にされるし、どうせブロックできないならと攻撃すると、+2/+0修正の乗ったダメージをお見舞いされる、不自由な二択を迫られることになる。しかも1ターンに複数回誘発させることすら可能で、《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》とは抜群の相性。撤退が出た状態では、ゴブリントークンですら危険な存在になる。
マナコストが3マナと少し高めで、単体では何もしないカードなので、2枚くらいに抑えたいカードではあるものの、2枚あるとちょうどいい感じだった。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
残りの枠はクリーチャーだ。《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》は普通の赤いデッキより呪文が少ないこのデッキでも、軽く、速攻付きで、突然現れて相手を葬ってくれる。盤面に何もない状態から20点叩き込むことすら十分に可能で、全体除去を撃たれた返しに颯爽と現れて、反撃の狼煙を挙げる役目にぴったり。《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》と《軍族童の突発/Hordeling Outburst》は継続して攻め続けるためのカードで、特に《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》の方は、マナフラッドせずに上陸し続けるためのキーカードだ。これ以上土地の枚数を増やすとマナフラッドしてしまうけど、ライブラリートップをめくる能力で疑似的に土地を増やせるのが偉い。
サイドボード
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》コンボは、サイドボード後のゲームだと使いにくくなるものの、《強迫/Duress》をサイドインすることで、サイド後もコンボ可能なデザインに仕上げてある。メタゲーム次第で、激闘コンボを狙うこと自体が厳しくなる可能性もあるけれど、多少対策されてもここに載せた調整である程度は何とかなるはずだ。
#TeamCFB Deck Guide – RG Landfall
By Luis Scott-Vargas 2015年10月17日
http://www.channelfireball.com/articles/teamcfb-deck-guide-rg-landfall/
赤緑上陸は、チームで最初に作ったデッキの一つだった。メタゲーム的にはアタルカレッドと同じ位置付けになるものの、アタルカレッドと比べてクリーチャーのサイズが優れていて、瞬間的な爆発力だけでなく、攻め続けることもできる面々を採用しているところが長所だ(代わりに相手への干渉手段が犠牲になってるけど)。そんな上陸デッキのリストはこちら:
土地
4:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
3:《進化する未開地/Evolving Wilds》
2:《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
1:《燻る湿地/Smoldering Marsh》
3:《森/Forest》
3:《山/Mountain》
クリーチャー
4:《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4:《鎌豹/Scythe Leopard》
4:《噛み付きナーリッド/Snapping Gnarlid》
4:《マキンディの滑り駆け/Makindi Sliderunner》
4:《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》
呪文
2:《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》
2:《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4:《強大化/Become Immense》
4:《アタルカの命令/Atarka’s Command》
4:《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
サイドボード
3:《焙り焼き/Roast》
3:《強迫/Duress》
3:《炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix》
3:《下生えの勇者/Undergrowth Champion》
1:《沸き立つ大地/Boiling Earth》
2:《焦熱の衝動/Fiery Impulse》
ゲームプラン
デカい上陸クリーチャーを展開して、君がッ 死ぬまで 殴るのをやめないッ!相手への干渉は最小限にとどめて、一つのこと……相手を殴り倒すことだけに専念する。でもそのたった一つのことが滅茶苦茶強力なんだ。
《血の渇き/Blood Lust》《Berserk》
1994年から存在したコンボだよ!
使ってみると《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》や《強大化/Become Immense》で終わるゲームが結構多い。別に特別なサポートがなくても、採用しているクリーチャーはどれも十分なサイズだ。しかし上の2つのどちらかを惹くと、途端にダメージ量が跳ね上がる。アタルカレッドになく、赤緑上陸にある強みの一つが、これら2種の強化呪文との抜群の相性だ。
《強大化/Become Immense》《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
《マキンディの滑り駆け/Makindi Sliderunner》は元からトランプルがあるから、《強大化/Become Immense》のダメージが突き抜けるし、上陸クリーチャーに《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》を合わせれば、ブロッカーがいたとしても5点以上のダメージが入る。
《アタルカの命令/Atarka’s Command》
《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》がなくても、《アタルカの命令/Atarka’s Command》は化け物だ。果敢を誘発させつつ全軍を強化し、ライフゲインを防いだりすらできる。たった2マナなのに、しばしばダメージ量は6点以上にすら及ぶ。こちらのデッキがクリーチャー多めなので命令との相性はバッチリだし、相手だってアタルカの命令をちらつかせられたら、戦闘は相当やりにくい。典型的な赤単系デッキよりトークンをばらまく呪文は少ないけど、代わりに非クリーチャー呪文も少ないからね。どちらのデッキで使っても《アタルカの命令/Atarka’s Command》は超強力だ。
《鎌豹/Scythe Leopard》《噛み付きナーリッド/Snapping Gnarlid》《マキンディの滑り駆け/Makindi Sliderunner》
