◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review - Black
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月18日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-of-tarkir-limited-set-review-black/
 
 
《コラガンの散兵/Kolaghan Skirmisher》
 リミテッド2.0点
 2マナ域の戦士クリーチャーで、終盤ちょっと役に立つ能力がついてる熊。普通に使える。疾駆関連のカードがあれば尚良し。殴らないデッキでは要らないけれど、攻撃第一に考えるデッキにはすんなり入るだろう。
《マラング川の骸骨/Marang River Skeleton》
 リミテッド3.0点
 《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》と似てるからって、舐めてかからない方がいい。こいつはかなりのやり手だ。再生が1マナ軽い以上、表で出す場合1マナ余分に支払う価値は十分あるし、変異解除が重たくても、一回り大きいサイズなのだからそれだけの価値がある。+1/+1カウンターが乗るかどうかはかなり大きいから、2ターン目に出すことはあまりないと思う。飛行は止まらないものの、大変異としての期待にバッチリ応えてくれると思う。
《湿地の大男/Marsh Hulk》
 リミテッド3.0点
 大変異がついてるだけであら不思議、どんなデッキでも使える出来に。7マナは重いけれど、3ターン目に裏向きで出して良し、6ターン目に表で出して良し、7マナで表にして良し。カーブを整える意味でもお得感があって嬉しい。
《精神腐敗/Mind Rot》
 リミテッド1.5点
 プレイするより前に、環境的に精神腐敗が強いかどうかあてるのは難しい。ゲームによって強かったり微妙だったりするしね。俺の予想では、使えなくはないけど是非採用したいほどでもない、といったところに落ち着くと思う。この手のカードにつきものだけど、サイドボードの結果入る分にはいいものの、どんなデッキでもメイン採用の声がかかるカードではないと思う。一方カードアドバンテージが重要なシールドでは絶対に使うよ。
《苦痛の公使/Minister of Pain》
 リミテッド3.0点
 《疫病風/Plague Wind》とまではいかなくても、一方的な《減縮/Shrivel》以上なのだから申し分ないし、《ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur》として出すこともできるのは嬉しい。デッキによってはこれ1枚で壊滅するし、戦闘後に出して戦線を崩壊させることも難しくないだろう。総じてどんな時でもデッキに入るカードだと思う。ただ他のカードと同じく、サイドボードするときには、入れるかどうか検討し直そう。メインに確定で入るからといって、サイドボーディングで抜けないカードとは限らない。デカブツ多めのデッキや、サイズが3/3中心だったりしたら、わざわざ苦痛を味わいにいくこともあるまいよ。
《冷酷な軍族/Pitiless Horde》
 リミテッド4.0点
 このデザインには感心した。序盤引いたらライフの事など心配せずに出せばいいし、終盤引いたら欠点を疾駆で覆い隠すことができる。実にいいデザインだし、いつ引いても強い。難しいのは5~6ターン目あたりに引いたときで、毎ターン疾駆で走らせるにしてはマナが足りず、素で出すとちょっと危ないかもしれないときだ。当たり前だけど、性能を遺憾なく発揮できるのは攻めるデッキで、そうでないデッキではちぐはぐなカード。あと、《平和な心/Pacifism》には気を付けて。
《カルシのサディスト/Qarsi Sadist》
 リミテッド1.0点
 2点ドレインしたいデッキに1/3なんて不要だし、1/3が必要なデッキにとって2点ドレインは不要だ。それと、2マナ1/3も2点ドレインのどちらとして見ても、積極的に採用はしたくない。2/2や2/1で猛攻をかけてくるデッキ相手に対してだけ入れるか検討するくらいかな。
《ラクシャーサの墓呼び/Rakshasa Gravecaller》
 リミテッド3.5点
 そうそう、5マナはこういう奴に任せたい。濫用せず出して良し、2/2を2体出す呪文として扱っても良し、小物を濫用しながら出せれば尚のこと良し(効果を考えると、中型くらいまでは生贄にしても割に合う)。シールドならちょっとマナを弄って、タッチで使ってもいいと思う。
《無謀なインプ/Reckless Imp》
 リミテッド2.5点
 軽くて終盤引いても疾駆でき、更に回避能力持ちというのはまさにビートダウンにうってつけ。こいつが3.0点でないのは、あまりに攻め性能に偏っているせいだ。ブロックに参加できないのは軽視できない欠点で、この手の用途の狭いカードに枠を割けないデッキは多い。それでも速攻から中速くらいのデッキで採用できるくらいの強さはあるから、6~7手目くらいまでに確保して、使えるかどうかは様子見するってところかな。
《目覚めし処刑者/Risen Executioner》
 リミテッド3.5点
 4ターン目に出したらかなりのパンチ力を誇る上、4マナちょっとで戻ってくるから躊躇なく殴れる。たまにお供を強くすることもあるだろう。後半に差し掛かるとブロックできないのが響いてくるし、戻ってくる能力も使いづらくなるから、強力無比の爆弾レアとはいかない。超防御的なデッキ以外なら全然採用してしまって構わないし、あまりクリーチャーを使わないデッキならこれだけでゲームを終わらせることもできるだろう。他に死体が無ければ戻ってきやすいしね。
《自傷疵/Self-Inflicted Wound》
 リミテッド0.5点
 対象を取れないのはちょっと残念だが、生贄に捧げられるクリーチャーの色に制限がかかっているせいで、密かに対象を限定している。当たり前だが相手に白か緑のクリーチャーは必要として、仮に盤面が変異2体と緑の強力クリーチャーだったとすると、相手にとって実質選択肢はない。効く相手にはかなり刺さる除去だから、替えのきくメイン用のカードを取るくらいならこちらを取りたい。あまりカードに困る環境ではなさそうだし、サイドインするとき3.5点くらいの強さがあるなら、2.0点くらいのカードを流して取る価値は十分ある。
《よろめくゴブリン/Shambling Goblin》
 リミテッド2.0点
 濫用して美味しいし、素のままで裏向きのクリーチャーと相討ちできるし、戦力として申し分ない。《微風の写字官/Zephyr Scribe》みたいに、コモンのタフ1優良クリーチャーはそこそこいるから、1マナとしては破格の使い勝手だろう。《チフス鼠/Typhoid Rats》ではないにしろ、役割は持てるね。相手のデッキ次第では役に立たないから、何枚も採用するカードではないけれど、濫用クリーチャーがたくさんいるなら、生贄用に多くしても良さそうだ。
《シブシグの氷砕き/Sibsig Icebreakers》
 リミテッド1.5点
 管を巻くにはまだ早い。お互いにディスカードだから嬉しくないし、仮にこいつが手札最後の一枚でも別に凄くない。3マナ2/3が必要ならどうぞって感じ。
《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
 リミテッド4.0点
 シディシ本人があまりにデカく強すぎる。飛行に殴られて死にそうで他に選択肢がないとかでもない限り、濫用のため本人を生贄にすることはまずないだろう。4/6接死の時点で、濫用のテキストが無くたって恐ろしいまでに強い。それに自軍で一番弱いクリーチャーをデッキ内最強のカードに変換できるんだから、かなりものもといっていいだろう。個人的に、超強力爆弾レアは《城塞の包囲/Citadel Siege》みたいなのより、こういうカードの方が歓迎だ。シディシには是非頑張ってもらいたい。もちろん、爆弾レアは強いしゲームをひっくり返すような性能であってほしいけれど、対処可能な範囲の方がいいと思う。そんな個人的好みにもあってて好感が持てるね。
《シルムガルの暗殺者/Silumgar Assassin》
 リミテッド4.0点
 あまり見ない回避能力がついてるのはおいといて、強いね。簡単に1:2交換がここまで簡単に取れるカードもそうない。それもたった3マナを2回、ターンをまたいでの分割払いでもOKだ。よほどのことがない限り表では出さないだろう。表の性能は簡単に2/2程度に止められてしまうから、存分に《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》として活用しよう。大物には手が出ないけれど、それでも強いよ。
《シルムガルの解体者/Silumgar Butcher》
 リミテッド3.0点
 これぞまさに濫用を体現するクリーチャーだ。5マナ3/3と-3/-3修正の組み合わせは、どっちか選べてようやくカード1枚分。2/2くらいを生贄にすることが多いだろうけど、生贄で悪さができるなら俄然面白くなってくる。そうはいっても5マナだから、大量に確保しても仕方ない。でも1枚持っておくのは悪くないよ。
《ウクドのコブラ/Ukud Cobra》
 リミテッド3.5点
 2/5接死は段ボールを被った潜入工作員並みの強さ。4ターン目に出てきたら、かなりの間盤面を支配できるだろう。後半になっても、カード1枚でこいつを乗り越えるのは至難の業。点数がちょっと高すぎるように思えるかもしれないけれど、このマナでこのサイズの接死は本当に強い。強力かつ重すぎず使いやすいカードだ。
《究極の価格/Ultimate Price》
 リミテッド3.5点
 新世代とでも呼ぶべき、アンコモンの《破滅の刃/Doom Blade》の亜種を歓迎しよう。たったの2マナで大体何でも除去できるのは素晴らしい(ドラゴンや変異は倒せないにしても)。究極的にはやはり優先して取られるだろうね。
《悪性の疫病/Virulent Plague》
 リミテッド0.5点
 効く相手には効く。分からせてやろう。とは言ったものの、出番がそうあるとは思えない。《オジュタイの召喚/Ojutai’s Summons》山盛りとかイカれたデッキを相手にしたならまあ?
《禿鷹エイヴン/Vulturous Aven》
 リミテッド3.0点
 4マナ2/3飛行は十分な性能だし、クリーチャーとライフ2点で2枚ドローは、相当強い効果だ。戦局にあまり貢献しない、1/1とかのクリーチャーをカードに変換しつつ、戦力を追加できるカードは素晴らしいね。
《放浪する墓甲羅/Wandering Tombshell》
 リミテッド1.5点
 次世代の《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》とでも呼ぶべき固い奴だ。守りを固めるデッキなら1枚くらいどうぞ。黙ってても回ってくるよ。

 
 
黒のコモントップ5

 5.《シルムガルの解体者/Silumgar Butcher》
 4.《シルムガルの手の者/Hand of Silumgar》
 3.《毒塗り/Coat with Venom》
 2.《禿鷹エイヴン/Vulturous Aven》
 1.《押し拉ぎ/Flatten》
 
 黒には除去が満載だ。《押し拉ぎ/Flatten》、《毒塗り/Coat with Venom》、《シルムガルの解体者/Silumgar Butcher》と、除去は本当によりどりみどり。しかも結構使い勝手のいいものが混じっている。アグロ戦略を示唆するカードもちらほらあるけど、コントロール的なカードの方がちょっとだけ優勢か。ドラフトで黒がどう取られるか、興味深いね。
 
 
 
 LSV
◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review - Black
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月18日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-of-tarkir-limited-set-review-black/
 
 
《吐酸ドラゴン/Acid-Spewer Dragon》
 リミテッド2.5点
 能力が接死なせいで、サイクルの他にはちょっと一歩譲る印象だ。それでも大変異だから十分一線級。重いところが欲しいなら悪くない。
《待ち伏せの巫師/Ambuscade Shaman》
 リミテッド2.0点
 変異も濫用もついていないカードでも、多彩なことのできるカードはある。待ち伏せの巫師がいい例だ。2/2として出しても良ければ、4/4として疾駆で走らせてもいい。その上他の疾駆クリーチャーを強化しだしたらかなり強烈だろう(もしくは《武器を手に/Take Up Arms》系のカードと組み合わせてブロックコンボしてみるとか)。パワー4で走らせてもいいし、他の疾駆クリーチャーと使ってもいい。前のめりなデッキで役割を持てる一枚。
《血顎の狂信者/Blood-Chin Fanatic》
 リミテッド3.0点
 ちょっと色拘束の厳しい《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser》という時点で合格点。それに終盤5~6点ドレインできる能力までついてるから、取らない手はないね。他に戦士がいないからと採用を諦める必要はない。沼は多めに9枚以上欲しいけどね。ドラフトで取れたら、戦士を集めてみると幸せかも。
《血顎の憤怒鬼/Blood-Chin Rager》
 リミテッド3.0点
 序盤現れたらあまりの猛攻に顎を出すことになりそう。そして終盤出てきてもやっぱり、酷いことになりそうだ。そんな凄いクリーチャーがたったの2マナときた。取れたら前のめりにデッキを組みたくなるね。
《解体者の歓び/Butcher’s Glee》
 リミテッド2.5点
 コンバットトリックを採用するなら、真っ先に入れたい。3マナもかかるから複数枚の採用は厳しいけど、ライフ6点を得ながらクリーチャーを突破したら歓びが抑えられないだろう。マナをコンバットトリックに消費した分をライフで補ってくれるから、相当強いよ。コンバットトリックもまた、どんなデッキにも入るわけじゃないけれど、上々なトリックだ。
《毒塗り/Coat with Venom》
 リミテッド3.0点
 最も軽く、性能の良いコンバットトリックの一枚で、除去でも直撃しない限りどんな時でも仕事をするだろう。戦闘をたったの1マナで突破できるのは素晴らしいし、最悪でも1/1を5/5相手にぶつけて、毒塗りで相討ちする、といった使い方が可能だ。俺は普段コンバットトリックを多用はしないが、こいつは別格だ。普通コンバットトリックを使わないようなデッキでも採用を検討できるだろう。軽さと強さが同居しているのは凄いことだよ。相手の3マナクリーチャーをこれで討ち取って、こちらも3マナクリーチャーを追加したら、1ターン分こちらが先行するようなもの。王手といったところ。
《死体結い/Corpseweft》
 リミテッド3.5点
 死んだクリーチャーをゾンビとして再利用できるとは、驚異的以外の何でもない。マナもさしてかからないゾンビを産む機械だ。3~4ターン目くらいまで適当にクリーチャーで相討ちを取って、5ターン目これ着地からの4/4ゾンビを出したら、その時点で超優秀。その上、そのゲーム中継続的にアドバンテージを稼いでくれる。
《禍々しい協定/Damnable Pact》
 リミテッド3.5点
 《火の玉/Fireball》《Braingeyser》の分割カードかな?ドレインゲイザーなんて名前を思いついたんだが。まず弱いことはない。5分のときでも優勢なときでも、3~5枚追加でドローすれば道をこじ開けるには十分。ダメージレースしている場合にも、突然相手に5点ダメージを叩き込んだりできるので有用。相手に殴られているときにはゴミなものの、押されている場合以外で強力すぎる。カードを引くのにライフを惜しみなく支払えて、かつ相手に《火の玉/Fireball》もぶち込みたい、前のめりなデッキでより輝く。ドローではあるものの、これが取れたらビートダウンを考えてみていいだろう。
《命取りの放浪/Deadly Wanderings》
 リミテッド2.0点
 実に面白いので使ってみたい。実際強力だしデッキの中核を担えるカードだとは思うものの、命取りの放浪自体が1枚しかないなら、あまりデッキを歪めない方がいい。うまく機能させるには、クリーチャー数を10~12枚程度に抑えると、クリーチャーばかり引きすぎず、かつ継続的に生物を繰り出せるだろうか。絆魂がついてるから、一度にクリーチャーを1体しか出せないリスクがかなり和らいでいるといえる。1発殴れれば、その後除去なり何なりされてもとりあえず安全圏内だからね。相手が単騎強化されたこちらのクリーチャーと相討ちを繰り返してくれるようなら、ライフ回復も相まってかなりの有利に立てるだろう。命取りの放浪を取ったら、アドバンテージの取れるクリーチャーを優先的に集めたい……ってそれはいつもと変わらないか。
《死の風/Death Wind》
 リミテッド3.0点
 ちょいとマナ効率は悪いが、柔軟で強力な除去だから問題ない。デッキから抜けることはまずないだろう。
《死致の執政/Deathbringer Regent》
 リミテッド4.0点
 7マナクリーチャーの大きな欠点として、唱える頃には完全に劣勢で押し込まれていることが多い。でも死致の執政なら心配ご無用。仮にクリーチャーが5体いなくても、サイズだけで大体何でもガン止まりすることだろう。ビートダウンなら使わないこともあるかもしれないが、砂塵破みたいなものだから、ちょっとくらい手札でもじもじしそうでも喜んで採用するね。
《押し倒し/Defeat》
 リミテッド3.0点
 変異クリーチャーを倒せることを考えればどんなデッキでも採用可能だが、相手によっては抜けることもあるだろう。枚数があっても嬉しくないのと、《消耗する負傷/Debilitating Injury》と違って、対応して大変異を解除されると大惨事になってしまう。
《強迫/Duress》
 リミテッド0.5点
 《否認/Negate》と違って、メインに入れるべきではない。サイドボードに置いておこう。問題なのは、強迫を唱えるタイミングで相手が落とせるカードを持っているとは限らないこと。つまり高確率で空ぶってしまうんだ。《否認/Negate》ならどんなデッキでも3~4枚は撃ち落とす先があるものだし、待ってれば打ち消しを合わせられるわけだけど、強迫はタイミングを選ぶのが問題だ。
《忠信な従者/Dutiful Attendant》
 リミテッド2.5点
 アド厨大歓喜。1/2に《死者再生/Raise Dead》がついてきたから、濫用で夢が広がりまくりだね。最低でもチャンプブロックをしつつ生物回収できるから十分。クリーチャー数が極端に少ないとかでもない限り、入れない手はないね。2枚あれば無限ブロッカーっぽく振舞えるのも素敵。結構そんな瞬間もありそうだ。
《押し拉ぎ/Flatten》
 リミテッド3.0点
 弱くなった《熟考漂い/Mulldrifter》とでもいうべき《若年の識者/Youthful Scholar》はそれでも強かった。押し拉ぎは《絞首/Throttle》の上位互換だけど、古いカードと比べて強いからって超強力と判断するのは早計だね。実際見てみると、十分に強い除去だし初手で取って何ら問題ないと思うものの、タルキール龍紀伝は除去が充実してるから、このくらい強い除去でも飛びついて確保するほどではない。でも抜くことはまずないだろうし、デッキに何枚でも入れていいと思う。4マナと5マナの違いは大きいし、マナ効率も良好だ。
《邪悪な復活/Foul Renewal》
 リミテッド3.5点
 引いてすぐに唱えられないこともあると思うけれど、ゲームが続けばクリーチャーは死ぬもんさ。クリーチャーが死んだら、美味しく2:1交換させてもらおう。クリーチャーカードを回収しつつ除去できる呪文がたったの4マナ。おまけにインスタントだ。
《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation》
 リミテッド2.5点
 リミテッドで布告系の除去を抜くことはほとんどないものの、濫用がメカニズムとして存在する以上、もしかしたら生贄用のクリーチャーが普通のデッキでも取られる環境かも。それを加味して考えても、やはり十分メイン採用していいと思う。ただ、怪しい匂いがしたらすぐに抜くね。ドラゴン・キッカーとでもいうべき、ドラゴンカードを公開することによる恩恵も結構嬉しい。まあライフゲイン目的では採用しないけどね。布告除去を逆手に取るようなクリーチャーを見たらリストラだ。
《忌呪の金切り声/Foul-Tongue Shriek》
 リミテッド0.0点
 こいつで大量のライフを吸い取れるなら、既にそのまま攻撃ダメージで勝てるんじゃないの?押してるときだけ強いオーバーキル系のカードは大体疑ってかかった方がいい。カードパワー自体高くないこういう奴はポイだ。
《墓所粛正/Gravepurge》
 リミテッド1.5点
 微妙の一言。消耗戦では使えそうだし、クリーチャーが特に優れているデッキではいいかもしれないが、いずれにせよ素晴らしく強いとはいかないんじゃないかな。
《シルムガルの手の者/Hand of Silumgar》
 リミテッド3.0点
 戦闘になったらまず死亡間違いなしだが、確実に相手も道連れだ。それにしても、序盤中盤終盤隙のない、頼れる2マナクリーチャーとして惚れ惚れする。軽くて使いやすい上、パワーが2あるせいで攻撃を無視することも難しい。《チフス鼠/Typhoid Rats》と違うのは殴り値だね。
《享楽者の宝物庫/Hedonist’s Trove》
 リミテッド3.0点
 かなり悠長だが、相手の墓地をドローして、土地でも呪文でも好き放題にできるのは決して弱くない。フィニッシャーとして適任。これをテーマにしたデッキを作ってやるだけの価値があると思う。相手が探査マニアだと落胆だけど、それ以外は爆アドを楽しめるだろう。
 
 追記@コメント欄:やっぱり1.5点にしとく

◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review - Blue
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月17日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-of-tarkir-limited-set-review-blue/
 
 
 
