◆ 【翻訳】ドラゴンの迷路・レビュー 青・ディミーア・イゼット (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - Blue, Dimir, and Izzet
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月29日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-blue-dimir-and-izzet/
 イゼット
《天才の煽り/Blast of Genius》
 構築2.0点
 このカードをデザインした人は天才。カードのあらゆる効果が良く噛み合っていて、どんな風に使っても煽りどころか相手を吹き飛ばせるよ。重たいカードを引くことにかけてぶっぱすることもあれば、ダメージはどうでもいい場面で使うこともあるだろう。一番ありそうな使い道としては、墓地にでかいところを落としたいデッキで使うことか。そうすれば相手のクリーチャーも除去できるからね。環境には割とたくさん釣り竿があるから(《オブゼダートの救済/Obzedat’s Aid》、《強行+突入/Breaking+Entering》とかね)もしかしたら何枚か組み合わせて天才的なエンジンが組めるかもしれない。
 
 リミテッド3.5点
 カードアドバンテージに除去がついてきたって?乗った!普通に使って良し、タッチして良し、早めに取るのにうってつけだ。重たいカードを捨てるのは、スタンと比べてリミテッドだと痛いかもしれないけど、それでも素晴らしい。
《捕獲+放流/Catch+Release》
 構築2.5点
 両方ともプレインズウォーカーがとことん嫌いらしい。そしてどちらも強力だよ。《放流/Release》はよりコントロール向けなカードで、放流側があるから使い出のあるものになってる。巨大《無垢の血/Innocent Blood》というのは強そうなプランだ。特に《捕獲/Catch》も合わせて安定して両方が唱えられるなら、かなりのアドを稼げるだろう。両方使うと重いので、複数枚積むのはお勧めしないが、プレインズウォーカーに対する解答が必要なら、こいつは申し分ないよ。《スラーグ牙/Thragtusk》相手にも、9マナ出る前提だが素晴らしい。
 
 リミテッド2.0点
 6マナで《放流/Release》を使っても大したことはない。3マナで《捕獲/Catch》だと、まあ使えないことはないが強くはない。本当に強いのは9マナに達した時だ。だから両方が唱えられない限り使おうと思わないね。ただ例外的に、超攻撃的なときは別かな。9マナにたどり着かないと、均衡状態を打ち破るのは難しいのだが、9マナというのは厳しい。アーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカーといった、あまり目にしない種類のパーマネントにサイドから投入するのはいい感じなので、覚えておこう。
《ドラゴン化/Dragonshift》
 構築2.0点
 自軍をドラゴンにしたくない人なんているのかい?青赤で安定してクリーチャーが並ぶデッキがあるのなら、膠着状態を突破するのにうってつけだよ。それにこれはインスタントだから、色々と悪さできる可能性もあるな。
 
 リミテッド4.0点
 《生体材料の突然変異/Biomass Mutation》は過大評価したが、こいつは突然変異と決定的に違う。俺が望むほどではないとはいえ、環境がそこまで速くない。こちらは全員を飛ばすことができるし、序盤に使ってもコンバットトリックになる。この序盤から使えてさらに終盤も使えるという点が重要で、《踏み荒らし/Overrun》系というより分割カードのように機能するから、まさにゲームの後半に引いてきたいフィニッシャーといえるってね。
《変転充填魔/Fluxcharger》
 構築1.0点
 パワーとタフネスが入れ替わるくらいで満足せず、丸々他のカードと入れ替えてみてはいかがかな?
 
 リミテッド3.0点
 《踊る円月刀/Dancing Scimitar》というだけで好きなのに、メリット持ちともなれば俺にとっては十分合格だ。
《ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot》
 構築1.0点
 分からんぞ! 分からんぞ! わか・・・・・・
 
 リミテッド1.5点
 振れっ……賽をっ……。使い道としては、相手の方が確実にクリーチャーを展開するトークン相手のときだろうか。こちらの投資は大したことないから、相手側にダメージが飛ぶ確率が高いなら、いい仕事をするかもしれないと思うよ。俺自身、以前ほどこの手のカードが嫌いではなくなったと思う。無作為で挑戦的だからって普通のカードより劣るってことには直結しないよね。
《イゼットの模範、メーレク/Melek, Izzet Paragon》
 構築1.0点
 出してターンが返ってきたら嬉しいけど、だからって6マナの中でメーレクが突出するわけじゃない。俺はむしろ、最低でも5/5飛行で、同じくターンが返ってきたらメーレク並みに強い《竜英傑、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Dracogenius》をとりたいかな。
 