1マナ3/3、2マナ4/4、2マナ4/3トランプル。デッキの代表選手で、デッキ名の由来だ。普通のデッキより火力類が控えめで、安定性が下がるのに上陸を選択する理由は、土地を出し続けられればという条件付きながら、とにかくクリーチャーが強いこと。しかもそのうち2種は《正義のうねり/Surge of Righteousness》に引っかからない。正義のうねりは相当数サイドボードに採用されると思うから、これは大きい。除去を警戒するなら、必要に応じて後々のためにフェッチランドを残しておいたりもできるね。
クリーチャーだけで相手を蹂躙できるというのは実に強力で、マナカーブ通りにクリーチャーを展開すれば、それだけで勝つことが可能だ。ただ土地が置けないと状況は苦しくなる。土地2枚で詰まってしまったりすると、アタルカレッドみたいなデッキと比べてとても苦しい戦いになってしまう。ただマナフラッドに関して、赤単より有利に働くのは利点だろう。普通、赤系のデッキは土地が20~22枚程度に抑えられるのに、24枚も土地を採用しているのは上陸デッキならでは。
《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》
面白いことに、戦乱のゼンディカーの構築レビューで、《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》は完全にスルーしていた。実際使ってみると、クリーチャーをブロック不能にしたりパワーを追加できるのは想像以上に大きく、まさにこのデッキのためにあるようなカードだったね。相手からすると、ブロッカーを立ててもブロック不能にされるし、どうせブロックできないならと攻撃すると、+2/+0修正の乗ったダメージをお見舞いされる、不自由な二択を迫られることになる。しかも1ターンに複数回誘発させることすら可能で、《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》とは抜群の相性。撤退が出た状態では、ゴブリントークンですら危険な存在になる。
マナコストが3マナと少し高めで、単体では何もしないカードなので、2枚くらいに抑えたいカードではあるものの、2枚あるとちょうどいい感じだった。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
残りの枠はクリーチャーだ。《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》は普通の赤いデッキより呪文が少ないこのデッキでも、軽く、速攻付きで、突然現れて相手を葬ってくれる。盤面に何もない状態から20点叩き込むことすら十分に可能で、全体除去を撃たれた返しに颯爽と現れて、反撃の狼煙を挙げる役目にぴったり。《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》と《軍族童の突発/Hordeling Outburst》は継続して攻め続けるためのカードで、特に《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》の方は、マナフラッドせずに上陸し続けるためのキーカードだ。これ以上土地の枚数を増やすとマナフラッドしてしまうけど、ライブラリートップをめくる能力で疑似的に土地を増やせるのが偉い。
サイドボード
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》コンボは、サイドボード後のゲームだと使いにくくなるものの、《強迫/Duress》をサイドインすることで、サイド後もコンボ可能なデザインに仕上げてある。メタゲーム次第で、激闘コンボを狙うこと自体が厳しくなる可能性もあるけれど、多少対策されてもここに載せた調整である程度は何とかなるはずだ。
白緑大変異
IN
3:《焙り焼き/Roast》
OUT
2:《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
1:《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》
エスパードラゴン
IN
3:《強迫/Duress》
3:《炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix》
OUT
2:《強大化/Become Immense》
4:《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
ジェスカイ
IN
3:《強迫/Duress》
OUT
2:《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》
1:《アタルカの命令/Atarka’s Command》
アタルカレッド
IN
3:《下生えの勇者/Undergrowth Champion》
2:《焦熱の衝動/Fiery Impulse》
1:《沸き立つ大地/Boiling Earth》
OUT
2:《ヴァラクートへの撤退/Retreat to Valakut》
4:《アタルカの命令/Atarka’s Command》
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 青 (by LSV) part 1
2015年10月15日 翻訳◆ 【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 青 (by LSV)
Battle for Zendikar Limited Set Review – Blue
Luis Scott-Vargas, 2015年9月23日
http://www.channelfireball.com/articles/battle-for-zendikar-limited-set-review-blue/
Battle for Zendikar Limited Set Review – Blue
Luis Scott-Vargas, 2015年9月23日
http://www.channelfireball.com/articles/battle-for-zendikar-limited-set-review-blue/
《逆境/Adverse Conditions》
リミテッド2.0点
普通、《霜のブレス/Frost Breath》系のカードは前のめりなデッキでこそ輝くものだけど、エルドラージ・末裔が出るとなれば話は変わってくる。マナ加速したり、タフネス1を討ち取ったり、時間を稼いだりと多芸なカードだから、まず使うだろう。それでもできればビートダウンで使いたいけれど、あまりに万能なんでね。こういうダメージレースを劇的に変えるカードの強さは条件付きなことが多いものの、エルドラージ・末裔がついてることで、攻勢に出ていないときに弾いてしまった時の保険になってるわけだね(攻めないデッキにとって、この手のカードをとらない理由がまさに、強さが状況を選ぶということだからさ)。