《宮殿の使い魔/Palace Familiar》
 リミテッド3.0点
 ドローできるカードを使いまくりたい俺としては、3.5点をあげたいところ。一応自重して3.0点に抑えておいた。アドが取れるし絶対に抜かないカードだと思うけれど、形勢をひっくり返すようなカードでもない。こんな良質な2マナクリーチャーは稀だから、何枚でも取ることをお勧めするよ。ピック終了までには実も取らなきゃいけないけど、ドローが無くなってから考えるとしようか。
《死者を冒涜するもの/Profaner of the Dead》
 リミテッド3.5点
 凄い名前がついてるけど、効果の方もそれに見合って凄い。確かにカード一枚を消費するものの、クリーチャー一体と引き換えに、相手の盤面全てを手札に戻してやることすら可能だ。高タフネスの固いクリーチャーを生贄にして、2,3体戻すので十分に強い。使いどころは選ぶものの、これほど盤面をひっくり返すカードにはそうそうお目にかかれないよ。
《カルシの詐欺師/Qarsi Deceiver》
 リミテッド1.5点
 大変異や予示を詰め込んだデッキなら使ってもいいけど、安定してマナ加速ができるとは思わない方がいい。こいつは、たまに7マナ大変異を1ターン早く表にできる壁だ。十分使えるものの、凄い嬉しいってほどじゃないね。カルシの詐欺師を使うなら、専用マナの使い道を6枚は用意したい。8~9枚あれば理想的だね。
《体躯の縮小/Reduce in Stature》
 リミテッド3.0点
 プラチナ・レベルからシルバー・レベルになると肩身が狭くてこんな感じになるよな。そう考えるとヤバいカードだ。是非デッキに入れて相手を縮小させなきゃ。実質除去と思って差し支えないものの、《平和な心/Pacifism》同様に濫用とはちょっと相性が悪い。白のレビューではそこに言及し忘れてたね。
《岸砕きの精霊/Shorecrasher Elemental》
 リミテッド4.0点
 青青青の表で唱えられることはほとんどないと思うけど、まあ問題ない。パワーやタフネスを変幻自在に変える、除去しづらい4/4で、3マナで唱えたら相手にちょっと悪い気がするくらいだろう。とはいえ回避能力がついていないこともあって、ぶっ飛んだ爆弾レアというわけではない。でも、マナさえあれば変幻自在の攻防をやってのけるいいカードだよ。
《シディシの信者/Sidisi’s Faithful》
 リミテッド1.0点
 ソーサリーのバウンスはあんまり好きじゃないし、殴れるパワーが0/4にはついてない。オーラとか鼓舞を多用する相手にはちょっといいかもしれないけれど、それくらいかな。
《千里眼/Sight Beyond Sight》
 リミテッド2.5点
 《神秘の瞑想/Mystic Meditation》同様、息切れを防ぐのに良さそう。果敢も2回誘発するし、こっちの方が強そうだが、瞑想が抜けるような場合は一緒に抜けるだろう。デッキに重いカードが多く序盤プレイできるカードが少なければ、これを抱えていても盤面の足しにはならない。しかし取ったならデッキに入ることの方が多いだろう。
《シルムガルの魔術師/Silumgar Sorcerer》
 リミテッド3.5点
 シルムガルの魔術師は素晴らしい。ターン終了時に展開できるマナレシオ良好な飛行クリーチャーであり、《霊魂放逐/Remove Soul》であり、どうでもいいクリーチャーが盤面にいるなら打ち消しながら航空戦力になれる。クリーチャーとしても呪文として見ても強い。単品で優秀な2つが組み合わさるんだから凄くないはずがない。これぞまさに模範的濫用カードだ。しかも《宮殿の使い魔/Palace Familiar》からこいつにつなぐ動きは芸術的。しかも単色の中で完結している。
《シルムガルの呪文喰い/Silumgar Spell-Eater》
 リミテッド3.0点
 アンコモンにこんな奴がいる以上、呪文を唱えるのにリスクが伴うゲームはそこそこあるだろう。俺自身、こいつを伏せて何もせずにターンを返すとかやってみたい。大概、5マナ立てて何もしないとか露骨すぎて、伏せられてるのがこいつだと割とすぐばれてしまうだろう。とはいえ、他の変異と同じく採用して悪いことがほとんどない。それに結構、呪文を消せると思う。
《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn》
 リミテッド1.5点
 青青で《魔力の乱れ/Force Spike》はイマイチだから、使うならドラゴンを最低2体は用意したい。2体確保できていれば、ドラゴンを公開しなくても打ち消せる瞬間もあるし採用していいと思う。最初の5~6ターンを過ぎたら、ドラゴンを後悔しないと辛くなってくるからね。《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》みたいなカードへのサイドボードとしては結構いいけれど、ドラゴン無しで使うのはカードに対する中傷だ。
《空智の教え/Skywise Teachings》
 俺の中では4.5点
 リミテッド2.0点
 次世代の《ゴブリンすべり/Goblinslide》ktkr。ゴブリンすべりと違うところは、これの生み出すクリーチャーは単体で優秀ってところだね。悠長なカードではあるけれど、デッキ全体を動かすエンジンみたいなカードと言ってもいい。呪文を10以上採用しているデッキなら、どんなデッキでも喜んで使うとも。デッキ構成によって、使えるか使えないかははっきりするから、よく考えよう(俺がドラフトで使って教えるから、あまり早くこいつに目覚めない方がいいよ)。
《層雲の踊り手/Stratus Dancer》
 リミテッド3.5点
 どんな使い方をしても強いことしか書いてない。初手にあったら2ターン目に出してしまっていい。2ターン目以降は伏せて使えばいい。パックから出て小躍りしたくなるようなレアではないものの、大満足間違いなしだよ。
《テイガムの一撃/Taigam’s Strike》
 リミテッド2.5点
 2ターンで8点以上のダメージが見込めるのは悪くないから、前のめりなデッキでゲームを終わらせるのにぴったりだ。コントロールでは不要だから、ライフを攻めるデッキになるかをよーく考えよう。
《上昇気流の精霊/Updraft Elemental》
 リミテッド2.5点
 すごい上昇気流を感じる。今までにない何か熱い上昇気流を。 サイズ・・・なんだろう上がってきてる確実に、着実に、タフネスのほうに。コピペはもはや勢いがないけれど、カードは良好。優秀なブロッカーであり、盤面が固まればちょっと殴ったりもできる。3マナとしては悪くないよね。全力で攻めたいデッキ以外でなら、まず採用するよ。
《虚空のスコール/Void Squall》
 リミテッド2.5点
 ご都合主義的に考えすぎかもしれないけど、相手の5マナをこれでバウンスして殴り掛かって、次ターンも同じようなことができたらさぞかし最高だろうね。マナ換算で2~3マナは虚空に消し去ってやれると思うから、カード1枚を使うだけの価値はあると思う。何度となく言ってるけど、殴るデッキでないなら価値は下がるよ。
《若年の識者/Youthful Scholar》
 リミテッド3.5点
 《熟考漂い/Mulldrifter》……ウッ頭が。相討ちしたくないクリーチャーナンバーワンは固い。しかも濫用と一緒に使いたい部門でも優勝をかっさらうのは間違いないだろう。4マナの価値は十分ある。1:3交換は夢としても、少なくとも1:2交換kる愛は取れるはず。
《微風の写字官/Zephyr Scribe》
 リミテッド3.5点
 最近はルーターの面汚しが多かったものの、こういう優秀なルーターなら大歓迎だ。戦闘で相討ちできるサイズがあり、ルーター能力を起動するのにコストもさしてかからないし、終盤連続して掘ったり、疑似警戒っぽく使うこともできる。欠点の見当たらない素晴らしいカードだ。

 
 青のコモントップ5
 5.《予期/Anticipate》
 4.《宮殿の使い魔/Palace Familiar》
 3.《体躯の縮小/Reduce in Stature》
 2.《オジュタイの介入者/Ojutai Interceptor》
 1.《オジュタイの召喚/Ojutai’s Summons》
 
 青のコモンには強力なのが多いね。トップ5に名前を連ねなかったものの、優秀なカードがたくさんある。ビートダウンとコントロールの視点では、白ほどはっきりと分かれてはいない。殴りでもコントロールでもいけるカードが多かった。より用途の限られるカードも足して考えると、青はかなり戦力になるカードが多いね。是非早く試してみたい。
 
 
 追記:最近の風潮的に、《微風の写字官/Zephyr Scribe》はアンコモンだと思ってたらコモンかよ!コモンなら間違いなく微風の写字官が青の最強コモンです。間違いない。
 
 
 
 LSV
◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review - Blue
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月17日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-of-tarkir-limited-set-review-blue/
 
 
 
《神出鬼没の呪拳士/Elusive Spellfist》
 リミテッド2.0点
 2マナ2/3ブロックされないというスペックなら恐るべきものがあると思わないか?デッキによっては決して誇張でなく近い性能を発揮することが可能だ。デッキを選ぶとはいえ、守勢に回れて6点以上のダメージを稼いでくれるなら、取って後悔することはまずないだろう。呪文だらけの世界に進出しようぜ。
《氷固め/Encase in Ice》
 リミテッド0.5点
 サイクルの例に漏れずサイドボード要員だが、実際にサイドインすることがあればその威力は折り紙付き。あまり入れたくないメイン用のカードを取るくらいならこちらを。
《きらめき/Glint》
 リミテッド2.0点
 タフネスが3上がって呪禁までつけば、大概のクリーチャーは救えるだろう。だから問題になるのは、これを採用してまで守りたいクリーチャーがいるかということになる。もしこれに枠を割いてまで守りたいクリーチャーがいるなら、コンバットトリックとしてはパッとしないものの、入れてみても悪くない。呪文多めのデッキで、鍵になる果敢クリーチャーが少数いるようなデッキでもいいかも。逆にクリーチャーはどれをとっても大差ない、金太郎飴的なビートダウンでは使いたくないカードだ。いずれにせよ、できることならコンバットトリックはパワーが上がるものを使いたいんだがね。
《グドゥルの闇潜み/Gudul Lurker》
 リミテッド3.0点
 変な話だが、素で唱えられない方が高性能だったんじゃないかと思うね。もちろん、1マナで唱えられた方がいいに決まってるんだが、1ターン目に1/1で出してしまうプレイヤーが多いんじゃないかと思ってさ。3マナとしてみると、ただの2/2として相討ちしてもいいし、青マナでブロック不能なアタッカーにしてもマナカーブを阻害しない。
《グルマグの溺れさせるもの/Gurmag Drowner》
 リミテッド2.5点
 全ての濫用カードにいえることだけど、基本的に評価するときはまず呪文として性能を考えたい。要するに濫用で自分を生贄に捧げた場合どうかってことだね。自身を生贄にした場合は大体あまり能率が良かったりはしないものだが、明確に評価の基準を作っておきたい。次に見るのはクリーチャーとしてのサイズで、単純にマナレシオが優れていればそこは評価するべき。効果かサイズのどちらかが良好なら、カードとしてもきっと強いと思う。でも大半はそうはっきり結論が出ないだろう。自分を生贄にしても、あるいはまったく濫用を無視してクリーチャーとして使っても微妙だったとしても、どう使うか選べて、また他のクリーチャーを生贄にする選択肢まであるなら、それはそれで中々だ。呪文として見るとちょっと重め、クリーチャーとして見ても重め、他のクリーチャーを生贄にすれば中々、という選択肢が合わさって、使い道のないカードというのは考えにくい。
 
 散々語ったところでグルマグの溺れさせるものだが、濫用の例に漏れず、パッとしないクリーチャーを生贄にできれば輝きそう。4マナの《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》も、4マナ2/4も、一応デッキに入る程度の水準ではあるから、大抵のデッキで採用できるだろう。
《氷瀑の執政/Icefall Regent》
 リミテッド4.5点
 除去りにくく、相手のドラゴンを封じ込めてしまえるドラゴンはまさにレアの風格だ。FOILレアでこれ以上のものが出たりでもしない限り、流す理由はない(FOILレアが出たとしても、これ以上のものはそうそうないだろうけどね)。
《錯覚の利得/Illusory Gains》
 リミテッド3.5点
 分かったような分からないようなカード名だが、《精神の制御/Mind Control》をどのくらい弱体化できるか試してるのかな。俺の考えでは、こいつは強いけど《精神の制御/Mind Control》には遠く及ばない。最初ブロッカーをかどわかして殴るとして、そこからが面白い。対戦相手が手札に6マナクリーチャーしかいない場合、今ついているクリーチャーより強いのを出すと奪われるので、封じ込めるような働きをする。そういった状況なら、《精神の制御/Mind Control》に、牽制までついてくるような働きをするわけだ。対戦相手が泥除けになるどうでもいいクリーチャーを手札に温存していたとしても、奪ったクリーチャーで素直に相討ちしてやる必要はない。そのままこれのついたクリーチャーを居座らせて、嫌がらせしてやろう。これが盤面に残っている限り、相手は強いクリーチャーと弱いクリーチャーを交互に唱えることを強いられる。最低でも相手からすればやりづらいことこの上ないし、ケアしてプレイすることが不可能な場合もあるだろう。
 
 これを唱えたターンの盤面への影響と、その後対戦相手に動きを強いるところを足して考えると、結構なやり手なんじゃないかと思う。環境には濫用って書いてあるカードが結構あるから、さっさと餌にして1:2交換をとってもいい(デカいところを奪った直後に軽い濫用で生贄にしてしまうのもいいね)。
《過去に学ぶ/Learn from the Past》
 リミテッド1.0点
 過去に学んだことといえば、《頭蓋書庫/Cranial Archive》は大抵のデッキでカード未満だということかな。これもまた例外ではない。アドバンテージの極致なコントロールデッキを組んだけど勝ち手段がない、というなら血迷って入れてみてもいいが、まあやめとく方が無難だ。
《生ける伝承/Living Lore》
 リミテッド1.5点
 フレイバー5.0点
 大振りな呪文を唱えるまで唱えることすらかなわないクリーチャーとか、不安定も大概だが、4~5マナの呪文が大量に入っているデッキなら検討してもいいかもしれない。そんなデッキを組むことはそうないだろうし、もし作れたとしても、生ける伝承が必ずしも入るとは限らない。ところでこいつの能力は、相手にダメージを通さなくても使えることは覚えておいていいだろう。死なずに戦闘する必要はあるけれど、とにかく戦闘ダメージを与えさえすればいい。それにしても素晴らしいフレイバーだ。使うのは俺の義務な気がしてくるよ。
《嘲る映し身/Mirror Mockery》
 リミテッド2.5点
 まず、俺はこれを自分のクリーチャーにつけるカードとして見ていない。実際、滅多に自分のクリーチャーにつけることはないだろう。どちらかというとこれは、一風変わった《平和な心/Pacifism》だ。これをつけられたクリーチャーは、ブロックこそできるものの、滅多なことで攻撃してこれなくなる。たまに強烈な戦場に出たとき誘発する能力を持ってるクリーチャーがこちらにいて、2:1交換の危険を冒してでも使いたくなることがあるかもしれない。でも主な用途はコントロールデッキが守りに使うオーラだと思うね。
《僧院の伝承師/Monastery Loremaster》
 リミテッド3.0点
 大変異がついている上にカードを補充してくれるクリーチャーは、仮に表で唱える意味がほとんどなかったとしても、いつだって強い。これに限って表で出すのはあまりないことだとは思うけど、相手の場にタフネス3で絶対に止めなければいけないクリーチャーがいるときくらいだろうか。戻すカードがほんの一握りしか無いようなデッキでも、どのみち終盤向けのカードだし、ちょっと大きくなれる3マナクリーチャーだと思えば悪くない。
《神秘の瞑想/Mystic Meditation》
 リミテッド2.5点
 さしずめ血肉の渇望といったところだけど、青は明確に非クリーチャー呪文の色だから、多くの場合3枚引いて2枚捨てるカードということになるだろう。3ドロー2ディスカードのままでも悪くはないし、クリーチャーを捨てるのは2回に1回程度だったとしても、俺は喜んで使うよ。4マナで盤面に影響を与えないカードだから、どんなデッキでも使えるわけじゃない。何も考えずに入れられるカードではないね。
《否認/Negate》
 リミテッド2.0点
 リミテッドで使う《否認/Negate》はかなりお気に入りだ。優秀なサイドボード要員だし、メインに1枚入れても活躍することが多い。厄介な点として、環境によってはメインに入れてもうまく機能してくれないこともある。でも龍紀伝は、否認したくなるような重たい呪文やコンバットトリックで溢れてそうだから、大体メイン投入してしまって構わない気がする。反復に対する回答になるし、刺さるときは本当に刺さるカードだからね。シールドならいつでも、2枚までは入れるね。場合によっては3枚あってもいい。ドラフトでもサイドボード要員として、そこそこ優先して集めたい。
《オジュタイの介入者/Ojutai Interceptor》
 リミテッド3.5点
 4マナ3/1飛行の時点で十分な強さだし、3ターン目に変異で出して4/2にできるのは素晴らしい。どんなデッキでも入るし、あるだけ入れてしまって構わない。
《オジュタイの息吹/Ojutai’s Breath》
 リミテッド1.5点
 《悪寒/Crippling Chill》を更に前のめりにしたようなカード。必然的にビートダウンでは悪寒以上の働きをするし、序盤から殴らないデッキでは悪寒に見劣りするだろう。唯一のブロッカーを寝かされて、次のブロッカーも寝かされるのが分かっているというのは結構絶望だよ。悪寒と違ってドローはついてこないから、殴り続けるデッキでなければ微妙だ。アドバンテージを考えるようなデッキでは使わない事。《ナーガの意志/Will of the Naga》が大好きだったオーウェン(Owen Turtenwald)は、さぞかしこいつも気に入ることだろう。
《オジュタイの召喚/Ojutai’s Summons》
 リミテッド3.5点
 合計4点分のパワーとタフネスを空中に呼び出すのは、仮に片方がちょっと遅れてやってくるとしても十二分に5マナの価値がある。他の5マナ域同様、唱えるのには1ターンほぼ丸々使ってしまうし、他のカードで埋まってしまいやすい重さではある。でもこいつは2/3飛行には止められてしまうものの、除去耐性もある。環境が恐ろしく高速か、もしくは2/2というサイズにやたら厳しいのでない限り、まず早めに確保してしまっていいカードだろう。

◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review - Blue
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月17日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-of-tarkir-limited-set-review-blue/
 
 
 
《古えの鯉/Ancient Carp》
 リミテッド1.5点
 この気持ち……鯉?
《予期/Anticipate》
 リミテッド3.0点
 青いデッキなら間違いなく入るカードだし、果敢があればもっと評価が上がる(分かりやすくするために、非クリーチャー呪文で誘発するオジュタイのカードに対しても「果敢」と呼ぶのでよろしく)。手札に予期があって困ることなどそうないと思うね。せいぜい超攻撃的なデッキなら、盤面に貢献しない2マナのカードは不要とかそんな程度かな。とはいえ、引きムラを緩和して強いカードを掘りに行ける嬉しい奴だ。マナスクリュー・マナフラッドしていても、事故回避に役立ってくれるだろう。
《鐘鳴りのドラゴン/Belltoll Dragon》
 リミテッド3.0点
 呪禁は飛行クリーチャーに是非ついててほしい能力だし、《盾皮のドラゴン/Shieldhide Dragon》のところで言ったことはこいつにも全てあてはまる。3ターン目にも使えて、終盤も役立つカードは見た目よりずっと強い。3マナの性能と、終盤の性能の両方を足した以上の実力だよ。序盤に出すときには、大事するとかあまり考えなくていい。うっかり生き延びた暁には相手を屍にしてやろう。
《祝福された転生/Blessed Reincarnation》
 リミテッド1.5点
 天性の勘で相手のデッキの内容はおろか積んである順番まで分かるとかでもない限り、食指の伸びるカードではないように思える。終盤になれば、相手の場に交替してほしいクリーチャーもいるかもしれないが、4マナ程度のクリーチャーにわざわざこれを撃つ価値はない。ヤバい奴が飛び出てきたときのことを考えると、反復込みで2回使えるのは大きいが、除去としてはリスクが大きすぎる。好んで使いたい除去ではないね。《現実変容/Reality Shift》みたいに、爆弾カードに対するサイドボードとしてはまあまあ使えるけれど、現実変容と同じくメインにはできれば入れたくないね。
《クローンの軍勢/Clone Legion》
 リミテッド1.0点
 重たい呪文は嫌いじゃないが、9マナは常軌を逸した重さ。《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》は重くても環境に君臨する雄だったから、こいつも頭ごなしにダメというつもりはないけど、9マナは普通のデッキには重すぎるんじゃないだろうか。唱えることさえできれば、最低でも相手と盤面が均衡、大抵は優勢に立てるだろうから、驚異的な効果ではある。たっぷりドロー呪文を詰め込んだコントロールであれば、勝ち手段として中々いい感じだが、まずそんなコントロールデッキ自体お目にかかれることはほとんどない。実にデッキの土地の半分を並べなきゃならないわけだが、大変だよ。これを活用するようなコントロールがドラフト可能だといいんだけどね。もしコントロールも作れるような環境なら、一転高評価カードということもあるかもしれない。リリースされたら是非挑戦してみたいね。
《否定/Contradict》
 リミテッド1.5点
 相手のターンに5マナも立てておくのはかなりキツい。環境に対する俺の第一印象を否定してくれるといいんだけどね。インスタントのコンバットトリックをたくさん入れたデッキとは相性がいいから、ま、採用しても怒られないような環境であることを願うばかり。複数枚は要らないが、対戦相手を脅かすのに1枚あるといいね。
《空智の踊り/Dance of the Skywise》
 リミテッド1.5点
 コンバットトリックとして見ると中々面白い。飛行がつくのと、最大+4/+3まで修正がつくわけだが、まあ大体の場合+1/+1か+2/+2が精々のところだろう。中型~巨大クリーチャーに対しては有効に働かないから、最大の力を発揮できるのは小型クリーチャーで押すデッキということになるが、小型速攻こそまさにコンバットトリックを必要とするデッキだから、そこは噛み合ってる。残念なのは、最大限に力を引き出そうとしても効果が頭打ちなこと。相手の飛行クリーチャーを叩き落としたり、突如飛んでダメージを与えるという点では優秀だが、点数の通り、デッキに入るかどうかは半々くらいが精々かな。
《ダルガーの宿敵/Dirgur Nemesis》
 リミテッド2.0点
 ついに変異クリーチャーでありながらお勧めできないカードがきた!この2文字さえなければフィニッシャーになれたものを、何だいこのテキストのインクの染みは。攻撃して変異解除をすれば、一回はドヤ顔が可能だ。でもその後、海の《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》とでもいうべきこいつはただ突っ立ってなきゃいけない。魅力半減だ。ブロック時、表になっても同様の問題があるから、デッキに採用こそできるものの、できればちゃんとゲームを終わらせられるカードを優先したいね。
《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》
 リミテッド4.0点
 たったの6マナで4枚もドローできるのは大きい。何たる好機。初手これからコントロールでもミッドレンジでもお気に召すままだ。環境は攻めを推奨しているように見えるけれど、これほど優良なカードがあるなら、適度に捌いてフィニッシャーで制圧するデッキを作ることも容易だし、攻めるデッキのマナカーブトップに置いたって構わない(脳天が痺れたりはしないだろうが)。どのくらい意味があるかは別として、たまに打ち消されなくなることもあるぞ。

◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review – White
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月16日
 
 http://www.channelfireball.com/home/dragons-of-tarkir-limited-set-review-white/
 
 
《オジュタイの語り部/Orator of Ojutai》
 リミテッド1.5点
 使えるかどうかは、とある1点のみにかかっている。語らなくても何のことかは察してもらえると思う。語るべき存在なくしては、デッキの枠を割く価値がない。入れるなら例のヤツが4枚は欲しい。前のめりなデッキ相手なら、仮にドローできなくても入れていいかもしれないけどね。サイドボードとしては使えるし、コントロールならドローの確率とか関係なく投入するだろう。でも白の他の、殴る気満々のカードとは水が合わないか。
《平和な心/Pacifism》
 リミテッド3.5点
 2マナ除去がコモンに帰ってきた!クリーチャーを除去して盤面を平和にしよう。どんなデッキで使っても素晴らしい。あと、コモンに平和な心がある以上、エンチャント除去をサイドボードに確保しておくのが重要になったといえるだろう。
《深遠な旅/Profound Journey》
 リミテッド1.5点
 7マナといえばフィニッシャー級なわけだが、唱えるたび勝てるような印象は受けない。1枚で2度美味しいのは確かだが、それも既にデカいクリーチャーを出して、更にそのクリーチャーが倒された後の話だ。マナカーブのトップに置くカードとしては残念な出来。フィニッシャーに他の候補があるんなら、素直にそっちを採用したらいいんじゃない?
《光輝の粛清/Radiant Purge》
 リミテッド0.5点
 的になるカードが複数枚ある相手は多くないと思う。なのでサイドボード用以外の何物でもない。多色で危険な奴らを2枚以上見たら入れよう(そもそも多色のカードは大体危険だし)。でも、メイン採用を正当化できるほどではないだろう。
《補給/Resupply》
 リミテッド1.5点
 コントロールデッキなら、補給はいくらあってもいい。でも殴るデッキなら要らない。補給が欲しいと思うようなデッキが組めるなら、多分周りは手を出さないだろうしね。第一、俺以上に補給を欲しいと思うヤツなんていないと思う。盤面を固めた後、即死圏内から逃れるのにいい感じだ。それ以上でもそれ以下でもない。
《砂造形の魔道士/Sandcrafter Mage》
 リミテッド3.0点
 コントロールだろうがビートダウンだろうが、白くてこいつが入らないなんて状況が想像できない。マナレシオ的に、鉄板の3マナ3/3にほぼ等しいからそれだけで優秀だけど、盤面の状況次第で更に有利な状況を作り出すこともできそうだ。
《砂嵐の突撃者/Sandstorm Charger》
 リミテッド3.0点
 《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》が帰ってきた。今回は素出しが1マナ軽い代わりに、表で出すとサイズは一回り縮んでしまう。だからできれば変異経由で出したいところだし、実際変異で使うことが多いと思う。+1/+1カウンターとシナジーもあるしね。
《鱗の祝福/Scale Blessing》
 リミテッド1.5点
 最悪でも+2/+2になるとはいえ、それだけじゃ4マナの呪文としては今一つ。他にカウンターの乗ったクリーチャーにも恩恵があることまで入れてもそこまでではない。コンバットトリックが他になければ入れていいと思うけど、同じ役割ならコモンの強化呪文の方が優秀だと思う。
《荒野の確保/Secure the Wastes》
 リミテッド4.0点
 それぞれは1/1でしかなかったとしても、集団で横に並びだすのは怖い。5以上とかで唱えられたら失神モノ。X=2とかで唱えなければならないときもあるだろうけど、こうやって小回りがききつつ、全力で撃つこともでき、タッチも容易なんだ。本当に柔軟でいいカードだよ。
《盾皮のドラゴン/Shieldhide Dragon》
 リミテッド3.0点
 このサイクルは大変異コストがかなり重たいけれど、採用するだけの価値はあると思う。あまり勿体ながらずに3マナ2/2で出してしまっていい。それでもし生き残ればバケモノになる。4/4飛行絆魂は冗談みたいなスペックだし、マナカーブの頂点に居座りつつ、状況に合わせて3マナクリーチャーで出せるというのは嬉しいところ。ドラゴンという部族に拘って集める必要はないけれど、もし他にもドラゴンがいたら中々愉快だろう。
《絹包み/Silkwrap》
 リミテッド3.0点
 小粒なクリーチャーを狙い撃ちにするより、大物を倒せる方が重要なことが多いが、劣化《停止の場/Suspension Field》だとしてもまだまだ十分強い。《平和な心/Pacifism》の方が欲しいところだが、こちらもそう流さないと思うな。
《豪腕の修道士/Strongarm Monk》
 リミテッド2.5点
 4/4《栄光の頌歌/Glorious Anthem》は実に強力。活躍できるようにデッキを組んでやれば、栄光の頌歌そのものように振舞えるはずだ。確かに多くの場合、相手のターン中まで隙なく強化とはいかないだろうが、それでも依然として強力。出して除去られずにターンが返ってきたらこっちのものだろう。クリーチャーの頭数を十分揃えると尚良いが、誘発条件とは競合する。上手くバランスを取ってやろう(クリーチャー14、呪文8みたいにね)。
《オジュタイの学徒/Student of Ojutai》
 リミテッド2.0点
 まさに守るのにうってつけ。俺は守備的に立ち回るのが好きだから、学徒を立たせてドローと除去を構えるのは是非やってみたい。他の前のめりなカードの相性はまだ分からないが、ビートダウンでも2/4というサイズは十分採用できる。毎ターン2~4点のライフを得るのは、ダメージレースでかなりの差になる。
《陽焼の執政/Sunscorch Regent》
 リミテッド4.0点
 5マナ4/3飛行というだけで弱いはずがないし、存在感のある能力もついてて言うことなし。それにしてもこいつ、3点除去とか撃たれそう。誘発能力のせいでガッカリすることになるから、これを読んでいる皆はやらないようにしよう。
《正義のうねり/Surge of Righteousness》
 リミテッド0.5点
 優良サイドボード要員だが、それでもベンチなのには変わりない。色対策の中でも特に強力な部類だから、カードが足りてるようなら、メインをほんの少し強化する2点とか2.5点みたいなカードより優先して取っていいと思う。色の合う相手には目に物見せてやろう。
《領空のロック/Territorial Roc》
 リミテッド1.5点
 1/3飛行が欲しいときもある。多くはないだろうけど、そんなこともあるだろう。かなり守勢寄りのカードだから、お声のかかるデッキは多くないと思う。だから無理して取るようなカードではないよ。領空を犯されても、つっつくのが精々だからパワーが1しかないんだろうな。

 
 白のコモントップ5
 5.《まばゆい神盾/Glaring Aegis》
 4.《砂嵐の突撃者/Sandstorm Charger》
 3.《砂造形の魔道士/Sandcrafter Mage》
 2.《霧蹄の麒麟/Misthoof Kirin》
 1.《平和な心/Pacifism》
 
 1~4位は全て、ビートダウンでもコントロールでも有用だ。攻めにも守りにも回れるというのがまさに、上位に名前を連ねる理由にもなっている。でも、普通のクリーチャーより、《まばゆい神盾/Glaring Aegis》や《巧みな機動/Artful Maneuver》を優先するデッキもきっと多いはず。同様にコントロール路線なら《不朽の勝利/Enduring Victory》なんかが重要になってくるし、《オジュタイの学徒/Student of Ojutai》も評価を上方修正してやりたい。同じ白でも、色々なデッキを作る材料が揃ってるのは嬉しいところ。ドラフト中、どっちへ舵を切るか考えるのはきっと面白いぜ。
 
 次は青。今日の白と合わせてオジュタイの全体像が見えるが、さてどうなるかな。
 
 
 
 LSV
◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review – White
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月16日
 
 http://www.channelfireball.com/home/dragons-of-tarkir-limited-set-review-white/
 
 5.0点 強すぎる神いわゆるゴッド。《群れネズミ/Pack Rat》、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》、《風番いのロック/Wingmate Roc》
 
 4.5点 素晴らしい爆弾レアだが、対処できなくはない。《軍族の解体者/Butcher of the Horde》、《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》、《火口の爪/Crater’s Claws》

 4.0点 優秀なレアや、それに比肩し得るアンコモン。《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》、《対立の終結/End Hostilities》、《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》

 3.5点 《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》、《停止の場/Suspension Field》

 3.0点 ほぼデッキに入る良カード。《消耗する負傷/Debilitating Injury》、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》、《肉は塵に/Flesh to Dust》

 2.5点 まず抜けることのないカード。《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《苦々しい天啓/Bitter Revelation》、《弱者狩り/Hunt the Weak》

 2.0点 数合わせでデッキに入る。でもたまに抜けるカード。《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》、《果敢な一撃/Defiant Strike》、《取り消し/Cancel》

 1.5点 頭数の水増し。入るかどうかは半々くらい。《境界の偵察/Scout the Borders》、《飛空士の修繕屋/Aeronaut Tinkerer》、《レインジャーの悪知恵/Ranger’s Guile》

 1.0点 数合わせとしても役不足。ほぼ入らない。《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》、《青銅の黒貂/Bronze Sable》、《抑圧的な光線/Oppressive Rays》

 0.5点 ギリギリデッキに入るかどうかなカード。もしくはサイドボード用カード。《帰化/Naturalize》、《部族養い/Feed the Clan》、《集い/Congregate》

 0.0点 役立たず。《市内捜査/Search the City》、《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》

 
《族樹の精霊、アナフェンザ/Anafenza, Kin-Tree Spirit》
 リミテッド4.0点
 クリーチャーを展開するたびに+1/+1カウンターがついてくるってのはかなり嬉しい。しかもその能力が、カウンターを乗せる先にもなるクリーチャーについてるとくれば最高だ。2ターン目にアナフェンザを出して後続がしっかり控えてるようなら、ゲームはもはや勝ったようなもの。後半引いてきて嬉しい類のカードではないものの、それでもアナフェンザと何かもう1枚といった具合に展開することくらいはできるはず。強レアだね。
《アラシンの先頭に立つ者/Arashin Foremost》
 リミテッド4.0点
 3マナ2/2二段攻撃はそれだけで十分強力だ。強化呪文も併せて投入できれば更に凄いことになる。そんなクリーチャーに戦士シナジーがついてるから、然るべきデッキで使えばさぞかし猛威を振るってくれるだろう。仮に序盤こいつを取って、戦士が全然取れなかったり、引いてこれなくても心配することはない。単体で十分、戦闘に役立つ者だ。
《巧みな機動/Artful Maneuver》
 リミテッド2.0点
 前のめりであればあるだけ強く使える。反復の方は、白い《溶岩の斧/Lava Axe》といってほぼ差し支えないだろう。1回目で戦闘を突破すれば、コンバットトリック分の仕事をしたことになる。反復分は何も消費せず、強烈な一撃をお見舞いできるようなもの。とはいえ仮に殴り得だとしても、あまり攻撃に行きたくないデッキもあるから、攻撃的なデッキなら使えばいいし、そうでないコントロール系のデッキならサイドアウトすればいいだろう。そもそもコントロールデッキでは、あまりコンバットトリック自体採用しないしね。中速程度のデッキなら22~23枚目として入れて問題ないし、果敢系のカードが多ければ反復呪文をあるだけ詰め込みたくなりそうだが、こういうカードは2マナクリーチャーで殴るデッキ向けって気がするね。
《エイヴンの陽光弾手/Aven Sunstriker》
 リミテッド3.0点
 ここ数か月間、リミテッドをプレイしてきた人なら分かると思うけれど、色の合っている変異はどれも強いと思ってくれていい(アイノクの足跡追い?知らない子ですね)。大変異もまさに、変異の例に漏れないと思う。エイヴンの陽光弾手は素出ししても、変異で出しても3マナ域として申し分のないクリーチャーだ。二段攻撃と大変異との相性が抜群で、大変異にかかるマナを支払うだけの価値がある。色さえ合えば採用していい強カード。上の《巧みな機動/Artful Maneuver》とかと一緒に使えれば尚良し。
《エイヴンの戦術家/Aven Tactician》
 リミテッド2.5点
 鼓舞だから望んだようにカウンターを配置できないものの、ほぼ3/4飛行のようなものだろう。もしかしたら戦術家より強いクリーチャーに乗るかもしれないし、鼓舞のメリットデメリットはほぼ相殺されてると見ていい。5マナ3/4飛行だと思えば、はっきり評価できるでしょ?
《熟達した戦い/Battle Mastery》
 リミテッド0.5点
 龍紀伝は謎の二段攻撃推しだから、普通のセットより使うことがあるかも?二段攻撃推し→コンバットトリック大人気→コンバットトリックと相性の良い《熟達した戦い/Battle Mastery》も強い!的な理論で。それでも、個人的にはできれば使いたくない。最強クリーチャーを作り上げるにしても、あまりに大量のマナが必要な割に、見返りが小さすぎる。おまけにオーラ特有の、アドバンテージを失うデメリットもそのままだ。
《魂の基点/Center Soul》
 リミテッド2.0点
 《巧みな機動/Artful Maneuver》と驚くほどよく似ているね。どちらもコンバットトリックであり、反復でダメージを取りに行けて、マナコストが白1と無色1マナだ。魂の基点の場合、バウンスやダメージでない除去からクリーチャーを守れる点は優れるものの、3/3で4/4を討ち取ったりすることはできない。パッと見た限りでは魂の基点の方がほんの少し上かなと思うけれど、これと巧みな機動のどちらが優れるかは、クリーチャーの質によるところが大きいと思う。素の状態のクリーチャーが優秀であればあるほど、魂の基点の方が良い。それにデッキがどのくらい攻撃的かを加味すれば、大体どちらが欲しいかは導き出せるだろう。
《アラシンの勇者/Champion of Arashin
 リミテッド2.0点
 3マナ以下のクリーチャーとお見合いするとグヌってしまうものの、1:1交換をしつつ3点のライフが得られるならまあ良し。替えのきく程度のクリーチャーではあるものの、まあどんなデッキに入れてもいいし、コンバットトリックを使えば強いカードさ。
《ドラゴンを狩る者/Dragon Hunter》
 リミテッド2.5点
 1マナで終盤まで役に立つヤツとは是非仲良くしたい。プロテクションは役に立つときも立たないときもあるだろうけれど、1マナ2/1はそれだけで十分だし、結構ドラゴンも目にしそうだ。
《龍の眼の歩哨/Dragon’s Eye Sentry》
 リミテッド0.5点
 来いよベネット!防衛なんて捨ててかかって来い!
《ドロモカの隊長/Dromoka Captain》
 リミテッド2.0点
 序盤は2/2先制攻撃というスペックだけで、強気に殴っていけばいい。ゲームが長引くにつれ苦しくなるから、3/3が出てきても殴れるよう、コンバットトリックを用意しておくといいかも。
《ドロモカの砂丘唱え/Dromoka Dunecaster》
 リミテッド1.5点
 普通はタッパーとか大好きなんだけど、こいつは罠な気がする。飛行が止めれるのが本来のタッパーの持ち味だし、起動に2マナもかかるのはいただけない。1枚くらい入れたくなるマッチアップもありそうだけど、第一印象は今一つといったところ。
《ドロモカの戦士/Dromoka Warrior》
 リミテッド2.5点
 リミテッドで2マナ3/1が弱いはずがない。タフネス1に人権の無い環境、というわけでもなさそうだしね(とはいえ黒にはタフ1を咎めるカードがいくつかあったから気を付けておこう)。
《族樹の残響/Echoes of the Kin Tree》
 リミテッド1.5点
 環境の速さが分からないとはいえ、ドラフト的にはちょっと悠長すぎる気がする。シールドでも辛そう。相手にしたら相当面倒そうだから、少なくともカードパワーはあるんだろうけど、3マナ支払って+1/+1カウンターを得る……というのは何か違う。その上カウンターが、乗せたいところに乗ってくれないこともあるのはちょっとね。輝くマッチアップもありそうだけど、そう多くはないんじゃないかな。
《不朽の勝利/Enduring Victory》
 リミテッド2.5点
 重くても除去は除去。ドラゴンを倒すためなら、5マナくらい支払ってもいいさ。鼓舞もついてないよりは大分嬉しい。重くても多少は使う気になれるかな。限定的な除去の上に重いから、複数枚あって強いカードではない。こればかり集めるのは避けたいところ。
《忘れられた運命/Fate Forgotten》
 リミテッド0.5点
 サイドボード要員になる運命。
《まばゆい神盾/Glaring Aegis》
 リミテッド2.5点
 こんな高い点をつけるなんて、我ながら正気の沙汰とは思えない……が、これより低い点をつけるのは間違いだと思う。たった1マナで上がるサイズとしてはかなりのものだし、場に出たターンにブロッカーをタップすれば、4~5点くらいは軽く持っていく。続くターンにも、3,4点くらい追加で入れられそうだ(相手に3/3がいたとして、こちらが2/2にこれをつけて突破すれば、追加の3点打点を稼いだことになる。単なるパワーの修正値じゃないぞ)。ビートダウン御用達って感じがしないか?この手のカードをかき集めるデッキは結構あるもんさ。
《権威の微光/Gleam of Authority》
 リミテッド2.0点
 軽くて強力な効果だが、1:2交換を差し出してしまうのが唯一最大の欠点。数ターン処理されなければ、カウンターをばら撒きつつ強烈な一撃をお見舞いして元は取れると思うけどね。除去はそれなりにある環境だから、干渉手段の多い相手に対しては、サイドに落とす勇気を持とう。
《雅刃の職工/Graceblade Artisan》
 リミテッド1.5点
 3マナ2/3が欲しければどうぞ。オーラがどうこうってところはあまり見なくていいと思う。たまたまこれとオーラが一緒のデッキに入るようなことがあれば、それは素晴らしいことなんだが、無理矢理オーラを使おうとするのはお勧めできないよ。
《偉大なる師の指令/Great Teacher’s Decree》
 リミテッド2.0点
 使いどころを選ぶ代わりに強力なカードが白には多いなあ。いいことだと思うけどね。2ターンに渡って3体のクリーチャーで殴り掛かれるときには、それはもう素晴らしい。でも押されているときには何の役にも立たない。これが自分のデッキに入るかどうか、またいつ唱えるか、よくよく考える必要のあるカードだ。どんなデッキで使っても強い優等生より、こういうカードのが面白い。白は割と前のめりな色に見えるから、しれっとデッキに入ってることが多そうではある。
《ドロモカの伝令/Herald of Dromoka》
 リミテッド2.0点
 《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》と見比べてみた感じ、どうもアナフェンザと比べてドロモカは伝令を重要視していないらしい。見てくれよこの性能差。まあそうは言っても、2マナ2/2にちょっと嬉しい能力がついているのは、強化呪文を詰め込んだビートダウンにぴったり。まず間違いない安全牌だね。戦士シナジーは別になくたっていい。もちろんシナジーがあれば素直に喜んでおけばいいけれど、無理矢理追及するようなものじゃないよ。
《隠れたる龍殺し/Hidden Dragonslayer》
 リミテッド4.0点
 2ターン目に出すこともできる《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》だって?いいね!名前に反して、強さは隠れてないってとこかな。見たら取ろう。倒したいクリーチャーは大体倒せるだろうし、軽い。しかもタッチで使うことだって難しくない。
《光歩き/Lightwalker》
 リミテッド1.5点
 2/1は2/2と比べるとやっぱ一段落ちる。とはいったものの、鼓舞系の要素がちょっとあるなら話は変わってくる。名前は歩きって書いてあるけど、こいつは飛ぶんだ。光歩きが晴れて光飛びになった日には、これはもう全くの別物。2マナ2/1を無理なく採用できて、鼓舞のついてるカードが2~3枚でもあるなら、まさにこいつはうってつけ。鼓舞がなければ、頭数合わせくらいに思っておけばいい。
《霧蹄の麒麟/Misthoof Kirin》
 リミテッド3.0点
 素出ししても変異を経由しても優秀。どっちで使っても良く、しかもどちらか選べるのはかなり大きい。4ターン目、5ターン目、他に展開するものがあるなら、多分麒麟は3ターン目に出してしまうと思う。でも直近のターン特にやることがなさそうなら、変異で出してから表にするときっと幸せ。
《神話実現/Myth Realized》
 リミテッド2.5点
 非クリーチャー呪文が8枚以上入っているデッキで1ターン目に出したら、きっと凄いことが起きること請け合い。でも後半トップから引いてきたら実に困ってしまう。呪文が噛み合わなくとも、マナをつぎ込めば成長できるというところはいいものの、育てるのにマナを支払わなくちゃならないようなデッキでは使いたくないね。初手で手を出すカードではないと思うものの、青白の呪文を数枚取った後で見たなら、2.5点のカードとしてピックするか考えてもいいね。
《オジュタイの模範/Ojutai Exemplars》
 リミテッド4.5点
 歌って踊れる4マナ4/4。見たら初手で取ろう。こちらの手札にたとえ呪文がなくても、相手からしたら4/4程度のクリーチャーでブロックしたい手合いではない。実際に呪文を抱えていたら、こいつは除去するのも激しく困難な上、ダメージレースに持ち込むのも厳しい。爆弾レアとはこうあるべきだね全く。もしも取れたなら、呪文の評価を少し優先して取っていきたいけれど、別に専用デッキを組む必要はないよ。