 リミテッド3.5点
 メーレクを強く使うために多くの呪文は必要ない。でも評価は早めに取れて、こいつ中心の構築ができる前提だけどね。呪文が10枚以上とかあったら、実に凄いことになるぞ。ちょっとばかり重いとしてもね。

◆ 【翻訳】ドラゴンの迷路・レビュー 青・ディミーア・イゼット (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - Blue, Dimir, and Izzet
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月29日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-blue-dimir-and-izzet/
 
 ディミーア
《強行+突入/Breaking+Entering》
 構築2.5点
 《不可思の一瞥/Glimpse the Unthinkable》になるだけでなく、速攻付きリアニメイトは気軽に見なかったことにできるものじゃない。最近はそこかしこに凄まじいクリーチャーが溢れてるんだから、速攻がついたら《グリセルブランド/Griselbrand》とかぶっ飛んだことになるよね。普通、グリセルブランドは《静穏の天使/Angel of Serenity》や《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》みたいに即盤面に影響しないから優先して使われてないけれど、即殴りに行けるようになったら面白いね。強行も突入が、墓地肥やしでありつつ釣り竿でもあるというのはとても強力で、それこそがこのカードのミソだ。それに融合カードのカード名って結構面白いね。見方を変えてみると本当、色々解釈できるよな。色々。
 
 リミテッド3.0点
 このカードの大きな利点の一つに、どちらの墓地からでもクリーチャーを釣れるってのがある。リアニメイト呪文を使う大きなリスクの一つに、釣る魚がいないことがあるけれど、自分以外の墓地も参照すればそんなことは少なくなるよね。
《遠隔+不在/Far+Away》
 構築3.0点
 駄洒落を言うにはうってつけの奴が来たな。このカードは凄いぜ。なにせ2つの強力かつ相乗効果に溢れた効果をもたらしてくれる。《送還/Unsummon》を撃てるオプションがついてくるなら、《肉貪り/Devour Flesh》にもう1マナくらい喜んで支払っちゃうぜ。特に両方合わせて唱えたときのマナコストがこれほど安く済むときたら言うことなし。除去をこれだけにすると3マナが苦しいと思うんだが、青黒なら2枚くらい挿して強く使えると思うよ。
 
 リミテッド3.5点
 布告系除去は昔から、構築と比べリミテッドでは強くなかったけれど、それは盤面がどうでもいいものですぐにごちゃごちゃしてくるのが原因だった。そこに《送還/Unsummon》が加わったことで、驚異的な強カードになっている。相手の生物を2体排除してもいいし、除去に対応して自分のクリーチャーを回収しつつ、相手のカード1枚をただ同然でもぎ取って行ったりしてもいい。黒だけで使っても、凄くはないが及第点ではあるしね。
《夜帷の憑依者/Haunter of Nightveil》
 構築1.0点
 相手のクリーチャーの力が抜けるって?どうやらこいつ自身、元々パワーが下がった状態で印刷されたようだな。
 
 リミテッド3.5点
 こんなのに付き纏われたらたまったものじゃない。どれくらい強いかよく分かると思う。こいつ自身がまずまずの強さを誇る上に、相手全軍からたとえ1でも力を削げるのはとてつもない強さだ。《雷鳴の杖/Thunderstaff》はミラディンでいつも過小評価されてたけど、こいつは杖よりも相当できるよ。
《精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク/Mirko Vosk, Mind Drinker》
 構築1.0点
 ディミーアにだって素敵なチャンピオンがたまには参入していいと思うんだが、まあ霊異種に代走してもらおうか。ミルコ・ヴォスクは格好いいが、相手を倒すまでに何回攻撃を通さなきゃいけないんだよってね。構築の5マナで使うには戦力外だね。
 
 リミテッド4.0点
 クリーチャー同士の戦闘では2/4で、2,3発殴れば相手が死ぬ。クロックの速さとしては爆速だから、分かりにくいけど脅威的だ。ブロックして倒すのも難しいね。
《概念泥棒/Notion Thief》
 構築3.0点
 極めて強力なカードパワーを持つが、その用途は狭い。強いときはとにかく馬鹿げた強さを発揮する。カードアドバンテージの極致だろう。《Ancestral Recall》に対応するなら、《誤った指図/Misdirection》より断然こちらだ。そして空前絶後のカードにもなるだろう。さらに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を蹂躙することすら可能だ。考えてもみろよ、ジェイスで+0してこいつが出てきたら、カードが引けないどころか2枚トップに戻さないといけないし、返しで殴られてジェイスが落ちるんだぜ。しかもこっちには3ドローが入る。
 