面白いカードだから、どんな使い心地なのか早く見てみたいね。テンポを奪う効果と、防御的なマナ加速を混ぜたらどうなるのか。プレイする前に評価する俺にとっては逆境かもね。
《予期/Anticipate》
リミテッド2.5点
タルキール龍紀伝のとき同様、《予期/Anticipate》は超強力でこそないものの、デッキから抜けることもないという、変わった立ち位置に落ち着くと思う。2マナ域がよほど満員でない限り、予期を入れることでデッキの完成度を高められるだろう。遅いデッキであればあるほど、ドローの偏りを調整してくれるからね。前のめりなデッキでは採用しにくいのと、複数枚あっても強くないのがネックかな(残念ながら呪文の強い、良き時代は終わったってことさ)。あまり早めに確保するカードじゃないけど、1枚は喜んで使うだろうね。
《水底の潜入者/Benthic Infiltrator》
リミテッド3.0点
欠色にも嚥下にも興味がない。そんなときでもこいつは素晴らしい。3マナ1/4は立派な戦力だし、ブロックされないおかげで単身でもやっていける。その上ブロック性能も良く、昇華者のためにお膳立てもしてくれるとくれば、まさに万能超人だ。こういうカードと昇華者をセットで使いたい。昇華者コンボや欠色を使うために、デッキの一部を犠牲にするのは嫌だけど、水底の潜入者となら喜んで採用したい。《霧の侵入者/Mist Intruder》だと、使うかよくよく考えなきゃならないところだったけど、潜入者となら間違いの起きようがない。特に他のカードとシナジーとかなくても、単体性能だけで使っちゃうね。
《輝く光波/Brilliant Spectrum》
リミテッド1.0点
ドロー呪文を貶めようなんて気は毛頭ないものの、これだけ色を要求するとなると、硬派ってよりはナンパだよね。安定して3色、ある程度4色も狙えるくらいじゃないとデッキには入れたくない。安定して4色が捻出できて初めて強いといえるかな。そんなデッキを組むこともあると思うけど、必要だからといって頑張らなくても拾えると思う。
《雲マンタ/Cloud Manta》
リミテッド2.5点
守るには少し不安でも、攻めるに良し。つまり強い。とったならほぼデッキに入るだろうね。
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 黒 (by LSV) part 5
2015年10月14日 翻訳 コメント (2)《ハヤバイ/Skitterskin》
リミテッド2.0点
殴りに最適だがコントロールではヤバい論外。「ブロックできない」ってのが曲者で、早めにつまむにはリスクが伴う。色が合っててもサイドボード行きになる可能性のあるカードを3手目とかで取るのは好きじゃない。ハヤバイの場合、サイドに落とすことが結構ありそうなんだよね。でもドラフト後半になったなら即とってしまってもいいだろう。ビートダウンを組むのなら、サイズ的にも能力的にも止めにくいし、重すぎず全く申し分ない。
《泥這い/Sludge Crawler》
リミテッド1.0点
序盤はパッとしない。終盤もやっぱり凡庸。名前の通りに泥臭いカードで、2マナ支払ってパンプしてようやく人並みのサイズになれる。活躍できる場面が想像できない。昇華者多めでも、あまり採用したい手合いではないと思うね。
《息詰まる忌まわしきもの/Smothering Abomination》
リミテッド4.0点
毎ターンクリーチャーが減っていくとはいえ、カードの損失にはつながらなくて素晴らしい。マナレシオも優れているし、エルドラージ・末裔とのシナジーは超強力だ。こいつは専用のデッキを作ってやるだけの価値があるし、普通のデッキでも十分に機能する。でも餌が必要だから、クリーチャーの密度はある程度必要だね。自分を食べる羽目になってもまあ、一巻の終わりじゃあない。理想的な展開ではないだろうけどさ。
《大群の殺到/Swarm Surge》
リミテッド1.0点
高めの点数をつけるつもりだったんだが、ソーサリーだというのに気づいてしまってね。コンバットトリックとして使えないのなら、弱い《踏み荒らし/Overrun》じゃあないか。しかも色付きのクリーチャーとは食い合わせが良くないときた。デッキがほぼ無色だけで構成されていたとしても、押されてるとき何もしないし、辛いねえ。
《精神背信/Transgress the Mind》
リミテッド0.5点
超重量級の相手にサイドインするのはやぶさかでないけど、ちょっとスカることが多すぎる気がする。うまくいっても1:1交換以外の何でもない。その上空振りでもしようものなら……おお、くわばらくわばら。
《吸血の儀式/Vampiric Rites》
リミテッド1.5点
儀式デッキは是非モノにしてみたいが、考えなしに採用できるカードじゃないね。《膨れ鞘/Blisterpod》だとか、エルドラージ・末裔、それにライフゲイン関連の吸血鬼なんかと組むと素敵じゃないだろうか。あまり競合してカードを奪い合うような事態にはならないと思うので、一周して帰ってくることを期待して、旅に出してやってもいいと思う(帰ってこなければ少なくとも、生贄絡みのアーキタイプを敬遠しておくべきという情報が手に入る)。
《大食の虚身/Voracious Null》
リミテッド1.5点
絵がキモすぎて点数を下げざるを得ない。あと、能力がソーサリーなのも減点。攻撃前にしか起動できないとか、除去やコンバットトリックを使ってくれと言わんばかりじゃないか。《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》とは天地ほどの差がある。
《不毛の地の絞殺者/Wasteland Strangler》
リミテッド3.5点
名前前半を見るだけで思わず手が出てしまうな?まあ昇華者ってのは好意的に受け入れてやっていいと思えるテキストかな。戦場に出たとき、能力が使えれば効果自体は素晴らしいから、安定して昇華者として運用できれば素晴らしい。そう都合よくいかずに3マナ3/2でもまあ虚弱ではないし、一工夫してやりたくなるだけの実力はあるよ。
《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》
リミテッド3.0点
この手の能力は、見た目よりずっといやらしいことが多い。こいつは自軍しか参照しないけど、それでもだ。ズーラポートの殺し屋は、少なく見積もっても合計で4点くらいは簡単にもぎ取っていくだろう。パッとエルドラージ・末裔との組み合わせが思いつくし、ライフゲインや同盟者とも組める。
黒のコモントップ5
5.《ぬかるみの敵意/Mire’s Malice》
4.《音無く飛ぶもの/Silent Skimmer》
3.《悪魔の掌握/Demon’s Grasp》
2.《骨の粉砕/Bone Splinters》
1.《完全無視/Complete Disregard》