【翻訳】タルキール龍紀伝より独占カードプレビュー 《オジュタイの模範/Ojutai Exemplars》 by LSV
 ◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝より独占カードプレビュー 《オジュタイの模範/Ojutai Exemplars》 by LSV
 
 Dragons of Tarkir Preview Card - Ojutai Exemplars
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月5日
 
 http://www.channelfireball.com/home/dragons-of-tarkir-preview-card-ojutai-exemplars/
 
 タルキール覇王譚で紹介された氏族の能力じゃ、一番好みだったのは果敢だったね。龍紀伝で果敢そのものはお出ましにならないものの、どんな形で継承されたか、能力を見るのが楽しみだった。今日のプレビューカードなんか、実質果敢みたいなものだし、果敢と組み合わせて使うと素晴らしい噛み合いっぷりを見せてくれると思うね。俺は果敢に寄せたデッキのような、複雑かつたくさんの呪文を唱えるデッキが好きだ。マナを全く使わずにターンを返す。呪文多めのデッキにしかできないが、これぞマジックの醍醐味だ。
 
 オジュタイの模範は、まさにそんな呪文だらけのデッキ向け。こいつは凄いぜ。
《オジュタイの模範/Ojutai Exemplars》 (2)(白)(白)
クリーチャー - 人間(Human)モンク(Monk)
あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、以下からひとつ選ぶ。
・クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。
・オジュタイの模範はターン終了時まで先制攻撃と絆魂を得る。
・オジュタイの模範を追放し、その後それをタップ状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
4/4

 殴る、蹴る、ブロッカーをどかす、アタッカーを寝かす、絆魂を得る、除去を避ける。できないことを探す方が難しいんじゃ?
 
 前回包囲サイクルをレビューしてて、やたらとモードがあるなと思ったものだけれど、今回は能力がごてごてとついたクリーチャーだ。もっとも、能力が付いててほしくないなんてことはないけどね。4マナ4/4だから、能力の代償としてサイズを犠牲にしているわけでもないのが嬉しい。しかも3つの能力は、相互にシナジーまで備えている。
 
 非クリーチャー呪文に寄せたデッキで使う数少ないクリーチャーとして、どんな仕事をするだろうか?(カッコいいポーズの見本になるってのはおいとこう)
 
 守備性能
 タップ能力と絆魂で、生き延びるのに貢献してくれるだろう。アタッカーを寝かす以外に、ほぼ同じ用途になるけれど、こいつでブロックして止めてからブリンクすることもできる。
 
 攻撃性能
 ブロッカーをタップして排除する能力と、先制攻撃のおかげで攻めやすい。その上先制攻撃をつけると漏れなく絆魂もつくせいで、ダメージを稼ぎつつ守備がおろそかになることすらない。
 
 除去耐性
 ブリンク能力でほとんどの除去を避けることができる(とはいえ追放してすぐに戻ってくるので、《対立の終結/End Hostilities》みたいな全除去では死ぬことには注意)。これほどの除去耐性があれば、クリーチャーがほとんどいないデッキで使っても活躍できるだろう。撃つ対象がなくて、手札にため込んでた除去を浴びせられても、ほとんどかわすことができる。
 
 ただ、いかに歌って踊れる多芸なカードとはいっても、何かしら動かないと能力が使えないことは注意だ。模範的な奴と仲良くするには、こっちも色々と合わせなきゃいけないってわけだね。まず分かりやすいのは赤。《乱撃斬/Wild Slash》、《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《かき立てる炎/Stoke the Flames》といった、いつ使っても優秀な呪文を擁する赤は相性抜群だろう。白も少々、真っ先に思いつくところでは《勇敢な姿勢/Valorous Stance》とかあるけれど、《神々の思し召し/Gods Willing》系の呪文を使う場合、別にわざわざ模範と組み合わせる必要はないってのは注意したいところ。
 
 どんな呪文と使うにせよ、オジュタイの模範は相当強力だと思う。スタンダードでもかなり健闘するだろう。《僧院の導師/Monastery Mentor》とは、一緒に採用されるかもしれないし、個別に使われるかもしれない。どちらにせよ、こいつを使ったスタンダードのデッキを考えないのは勿体ないぜ。
 
 
 
 LSV
◆ 【翻訳】チャネル・ファイアーボールの運命再編ピック順位表
 
 TeamCFB’s Pick Order - Fate Reforged
 
 By Tom Martell 2015年2月15日
 
 http://www.channelfireball.com/home/teamcfb-pick-order-fate-reforged/
 
 プロツアー『運命再編』に向けて、チャネル・ファイアーボールの面々と顔を突き合わせての調整は、本当に楽しいものだった。カリフォルニアでのドラフト漬けの一週間に始まり、チームリミテッドのグランプリ・サンノゼまで満喫した。普段よりドラフトした回数は少なかったものの、自信は結構ついていた。
 
 プロツアー前日の水曜の晩、チームの面子が揃ったところで会議室に集まり、グーグルドキュメントに、考えを皆で書き連ねていった。そのまとめとして、フランク・カーステン(Frank Karsten)のピック順位表のような順位表を作った。
 http://www.channelfireball.com/articles/a-pick-order-list-for-fate-reforged/
 
 我々の体感として、運命再編が入ったことで環境は低速化したと思う。安定して強いのは黒緑で、アブザンやスゥルタイに進むのがいいというのが全員の結論だった。運命再編はタルキール覇王譚と比べてコモンが弱く、1パック目の運命再編ピック終了時点で、デッキに入れたいカードがあまり集まっていないことが多かった。なので私は土地を優先的に集めていた。そうすれば2パック目、3パック目に強いコモンが取れるからだ。
 
 それと、運命再編のパックはレア。これに尽きる。なんと35種類中7種のレア、それに10種類中7種の神話レアが、あらゆるアンコモン以下のカードより優先されるべきカードなのだ。次は神話アンコモンの《鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard》で、精鋭には見劣りするものの、続くのはやはりレア7種と神話レア1種。更に、アンコモン中最強格と並ぶレアが12種類も存在する。つまり35種類中26種、10種類の神話のうち7枚が、ほぼパックを空けた瞬間初手で取られるということ。イカれてるとしか言いようがない。
 
 
 1パック目の初手で何を取るべきか?
 明らかに《鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard》がアンコモンで最強なので、自然な成り行きとして、精鋭よりも上のカードをTier1と線引きした。
Tier 1
 《城塞の包囲/Citadel Siege》
 《不屈のダガタール/Daghatar the Adamant》
 《僧院の導師/Monastery Mentor》
 《奪取の形態/Supplant Form》
 《奔流の精霊/Torrent Elemental》
 《悪行の大悪鬼/Archfiend of Depravity》
 《粗暴な軍族長/Brutal Hordechief》
 《大いなる狩りの巫師/Shaman of the Great Hunt》
 《囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental》
 《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
 《嵐の憤怒、コラガン/Kolaghan, the Storm’s Fury》
 《永遠のドロモカ/Dromoka, the Eternal》
 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》

 
 Tier2は《鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard》と肩を並べるレアの仲間たち。Tier2内の順位は、初手的にみると色や受けの広さなどで色々物議をかもしたものの、精鋭より優先するかしないかを基準に微調整して、最終的には全員が下の順で同意した。
 
 
Tier 2
 《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
 《命運の核心/Crux of Fate》
 《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree》
 《鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard》
 《龍鱗隊の将軍/Dragonscale General》
 《沈黙の大嵐、シュー・ユン/Shu Yun, the Silent Tempest》
 《電弧連鎖/Arcbond》
 《ティムールの戦巫師/Temur War Shaman》
 《群衆の掟/Mob Rule》

 
 《鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard》の次に強いのは、アンコモンだと《霧炎の達人/Mistfire Adept》、《発火/Pyrotechnics》、《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth》だ。鱗衛兵の精鋭と比べると一段劣るものの、どれも喜んで初手で取るレベル。個人的に《前哨地の包囲/Outpost Siege》は一つランクを上げてTier2でもいいと思うが、他に関しては納得だ。
 
 
Tier 3
 《宮殿の包囲/Palace Siege》
 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
 《発火/Pyrotechnics》
 《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth》
 《霧炎の達人/Mistfire Adept》
 《ジェスカイの浸透者/Jeskai Infiltrator》
 《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
 《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
 《マルドゥの急襲指揮者/Mardu Strike Leader》
 《死に微笑むもの、アリーシャ/Alesha, Who Smiles at Death》
 《前哨地の包囲/Outpost Siege》
 《砂草原のマストドン/Sandsteppe Mastodon》
 《野生呼び/Wildcall》
 《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》
 《冬魂のオジュタイ/Ojutai, Soul of Winter》

 
 ここまでが初手で取って嬉しいカード。Tier4以下は良カードながら、Tier3より上のカードには太刀打ちできない。《アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster》には何回か分からされたので、Tier3の最後に入れてやりたいが、チーム全体の意見としてはやはり一段落ちてTier3という結論になった。
 
 
Tier 4
 《雲変化/Cloudform》
 《光変化/Lightform》
 《乱撃斬/Wild Slash》
 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
 《アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster》
 《炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix》
 《炎駆の乗り手/Flamerush Rider》
 《戦いの喧嘩屋/Battle Brawler》
 《オークの必中弾/Orc Sureshot》
 《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
 《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
 《影の手の内/Reach of Shadows》
 《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》
 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
 《世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render》
 《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》
 《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
 《巫師の天啓/Shamanic Revelation》
 《マラング川をうろつくもの/Marang River Prowler》
 《霜歩き/Frost Walker》
 《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》

 
 
 初手以降
 
 初手の話は大体ここまでで終了。ここから下のカードはできれば初手で取りたくないものの、初手以降にどうピックを進めるかの参考に、色ごとに順位をまとめてみた。
 
 その前にまず、優良コモンのまとめ:
 
 
Tier 1
 《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
 《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
 《影の手の内/Reach of Shadows》

 
Tier 2
 《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》
 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
 《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》
 《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
 《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》
 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
 《過酷な命の糧/Harsh Sustenance》
 《無残な競争/Grim Contest》

 
Tier 3
 《砂爆破/Sandblast》
 《払いのけ/Whisk Away》
 《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
 《チフス鼠/Typhoid Rats》
 《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
 《弱者狩り/Hunt the Weak》
 《魂の召喚/Soul Summons》
 《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》
 《アイノクの先達/Ainok Guide》
 《突き刺し豚/Gore Swine》

 
Tier 4
 《ナーガの意志/Will of the Naga》
 《実在への書き込み/Write into Being》
 《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》
 《マルドゥの斥候/Mardu Scout》
 《強化された知覚/Enhanced Awareness》

 
 デッキに進んで入れたいと思うコモンの枚数に触れておくと、それぞれ青が7枚、黒が5枚、赤が5枚、白が4枚、緑が3枚だ。青には《スゥルタイの頭蓋守り/Sultai Skullkeeper》と《ジェスカイの呪印/Jeskai Runemark》も、然るべきデッキで使えば強いコモンとして言及しておこう。
 
 ここからは色ごとの順位表だ。その色が含まれる多色カードと、無色の《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》も含めてみた。多色コモンは、1色は合っていること前提の評価。個人的に《無残な競争/Grim Contest》以外の多色カードは、多少弱くても初手と同じ色の単色カードを取る。黒緑は一番好きな色の組み合わせだし、無残な競争は積極的に取りたいカードの一つ。
 

 《城塞の包囲/Citadel Siege》
 《不屈のダガタール/Daghatar the Adamant》
 《僧院の導師/Monastery Mentor》
 《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
 《鱗衛兵の精鋭/Elite Scaleguard》
 《龍鱗隊の将軍/Dragonscale General》
 《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
 《光変化/Lightform》
 《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
 《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
 《名誉の報賞/Honor’s Reward》
 《過酷な命の糧/Harsh Sustenance》
 《放浪する勇者/Wandering Champion》
 《マルドゥの悲哀狩り/Mardu Woe-Reaper》
 《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
 《砂爆破/Sandblast》
 《魂の召喚/Soul Summons》
 《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 《交感の痛手/Channel Harm》
 
 数合わせ
 《戦乱の閃光/War Flare》
 《護法鱗のドラゴン/Wardscale Dragon》
 《ジェスカイのバリケード/Jeskai Barricade》
 《蓮眼の神秘家/Lotus-Eye Mystics》
 《龍鐘の僧兵/Dragon Bell Monk》

 

 《奔流の精霊/Torrent Elemental》
 《奪取の形態/Supplant Form》
 《沈黙の大嵐、シュー・ユン/Shu Yun, the Silent Tempest》
 《霧炎の達人/Mistfire Adept》
 《ジェスカイの浸透者/Jeskai Infiltrator》
 《賢者眼の報復者/Sage-Eye Avengers》
 《雲変化/Cloudform》
 《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
 《マラング川をうろつくもの/Marang River Prowler》
 《僧院の包囲/Monastery Siege》
 《雲変化/Cloudform》
 《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》
 《払いのけ/Whisk Away》
 《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 《現実変容/Reality Shift》
 《ナーガの意志/Will of the Naga》
 《実在への書き込み/Write into Being》
 《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》
 《狡猾な一撃/Cunning Strike》
 《天上の待ち伏せ/Ethereal Ambush》
 《再帰の儀式/Rite of Undoing》
 《変容する忠誠/Shifting Loyalties》
 《強化された知覚/Enhanced Awareness》
 
 数合わせ
 《精神掃きのドラゴン/Mindscour Dragon》
 《スゥルタイの頭蓋守り/Sultai Skullkeeper》
 《スゥルタイの呪印/Sultai Runemark》

 

 《悪行の大悪鬼/Archfiend of Depravity》
 《粗暴な軍族長/Brutal Hordechief》
 《命運の核心/Crux of Fate》
 《宮殿の包囲/Palace Siege》
 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
 《マルドゥの急襲指揮者/Mardu Strike Leader》
 《戦いの喧嘩屋/Battle Brawler》
 《オークの必中弾/Orc Sureshot》
 《影の手の内/Reach of Shadows》
 《過酷な命の糧/Harsh Sustenance》
 《無残な競争/Grim Contest》
 《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》
 《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
 《魂剥ぎ/Soulflayer》
 《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》
 《有毒ドラゴン/Noxious Dragon》
 
 《チフス鼠/Typhoid Rats》
 《シブシグの泥浚い/Sibsig Muckdraggers》
 《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 《カルシの高僧/Qarsi High Priest》
 
 数合わせ
 《頭巾被りの暗殺者/Hooded Assassin》
 《アリーシャの先兵/Alesha’s Vanguard》
 《シブシグの徒党/Sibsig Host》

 

 《大いなる狩りの巫師/Shaman of the Great Hunt》
 《電弧連鎖/Arcbond》
 《群衆の掟/Mob Rule》
 《死に微笑むもの、アリーシャ/Alesha, Who Smiles at Death》
 《前哨地の包囲/Outpost Siege》
 《炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix》
 《乱撃斬/Wild Slash》
 《炎駆の乗り手/Flamerush Rider》
 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
 《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》
 《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
 《蔵破り/Vaultbreaker》
 《狡猾な一撃/Cunning Strike》
 《謙虚な離反者/Humble Defector》
 《突き刺し豚/Gore Swine》
 《マルドゥの斥候/Mardu Scout》
 
 赤の数合わせ
 《戦乱の閃光/War Flare》
 《巻き添え被害/Collateral Damage》
 《くすぶるイフリート/Smoldering Efreet》
 《憤怒変化/Rageform》
 《戦線突破/Break Through the Line》
 《沸血の処罰者/Bloodfire Enforcers》
 《空腹なイエティ/Hungering Yeti》
 《電撃顎のドラゴン/Shockmaw Dragon》
 《激情の発動/Fierce Invocation》

 

 《囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental》
 《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree》
 《ティムールの戦巫師/Temur War Shaman》
 《砂草原のマストドン/Sandsteppe Mastodon》
 《野生呼び/Wildcall》
 《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》
 《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth》
 《アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster》
 《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
 《巫師の天啓/Shamanic Revelation》
 《無残な競争/Grim Contest》
 《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 《弱者狩り/Hunt the Weak》
 《天上の待ち伏せ/Ethereal Ambush》
 《アイノクの先達/Ainok Guide》
 
 緑の数合わせ
 《大地への回帰/Return to the Earth》
 《破壊するドラゴン/Destructor Dragon》
 《開拓地のマストドン/Frontier Mastodon》
 《残忍なクルショク/Feral Krushok》
 《アブザンの族護衛/Abzan Kin-Guard》
 《隠匿物の防衛/Cached Defenses》
 《無形の育成/Formless Nurturing》
 《突然の再利用/Sudden Reclamation》
 《カル・シスマの風/Winds of Qal Sisma》
 《無情な本能/Ruthless Instincts》
 《戦線クルショク/Battlefront Krushok》

 
 
 土地に関しては、2色とも合っている土地があって強コモン以下のカードしかないなら取るし、入るか微妙なカードなら土地を優先する。上でも書いたが、1パック目のコモンのカードパワーが低いので、土地は積極的に集めることにしている。
 
 以上がチャネル・ファイアーボール勢の運命再編ピック順位表だ。もう既に何回もドラフトしたという人は、違和感や反論を覚えたら是非コメント欄で教えてほしい。プレイするたび、私の中ではまだまだ評価が動いているから、学ぶべきことはまだたくさんあると思う(特に黒のコモンの順位や、レアも少し揺れてるのがある)。
 
 それじゃ、良いリミテッドライフを!
 