黒のコモンはちょっとパッとしないね。生贄やライフゲインと噛んでるカードが多くて、そこに嚥下と昇華者がいてスペースをほとんど食われてしまった印象だ。除去筆頭は《完全無視/Complete Disregard》かなと思うけど、《骨の粉砕/Bone Splinters》の方が重要ということもままあり得るだろう。後は《悪魔の掌握/Demon’s Grasp》とか《音無く飛ぶもの/Silent Skimmer》とか、使えるけど飛びぬけて強くもないカードだね。5位はどっこいどっこいだけど、一応《カラストリアの夜警/Kalastria Nightwatch》と《精神を掻き寄せるもの/Mind Raker》を押さえて《ぬかるみの敵意/Mire’s Malice》にした。
黒は何から入ればいいだろうかね。とりあえずコモンから参入はなさそうだけど。
LSV
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 黒 (by LSV) part 4
2015年10月13日 翻訳 コメント (3)《カラストリアの夜警/Kalastria Nightwatch》
リミテッド2.0点
5マナクリーチャーが欲しいなら、4/5メリット能力付きとか悪くないんじゃない?ライフゲインデッキでも劇的に強くなるわけじゃないものの、仮に回復手段がなくてもそこまで悪くはない。それに相手からしたら、こいつが飛べるかどうかは見た目じゃわからないからね。飛行クリーチャーで攻撃するとき、こいつが立ってたら警戒するだろうな。
《マラキールの使い魔/Malakir Familiar》
リミテッド3.0点
3マナ2/1飛行接死の時点で十分だし、ライフゲインで誘発する能力も嬉しい。ライフゲインできなくても問題ないから、必死に回復手段を確保できるか心配しなくても大丈夫。ライフを得る手段があるなら少しだけ高めに見てもいいかな。素のスペックだけで一周するカードじゃないよ。
《精神を掻き寄せるもの/Mind Raker》
リミテッド1.5点
進撃の《丘巨人/Hill Giant》ってかい?映画と違って、こいつは昇華者能力がこけてもマナカーブを整えられるし問題ない。でも採用するなら2枚くらいは追放するカードを入れて夢を見たいところだ。
《ぬかるみの敵意/Mire’s Malice》
リミテッド2.5点
《精神腐敗/Mind Rot》を何とかこじつけてデッキにねじ込んでやれないかよく考えるんだけど、3/3がついてくるなら無理やり理由をでっちあげる必要はなさそうだ。重たい覚醒カードの枠は無限じゃないし、覚醒なしで使うときの性能がいまひとつだから、覚醒呪文でどれを採用するかは慎重に選びたいね。
《ニルカーナの暗殺者/Nirkana Assassin》
リミテッド1.0点
3マナ2/3バニラと思って使えば裏切られることはない。デッキによってはバニラ以上の働きをすることもあるだろうけど、2/3接死だから大暴れといってもたかが知れている感はある。盤面に見えている回復手段があるなら、相手は迂闊に攻めてこないだろうし、呪文で誘発させても2:1交換につながることは多くないんじゃないだろうか。色んなシチュエーションを考えてみたけれど、やっぱり数合わせがせいぜいだと思う。
《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
リミテッド4.0点
明確に強いし、どんなに苦しくても大体1:1以上の交換が狙えるんじゃなかろうか。押されてるときに逆転できるほどではないから4.5点はあげられないものの、後がないとき以外は相当強力だよ。除去を構えてた相手を鼻で笑ってやれるし、ヤバい相手を除去もできる。盤面が更地ならカードを引き続けられるのもいい。
《苦い真理/Painful Truths》
リミテッド3.0点
純正2色デッキでもまず使うし、コンスタントに3色を捻出できるデッキなら、使わない心理が分からないね。ゆっくりアドを取るカードだけど、遅いデッキを組んでもそれで痛い目を見る環境ではなさそうだし、相手のデッキ次第では相当強いカードに化けると思う。
《ハグラへの撤退/Retreat to Hagra》
リミテッド1.0点
確かに《エメリアへの撤退/Retreat to Emeria》はちょっと高く評価しすぎた感はあるものの、こいつに関しちゃはぐらかされないぞ。毎ターン、書いてあることが必ず誘発できるなら良かったんだけど、土地を置かなきゃいけないのはちとつらいものがある。どちらの効果も地味だから、2ターンに1回どっちかが使えても今一つ盛り上がりに欠ける。何回誘発できれば元が取れるかという視点で見てみると、これの場合は5回は使いたい。ちょっと厳しいかな。ただライフゲインデッキでは、すべてのカードが誘発するわけだから、すんなり入っていくと思う。
《湧き上がる瘴気/Rising Miasma》
リミテッド3.0点
使われても全く意に介さないデッキもあれば、絶対に撃たれたくないと思うデッキもあるだろう。序盤の猛攻を食い止めながら、終盤引いても使いでがあるのは嬉しいところ。それに好きな時に使えるマイナス修正は実に良い。何枚もあっても仕方ないカードだけど、1枚あるとデッキの軸になってくれそうだ。
《破滅の道/Ruinous Path》
リミテッド4.0点
3マナでなんでも除去できるのは素晴らしいし、4/4で場に出た時にクリーチャーを破壊できる7マナクリーチャーも超強い。しかも好きな方を選べるとか凄すぎない?
《音無く飛ぶもの/Silent Skimmer》
リミテッド3.0点
シーン。お前は死んだ。前のめりなデッキでもコントロールでもすんなり採用できそう。ブロックに回ってよし、止められないアタッカーとして運用しても良し、環境の除去にまあまあ耐性があるのもいい。変わったカードに見えるかもだけど、とったらまずデッキに入れて間違いなし。
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 黒 (by LSV) part 3
2015年10月12日 翻訳《従順な復活/Dutiful Return》
リミテッド1.0点
タルキール覇王譚からこんなに早く復活してくると思わなかった。タルキールでは微妙性能だったけど、今回もそれは変わらないと思う。今回は探査がないから、回収したいカードを追放してしまっていたなんてことはなさそうだけど、のんびりしたカードで終盤にならないと唱えられない手合いだよね。遅いデッキ相手のサイド用に一枚あってもいいと思うけど、メインには入れたくないかな。
《間欠泉の忍び寄り/Geyserfield Stalker》
リミテッド1.5点
《トゲイノシシ/Prickleboar》の次世代版とでも言わんばかりの5点パンチャーだ。イノシシは先制攻撃だったけど、こいつは威迫。積極的に殴っていくなら、マナカーブのトップに置いてやってもまあ悪くはない。だが一般論として、5マナでブロック時にお粗末な輩はお呼びじゃないんだよね。俺がブロック好きなのを差し引いても、ちょっと尖りすぎてる感じがする。重たいカードにはもっと違うものを求めたいところ。
《墓の出産/Grave Birthing》
リミテッド2.5点
ごちゃごちゃとテキストが書いているけど、要するにエルドラージ・末裔が出てきてカードを1枚引くインスタントだ。それに地味ながら、カードを追放できるメリット付き。3マナ1/1で生贄にささげるとマナが出る、さらにキャントリップ付きとか、喜んで使うとも。みんな驚かないだろうけど、一目で気に入った。相手の墓地にカードがなくても唱えられるのは覚えておこう。
《荒廃の一掴み/Grip of Desolation》
リミテッド3.5点
普通のセットなら2.5点から3.0点くらい(多分3点かな)なんだけど、覚醒がそこかしこにあるセットだからね。ちょっと高めに評価してみた。実質クリーチャーを2体追放するようなものだから当然高評価だけど、覚醒してこないとき仮に1体除去するだけでも、土地を伸ばそうとしている相手を妨害してやれる。
《グール・ドラズの監視者/Guul Draz Overseer》
リミテッド3.0(やっぱり2.5に修正)点
サイズは凡庸だけど、単体でもパワー5で殴れるならやぶさかでない。しかもこいつは単体でなく全軍を強化するから、更なるダメージも見込めるだろう。こいつを唱えつつすぐ土地を置けば、能力だけは即使える。ゲームを終わらせるには十分だね。
追記:「他の」クリーチャーだった……だと……。というわけで下方修正。まあそれでも強い部類だと思うけどね。
《ハグラの名射手/Hagra Sharpshooter》
リミテッド3.0点
余ったマナの使い道になるカードって大好き。相手にすると非常にやりにくい手合いだろう。是非味方に引き込みたい。立っているだけで相手のプレイングにかなり影響を与えるよ。相手からすると、撃ち落とされるから出したくないタフネス1のクリーチャーを展開せざるを得ない場合も出てくるし、それを見てこっちは除去するか展開するか選んだりできる。さらに戦闘もこいつが睨みをきかせていると相当やりづらい。喉元に刃を突き付けられた気分になるだろうよ。重たく見えるかもしれない能力だけど、それだけの価値はあるよ。まずデッキに採用していいんじゃないかな。
《カラストリアの癒し手/Kalastria Healer》
リミテッド1.0点
大概のデッキで弱く、デッキを選ぶものの専用デッキでは相当強い。こういうカードは好きだね(弱いところが気に入ったわけじゃないぞ)。確かに、この手の専用デッキで輝くカードがモノになるかどうかはわからないが、同盟者デッキでもライフゲインデッキでも原動力になってくれる。どちらのデッキにとっても欠かせない逸材だが、嬉しいことに他のデッキではお声がかからないから競合しにくいはず。過大評価されすぎて、本来入れるべきでないデッキにまで使われそう。でも輝く瞬間はあるはずだ。完全に噛み合った瞬間は本当に気持ちいい。こういうカードがあると、リミテッドが面白くなるんだよ。
《淘汰ドローン/Culling Drone》
リミテッド2.0点
やたらとルール文章が長いけど、実はそれほどややこしいクリーチャーでもない。欠色は前にも言った通りほとんど何も書いてないのと変わらないから、見るべきなのは嚥下だけだね。
こいつ単体だと、嚥下はほとんど意味を持たない。ライブラリーを1枚削れるけれど、通り続けるならダメージで死ぬ方がよほど早いんだから、やっぱりあまり関係ない。嚥下は昇華者と組み合わせるためにある。例えば《精神を掻き寄せるもの/Mind Raker》みたいなやつのことで、追放領域からカードを墓地に落とすとイカす効果がついてくるんだ。カードを追放するために、嚥下もちとしてこういうのが関わってくるんだよね。
見渡してみると、昇華者はそこまで多いというわけじゃない。強力なことは間違いないから、バウンスや-3/-3修正をかける昇華者なんかが拾えたら、嚥下したくなるって寸法だ。ただ毎回そんな優秀どころが拾えるわけじゃないから、嚥下がついているからといって評価が劇的に変わるというわけではないだろう。幸運なことに、淘汰ドローンの場合、2マナ2/2におまけとして嚥下がくっついているようなもので、重たくなったりしてないのは嬉しいね。
滔々と泥くさく能力について語ってきたけれど、このカードに関しちゃ2マナ2/2がほしければどうぞ。十分採用できるカードに、ちょっとしたおまけがついているくらいに思っておけばちょうどいい。相手のカードを追放するのが主目的なら、回避能力のないこいつはあんまりお眼鏡にかなわないかも。でもまあ少なくとも不当に重かったりはしないよ。同様に無色のカードが欲しい場合には手頃だね。
《果敢な血王/Defiant Bloodlord》
リミテッド1.5点
7マナは6マナよりずっと厳しい目で評価しなきゃいけない。残念ながらこいつは7マナ相当の生物には見えないね。どころかライフゲインデッキでも不安を覚える。サイズの大きい飛行クリーチャーという以外に盤面を止める要素がないし、何かしら悪いことをするにしても、生きてターンが返ってくるのを待たないといけない。普通のセットより7マナは出しやすいから、マナカーブの一番上に据えてもいいけれど、それでもギリギリだ。
《悪魔の掌握/Demon’s Grasp》
リミテッド2.5点
多分使うことになるけれど、あくまで妥協して使う、そんな除去だ。最近のセットを思い返してみても、5マナの除去は平均的に採用されてたはず。規格外の怪物は除去れないけれど、それでも十分だ。飽くまでくらわしてやろう。
《威圧ドローン/Dominator Drone》
リミテッド1.5点
3マナ3/2は2マナ2/2と比べると価値が下がるし、2点のライフルーズを狙える可能性がついても評価には大差ない。威圧とかいう名前はちょっとコイツにゃ勿体ないね。でもまあ23枚目とかのカードとしてまあまあつかえるとおもう。繰り返すけど、回避能力のない嚥下クリーチャーはおまけくらいに思っておこう。《水底の潜入者/Benthic Infiltrator》あたりの一流にはかなわないよ。
《マラキールの解放者、ドラーナ/Drana, Liberator of Malakir》
リミテッド4.5点
3ターン目に出したらゲームが終わる、そんな爆弾レア。6ターン目に出てくるフィニッシャーなんかとは全く別物だ。既に敗色濃厚なゲームでは逆転のきっかけにならないかもしれないし、1:3交換とかを狙えるカードでもない。対処されなければあっさり対戦相手を抹殺できる、そんなカードだ。6マナで強いところを繰り出そうとする戴せない手を先に潰すことができる。これは爆弾レアといって差し支えないだけの性能だよ。まあ色々言ったけど、わかりやすく強いので見たら取ろう。通常の戦闘ダメージより先に誘発するというのもポイントだね。止めないと手が付けられなくなるよ。
◆ 【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
Battle for Zendikar Limited Set Review - Black
Luis Scott-Vargas, 2015年9月22日
http://www.channelfireball.com/articles/battle-for-zendikar-limited-set-review-black/
今回は青より先に黒をレビューすることにした。特別な理由があったわけじゃないんだけど、青のレビューでうまいこと言おうとして一悶着あってね。ま、とにかく今日は黒。明日には青も上がるはずだよ!