 
 
 トム
◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 多色・無色
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Gold and Colorless
 
 By Luis Scott-Vargas 2015年1月16日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-gold-and-colorless/
 
 
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
 リミテッド3.0点
 最初に言っておかなきゃなるまいが、ウギンは8マナだ。8ってのは尋常じゃない重さ。6マナ以上は1マナごとに越えられない壁があると思ってほしい。6と7にもかなりの差があるけど、7と8の差は更に大きいんだ。ゲームが終わる前に安定して8マナまで伸ばすには、身を守るカード、少なくとも数枚のドローを入れないといけない。普通に8マナのカードをデッキに入れても上手くいきっこないんだからね。
 
 8マナを使うってのはそういうこと。それはさておき……
 
 唱えることさえできれば、ウギンはかなりの仕事をしてくれる。+2すればクリーチャーを排除した上に忠誠値9のプレインズウォーカーが残る。マイナス能力を使えば盤面を流せるし、一番マナコストの重い奴がこっちにいたなら、相手の盤面だけを更地にすることも可能だ。変異を倒せないのはメリットにもデメリットにもなるが、ウギンを出すことがわかっているなら、適宜相討ちするなり変異を敢えて解除しないなり、ウギン着地後こっちだけ有利になるよう選べるよね。
 
 大体は着地後すぐマイナス能力を使って、そこから+2で後続を薙ぎ払っていく使い方になると思う。奥義は可愛いけれど、大多数のプレインズウォーカーと同じく、カードを評価するとき奥義は含めなくても差し支えない。奥義が使えるなら、他の2つの能力で勝ってそうなものだしね。
 
 まとめると、ウギンは適当にデッキに突っ込めばいいカードじゃないってことだ。コントロールデッキを作るようドラフトしなければいけないし、確実に8マナまで届くよう、工夫を凝らして構築しないとならない。上手く作れれば見返りは十分だが、強い意志を持って取り組まないといけない難題だ。点数はカードパワーとマナコストを計算に入れてのものだけれど、3点だからといって取りさえすればどんなデッキにも入るカードとは思わないでほしい。8マナってのはそのくらい重いんだ。
《世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render》
 リミテッド3.0点
 7マナもかかる割に、すぐ盤面に影響を与えるわけでもなく除去耐性もないのは考え物だが、毎ターン12点ものダメージを叩きだせるパワーを前にすれば、そんな考えもすぐ吹き飛ぼうというもの。あまりの打点の高さに、即バウンスや除去されるリスクは進んで飲んでもいい気になれる。。
 
 ドラゴンがどうこうとか書いてあるけれど、基本的に自分以外のドラゴンに関してはフレーバーテキストだと思ってほしい。たまたま2体のドラゴンがデッキに入っていても、両方展開できていたらもうその時点で勝ちみたいなものなんだからね。
《狡猾な一撃/Cunning Strike》
 リミテッド3.0点
 カードを引くとさえ書いてなければ、こんな狡猾な手に引っかかって点数を上げたりしないのに……!2:1交換を取るカードにしては重いが、インスタントなのは貴重。果敢デッキのお供にしたい。タッチで使うようなカードではないが、デッキの色と合っていれば使った方がいいだろう。
《永遠のドロモカ/Dromoka, the Eternal》
 リミテッド4.5点
 5マナ5/5飛行というスペック、他のドラゴンどもとは全く違う生物だと思った方がいい(架空の存在とはいえ、ドラゴンも生き物……なんだよな?)。攻撃に際して鼓舞2がついてるのも大きい。とにかく書いてあることが全部強い。
《天上の待ち伏せ/Ethereal Ambush》
 リミテッド3.5点
 アド厨大歓喜、評価は青天井。察してもケアできない恐怖。待ち伏せされそうと思ったら攻撃しないでもいいが、殴らないならターン終了時に唱えられるだけ。構え損にはまずならない。
 
 予示が両方はずれでも十分に強く、クリーチャーを引き当てようものなら恐ろしいことになる。総攻撃をかけるか考えるとき、心の片隅に留めておいてほしい。コモンだし、ピックしたらまず使われる性能だ。
《無残な競争/Grim Contest》
 リミテッド3.0点
 《弱者狩り/Hunt the Weak》と比較して、インスタントな点で勝っているものの、2色なのはマイナス。総合して同じ点数になった。タフネスを参照する格闘は斬新だね。奇妙な格闘を行うことになりそうで面白い。《射手の胸壁/Archers’ Parapet》と相性のいいカードがこいつを含めて何枚か出たから、複数入手したときは優先して胸壁を確保しても面白いかもしれない。
《過酷な命の糧/Harsh Sustenance》
 リミテッド3.0点
 過酷なことに、盤面で負けているときには性能がガタ落ちしてしまう(ただし、盤面が膠着していて回避能力持ちのクリーチャーにボコられているときは除く)。でもそれを除けば強力なカードだ。中盤クリーチャーを除去してもいいし、終盤は本体に撃ちこんでトドメに使ってもいい。どんな使い方をしても、ちょっと嬉しいライフゲイン付きだ。対応しての除去には気を付けたいから、多少計算が狂ってもいいように、余裕をもって除去できるところに撃ってもいい。
《嵐の憤怒、コラガン/Kolaghan, the Storm’s Fury》
 リミテッド4.5点
 うがいの音みたいな名前と裏腹に目を見張るような強さ。普通に唱えても強いし、単騎で十分脅威になるサイズだ。疾駆がついているのも無視できないポイントで、5ターン目以降、一番引きたいカードナンバーワンの座はまず揺るがないだろう。マナが余るような展開になったら、1ターン多く攻撃できるよう毎ターン疾駆で走らせていい。止まるようなときだけ普通に唱えればいいだろう。
《冬魂のオジュタイ/Ojutai, Soul of Winter》
 リミテッド3.5点
 5マナの連中と比べると、7マナのドラゴンは評価が落ちるが、重くともレアリティに恥じぬだけの性能を秘めたドラゴンだ。オジュタイはブロッカーとしても優秀だし、毎ターン5点のクロックを刻みながら、警戒のおかげでクリーチャーを2体封殺できる。
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
 リミテッド4.5点
 3/7で除去できない飛行クリーチャーというだけで大したものだが、キッカーなし《湿地での被災/Marsh Casualties》を攻撃するたびに撃てるのは感動的。たいそうな名前がついているだけのことはある。
《戦乱の閃光/War Flare》
 リミテッド2.5点
 カードパワー的には間違いなく高得点カードなんだけど、最大限に活用するためにはクリーチャーをこれでもかと詰め込んだデッキに仕上げる必要がある。攻守どちらの局面で使っても、攻守両面で恩恵があるのは嬉しい。突然アンタップしてブロッカーにしてもいいし、6点ほど追加のダメージをねじ込みながらブロッカーを立たせてもいい。
 
 タフネスにも修正がかかるから、《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》と違って相討ち以上が期待できなくもないけれど、盤面が膠着しそうなときでもなければ、普通に一方を取りつつ多少ダメージを入れるトリックとして使ってしまっていいだろう。ラッパの一吹きよりも、期待できる効果に幅がありそう。ラッパも戦乱の閃光も攻めるデッキでは強力だが、閃光はクリーチャーが多めに入っているデッキならどんなデッキでも使える。

 
 マルチカラーのドラゴンランキング
 5.《世界を溶かすもの、アタルカ/Atarka, World Render》
 4.《冬魂のオジュタイ/Ojutai, Soul of Winter》
 3.《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
 2.《嵐の憤怒、コラガン/Kolaghan, the Storm’s Fury》
 1.《永遠のドロモカ/Dromoka, the Eternal》
 
 区切りごとにトップ5を出さないとなんか落ち着かないよな。
 
 
《ゴブリンの爆裂樽/Goblin Boom Keg》
 リミテッド1.0点
 4マナで3点ダメージというだけで眉唾物なのに、引火してから爆発するまで、ソーサリーより遅いときた。相手は爆発するまでの時間を使って、鼓舞なり変異解除なりして爆発に備えることができる。絶対に使いたくないカードだね。
《英雄の刃/Hero’s Blade》
 リミテッド1.5点
 装備は繰り返し使えるカードアドバンテージの塊と見られがちだが、装備コストが重いというのは厳しいというのが実情だ。6マナ使ってこれを装備しても、つけた先がバウンスなり除去されてしまったら、相当なテンポを失うことになる。同じマナを払うなら、装備よりも変異を解除する方がいい。伝説のクリーチャーにはマナが不要でもそこは変わらない。
 
 ただ、かなり低速なデッキに突きつけるカードとしてはそこそこだし、絆魂持ちが多ければマシになる。絆魂持ちにつけて1回でもダメージを与えれば、後で違うクリーチャーに装備する時間を稼いでいるのと同義だからね。
《切り出した石の従者/Hewed Stone Retainers》
 リミテッド2.0点
 色々想像してみた。全力で《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》を探査しながら出したり、《果敢な一撃/Defiant Strike》を唱えてから出したり、あるいは5~6ターン目に適当なクリーチャーと一緒に出す……みんな違って、みんないい。後半トップから引いてもまったくの無駄牌だし、1~2マナで唱えられるカードのないデッキには無用。でも多少工夫して使ってやるだけの価値はあるよ。
《火の巡礼者/Pilgrim of the Fires》
 リミテッド1.0点
 7マナも使ってタフネスが4ぽっちなのはちょっと。環境には《絞首/Throttle》や《矢の嵐/Arrow Storm》があるわけだし。sん性攻撃がついてるから、少なくとも戦闘に関しては非の打ちどころがない。とはいえ無闇に使う気にはなれないよ。
《達人の巻物/Scroll of the Masters》
 リミテッド0.5点
 ルーン唱えの長槍ファンはもうそろそろはっきりと言うべきなのですッッ 達人は保護されているッッッ
 一時的な強化にこれほど大量のマナをつぎ込んでもゲームには勝てない。装備に関して言ったことは全てこの巻物にも当てはまる。しかも出したばかりのときはカードですらない。果敢デッキで必要なのは、軽くて使い勝手の良いカードで、こういうカードじゃない。果敢デッキ以外ならって?こんなカードにマジになっちゃってどうするの。
《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 リミテッド3.0点
 4マナ4/5を4ターン目にポンと出せる可能性が生まれるなら、クリーチャーがいて唱えられないリスクを飲んでもいい。変異を中心に集めて安全を確保するのも容易にできるはずだ。後半は魅力的でもなくなるけれど、生贄にするくらいなら色のついてる奴で敢えて相討ちしてみてもいいし、いざとなれば2/1とか適当な奴を生贄にしてもいい。

 
 アーティファクトトップ5
 5.《火の巡礼者/Pilgrim of the Fires》
 4.《ゴブリンの爆裂樽/Goblin Boom Keg》
 3.《英雄の刃/Hero’s Blade》
 2.《切り出した石の従者/Hewed Stone Retainers》
 1.《ウギンの構築物/Ugin’s Construct》
 
 構築物>>>>>>>>>>>>>>その他
 
 
2色土地
 《平穏な入り江/Tranquil Cove》・《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》・《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》・《岩だらけの高地/Rugged Highlands》・《花咲く砂地/Blossoming Sands》・《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》・《急流の崖/Swiftwater Cliffs》・《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》・《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》・《茨森の滝/Thornwood Falls》・《汚染された三角州/Polluted Delta》・《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》・《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》・《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》・《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
 リミテッド3.0点
 タルキール覇王譚だけのときとあまり変わらないが、2色デッキを組むのが少し容易になったので少し価値は落ちたか。なんにせよ、できれば初手では取りたくないね。
《精霊龍のるつぼ/Crucible of the Spirit Dragon》
 リミテッド0.0点
 ドラゴンが4体取れたのに実質2色だからなー!かーっ!つれーっ!
 そこに颯爽と現れる救世主、精霊龍のるつぼ!
 という武勇伝を語るために入れるというなら止めはしない。武勇伝を作る以外の目的でデッキに入れるのはやめておこう。

 
 運命再編のコモントップ10
 10.《チフス鼠/Typhoid Rats》
 9.《圧点/Pressure Point》
 8.《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》
 7.《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》
 6.《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
 5.《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》
 4.《払いのけ/Whisk Away》
 3.《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》
 2.《影の手の内/Reach of Shadows》
 1.《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
 
 数日後レビューを見直してみると、コモンの評価が変わることがある。セットのレビューをしていて面白いことの一つだ。ポッドキャストのリミテッド・リソース(Limited Resources)で、マーシャル(Marshall Sutcliffe)と下のセットレビューをしていて、考えを改めたことがいくつか。特に《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》については評価が低すぎたし、《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》は評価が高すぎたと思う。とはいえ、今後セットと長らく付き合っていく中で、カードの評価は上下するだろうけどね。
 http://lrcast.com/limited-resources-267-fate-reforged-set-review-common-and-uncommon/
 (数時間ばかりヒマならこちらをどうぞ)
 
 《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》が文句なしの一位。あまりに手軽な1:2交換が取れるのは見逃せない。低マナでマナ効率的にも素晴らしい。次が《影の手の内/Reach of Shadows》。確定除去はとても重要だ。3位以下はぐっと価値が落ちるけれど、面白いことにトップ10に赤いカードは1枚あるだけで、緑に至っては0枚だ。俺が間違っている可能性はあるが、局所的な間違いがちらほらあったとしても、赤と緑のコモンが、他3色にカードパワー的に大きく水をあけられているのは間違いないと思う。それはつまり、レアやアンコモンから入るのがドラフトの上等だとすると、初手が赤や緑でなかった人は、赤や緑に食指が伸びにくいということだから、色の強弱と人気不人気のバランスは面白いことになりそうだ。
 
 来週は構築のレビューをするよ。それまでプレリリースを楽しんでくれ!ジェスカイをやろうかなと思ってるけど、運命に任せてみるとしようか。
 
 
 
 LSV
v◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 緑 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Green
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月15日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-green/
 
 
《荒野の地図作成/Map the Wastes》
 リミテッド1.0点
 序盤に唱えて鼓舞を無駄にするか、終盤唱えて加速を無駄にするかの2択か。宝の地図には見えないね。ほとんど劣化戦旗。まあその戦旗からして弱いんだけどね。
《大地への回帰/Return to the Earth》
 リミテッド0.5点
 エンチャント、アーティファクト、飛行クリーチャー……どれも限定的すぎて、メインに昇格するほどではない。とはいえサイドボード要員としては中々使えるかも。
《無情な本能/Ruthless Instincts》
 リミテッド1.5点
 +2/+2修正とトランプルがつくのはいいけど、攻撃クリーチャー限定のモードなのが気に食わない。戦闘以外で撃たれる除去に対しては守ってくれないし、ブロッカーとして接死と到達がつけられても、片方の選択肢が選べない埋め合わせになるほどではない。どちらの選択肢も好きになれない。柔軟なカードは様々な状況に対応できることが売りなのに、片方が弱すぎて実質柔軟なカードじゃなくなってしまっている。
《砂草原のマストドン/Sandsteppe Mastodon》
 リミテッド3.5点
 俺は重くて豪快なカードが大好きだが、どうせ7マナのクリーチャーを使うならこういう奴を採用したいね。砂を噛むようなバニラとは一味違う。到達もついているし、実に5個ものカウンターを即座に乗せるから、鼓舞されたクリーチャーですぐに殴ることができる。最悪でも7マナ10/10到達だから、強いカードだよ。
《巫師の天啓/Shamanic Revelation》
 リミテッド2.0点
 是非仲良くしたいカードだけど、実際のところは結構博打だと思う。使うなら3体以上はクリーチャーを並べたい。不可能ではないけれど、安定してできるかは難しい。ライフゲインのおかげで、引いたカードを使う時間が確保されてるのはとてもいい。天啓に寄せた構築は十分可能だと思う。スフィンクスでも巫師でも、天啓を与えられるとドローができてライフも回復する。中々面白いね。
《突然の再利用/Sudden Reclamation》
 リミテッド2.5点
 単なる探査の餌と思いきや、多様なアドバンテージを産み出すカードパワーの高いカード。もっともアドバンテージが取れるせいで、肝心の探査デッキがこれを拾える確率が下がったともいえる。カードを4枚落とせば、大体クリーチャーと土地は落ちるだろうし、それ以前にお亡くなりになったクリーチャーも回収できる。中々優秀な選択肢だから、強いクリーチャーの入ったミッドレンジ的なデッキなら、まず入れて間違いは起きない。そして緑のデッキは、デカい強いクリーチャーの入った中速~低速デッキになりやすい。もちろん、墓地を色々弄り倒すデッキならもっと強くなるけど、墓地を使わないからといってスルーすることもないよ。
《ティムールの呪印/Temur Runemark》
 リミテッド1.5点
 この手のカードが最も不要なのは緑。いいからやめとけ。
《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth》
 リミテッド4.0点
 ティムールの剣歯虎がいてマナが立っていたら、もう大惨事になること間違いなし。生きてターンが返ってきたら、全てのクリーチャーが守られた状態になる。相当厄介だよ。お手軽に破壊不能も付けられるし、破壊不能になった上クリーチャーを回収し出すからね。除去をよけつつ、無敵のブロッカーであり、戦場に出たときの能力を再利用し始める。その上予示も回収可能だ。これだけの仕事をしながら4マナ4/3という性能。何枚でも欲しい。
《ティムールの戦巫師/Temur War Shaman》
 リミテッド4.5点
 6マナ4/5に2/2がついてくるだけでもかなりの高評価だが、こいつは更に続きがある。2/2がそれ以上の何かに変身する可能性があるのみならず、上手くいけばタダで何回も《闘技/Pit Fight》ができる。変異も間接的に強化されるから、戦巫師が生き残っていれば一方的に相手のクリーチャーを何体も討ち取ることが可能になるかもしれない。しかもルール無用の残虐ファイトですらないから、デメリットは全くない。
《始まりの木の管理人/Warden of the First Tree》
 リミテッド4.0点
 色マナの問題が無ければ強力無比なカードだ。あっさりと3/3になったかと思えば、数ターン後には絆魂とトランプルがついて、更に数ターンが経過するともはや手の付けられない怪物へと変貌する。何回も表になれる変異みたいなものかな。しかも表にするたびにより強力な選択肢が出るというね。
 
 能力を何度も起動したら、8/8とか13/13絆魂に育つんだから超強力だと思う。色拘束はかなり厳しいから、あまり森の数を多くしすぎないようにしたい。でもそれさえ気を付ければ大丈夫なはずだ。別に1ターン目に出なくても強いから、マナ基盤を考える際、絶対に1~2ターン目に出せるようにする必要は必ずしもないだろう。
《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
 リミテッド3.0点
 5~6マナあって使い道のない緑デッキとか、ドラフトでお目にかかったことがない。勿論上のマナ域に行くのは早ければ早いほどいいね。2ターン目に出したらまさに加速。相手より先に変異が解除できて大満足。後半になったら2マナ出るようになるのも無意味じゃない。俺みたいに毎回ちゃんと強い重いところを用意すればしっかり仕事をこなす奴だよ。
《囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental》
 リミテッド4.5点
 まるで予示のバーゲンセールだな。囁きの森の精霊は、最初の能力で毎ターン次々予示を産み出すだけでも十分に強い。それに乱闘をやらかしたとき、生贄にして更に2~3の予示を追加するのは圧倒的だ。流すことは考えられないし、こいつを出されて押し切るのはかなり厳しい。
《野生呼び/Wildcall》
 リミテッド4.0点
 下限は2マナ2/2で、もっともっと上を目指せる強カード。Xマナ呪文にしては珍しく、何マナで唱えてもマナ効率に優れ、序盤中盤終盤隙が無い。その上、予示で飛行や絆魂のついたクリーチャーをめくったりしようものなら一騎当千の戦力になるだろう。
《カル・シスマの風/Winds of Qal Sisma》
 リミテッド1.5点
 《濃霧/Fog》自体は強力なものの、使いどころの限られる効果だが、コンバットトリック的に使えるとあらば話は変わってくる。《濃霧/Fog》はメインに入れず、使うときもサイドボードから入れるだったけれど、パワー4が何枚も入ったデッキならメインに入れても遜色ないだろう。全く使いどころがなくて腐ることもあれば、感動的な戦果を挙げることもあるだろうから、入れるかどうかは事が都合良く運んだ場合と、そうでない場合を天秤にかけて決めよう。
《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》
 リミテッド4.0点
 普通、緑は強レアに恵まれない色なんだが、理由はともかく歓迎したい。ヤソヴァは単体でも強力なアタッカーだ。とはいえ単身で乗り込んだら大体何とでも相討ちだから、大体は能力を使いながら殴ることになるだろう。
 
 それ以上に強みなのは毎ターン、相手に反逆して雪崩れ込む選択肢をちらつかせることだ。しかも変異を奪えば裏側を確認できるおまけつきだし、緑といえばサイズを上げる強化呪文には事欠かないから、相手の一番デカいクリーチャーを奪って強烈な一撃をお見舞いすることもできるだろう。赤か青のマナが無いと真価は発揮できないから気をつけて。あと、できれば前のめりなデッキで使いたい。最後にちょっと注文を付けたけど、条件が合えばかなりの破壊力だよ。

 
 緑のリミテッドコモントップ5
 5.《開拓地のマストドン/Frontier Mastodon》
 4.《無形の育成/Formless Nurturing》
 3.《残忍なクルショク/Feral Krushok》
 2.《荒野の囁く者/Whisperer of the Wilds》
 1.《弱者狩り/Hunt the Weak》
 
 緑のコモンはパッとしないね。とはいえ良質なマナ加速、除去にクリーチャーと、大体欲しいところは揃っている。緑は本当にアンコモンやレアが強いから、1パック目で緑に行きたくなることも多いと思う。タルキール覇王譚であったアーキタイプは、どれも入りそうなカードが追加されたものの、タルキール覇王譚と比べると少しぼんやりしたカードが増えたように思う。まあ、普通なことなんだけどね。
 
 次はまだレビューしてないところを見て、セット全体のコモントップ10を出してそれで終わりかな。残念ながら、コモントップ10には赤も緑も入らなそう。
 
 
 
 LSV
◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 緑 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Green
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月15日
 
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 他の色同様、緑も色々なテーマのカードが存在しているものの、これまでで最も調和を見せている色かもしれない。鼓舞、獰猛、探査、それに長久も相まって、巨大クリーチャーもいれば普通のクリーチャーを大きく育てることもできる。よりどりみどり選び放題でみんな幸せだ。全体的にみると守備的、つまり他の色よりも重いカードが強い傾向にある。では個別のカードを見ていこうか。
 
《アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster》
 リミテッド3.5点
 毎ターンマナ不要でカードを引けるカードが弱いはずがない。しかも《アブザンの獣使い/Abzan Beastmaster》の場合、条件もさほど厳しくない。要求されるのはそこそこのサイズのクリーチャーが場にいること、たったそれだけだ。緑には容易いこと。最も高いタフネスのクリーチャーとあるものの、複数体のうち1体でもコントロールしていれば引けるのもポイントで、変異が横にいるだけでも引けたりするのは素晴らしい。生かしてはおけない3マナ域クリーチャーだね。
《アブザンの族護衛/Abzan Kin-Guard》
 リミテッド3.0点
 《丘巨人/Hill Giant》の強い環境ではないが、絆魂がつくかもしれないとあればぐっと採用しやすくなる。目安はデッキに白黒のパーマネントが合わせて6枚~あればいいだろうか。アブザンでは緑のパーマネントが多くなる傾向にあるので、少し肩身が狭く感じるかもしれない。こいつを確保したら、少し他の色に手を広げるよう意識しよう。
《アイノクの先達/Ainok Guide》
 リミテッド1.5点
 普段なら選択肢のあるカードは大好きなもので、こいつも好きになろうと努力してみたんだが、どちらのモードでも唱えたくない。1/1で次のドローを土地にするのはアドとはいえないし、2マナ2/2は別に強くもなんともない。必要なときに1/1で唱えることもあるだろうし、それはそれでいいんだが、マナが溢れてる場合にもっと強い状態で場に出てほしいんだ。マナ安定要素には違いないから、過大評価されると思うけど、ドラフトならできれば土地を確保して、使わないで済むようにしたい。緑は一番2マナ2/2の必要ない色で、こいつはイヌに見えて熊そのものだ。
《待ち伏せクロティク/Ambush Krotiq》
 リミテッド1.0点
 これほど弱いクリーチャーは類を見ない。どんなクリーチャーであれ、リミテッドでは戦闘に参加できるだけである程度使えるものだが、重たいフレンチ・バニラクリーチャーで、デメリットまでついているというのは、変異環境において見向きもされない類の生物だろう。こいつのスペックは、普通のセットにいても格別強いというわけでもないしね。こいつが待ち伏せてる獲物は、うっかりデッキに入れてしまうプレイヤーだと思うよ。
《アラシンの軍獣/Arashin War Beast》
 リミテッド1.5点
 緑は重いクリーチャーが強いと言ったな。あれは嘘……じゃないがこいつのことを言ったんじゃないよ。かろうじてバニラではない意地を見せてるものの、除去にもバウンスにも弱い上、相手がダメージを通したら能力は誘発しない。できれば使いたくないね。
《カルシの射手/Archers of Qarsi》
 リミテッド1.0点
 既に膝に矢を受けてるんじゃないかと思うような弱さ。メイン採用は絶対にしないようにしたい。4マナで変異と相討ちというだけで弱いのに、攻撃に参加できないんじゃ、同じ頭でっかちの《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》なら速やかにゲームを終わらせられるところを指をくわえて見てるだけかい。サイドボードから飛行対策に入れる用途なら許せる。だからといって優先的に取る必要は全くないけどね。
《戦線クルショク/Battlefront Krushok》
 リミテッド1.5点
 怯えろぉ!竦めぇ!クリーチャーの性能を生かせぬまま死んでいけ!!
 アルファベット順にレビューしてるだけなんだが、なんかサイズも能力も微妙なクリーチャーが続いてるな。
 こいつの場合、もっと5/5とかサイズに恵まれていたら、ダブルブロックされないというのは結構大きかったんだが。環境柄、3/4は大して大きい方じゃないからね。カウンターの乗ってる自軍に同じ能力を付与できるけど、本体性能の埋め合わせになるほどじゃない。
《隠匿物の防衛/Cached Defenses》
 リミテッド1.5点
 《神性変異/Divine Transformation》みたいな+3/+3修正を与えるオーラにすら劣るカード。立ち消えこそしないけれど、解決後にカウンターが乗ったクリーチャーをバウンスなり除去なりする分には制限がかからず、オーラと違って好きなところに貼ることができない。まず+3/+3修正をつける3マナのオーラと考えても別段強くない。これが仮にオーラだったとしても、使わない方がいいとコメントするところだ。アブザンで長久シナジーを究められたならワンチャン、あるいは他に入れるものが無ければ入れてもいい、くらいかな。でも普通は入れないよ。
《破壊するドラゴン/Destructor Dragon》
 リミテッド3.0点
 名前は頭が悪そうだけど、カードそのものは結構高性能。緑は他のどの色より飛んでるフィニッシャーが欲しい色で、かつ飛行には恵まれない色だから、それに中々の能力がついてるとあれば全く申し分ない。6~7ターン目などになって土地を壊してもそこまで影響しないと思うかもしれないが、多色環境においては普通の環境よりも土地破壊が堪えることは多い。この環境は、後半までマナの使い道が色々あるし、一色潰してやることだってできる。
《残忍なクルショク/Feral Krushok》
 リミテッド2.5点
 こいつにも結構立派な角がついてるように見えるんだが、《大角クルショク/Great-Horn Krushok》とは一体何だったのか。「頭痛が痛い」とか、《残酷なサディスト/Cruel Sadist》的なやつか。それはともかく、マナレシオがいいから他のバニラより好感が持てる。5マナだからたくさん取るのは勧められないが、メインに入れて恥ずかしくない強さだと思うよ。
《無形の育成/Formless Nurturing》
 リミテッド2.0点
 基本《丘巨人/Hill Giant》で、たまに強いクリーチャーとして表になれるなら採用してもいい。相手をビビらせるほどではないけどね。緑は果敢を活用する色ではないから、その点で価値が落ちるのは否めない。でもアブザンの長久要素を組み込めれば、それはそれで嬉しいね。
《開拓地のマストドン/Frontier Mastodon》
 リミテッド1.5点
 この環境で3マナ3/2バニラを喜んで採用するとは思えない。こいつはただの3/2と大差ないしね。4/3で出てくることもあるけど、その頃には3マナ4/3もちょっと強い程度がほとんどだろう。頭数を合わせるのにはいいけれど、それ以上は期待できない。
《開拓地の包囲/Frontier Siege》
 リミテッド1.0点
 包囲の中では最弱。他の包囲がぶっ飛んでるだけに、緑スキーは憤りを感じるかもしれない。毎ターン緑緑が出るのは強いけれど、加速したいのは5マナから7マナとかじゃなく、もっと下のマナ域なんだよな。5ターン目、5マナクリーチャーと4マナクリーチャーを同時に出せたら強そうではあるけれど、それなら包囲を出すターン、包囲の代わりに4マナクリーチャーを出せばいいよね。龍のモードは更に弱い。緑にそんな飛行クリーチャーがいると思ってるの?よしんばいたとして、十分なサイズがあると思うか?これ以上話すのは誰かに委託するとしよう。
《始まりの木の果実/Fruit of the First Tree》
 リミテッド0.5点
 オーラをでかいクリーチャーにつけて、しかもその上そいつがそのまま死ぬ必要がある……4マナあればもっと有意義なことができるんじゃない?状況依存だし、即効性もないし、相手のあらゆる干渉手段に引っかかる。
《弱者狩り/Hunt the Weak》
 リミテッド3.0点
 相手のクリーチャーを除去しつつカウンターを載せるのは、間違いなく4マナの価値がある。こちらに都合のいい格闘ができるよう、下準備をするのもそこまで大変ではないだろう。どんなデッキでも使えるわけではない。運用するにはクリーチャーが少なくとも13体は必要だし、格闘向きのデカいクリーチャーも必要だ。マナが立っているとき、相手の変異に対して仕掛けるのは気を付けて。というかマナが立ってるときは何でも慎重に。相手がフルタップのときを狙える瞬間は結構あるはず。しっかり狙っていこう。

◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 赤 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Red
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月14日
 
 http://www.channelfireball.com/home/fate-reforged-limited-set-review-red/
 
 
《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
 リミテッド3.0点
 その踵にロケットパンチ!殴るデッキでさえあれば、いつ引いても嬉しい一枚。4ターン目に出してもいいし、後半疾駆で使ってもいい。この手のコモンは、ライフが減ってきたらケアしてプレイすべきだろう。ライフ総量が5点で相手に2/2がいたら、ブロッカーは複数立てておきたい。ドラフトで《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》を複数枚流したようなときは特にね。
《突き刺し豚/Gore Swine》
 リミテッド2.0点
 豚のような悲鳴をあげろ。
《謙虚な離反者/Humble Defector》
 リミテッド2.0点
 中々気に入った。見た目は両陣営に恩恵を与える能力がついてるだけの、パッとしない2マナクリーチャーに過ぎないが、バウンスや《再集中/Refocus》を相棒に用意してやれば、カードを引く機械になれるからね。そんな手間をかけてまでカードを引きたがるアド厨……一体何者なんだ。
 
 そんなコンボ要素は1枚くらいあればいい(相方は《再帰の儀式/Rite of Undoing》が最適だろうか)。2マナ2/1のままでもまあ使えなくはない。何らかのコンボができればかなり凄いことができるだろうし、2枚とか取れればそれはもうアド厨大歓喜よ。
《空腹なイエティ/Hungering Yeti》
 リミテッド2.0点
 確かに空腹だと、瞬速で食べ物に飛びつきたくなるよな。分かるよ。瞬速がつけば奇襲的に使えて強いものの、対応する色のパーマネントが並ばないデッキではショボい。この環境も例に漏れず、予想しないタイミングで色々降ってきたりするけれど、こいつはその中でも大惨事を引き起こす奴だ。マナが残っている状態だと、いつでも変異を一方的に返り討ちにできるようなサイズでないのが残念。点数が低いのはそういった事情も反映しているよ。
《稲妻の金切り魔/Lightning Shrieker》
 リミテッド1.0点
 まず5マナ5/5飛行・速攻のドラゴンがコモンとして刷られたのに驚きだが、まさかそんな高スペッククリーチャーをセット内最弱のコモンの一つと言う日が来るとは想像もしなかった。コモンにいること自体は納得だけれど、そこまで強くはないよね。要するに除去や飛行ブロッカーで防がれてしまう《溶岩の斧/Lava Axe》で、墓地に落ちる代わりにライブラリーに混ざるというだけ。溶岩の斧を使うデッキじゃなければ不要だし、使うデッキだとしても必ず入るカードじゃないよ。
《マルドゥの呪印/Mardu Runemark》
 リミテッド1.5点
 先制攻撃がつけば最低でも道をこじ開ける手段にはなるし、赤だから他のどの色より攻めたいのも手伝って、まあ使ってもいいんじゃないだろうか。個人的には、飛行は言わずもがな、警戒よりも見劣りするかもしれないくらいだが、カラーリグ的にこの手の効果はあってもいいよね。
《マルドゥの斥候/Mardu Scout》
 リミテッド2.0点
 素出ししても良し、疾駆も軽くて良しと結構好きかも。イラストも中々いい感じだ。軽くて他にも何か唱えられるような疾駆付きのカードは強襲との相性も良い。同一ターンに複数何かする前提だと、2マナと3マナの違いは大きい。2ターン目に出しても強いし、追加ダメージを稼げそうなターンに走らせてもいい。どちらの使い方でも《アリーシャの先兵/Alesha’s Vanguard》の上位互換みたいな仕事をやってのけるよ。
《群衆の掟/Mob Rule》
 リミテッド3.5点
 重ねて強いカードといえば、《脅しつけ/Threaten》の右に出るものはないね。1枚で2体分攻防のバランスが変わるから、複数あったときの効果は更に強烈(こちらは1体攻撃クリーチャーが増えて、相手は1体ブロッカーが減る計算)。だから複数体奪えるようなカードは敬意を払って見るべき。もっとも反逆系のカードを使いたいと思うようなデッキ構成にしないといけないけどね。攻撃的なデッキを作るのに、初手これから入るなんて素敵じゃないか。
 
 奪えるクリーチャーが1体というような盤面のときもあるだろうけれど、3体とか反逆させられるときもあるから、埋め合わせとしては十分。選択肢を見る限り、たくさん奪えることの方が多そうだしね。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》
 リミテッド4.0点
 毎ターン《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》の+0能力が使えるなら、カード1枚分の投資しても見返り十分。特にゲームが長引くようなときに最適だね(4マナ揃ったときにすぐ出せばかなり相手を突き放せるし)。それだけでも強力だけど、まだテキストは続くんだな。龍のモードを選べば、消耗戦を挑んできた相手に悪夢を見せてやれるだろう。とはいえ龍のモードを選ぶ場合、十分クリーチャーが並んでいる必要はあるけどね。とにかく素晴らしいので見たら取ろう。
《発火/Pyrotechnics》
 リミテッド4.0点
 確かに昔の環境で、最強の一枚として名を馳せていたこともあったよ。今ではかつてほどの支配力こそないものの、それでも十分に強い。1:2交換はそれほど労せず取れるだろうし、3体撃ち落とせたなら、ハイ!ニィ!ヤッ!のポーズをとって踊りだしそうな気分になるだろう。
《憤怒変化/Rageform》
 リミテッド3.0点
 4マナ2/2二段攻撃だけなら、2/3や3/3と相討ちするだけなのでそこまででもないから、《光変化/Lightform》や《雲変化/Cloudform》と比べると少し見劣りする。とはいえ他の変化同様、予示がクリーチャーをめくったら大変なことになるぞ。回避能力や4/4以上のクリーチャーでも伏せようものなら、夢が広がること間違いなし。
《大いなる狩りの巫師/Shaman of the Great Hunt》
 リミテッド4.0点
 《地獄乗り/Hellrider》や《オキシド峠の英雄/Hero of Oxid Ridge》といった赤い4マナの先輩の例に漏れなく、序盤から動いてこいつまで繋げたら勝てるクリーチャーだ。こいつは単体で強く、周りの連中も強くする上、終盤にはカードまで供給してくれる。早い段階で顔見知りになれたなら大体のゲームは勝てるだろう。
《電撃顎のドラゴン/Shockmaw Dragon》
 リミテッド2.5点
 残念ながら、サイクルの他の色を顎で使えるほど強くはない。相手のクリーチャー全部に1点ダメージは悪くないとはいえ、まず攻撃を一発通さなきゃいけないというのは、《有毒ドラゴン/Noxious Dragon》などの能力と比べると今一つ。6マナのクリーチャーを出して、それが生きたままターンが返ってきたうえに攻撃まで行けたなら、それ自体結構優勢ではあるよね。
《くすぶるイフリート/Smoldering Efreet》
 リミテッド1.5点
 俺は2マナ信者じゃないので、死んだら飼い主に噛みつくような2マナを寄越すのはやめてほしい。それでも赤で攻撃的なデッキは2マナ域をかき集めたいものだし、被ダメージなど気にしないから、好きなだけ取るといいと思う。俺の分まであげるよ。
《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》
 リミテッド1.5点
 使用先が大きいことを前提にするコンバットトリックは好みじゃない。とはいえどのくらいダメージが出せるか、期待させるような効果なら、使いにくさも和らぐというもの。獰猛じゃなけりゃトランプルはついても大した意味はないから、獰猛してるときにトランプルがつくのは、痒いところに手が届いていていい感じだ。もしかしたら第一印象ほど使いづらくはないのかもしれないね。巨大クリーチャーがたくさんいるデッキのフィニッシャー扱いにできるかも(とはいえデカブツの多いデッキなら、そもそも別途フィニッシャーは必要でないというのは断っておきたい)。
《蔵破り/Vaultbreaker》
 リミテッド2.5点
 リミテッドで壊れとはとても言えないが、4/2で最低1回はルーター能力が使えて、後半がら空きのボディに疾駆でダメージを与えられるイケメンだ。それで十分。いつでも取るよ。
《乱撃斬/Wild Slash》
 リミテッド3.5点
 あまりの点数に《ショック/Shock》を受けるかもしれないけど、たった1マナで変異を倒せるインスタントというのは、あまりに高性能すぎる。ダメージを軽減できない云々は、基本的にフレイバー・テキストか、構築用のインクの染みとでも思っておけばいいが、後手の2ターン目相手の変異を処理して展開で追いついたり、先手4ターン目に変異を展開しながら相手の変異を除去するような動きをすれば、かなりの盤面で優位に立つことができる。《消耗する負傷/Debilitating Injury》もかなりのものだったけど、負傷を圧倒的に上回っているね。

 
 赤のリミテッドコモントップ5
 5.《突き刺し豚/Gore Swine》
 4.《マルドゥの斥候/Mardu Scout》
 3.《激情の発動/Fierce Invocation》
 2.《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
 1.《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》
 
 うわっ…赤のコモン、弱すぎ…?食指が伸びるのは《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》と《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》だけ。それにしても渋々といった感で取ることになると思う。軽くて4/1と3/1とか、速攻&ブロック不可とか、アグロ御用達のカードはあるものの、カードパワーの低さを帳消しにできるほどではない。いつも通り、アンコモンにはかなり強いものも混じってるから、赤をやるなら強いアンコモンかレアから入るか、流れてきた強いアンコモンなどで色替えするか。とにかく流れより強いカードで参入した方がいいかもしれない。変な感じだね。まあ赤のコモンが弱いのはよくあることだから……。
 
 
 
 LSV
 
 明日も11時にレビューをアップするよ。次は緑だ!
◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 赤 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Red
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月14日
 
 http://www.channelfireball.com/home/fate-reforged-limited-set-review-red/
 
 赤といえば、真っ先に調べるのは《ゴブリンすべり/Goblinslide》との相性だよな!今回はいったい何枚がゴブリンすべりを誘発させられるだろうか。次に《ゴブリンすべり/Goblinslide》無しの強さを検討していくよ。面白くはないかもしれないけど、レビューだしね。黒に続いて、赤もまた疾駆のある色だ。疾駆付きの赤いクリーチャーは大好きだ。火力も優良どころから、ちょっと使わない方がいいようなものまであるから、早速見ていこう。
《死に微笑むもの、アリーシャ/Alesha, Who Smiles at Death》
 リミテッド3.5点
 最速でも5ターン目、現実的には6~7ターン目まではそうブロックされないんだから、そりゃさぞかし笑いが止まらないことだろう。それだけでもかなりのダメージを取れる。能力を計算に入れなくてもこれだけの強さだよ。能力は残念ながら、どんなデッキでも釣り上げる対象がたくさんいるわけではないし、攻撃状態で出てきても即死するだけだろうから、そんなに評価が変わるわけではないんだけどね。《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》など強襲クリーチャーとの相性がいいから、強襲って書いてあるカードが数枚拾えれば、思わず口元が緩むこと請け合いだ(少なくとも、おもむろに墓地を確認したりとか色々ね)。
《電弧連鎖/Arcbond》
 リミテッド3.5点
 あまりに評価するのが難しいもので、奥の手として、最近身体を鍛えてるらしいヒューイ(William "Huey" Jensen)に助言を仰ぐことにした。ヒューイ曰く、まあ強いんじゃないの?とのこと。俺もそう思う。クリーチャーとプレイヤー全部に5点ダメージをばら撒けるだなんて。ここぞというタイミングで使えば、3点をばらまくのでも十分強力だろう。
 
 強いか弱い分かりにくいのは、これを使うタイミングがどのくらいあるか、今一つ見えてこないのが一因だと思う。引き金を引くのはこちらというのが強みだ。俺とヒューイがこれを評価してるのもそこだね。対象にするのはどのクリーチャーでもいいから、とにかくクリーチャーにダメージが与えられる瞬間であれば、状況は問わない。引き起こされる大惨事は使う側だけに見えているから、上手く相手をハメてやればいい。巻き添えで死にそうなクリーチャーは出さないで持っておくとか、巨大クリーチャーをブロックして大ダメージをばら撒くとか、小粒なクリーチャーで特攻して一掃したいとか色々ね。
 
 強さにムラのあるカードではあるし、思った通りの使い方をするには仕込みも必要だけど、見返りは十分にある。リミテッドで見たら是非使って練習しておくべきだと思うよ。そもそもレアは使う機会が滅多にないし、この手のカードは使い方に習熟すればするほど、使いどころが見えてくるはずだ。
《龍火浴びせ/Bathe in Dragonfire》
 リミテッド3.0点
 《炎の斬りつけ/Flame Slash》に並ぶ4点火力。悪くない。
《沸血の処罰者/Bloodfire Enforcers》
 リミテッド1.5点
 《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》にはときめかないって言ったけど、覚えてるかな?こいつは工夫を凝らさないと劣化《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》だ。でも赤いデッキでこいつを使おうと頑張っても、おそらく他のプレイヤーは張り合ってこないだろう。5/2先制攻撃・トランプルになったらかなり強いから、インスタントとソーサリーがそれぞれ4~5枚ずつ入っていれば化けるかもね。
《戦線突破/Break Through the Line》
 リミテッド1.0点
 採用するかどうか検討以前の問題として、パワー2のクリーチャーが山ほど必要だ。ブロック不能にするためだけに赤マナを払うってのは気に食わない。ブロック不能に速攻がついても大差ないと思う。でもドラフトを山ほどやれば、中には1回くらい赤いデッキで勝ちを拾ってくれるかもしれない。だから点数もそれなりにしてある。普段は0.0点でも、稀に色々と条件が噛み合った場合だけ4.0点級の働きをしてくれるカードだから、堂々の1点だ(純正2色のデッキで、これを使って走らせることのできるクリーチャーが8体以上いるような場合かな)。
《巻き添え被害/Collateral Damage》
 リミテッド1.0点
 使ってはみるつもりだけど、多分お勧めできない。クリーチャーを生贄にする必要がある割に、そこまでマナコストが割安になってるわけでもないしね。《反逆の行動/Act of Treason》が複数枚あるときだけ、単なる火力からコンボパーツに昇格するから採用してもいい。飛行を撃ち落とす手段が他になくて、サイドボードから入れる分にもありだとは思うけど、特別嬉しくはないね。適当に入れたらこちらばかり被害が拡大するぞ。
《反抗するオーガ/Defiant Ogre》
 リミテッド1.5点
 サイクルの他の連中と見比べるにつけ、どうもこいつは既に「デッキに入れる人に反抗」するモードで選択完了しているようだ。6マナ4/6は大したことがないし、破壊したいアーティファクトもパッと見まわしてそう見当たらない。サイドボード要員としては使えるし、22~23枚目のカードとして入れる分にはいいが、所詮その程度だ。
《龍怒/Dragonrage》
 リミテッド1.5点
 攻撃クリーチャーは+1/+0の修正を受けるとほぼ同義だけど、修正を振り分けられるのは中々興味深い。残った赤マナも注ぎ込むことができるものの、《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》のようなダメージを稼ぐ呪文として見るとイマイチだと思う。どちらかというと、攻撃クリーチャーが確実に相討ちを取れるようにする呪文と思った方がいいだろう。5~6点相手に追加ダメージを入れたりもできるだろうし、そういう意味ではコンバットトリック兼本体火力とみなすこともできるね。
 