Battle for Zendikar Limited Set Review - Black
Luis Scott-Vargas, 2015年9月22日
http://www.channelfireball.com/articles/battle-for-zendikar-limited-set-review-black/
今回は青より先に黒をレビューすることにした。特別な理由があったわけじゃないんだけど、青のレビューでうまいこと言おうとして一悶着あってね。ま、とにかく今日は黒。明日には青も上がるはずだよ!
《祭壇の刈り取り/Altar’s Reap》
リミテッド1.5点
確かにエルドラージ・末裔のひしめく環境だとは思うけど、それでもすごい強いカードじゃないね。2枚引けるというのはいいにしても、1/1を生贄にささげるのだってタダじゃない。そこまでしてやっと《予言/Divination》じゃあね。それに《脅しつけ/Threaten》系のカードは5マナかかる《敵対/Turn Against》しかないし、敵対はそもそもインスタントで奪ったクリーチャーをブロックさせればいいから、生贄の必要がない。《膨れ鞘/Blisterpod》がたくさん取れたら面白いかもね。それでも大概のデッキには不要だと思う。
《血の絆の吸血鬼/Bloodbond Vampire》
リミテッド2.0点
素のスペックが能力のせいで無残になってるわけでもないし、恒久的でなくてもライフを得られることができれば中々の実力に育つ。さらにこいつは同盟者だ(もう間違わない。見直しまでしたし)。今回のテーマの一つ、ライフゲインだけど、そこまで普通のピックを犠牲せずにいけそうだから、空いていそうなら狙ってみていいと思う。パーツが集まったらなかなか愉快そうだ。オリジンのときの白黒円ちゃんと見たいに、個々のカードが単体で戦力になるし、コンボがそろえば恩恵は大きい。
《骨の粉砕/Bone Splinters》
リミテッド2.0点
ドロー好きの俺でも、骨の粉砕より祭壇の刈り取りのがいいとは言えないさ。たとえ2:1交換だったとしても、なんでも倒せるのは偉い。2枚のカードを使って《予言/Divination》よりは、《終止/Terminate》の方がいいってこと。それに、特別シナジーが多くなくても《骨の粉砕/Bone Splinters》は使うでしょ。《膨れ鞘/Blisterpod》だとか《血の宿主/Blood Host》だとかがたくさんいるなら、それなりに早くとってしまって構わないと思う。普通はそこまで早くとりたいカードではないんだけどね。
《捕らわれの宿主/Carrier Thrall》
リミテッド3.0点
生贄デッキの虜というわけではないんだが、でもアドアドしいのは大好きだ。こいつは2マナクリーチャーでありながら後半も役に立つ。色々なカードとシナジーがある上、特にコンボ要素がなくても単体で優秀というできる奴だ。
《完全無視/Complete Disregard》
リミテッド2.5点
欠色はここで初めて登場するキーワードだね。ぶっちゃけあまり、血色を変えてルールを読み返す必要はないよ。今回は無色を参照するカードはあるものの、それを使わないなら無視してしまって構わない。色がついてようがついてなかろうが、効果自体は変わらない。とはいえ無色関連のカードが回ってきた場合に備えて、大体何枚とったかは覚えておきたいね。
カードそのものの性能だけど、巨大クリーチャーを倒せないのは無視できないポイントだ。十分使用には堪えるカードだけど、それほど絶対的なカードじゃないかな。あまり枚数を集めるカードじゃないと思うけど、2枚までは全然いいね。
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 白 (by LSV) part 6
2015年9月30日 翻訳《停滞の罠/Stasis Snare》
リミテッド4.0点
インスタントタイミングで唱えられる確定除去だ。悪く言えるはずがない。軽さも使いやすさも相まって、喜んで高評価するとも。
《岩屋の衛生兵/Stone Haven Medic》
リミテッド2.0点
ひっそりとライフゲインがテーマになってるから、他環境よりも採用しやすいと思う。やることがないときにライフ回復できるから、コントロールにも結構嬉しい。尖った強さはないものの、守りの一枚かつコンボ要員としては結構悪くないんじゃないかな。
《二人戦術/Tandem Tactics》
リミテッド3.0点
きわめて模範的なコンバットトリックだ。コンバットトリックを優先して集めるのは小型クリーチャーを詰め込んだデッキだから、そんなデッキで撃てばあっさりと1:2交換をとれそう。2点ライフゲインが場違い感を出しながらもついてるから、ライフ回復系のカードと組み合わせてもいい。あと、入れるべきデッキと入れるべきでないデッキがはっきりしてるのも好印象だね。デッキがコントロールだったり、クリーチャー数を絞っていたり、中~大型クリーチャーで攻めるようなデッキではお声がかからないだろう。入らないデッキがあるとはいえ、活きるようなデッキでは相当な強さを発揮するよ。
《統一戦線/Unified Front》
リミテッド2.0点
採用に踏み切るパターンとして2つ考えられる。一つは安定して3色以上が出るデッキで、3体トークンが出れば単純に強いカードとして使える。もう一つは同盟者を出したい場合だ。特に例えば《コーの絡め捕り/Kor Entanglers》みたいに、同盟者能力が同時に複数回誘発して意味のある奴がいるなら、2色の同盟者デッキでも採用するね。
白のコモントップ5
5.《ギデオンの叱責/Gideon’s Reproach》
4.《グリフィンの急使/Courier Griffin》
3.《大物潰し/Smite the Monstrous》
2.《二人戦術/Tandem Tactics》
1.《真っ逆さま/Sheer Drop》