 この手のカードを入れるようなデッキは全力で攻めたいから、ラッパと比べると見劣りするが、それでも横に広げられれば十分労力に見合った効果の得られるカードだ。先制攻撃付きのクリーチャーをかき集めればちょっとだけ強くなることも覚えておいていいだろう。
《激情の発動/Fierce Invocation》
 リミテッド1.5点
 5マナ4/4は平均より少し劣るし、予示でクリーチャーがめくれる可能性を含めても評価が大きく変わるとは思えない。5マナ域として採用できなくはないものの、この手の有象無象はドラフトで早く押さえたいカードじゃない。果敢を誘発できるのはいいけれど、果敢デッキだと予示先がクリーチャーでないこともあるから、結局のところ一長一短だ。
《炎駆の乗り手/Flamerush Rider》
 リミテッド2.5点
 疾駆で走らせたら戦闘の計算を大きく狂わせられるだろう。コピーしたいクリーチャーがあるなら、普通に唱えるよりも疾駆した方が良いと思う。戦場に出たとき何か能力を誘発させるクリーチャーをコピーできれば、さぞかしいい夢が見れるだろう。でも何か、適当に4/4でもコピーするだけでかなりのダメージを叩きだす。蹂躙されたと感じるときは、大体こういうカードが絡んでるものだ。
 
 もちろん、カードにオーバーキルな性能を求めるのは筋違いだけど、疾駆がついているおかげでかなり面白い一枚に仕上がっている。特に下準備無しでも7~8点くらいのダメージは平気でもぎ取っていくから、局面をひっくり返すにも十分だ。
 
 強さはコピーを出すことに依存しているから、クリーチャー密度の低いデッキでは強さが色褪せてしまう。デッキによっては入らないこともあると思うよ。
《炎跡のフェニックス/Flamewake Phoenix》
 リミテッド3.5点
 相手限定の《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》を置くようなもの。毎ターン2点のクロックを刻む上、除去でも止まらない。リミテッドとて攻撃的に出るデッキばかりではないものの、カードパワーは折り紙つきだから、早い段階で見たら取って殴りを意識しよう。死んだときのために、パワー4のクリーチャーを少しは入れておくのを忘れずにね(楽しいことがしたければ、生贄用の弾丸として使ってもいいね)。
《味方からの誤射/Friendly Fire》
 リミテッド 人間力
 シャハール(Shahar Shenhar)が使ったら、世界選手権3連覇も夢じゃない。自信のない人にはお勧めできない。俺もちょっと、運がいいかといわれるとちょっと。7点ダメージを与えつつ5マナのクリーチャーを倒せることもあれば、変異を対象にしても空振りに終わることもあるだろう。普通、リミテッドで手札に関する情報はほとんど出ないから、まあ博打だ。終盤まで我慢したり、バウンスすることで確率を少し上げられるものの、手札に土地を温存されるだけで効果的に撃退される。用心深いプレイヤーほど大体土地を握ってるんだよな。

◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Black
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月13日
 
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《宮殿の包囲/Palace Siege》
 リミテッド4.0点
 張った返しで即死でもしない限り、包囲したらまず負けないだろう。しかも即死するのを防ぐようなモードすら持ち合わせているから凄い。既に押されているか、押し負けそうなのであれば、2点のドレインでライフを危険域から遠ざけることができるし、死なない程度に守りながらもちくちく殴る余裕すら生まれるだろう。墓地が肥えてるなら、毎ターンクリーチャーを回収するのもいい。ライフが最優先事項でないゲームでも強く使えて素晴らしい(実際、ライフ総量が最重要ということはあまりないからね)。
《カルシの高僧/Qarsi High Priest》
 リミテッド1.5点
 能力を活用するために、小粒なクリーチャーやトークンを出すカードが欲しい一方、予示でめくりたいのは大物をというのがちょっと矛盾してるけれど、お膳立てしてやれば十分使用に堪えると思う。能力起動のコストも見返りも大きくはないが、おかげでほとんどのデッキには不要で、隙間需要を満たすいいカードに仕上がってると思うよ。
 
 ああ、除去の多いデッキに対してのサイドボードとしても優秀だ。こいつを除去してくるなら、1マナのクリーチャーに除去を使わせたということで良し。他に除去を撃つなら、予示に変換してやればいい。
《影の手の内/Reach of Shadows》
 リミテッド3.5点
 ゲームを手の内に収めるためには、この上なく重要なカードだと思うね。こんなに高い点数をつけているのは、確定除去がかなり貴重だからだ。他の5マナ域同様、1,2枚あれば優先度はぐっと下がるものの、ほぼ何でも除去できるというのはこの上なく頼もしい。テキストはかなり歯切れが悪いけど、予示や変異といった裏向きのクリーチャー、それにアーティファクトクリーチャーを破壊できないというのは、ゲーム的に重要だから仕方ない。
《シブシグの徒党/Sibsig Host》
 リミテッド1.0点
 チェンジで。
 俺が呼んだのは《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》だったはず。能力にしても、相手も探査を利用できるんじゃメリットとは言い切れないし。
《シブシグの泥浚い/Sibsig Muckdraggers》
 リミテッド2.0点
 探査カードでも重い奴ほど、探査を使えるようにする準備も必要だし、墓地利用が被るせいで枠を喰いあってしまう。軽いのほど気軽に使えないね。こいつは強力なカードだけれど、代わりの選択肢はたくさんあるから早めに取りたくない。軽いカードを優先させる方が上手くいくことは多い。思い切り探査を使いたい一方で、戻すためのクリーチャーも残しておかなきゃならないというのは面白いね。実質見えてるマナコストより1マナ重いようなものだけど、この1マナがまた大きそうだ。
《魂剥ぎ/Soulflayer》
 リミテッド4.0点
 最悪6マナ4/4バニラではあるが、それでもまあ使えなくはない。色々噛み合った場合、2マナ4/4でやたらと能力がくっついてるイカれたカードになる。能力が2つもついてれば上出来だね。
 
 重要さの順に並べると、飛行・絆魂・呪禁・速攻あたりがついていてほしいだろうか(他の能力が得られる前提なら呪禁が一番嬉しいけれど、飛行や絆魂がついてない状態で呪禁だけついてても嬉しくないしね)。ドラフトのピック中、こいつのためだけに色々手を出したりはしないけど、普通よりキーワード能力のついてる奴を優先はしたい。特にたくさん能力のついてる奴がねらい目だ。
 
 能力持ちで布陣を固められれば、こいつはデッキ内最強のカードになる。とはいえ初手で取る場合、どの程度の強さに落ち着くかは分からない。アブザンの+1/+1カウンターで能力を持つクリーチャーと噛み合わないのが残念だな。条件付きじゃこいつに能力がつかないからさ。
《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》
 リミテッド3.5点
 1/1で死んだら2/2になるとは、目を見張るものがある。しかも死んで出てくる2/2は、2/2以上の性能の可能性まであるなんて。コンボを仕込まなくても強いけれど、《カルシの高僧/Qarsi High Priest》みたいなクリーチャーとは抜群の相性だ。2ターン目こいつ、3ターン目《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》とかかましたらゲームが終わりそう。
《スゥルタイの呪印/Sultai Runemark》
 リミテッド1.0点
 +2/+2修正がつくオーラに接死は求めてないんだなぁ。デカくなるなら普通に戦闘で勝てるはず。要するに《巨大化/Giant Growth》みたいなものだけど、あまりいつでもデッキに入れたいと思う手合いじゃないね。
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》
 リミテッド4.0点
 軽くできる上に4/5のサイズを誇り、カードも引けるとあれば注目せざるを得まい。他の探査カードが無い場合、最高の一枚をもらうというわけにはいかないだろうけど、それでも土地でないカードがもらえたなら、カードを引いていることには変わりない。少なくとも俺は、デッキに引きたくないと思うカードは入れないようにしているから、何かカードを引けるだけでそれはもう黄金のような価値があるってことだよね。短期的には中々のサイズを誇る探査クリーチャーとして、長期的には能力でドローする機械になれるタシグルは、カンサイクルの中でも特別優秀だ。
《タシグルの残虐/Tasigur’s Cruelty》
 リミテッド0.5点
 カード名にも書いてあるけど、まったく酷い奴だな。《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret》を超えるためには相当頑張らなきゃいかん上に、頑張ったら頑張ったで、ラクシャーサの秘密にあった墓地肥やしが無くなるなんて。サイドからこういうカードを入れること自体はいいけれど、この環境でメインから《精神腐敗/Mind Rot》を入れるようなデッキはあまりないと思う。普通なら重い呪文を落とすのにこういうカードを使うのは効果的なんだが、重たいカードも変異として戦場に置かれて、後は表になるばかりということが多くてね。
《チフス鼠/Typhoid Rats》
 リミテッド3.0点
 リミテッド……ネズミ……ウッ頭が。
 
 相変わらず頼りになるね。たった1マナでカード1枚と相討つことができる。しかも変異が何になっても安定して倒せるというのは心強い(《イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmaster》だけ裏目)。その上強襲や探査との相性も良好だ。

 
 黒のリミテッドコモントップ5
 5.《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》
 4.《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
 3.《チフス鼠/Typhoid Rats》
 2.《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》
 1.《影の手の内/Reach of Shadows》
 
 驚かないことに、黒のコモンには除去がいっぱいだ。1枚目の《影の手の内/Reach of Shadows》はこの上なく重要だが、3枚は要らないというところも強調しておきたい。既に1枚取れているなら、2枚目の影の手の内より《スゥルタイの使者/Sultai Emissary》を取ることもあると思う(既に重いカードを抱えているなら、1枚目の影の手の内より使者を優先することさえあるかも)。《チフス鼠/Typhoid Rats》は安定してるけど、他にも軽いところがたくさん取れたなら、攻めるのに向かないという理由でちょっと価値が下がることもあるので気を付けよう。《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》はデッキによって大きく強さが上下するだろうから、早めに手を出したくはないかな。《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》や、ここには載せられなかったけど6位の《先祖の復讐/Ancestral Vengeance》あたりのが、いつ使っても安定して強いよ。
 
 黒はどちらかというと守りに向いた色なようだ。特に攻撃的な能力である疾駆で、びっくりするような強さのカードが無かっせいで、そんな印象が強まっている気がする。前のめりに組んでも強いかもしれないが、黒をやるなら最初は、除去とアドの取れるカードを詰め込んだデッキを使いたい。ビビッときたね。天啓だな(そしてうまくいかなくて苦々しい思いをするんですね分かります)。
 
 
 
 LSV
 
 赤のレビューは明日11時にアップするよ!
◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Black
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月13日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-black/
 
 
《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》
 リミテッド2.5点
 アラーラにいた頃と比べると随分スリムになっちゃったけど、《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》より強いかも。《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》みたいな連中との相性がいいし、3ターン目相手の返しで変異を除去するのに使ってもいい。ゲームが長引くと弱いから、こいつを絡めて何かするなら早めにやっとこう。
《有毒ドラゴン/Noxious Dragon》
 リミテッド3.0点
 サイクルの他の連中と比べて、毒があって頭半分くらいは抜けてる強さ。殺されても他のクリーチャーを大体巻き添えにできるだろうから、フルタップしてこいつを出しても、リスクが大分軽くなっている。相手がこいつをどかしてきたら、殴りに来るクリーチャーが減るってことでもあるから、被ダメージも少なくて済むしね。同じ6マナでも、即除去されて手玉に取られそうなヤツじゃないのはいいね。タダでやられはしない奴だ(バウンスであしらわれるのは変わってないけどね)。
《オークの必中弾/Orc Sureshot》
 リミテッド3.0点
 間違いなく強い。サイズも申し分ないし能力も厄介で、しかも能力を使うのにマナが不要ときたもんだ。盤面に居座って小さいクリーチャーを狙い撃ちにしたり、相手の巨大クリーチャーがいても、戦闘後縮めて討ち取る構えをして、戦闘にも生きやすくなる。クリーチャー数を絞ったデッキでは入らないこともあると思うけれど、それほど矢継ぎ早に能力を連続で使えなくても、悪くはないと思うよ。

◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 黒 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Black
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月13日
 
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 さ、果敢特集の色も終わったことだし、次は黒を見ていこう。除去あり、手札破壊あり、墓地いじりあり、疾駆でのビートダウンまでちらほら、よりどりみどりだ。
 
《アリーシャの先兵/Alesha’s Vanguard》
 リミテッド1.5点
 疾駆のカード一番乗り!いい機会だから、疾駆というメカニズムについて話しておこう。バニラクリーチャーに疾駆がついても、特に超強力というわけではない。突然相手を殴ることができるけど、ちょっとマナ喰い虫が過ぎる。3ターン目をこういうカードの疾駆で使ってしまうのはできれば遠慮したい。疾駆が輝くのはもっと後半になってから。突然追加のアタッカーが現れて、喉元に食いついてくる場合だ。ゲーム全体を通して、いつ疾駆しても有効というわけではないね。何もやることがないときにダメージを狙いに行けるのは結構嬉しいし、ちょっとのマナで強襲を達成できるのもいい。とはいえ、疾駆は疾駆能力持ちに寄せてデッキを構築するようなメカニズムではないね。複数あっても強みが伸びるわけではないし、手札に疾駆クリーチャーが重複しても嬉しくない。
 
 なんて考えていくと、こいつはつまり《丘巨人/Hill Giant》そのもの。そして丘巨人くらいのサイズはすぐに圧倒されてしまう環境だ。疾駆がついたからといって、評価は覆らないと思う。
《先祖の復讐/Ancestral Vengeance》
 リミテッド3.0点
 +1/+1カウンターと-1/-1修正の抱き合わせが2マナとか、喜んで払うよ。特に+1/+1カウンターとシナジーのあるアブザンクリーチャーと組み合わさったら最高だ。色シンボルはちょっと厳しいけど、率先して取りたくなる強さだとも。
《悪行の大悪鬼/Archfiend of Depravity》
 リミテッド4.0点
 5マナ5/4飛行が弱いはずがない。能力もオマケとしては結構嬉しいし、相手の盤面がクリーチャーでひしめいていたら笑いが止まらないところだ。能力が誘発するまで、1ターンの猶予がなければもっと強かったろうが、5/4飛行にこれ以上を求めるのは酷というもの。
《戦いの喧嘩屋/Battle Brawler》
 リミテッド3.0点
 3点は3ターン目までに白か赤のパーマネントを安定して出せること前提の評価だけど、安定してお供を出せるデッキでは名前に恥じぬ暴れっぷりを見せてくれるはず。前のめりに組んだ戦士デッキにおいては、なにをおいても2マナ域のクリーチャーが必要だから、こいつはうってつけの性能だ。これより強い、戦士デッキの2マナ域はそうそういないはず。
 
 殴らないデッキや、お供のクリーチャーを安定して出せないデッキでは今一つの活躍しかできないだろうから、その点はくれぐれも忘れないように。あと、戦闘中にお供をやられて先制攻撃を失うとあっさり死にかねないから、除去やバウンスで討ち取られないように気を付けたい。
《粗暴な軍族長/Brutal Hordechief》
 リミテッド4.0点
 下の能力が起動できなくても、攻撃クリーチャー1体に付き1点のドレインはダメージレースにおいて粗暴を通り越して極悪非道。場に出して攻撃して2点ドレインすれば、5ターン目に総攻撃へ繰り出しやすくなるというもの。対戦相手の命は風前の灯だろう。能力もまったく手が付けられない。どうでもいいクリーチャーを全力でブロックさせて本命の攻撃を通してもいいし、あるいはこちらの有利になるようなブロックを強要する選択肢もある。
 
 攻撃的なデッキで使わないと途端に強さが薄れてしまうものの、コントロールでもいけるだけの力はある。もっともコントロールでは、爆弾レアというほど強くは使えないだろうが。
《命運の核心/Crux of Fate》
 リミテッド4.0点
 《対立の終結/End Hostilities》は、他環境の全体除去と比べてかなり強くてお気に入りだった。《ゴブリンすべり/Goblinslide》コントロールとか変なドラフトをしてたせいかもしれないけど、タルキール覇王譚はクリーチャー多めのデッキが多かったから、全体除去を意識しながらプレイするのが難しかったのも一因かもしれない。とにかく、基本的にこいつは黒い《対立の終結/End Hostilities》で、うまくいけばこっちの盤面にドラゴンが残るかもしれないし、あるいは相手の盤面にドラゴンが残って困る可能性もある。もちろん、相手の場にドラゴンが残るときはドラゴンを絶滅させてもいいわけだが、どっちにしても唱える側が都合よく選べることは確かだ。
《闇取引/Dark Deal》
 リミテッド0.0点
 要するにこれは《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》みたいなもので、探査カードを使いやすくするように見せかけた罠なんだな(策謀も結構罠だったけど、それでもこれよりは使えたと思う)。こんな取引をしちゃいけない。そもそもカード名で警告されてるだろ。闇取引なんて危険に決まってるじゃないか。正体の見えないカードに手札1枚を投資した上、相手に損害を与えることもできないだなんてな。
《荒野での交渉/Diplomacy of the Wastes》
 リミテッド0.5点
 《強要/Coercion》は《帰化/Naturalize》みたいなサイドボード要員だった。たまに2点ダメージが追加されるようになってもそれは変わらない。重たくて強いカードをこれでもかとばかりに詰め込んだデッキ相手にサイドインすることはあっても、そんなときでもなけりゃ3ターン目をこれなんかに使うのは御免蒙りたいね。
《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》
 リミテッド3.0点
 《薄暗がりへの消失/Douse in Gloom》がギルドパクトから再録だ。未だに通用するよ。目を見張るようなカードではないにしても、相手の3ターン目に出てきた変異クリーチャーを撃ち落としてライフも得られるというのは、序盤を凌ぐのにぴったり。除去の豊富な環境で選択肢が多いわけではないから、軽い《絞首/Throttle》くらいに思っておけばいい。そう考えると結構いいでしょ?
《恐るべき目覚め/Fearsome Awakening》
 リミテッド1.0点
 5マナもつかって、5マナかそれ以下のクリーチャーしか釣れないことがあるとか、恐るべき不安定さ。しかも5ターン目意気揚々と唱えようとして墓地が空のことすらあるとかもうね……。
《恐ろしい徴兵/Ghastly Conscription》
 リミテッド1.0点
 環境に探査というメカニズムが無ければお友達になれたと思うんだがな。フィニッシャーとして使うはずが、空振りに終わりましたとか、考えるだに恐ろしい。色々なデッキに入りそうに見えるが、その割に使いどころは選ぶという、奇妙な扱いを受けると思う。不安定さがネックだ。フィニッシャーとしてサイドボードから投入といのはいいね。変な感じがするけど、いずれにせよ疑問符のつくカードなのは間違いない。
 
 探査を全く使わない色の組み合わせは存在しないから、安定にはかなり欠けることになる。7マナも使ってフィニッシャーにならないかもしれないとか、わざわざ使う必要があるか怪しくなってくる。
《墓所の力/Grave Strength》
 リミテッド1.5点
 使いたければ止めはしないが、終盤にならないと強みは出ないと思う。安定して+2/+2くらいはつかないと検討にすら値しない。しかも序盤からは使えないとなると、遠慮しておきたいかな。
 
 面白いのは、クリーチャーカードを墓地に落とすデッキほど、探査で墓地のクリーチャーカードを取り除くことが多いというところだね。だからこれは、クリーチャー多めでかつ探査もかなり利用するようなデッキ向け、ということになるかな。そんなデッキがあればだけど。+1/+1カウンターマニアのアブザンで使うとちょっと強いかもしれない。突然+5/+5修正がついた上に飛んだり絆魂を得始めたら、きっと愉快だろう。
《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
 リミテッド2.5点
 知ってるかい?《境界の偵察/Scout the Borders》を唱えて、何も手札に入れないのは適正なプレイだ。そうすれば都合6枚のカードが墓地に落ちるから、次ターンにこいつと変異が出せるぞ!すごい!そんな後悔しそうな偵察はともかく、探査デッキにすんなり入る巨大生物が増えたのは嬉しいね。型破りなデッキが増えるのは歓迎だ。それにこいつがこぞって採用されるなら、重さ的に《宝船の巡航/Treasure Cruise》を取りたがるプレイヤーが減るだろうから、個人的にはその意味でも歓迎だね。
《頭巾被りの暗殺者/Hooded Assassin》
 リミテッド2.0点
 3マナ2/3バニラ、もしくは1/2で手負いのクリーチャーを仕留められるというのは、超強力でこそないにしろ普通に強い。殴りに行くのが自然なデッキでこそ強い一枚だけど、一方的にやられても構わないトークンを使うようなデッキで使うといいだろう。こいつが環境にいる以上、殴りに来るクリーチャーは何であれ接死がついているようなものだから、相手の1/1が攻撃してきたときに5/5で止めるかどうかはよく考えた方がいい。
《マルドゥの影槍/Mardu Shadowspear》
 リミテッド1.0点
 実質1マナ2/1みたいなものでも、戦闘で2/1として扱えないのはかなりガッカリ性能だ。《鼓動の追跡者/Pulse Tracker》がゼンディカーで強かったのは、環境が超前のめりだったからで、この環境はゼンディカーほど攻撃を推奨していない。疾駆がついたからといって、その評価は変わらない。
《マルドゥの急襲指揮者/Mardu Strike Leader》
 リミテッド3.5点
 上の影槍と比べて、こちらは指揮者というだけあって、中々の襲い掛かりっぷりだ。普通の使い方は、3ターン目素出しして、4ターン目に相手の変異と相討ちして2/1が残るというところか。でももっと凄いことだってできる。除去やコンバットトリックで道をこじ開ければ、何回も急襲をかけられるぞ。こいつに何度も襲われたら、そこから押し返すのはかなり難しい。しかも終盤引いたら速攻で襲い掛かれるんだ。強烈なポテンシャルを持ちつつ、特に何の支援が無くても強い、素晴らしいカードだね。

◆ 宝船の巡航、時を越えた探索、出産の殻がモダンで禁止に。さてどうなる?
 