白は色の中で役割の被るコモンが多い。クリーチャーを除去しつつ土地を3/3にできる真っ逆さまが、コモンとしては頭一つ抜けているけど、他のカードに関しては用途の似たカードが複数存在する。二人戦術は《石術師の焦点/Lithomancer’s Focus》と被るけど、うまくはまったときの破壊力的に二人戦術を上に評価した。除去としては、真っ逆さまに次ぐ位置に大物潰しがあって、ギデオンの叱責がそれに続く感じか。グリフィンの急使は《影の滑空者/Shadow Glider》や《幽霊の歩哨/Ghostly Sentinel》とコモン航空戦力最強の座を争うんだけど、どれが最強の座を勝ち取るかは環境次第だろう。ここには名前が挙がってないものの、2マナクリーチャーが豊富だし、同盟者がテーマとして存在するから、攻めるデッキも十分組めるし、コントロールもやれると思う。
LSV
《乱動の報復/Roil’s Retribution》
リミテッド1.5点
戦闘中に使う呪文としちゃ5マナは重い。特にこういうカードのことを考えて、危険を冒さない相手もきっといると思うんだけど、5マナ立てて対戦相手に攻撃しないことを選択されたら大惨事だ。結構見逃せない欠点だよこれは。小粒なクリーチャーを2体倒せたり、あるいは大物を狙うこともできるけど、そんな早めに確保したい手合いじゃないね。
《物静かな使用人/Serene Steward》
リミテッド2.5点
白熊はいつだって動物園の人気者。こいつも同盟者だから、ライフを得る手段のないデッキにも投入すると思う。逆にライフゲインなしで採用できるせいで、本当は大きくなったりする場合でも、さも単なる2マナのバニラとして入ってるかのように思わせられるかも。《二人戦術/Tandem Tactics》とかを狙いにいけたら、単なるマナカーブを埋める以上の働きができて美味しい。ライフゲインシナジーも同盟者シナジーもないデッキなら抜いてもいいけれど、大体はすんなりデッキに入りそうだ。
《影の滑空者/Shadow Glider》
リミテッド2.5点
3マナ2/2飛行というだけで、採用するのに特別な理由は要らないな。それにえっと、こいつは同盟者……?コントロールならもしかすると抜けることがあるかも。そのくらいかな。
注記:あれ、こいつ同盟者じゃなかったのか。見た目じゃよくわからないけど、間違わないようにしなきゃ。 LSV
《真っ逆さま/Sheer Drop》
リミテッド3.5点
覚醒付きで撃ったら、真っ逆さまに堕ちて……痛いね。しかも覚醒が軽いから、割と覚醒つきで撃てそう。コモンにしては、柔軟だし強力だね。相手からしたら、真っ逆さまが怖いからといって棒立ちしているわけにもいかない。が、ライフ的に追い詰められていると、本当に除去したい奴の攻撃をうまく受け止められないせいで、別の対象に撃つ羽目になることもあるかもしれない。でもとにかく、コントロールにとってはなかなか強力。アグロなデッキにとっては微妙性能なので、そこは少し評価が落ちるかな。
《大物潰し/Smite the Monstrous》
リミテッド3.0点
大物潰しの評価は対象がどのくらいいるかで決まると思うけど、大体のデッキに少なくとも2体程度はいるんじゃないだろうか。潰せないクリーチャーがいるにしても、少なくとも本気で潰したい奴には撃てる除去だし、1枚あると幅広く対処手段になってくれる。3枚は要らないけど2枚までなら嬉しい。
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 白 (by LSV) part 4
2015年9月28日 翻訳《石術師の焦点/Lithomancer’s Focus》
リミテッド3.0点
1マナのコンバットトリックって、大抵粒ぞろいだけど、こいつも例外じゃない。これさえ撃てば序盤の戦闘はほぼ一方的に勝てるだろうし、無色云々の部分も、後半でかいのが暴れ始めたら役立つだろう。無色呪文のダメージも軽減するから、見た目よりずっと柔軟なカードだよ。
《マキンディの巡回兵/Makindi Patrol》
リミテッド1.5点
前のめりな他の同盟者の能力と比べて防御的な警戒は、嬉しさとしてはそこそこといったところ。どっちかというとただの3マナ2/3くらいに思って入れるかも。後、同盟者がたくさんとれたら、こいつより強い他の同盟者の能力を当てにして、とにかく同盟者として採用するのもいいね。
《オンドゥの大角/Ondu Greathorn》
リミテッド3.0点
攻めのお供としては滅法強い。マナコストの割にブロッカーとして微妙なのは、先祖の《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》への裏切りか。守るデッキなら評価は落ちる。大体の上陸クリーチャーに言えることだね。
《オンドゥの蜂起/Ondu Rising》
リミテッド3.5点
思考を放棄して使っていいくらい強い。覚醒呪文として面白いことに、覚醒コスト抜きで唱えることはほとんどないだろう。でも6マナで唱えた時には超強力だよ(5マナと、土地で攻撃するからもう1マナだね)。もちろん、唱えたターン以降は絆魂がつかないけど、少なくとも単体で4点回復できれば、優勢をひっくり返したり畳みかけるには十分だ。あまり唱えることはないだろうけど、2マナでも唱えられるというのは覚えておきたいね。
《次元の激高/Planar Outburst》
リミテッド4.5点
相手の覚醒でクリーチャーになった土地を巻き込めないのは痛いが、だからって弱いはずがない。大体なんでも倒せる上、4/4クリーチャーまで手に入る。しかもこっちの覚醒呪文ともコンボが可能だ。5マナで唱えても8マナで唱えても強いし、劣勢の時にも対等まで巻き返しを図れる。5点でない唯一の理由は、お互いにクリーチャーが並んでるとき少し使いにくいのと、相手に覚醒クリーチャーが残ってしまうと美味しくない。これだけ。
《隔離の場/Quarantine Field》
リミテッド5.0点
ギデオンに続き2枚目となる、流すことが考えられない白の満点カードだ。ま、つまりそういうことだね。6マナで使うことが多いと思うけど、全くばかげた強さだよ。4マナで唱えても8マナで唱えても強いという事実が、このカードを強力無比なものにしている。6マナで敵軍最強の2体を葬るのは凄まじい効果だし、Xの値が大きくなればどんどん手が付けられなくなる。リミテッドでは非常に対処しにくいうえ、追放領域を参照するカードともコンボしてしまう。サイドボード後、戦闘中に割られる可能性があるからそこは気を付けたいけど、そんなのは欠点というほどでもない。読まなくていい注意書きみたいなもんだね。
《エメリアへの撤退/Retreat to Emeria》
リミテッド3.0点
1/1を作り出す上に全体強化と、単体でなかなかうまく完結してる撤退だ。たとえデッキは守備的でも、こいつは攻めるのになかなか役立ってくれるから、色々なデッキでお声がかかることだろう。トークンは同盟者だから同盟者デッキにもいいし、同盟者とか関係なくてもビートダウンで使えばプレッシャーをかけていける。
《帆凧の斥候/Kitesail Scout》
リミテッド1.0点
まーた1マナ1/1にガーガー言うけど、特別な目的がない限り使わないことだね。たとえ前のめりなデッキだったとしても、1マナ1/1の有象無象は採用しないし、こいつを使うことで報われるようなカードはほとんどない。全く皆無ではないにせよ、1マナファンを思い留まらせられるか話してみよう。好きな人にはたまらないものだから、使ってるのを咎めるつもりはないよ。楽しい気分を害してほしくはないからね。でも聞いてくれ。大体のデッキでは、カード1枚分の価値がないと思う。リミテッドで勝ちたければ、こいつは抜こう。
入れてもいい状況は
・3~4枚《鼓舞する突撃/Inspired Charge》入り、クリーチャーは1~3マナしか入ってなくて、土地15~16枚くらいで組んだ白単デッキ。
・タフ1の多い対戦相手へ、サイドボードから投入。特にタフ1の飛行クリーチャーに対して。
こんなところだろうか。
《コーの刃振り/Kor Bladewhirl》
リミテッド3.0点
マナカーブを埋めつつ、終盤引いたらなかなか強烈なパンチをお見舞いできる。その上何回も先制攻撃をつけれるかもしれない。白デッキなら入れて不利には働くまいよ。
《コーの懲罰者/Kor Castigator》
リミテッド3.0点
白ければ2マナ3/1はまずデッキに入るし、こいつはおまけでちょっとした能力が2つもついている。テキスト欄と、真ん中のあたりにね。そう、こいつは同盟者だ。コーも同盟者とそうでない連中がいて、見た目では判断がつかないんだよね。同盟者の能力を誘発させられる以上、デッキによっては狂喜乱舞してピックするかもね。
《コーの絡め捕り/Kor Entanglers》
リミテッド2.0点
重歩兵とは何だったのか。5~6体くらい同盟者が取れてれば中々。取れてないなら微妙。そんな程度だろう。同盟者デッキなら大ダメージを狙えるし、《統一戦線/Unified Front》との相性は抜群だ。同盟者は前のめりな連中が多いから、見た目より結構できる奴だと思うよ。
《ランタンの斥候/Lantern Scout》
リミテッド3.5点
絆魂をつけての全軍突撃を1発かませば、大概の相手は劣勢に追い込まれる。同盟者デッキでなくても十分強い。マナレシオも悪くないから、どんなデッキでも喜んで使えるだろう。同盟者の中でも強い奴らは、普通に使って強いせいでどんなデッキにも拾われる。同盟者デッキにとって、こういう強力な同盟者が増えても強化につながっていないというのが面白い。今回は他の同盟者がいないと干からびて終わりなんてことにならないから、統一感のあるデッキでなくても、安定した活躍が見られそう。ただ、テーマを追求することで得られるものがある一方で、こういったテーマに沿ったカードなのに、テーマと無関係に使われてしまうという副作用にも目を向けたい。こいつを見るとよくわかるね。
【翻訳】戦乱のゼンディカー リミテッドレビュー 白 (by LSV) part 2
2015年9月26日 翻訳《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
リミテッド5.0点
呪文っぽいプレインズウォーカーは前にもいたけれど、今回のギデオンもそんな一枚。しかもかなりのやり手だ。着地すれば2/2を生む機械にもなれるし、破壊されない《栄光の頌歌/Glorious Anthem》にも変身できる。栄光の頌歌はいつだって強力無比だし、相手の盤面ががら空きならおもむろに5/5になって殴りかかることもできる。その上栄光の頌歌になりつつアドバンテージを稼ぎにもいけるとか、全くもって素敵すぎる。
ゲームによっては4ターン目叩きつけるだけで相手が詰む。終盤になってトップから引いてきても、すぐに栄光の頌歌に変身して全体強化ができる。
対処のしづらさ、それに負けているときにも粘れるカードパワーと柔軟性は、間違いなく最高の評価に値する。プレインズウォーカーの常として、飛行クリーチャーには弱いものの、落とされそうなら栄光の頌歌として使い切ってしまえばいい。それでも超強力なんだから。ギデオンが役に立たない場面といえば、相手が回避能力持ちばかりずらりと並べてきて、こっちの盤面は無防備というようなときくらいだけど、まあそんな状態をどうにかできるカードはそうそうあるもんじゃない。そんな極端な場合以外は大体イカれた強さなんだから、5点カード以外の何でもないね。
《ギデオンの叱責/Gideon’s Reproach》
リミテッド3.0点
攻めにも守りにも使える。確定除去の親戚みたいな奴だ。本当にヤバい奴には対処不能だとしても、これだけ軽ければ十分使っていけるね。
《ゴーマ・ファーダの英雄/Hero of Goma Fada》
リミテッド3.5点
今回の同盟者は、同盟してない奴らとも仲良くやっていけそう。ゴーマ・ファーダの英雄を見てると実によく分かる。こいつは結集能力が出たとき一度きりで再利用できない効果だとしても強力だし、適当にデッキを組めば考えなくても数名は同盟者が紛れ込むと思う。同盟者に寄せたデッキが組めたなら、毎ターン全く損害を恐れずに殴りつづけられる。MOだとワンクリックで攻撃が済むし、まったく素敵だぜ。押されてる時の性能は今一つなので、もしこいつをピック出来たなら、デッキは前のめりに仕上げたいね。
《鼓舞する突撃/Inspired Charge》
リミテッド1.5点
専用デッキで使えば圧倒的。そうでなければ凡庸といったところ。優先的に取られるカードじゃないから、ドラフトでは欲しい人の手にすんなり収まるといったところだろう。低マナのクリーチャーが大量に確保できたら是非欲しいところ。特に横に並べるカードとの相性は抜群だね。