 Cruise, Dig, & Pod Banned in Modern - What Now?
 By William "Huey" Jensen 2015年1月19日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/cruise-dig-pod-banned-in-modern-what-now/
 
 
 ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは2015年1月19日、新たなDCI禁止制限カードリスト告知を発表した。これによって、3週間後、ワシントンD.C.で予定されてるプロツアー「運命再編」のフォーマットであるモダンには波乱が予想されるだろう。今回の判決で、3枚のカードが禁止され、1枚が解禁された。
 (英語版) http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/banned-and-restricted-announcement-2015-01-19
 (日本語版) http://mtg-jp.com/publicity/0012018/
 
 新規禁止カード
 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
 《宝船の巡航/Treasure Cruise》がタルキール覇王譚で刷られて以来、モダン環境はすっかり様変わりしてしまった。宝船の巡航の力によって、青赤デルバーは一番人気のデッキにまで押し上げられた。モダンにはたくさんの軽いキャントリップ呪文がある。《血清の幻視/Serum Visions》、《手練/Sleight of Hand》、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》、そして中でも、墓地にカードを2枚も落とす《思考掃き/Thought Scour》だ。モダンで多用されているフェッチランドもまた、巡航の良き相方となっていた。
 
 巡航は青赤デルバー以外にも、ストーム、《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》、《欠片の双子/Splinter Twin》デッキなどのコンボデッキで使用されていた。ちょうど私(William "Huey" Jensen)やオーウェン(Owen Turtenwald)がグランプリオマハ15で使った双子も、やはり宝船の巡航入りだった。
 
 宝船の巡航は何故モダンで禁止されたのか?どのように環境は変わるか?
 
 《思考囲い/Thoughtseize》や《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》のような、1:1交換の手札破壊を多用する、ジャンドやジャンクといった消耗戦を仕掛けるデッキは、回りが宝船の巡航だらけの間苦汁を舐めさせられていた。
 
 宝船が禁止された今、ジャンド・ジャンクは復権が可能だろう。かつて、ジャンドがモダンの覇者だった時代もあったくらいだが、最強の座に返り咲くことは可能だろうか?これらのデッキが新環境でどれだけやれるかはまだ分からないが、可能性はあるだろう。
 
 コンボデッキも、ドローを宝船の巡航に頼っていた感があった。《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》デッキなど、隆盛そのものの次に重要なカードは宝船の巡航だったのだ。コンボデッキは宝船を失った反面、宝船の禁止によって青いデッキの数は減ることが予想されるので、妨害に使われる打消し呪文の数が減ることにもつながるだろう。
 
 青いデッキの数こそ減ることが予想されるものの、伝統的な青白赤コントロールのようなデッキの復活も考えられる。コントロールからすると、対戦相手が《宝船の巡航/Treasure Cruise》によって莫大なアドバンテージを稼いでくるのに頭を悩ます必要が無くなった。コントロールが復権することで、コンボデッキは勢力拡大しようにも、頭を押さえつけられたような状態が続くかもしれない。
 
 《時を越えた探索/Dig Through Time》
 
 《宝船の巡航/Treasure Cruise》ほどぶっ壊れでこそなかったかもしれないが、宝船の巡航が禁止されても、皆代わりに《時を越えた探索/Dig Through Time》を使うだけなのではと、プレイヤーは皆懸念していたことだと思う。時を越えた探索は青青のダブルシンボルを要求するので、宝船の巡航ほどどんなデッキにも放り込めるわけではなかった。
 
 宝船の巡航を失ったコンボデッキが《時を越えた探索/Dig Through Time》に飛びつくのは、禁止されなければほぼ間違いなかったろう。宝船の巡航が使えた間、時を越えた探索を使うデッキは、《欠片の双子/Splinter Twin》、《風景の変容/Scapeshift》、《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》、それに青白赤コントロールといったほんの一握りに過ぎなかった。
 
 欠片の双子と青白赤コントロールは、長いことモダンのトップメタの一角を張っていた。《時を越えた探索/Dig Through Time》が禁止されたからといって、それが理由で急に転落するようなことはないだろう。ジェスカイの隆盛コンボデッキはかなり強かったが、一方通行の対話拒否的な面が強かったし、あまり相手にしたい手合いでもなかったので、弱体化されて残念に思う人はあまりいないと思う。
 
 《出産の殻/Birthing Pod》
 
 《出産の殻/Birthing Pod》が消えてくれて本当に良かった。殻は皆、禁止すべきという人もいれば、禁止なんてとんでもないという人もいて、うやむやでどっちつかずの態度を取りつづけてきた人が多かったと思う。殻は長いこと、波はあっても成果を出し続けてきた。それに率直に言って、出産の殻というカードは強すぎた。最近は《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》を使ったキキジキポッドや、《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》を使ったメリーラポッドといったコンボ中心のデッキから、《包囲サイ/Siege Rhino》を何枚も採用するようなミッドレンジ的なデッキに推移してきていた。
 
 《出産の殻/Birthing Pod》デッキの悪いところは、殻を使わない他のクリーチャーデッキを駆逐してしまうところだ。たとえばZooを使っていて、毎ゲーム安定して《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》2枚に《包囲サイ/Siege Rhino》3枚を繰り出してくるようなデッキに勝つのは容易でないし、また相手にしていて楽しいわけでもない。
 
 また厄介なところとして、殻そのものが非常に対処しづらいということもあった。一度殻が着地してしまうと、大体そのターン中に1回は起動されてしまうので、即除去できたとしても既にアドバンテージを稼がれてしまうのだ。出産の殻が禁止されたことで、クリーチャー中心のアグロやミッドレンジ系のデッキが浮上してくると思う。
 
 禁止解除
 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
 
 《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》が解禁されたのは結構驚きだった。こいつの禁止解除を望む声が多かったとは思わなかったので。レガシーのドレッジのような壊れたデッキができたら驚きだが、墓トロールが解禁されても、レガシーどころか、在りし日のエクステンデッドのドレッジにすら到底及ばないと思う。とはいえ、発掘と探査の好相性を活かして、面白いデッキは出てくるだろう。探査で最も危険な2枚は禁止されたから安心だ。墓トロールが禁止されたとしても、それほど環境が激変するとは思わない。
 
 プロツアー「運命再編」まで、残すところあと3週間。禁止後のモダンに関して、かなり頭を絞らないとならなさそうだ。
 
 プロツアーは本当に楽しみだよ。中でも、各チームが調整の結果どんなデッキを選択して、その中で勝ち残るのはどのデッキか。禁止で「改善された」モダン環境がどうなるのか本当に楽しみだ。
 
 
 他フォーマットの変更
 レガシー 《宝船の巡航/Treasure Cruise》禁止、《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》禁止解除
 ヴィンテージ 《宝船の巡航/Treasure Cruise》制限、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》禁止解除
◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Blue
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月12日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-blue/
 
 
 
《変容する忠誠/Shifting Loyalties》
 リミテッド1.5点
 唱える以外で、弱っちいクリーチャーを安定して供給する手段があるなら面白いカードになりそう(デッキに弱いクリーチャーを入れたくはないから、何かしらトークンとか)。トークンを使わないと、2/2を相手の4/4と取り換えてもそんな嬉しくないからね。除去で邪魔されることもあるし。相手のデッキのクリーチャーがあまりに強すぎるときにサイドインするといいかもしれない。おっと、《ゴブリンすべり/Goblinslide》デッキが組めたら絶対に入れよう。
《沈黙の大嵐、シュー・ユン/Shu Yun, the Silent Tempest》
 リミテッド4.0点
 実質3マナの《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》みたいなものだから、かなり強いぞ。単体でも凄まじいダメージを叩きだすし、二段攻撃をちらつかせられるとブロックもしづらい。見ての通り、こいつを初めとしてジェスカイは本当にキャントリップを詰め込みたくなる手合いばかりだから、キャントリップはかなり優先的に取られることになりそうだと思ってるよ。
《スゥルタイの頭蓋守り/Sultai Skullkeeper》
 リミテッド1.5点
 ターボ探査的なデッキでもあまり食指が伸びないところ。2マナ2/1バニラはリミテッドのカードとしちゃ半人前だ。使用に堪えるカードではあるけど、他の何かを差し置いて取るほどのものではないな。
《奪取の形態/Supplant Form》
 リミテッド4.5点
 何という素晴らしいデザインのカード。そして実力も折り紙つきだ。相手の5/5をバウンスしつつ、こちらに5/5を追加するんだから実際凄い。この環境はでかいクリーチャーが多いしね。確かに重いとはいえ、重さに見合った影響を盤面に与えるし、相手の除去に対応して使うことだってできる。これで除去をかわせたら凄い2:1交換だぜ。
《時間への侵入/Temporal Trespass》
 リミテッド1.5点
 《Time Walk》!かかってこい!相手になってやる!なんてコメントで、皆のタイムラインも溢れかえったんじゃないだろうか。誰にケチをつけるでもないが、《Time Walk》にしちゃ随分と重いというのが正味のところ。真面目に重すぎて有効活用できるかどうか。時間への侵入の真価を引き出すためにはかなり探査に寄せたデッキを作らなきゃならないけれど、探査デッキならわざわざこれを使わなくてもと思ってしまう。とりあえず唱えて何が起きるか考えると、攻められる盤面になっていればもう1回殴りに行けて、唱える頃にはあまり意味がないけど土地を1枚追加で置ける。それに追加ドローがついてくるね。唱えるためのマナと専用デッキを組む手間を考えると、正直割にあってない。今回もっとも過大評価されているカードの一枚だと思う。構築と比べて、リミテッドの《宝船の巡航/Treasure Cruise》がそこまで壊れじゃないことから察してくれ。宝船使おう?
《奔流の精霊/Torrent Elemental》
 リミテッド4.5点
 5点満点をつけない理由はただ一つ、完全に押し込まれたところから逆転できないから、という点だけだ。戦闘簡単マジック簡単、膠着した盤面をあっさり打開してのけるし、探査がちょっとでもあれば除去するのも容易でない。おまけにシンボルもキツくないとあれば完璧だ。運命再編で実質最強のカードじゃないかな?
《払いのけ/Whisk Away》
 リミテッド3.0点
 これぞまさに凶悪バウンス。何でも対象に取れるわけではないものの、相手のドローを飛ばした上、もう一度出し直すことを強要されるのはあまりに酷い。戦闘中払いのけられたら涙目。特に変異解除に合わせられたら、ゲームがひっくり返りかねない。ターン終了時に唱えたりブロッカーをどかしたりこそできないから、3.5点から0.5点引いてあるものの、それでもかなりのものだよ。
《ナーガの意志/Will of the Naga》
 リミテッド2.0点
 小型《凍氷破/Icy Blast》でも、効果が凍氷破と同じなのには変わりない。探査を他に何も採用していないなら是非検討したいね。他の探査と一緒に入れても、終盤6マナ素撃ちで問題ない。終盤使うのが一番強いから、多少重くたっていいのさ。あとイラストが結構凄い。カードの点数が上がるわけじゃないけど、カッコいいだろう?
《実在への書き込み/Write into Being》
 リミテッド3.0点
 他の予示を出すカードと比較して、これが一番変異を出してるのに近い。3マナで2/2を出すし、予示するカードを選べるおかげでクリーチャーを予示しやすい。肝心の強さはデッキによって大分変ってくる。予示先を選べるといっても、クリーチャーの少ないデッキでの弱さを埋め合わせるほどじゃない。生物を詰め込んだデッキなら相当強いこと請け合い。特に《頭巾被りのハイドラ/Hooded Hydra》とか《真珠の達人/Master of Pearls》とかのレアが入ってると更にいい。適当に何か生物を予示するだけで強いし、果敢デッキでクリーチャー数を確保するにもいい。果敢を誘発させつつ頭数も稼げるからね。

 
 青のリミテッドコモントップ5
 5.《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》
 4.《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》
 3.《再集中/Refocus》
 2.《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
 1.《払いのけ/Whisk Away》
 
 青のコモンを見ると、驚いたことに強さがかなり団子になっている。ここに名を連ねたカードは点数的には横並びで、明確な上下がつけられない。これはかなり面白い事態だよ。つまりカード単体の強さは同じくらいだから(当然、何らかの形で評価は上下するだろうけど)、デッキによってどのカードを取るか取捨選択が必要になるということ。「《稲妻の一撃/Lightning Strike》と他の赤のコモン」みたいな、絶対的な上下関係がないということだね。ベスト5は出したけど、どの順位のカードも他を押しのけて取ることがありそう。デッキがどんな方向をむかっているのかを考えることだね。
 
 たとえば《再集中/Refocus》と《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》はどちらか片方あってもぼんやりしたパーツで、デッキには是非セットで入れたい。同様に、《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》の方が《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》より総合的には強いものの、重めのカードを取ると選択肢が狭まってしまうという理由で、軽い賢者の方を取るのも全然ありだ。賢者がジンを抑えて4位なのはそういう理由だね。ピックはかなり難しくなりそうだ。青のコモンベスト5はどれも優秀なものの、単体で飛び抜けた強さは無い。流石運命再編、簡単に選ばせてはくれないぜ。
 
 個人的にはバウンス2種が真っ先に手を伸ばしたいと思うかな。あまり確信はないけどね。どちらもテンポを稼ぐという観点で見ると優れているし、青ければどんなデッキにもすんなり入る。青はコントロールにも前のめりにも組めそうだから、選択肢はかなり広そう。色々試してみるのが楽しみだよ。
 
 
 
 LSV
 
 明日の朝、黒のレビューを掲載するから見てくれよな!
◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
 
 Fate Reforged Limited Set Review - Blue
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年1月12日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-blue/
《霧炎の達人/Mistfire Adept》
 リミテッド3.5点
 剃った頭と舞空術はやはり無縁でないんだな。それはともかく、こいつは凄いよ。4マナ4/4飛行というと言い過ぎだけど、かなり近いものがある。それどころか、単なる4/4飛行を超えた芸当さえ可能だ。呪文を連発して自軍全員を飛ばして浮かせるとか、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》が突然空中ブロックに来るとかね。そんな凄いことができてしまうのだから、普段飛んでなかったり4/4じゃなかったりすることがあってもお釣りがくるというものさ。ジェスカイの他のカードと同じで、ちょっとだけ後押ししてやればいいんだ。中でもこいつは、果敢に寄せた専用デッキでなくても、少し意識してやるだけで十分使えるよ。
《僧院の包囲/Monastery Siege》
 リミテッド3.5点
 構築用とリミテッド用ではっきりとモードが分かれてるのは面白いね。ルーター能力はリミテッド用に設けられたモードだろう。リミテッドではゲームが長引けば相応にマナは伸びるし、除去もプレイヤーを対象にした呪文も、構築に比べると圧倒的に少ないからね。毎ターンルーター能力が使えるなら、盤面を築くより先にこいつを出してもいいかな。探査とも果敢とも相性がいい。《スゥルタイの隆盛/Sultai Ascendancy》と近いものがあるね。しかもこちらの方が1色だから圧倒的に出しやすいし、毎ターン2枚のカードを見ることができる。隆盛だと必要なときに、土地と呪文の両方を手札に入れることはできないけどこいつはできるし。
《無化破/Neutralizing Blast》
 リミテッド0.5点
 はっきり分かりやすいサイドボード要員だ。何せ変異経由で出されるだけで無力化されてしまうんだからね。《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》とか《イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmaster》は滅多に打ち消せなさそう。打ち消したいのはまさにそういう奴らなのにさ。重い多色のカードを使う相手には選択肢に入るかもしれないけど、入れる価値のあるマッチがどれだけあるのかっていうね(少なくとも3~4枚、重たい多色カードを見ない限りは検討に値しないと思う)。
《ラクシャーサの侮蔑/Rakshasa’s Disdain》
 リミテッド0.5点
 3ターン目に構えられず、終盤になっても安定しない打ち消し呪文とか、侮蔑の念しか浮かばない。しかも探査とも競合するとなるとね。こういう打ち消しが欲しいなら《取り消し/Cancel》使えば?
《現実変容/Reality Shift》
 リミテッド3.0点
 ゲームに2/2が与える影響的に、どちらかというとリミテッドより構築向けだとは思うけどね。それでも中々いいコンバットトリックだと思う。敢えて除去ではなくコンバットトリックという表現を使ったのは、実質対象のサイズを2/2にまで下方修正しているようなものだからだ。ま、たまに2/2以上に化けることもあるにしてもね。除去っぽくなくても、俺は使うよ。往々にして、相手の強クリーチャーは2/2バニラにしてしまった方がやりやすい。とはいえ複数枚あっても強くないし、2/2を上手くあしらえないデッキでは使いづらい(デッキが《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》だらけとかね)。
 
 そもそも峡谷に潜むものだらけのデッキが弱い?その通りだ。
《再集中/Refocus》
 リミテッド3.0点
 集中って書いてあるからにはカードが引けないとな。最終的に突き詰めるとそういうことだ。絶対に腐ることがない。最悪でも2マナでサイクリングできるし、果敢デッキでなくても相手のクリーチャーを討ち取ることができる。果敢デッキの場合は、まさに欲しいのはこういうカード。アンタップするよりタップする方が嬉しいにしてもね(果敢を使う以上どちらかというと攻めに回りたいが、タップの方が攻勢に役立つ)。攻撃時に使って打点を上げてもいいけど、果敢によるダメージと、突然アンタップすることによる奇襲効果は両立しないのが残念だ。
《名高い武器職人/Renowned Weaponsmith》
 リミテッド1.5点
 アーティファクトはあまり多くない環境だから、マナの使い道がそれほどあるかは分からない。でも嬉しいことに、こいつは《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》を作ってくれる(もうちょっと待てば薬瓶も作ってくれるらしいぞ)。つまりこいつはリミテッドにおける《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》みたいなもんってことだね。しかし失礼ながら、点数は1.5点だ。心臓貫きの弓があって初めて使えるレベル。弓と揃ってても、使うかどうかは考え物だ。果敢デッキなら、弓を持って来れば果敢が誘発するし、2マナ1/3はブロッカーとして申し分ない。ただ武器職人も弓も、単体ではカード1枚の仕事をするとは言い難いから、2枚揃ってもそこまで凄いわけじゃないな。
《再帰の儀式/Rite of Undoing》
 リミテッド3.0点
 何を隠そう、俺は《現実からの剥離/Peel from Reality》が大好きでね。この儀式も剥離みたいなものじゃないか。剥離を超えるためには全力で探査しないといけないが、トータル2マナか3マナくらいにすることは難しくない。探査1枚は入れ得だしね。どのみちこの手のカードが強くなるのは中~終盤だから、その頃には墓地も肥えてることだろう。
 
 かなり用途が広いというのがいい。儀式を使えばこちらのクリーチャーを除去から守りつつ、相手のクリーチャーをタダでバウンスできるし、戦場に出たときの効果を再利用しつつ、ブロッカーをどかすこともできる。相手のクリーチャーに対して唱えるときは、こちらのパーマネントをバウンスしなきゃならないのが少し重荷に感じるかもしれないが、あらゆる場面で強いから、そのくらいの不都合は喜んで受け入れようじゃないか。
《賢者眼の報復者/Sage-Eye Avengers》
 リミテッド3.5点
 何はなくとも、単体で大体のクリーチャーをバウンスしてのけるし、何か1枚唱えればそのままでバウンスできない奴もほぼ消し飛ばせるだろう(《果敢な一撃/Defiant Strike》とかだと特にいいね)。重たいカードではあるけれど、前線に送りだせさえすればやりたい放題よ。

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