 もちろん、それはレガシーやヴィンテージでの話になる分、ちょいと高望みな筋書きだが、あり得る話だから面白い。青黒緑で《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を使うデッキなら使えるんじゃないかと思ってるよ。下の環境で今話したことが起きるくらい、強烈に刺さるカードなんだからね。
 
 スタンダードでは、相手に青黒(2)の4マナが立ってたら、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》をどう撃ったものかもう分からないね。いつでも《概念泥棒/Notion Thief》の恐怖に怯えながら啓示のマナを倒さなきゃならないようだ。しかもたまに本当に悪夢が本当に起きるわけだからな。3/1瞬速だから、サイドボード要員以上の存在にすらなるかもしれない。とはいえ、どのような立ち位置になるかはまだ分からないだろう。ドローやプレインズウォーカーに対しては強烈だが、クリーチャーと戦うことになったらそうでもないからね。こいつが環境にあるというだけでゲーム展開がかなり変わる。環境で定番の一枚にはならなかったとしてもね。
 
 リミテッド3.0点
 使わないことがあるとは思えないが。ドローのためではないよ。相手の追加ドローを奪えたら最高だが、3/1瞬速として使ったって十分さ。
《盗まれた計画/Pilfered Plans》
 構築2.0点
 俺くらい《予言/Divination》を使い倒したプレイヤーはいないさ(とはいえ、パトリック・チャピン(Patrick Chapin)が前のプロツアーで、正真正銘本物の《予言/Divination》を使ってたことに触れなくてはなるまい)。それにこれは予言よりだいぶ強い。自分の墓地を肥やせれば、カードを引けたり、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》でフラッシュバックする対象もできるからね。使う原動力になるんじゃないかな。ドローやサイクリング枠を巡っては、《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》、《熟慮/Think Twice》、《思考掃き/Thought Scour》、《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》と、最近かなり競争が激しいから、数多く目にするとは思わない。《入念な考慮/Careful Consideration》には劣るしな。
 
 リミテッド3.0点
 予言とって気に入らなかったことなんてないから、ついつい見たら片端から取ってしまうかも。ライブラリーを落とすのは相手側だと思うけど、活用がどちらかのデッキに入ってたら変わってくるだろう。
《知力の刈り取り/Reap Intellect》
 構築2.0点
 ロボトミー手術でも受けない限り、こういうカードの素晴らしさには目覚められなさそう。少なくともこいつは刈り取りって言うくらいあってアドバンテージが稼げるけど、重くてあまり全力で撃つのは難しそうだ。《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》ミラーならもっといい選択肢が既にあるし、こいつもまた、終盤用に考慮するカードが1枚増えたかなってくらいか。6とか7マナで撃てれば勿論超強力だと思うけど、「もし」って但し書きが必要だ。
 
 リミテッド1.0点
 なるほどつまり《精神歪曲/Mind Warp》だな(聞いたこともない人のためにリンクを貼っとこう)。
 http://store.channelfireball.com/products/search?query=Mind+Warp
 闇雲に入れても遅すぎる頃にしか撃てないカードだが、マッチアップによっては入れられるくらい遅いこともあるだろう。
《歪んだ体形/Warped Physique》
 構築2.5点
 除去祭りだね。序盤の働きは素晴らしいし、後半になってもタフ2,3のクリーチャーを安定して処理できるだろう。これぞまさにエスパーコントロールが求めていた除去。早速2枚くらい試してみたくてうずうずしてるよ。ただメタゲームを歪めるほど強くはないと思う。戦闘中にこれを使って、《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》で返されたら多分死ぬからね。
 
 リミテッド3.5点
 誰が見ても輝かしい除去だ。だから早めに取られるだろう。除去はインスタント速度なのがいつでも望ましいし、これで落とせない奴の方が珍しいくらいだ。土地を手札に貯めておく理由になるのがうっとうしいが、デッキに入っているときは心に留めながらプレイしよう。
《植林地を這うもの/Woodlot Crawler》
 構築2.0点
 構築のサイドボード要員として居場所があるかもね。《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》、《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》、《ロクソドンの強打者/Loxodon Smiter》、《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》、《スラーグ牙/Thragtusk》、《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と、かなりのクリーチャーを止められる上に、攻勢に回ればブロックされない。一考に値するくらいの強さがあるから、こいつを唱えられてかつ前のめりなデッキがあれば、とても強いかもしれない。
 
 リミテッド3.5点
 リミテッドでかなり気に入った。2マナ2/1であり、ときたま相手クリーチャーを盛り下げたりブロックされなかったりする。以前も言ったけど、普通のセットと違って多色のセットでは、プロテクションが普段より強い。そういうことなのさ。

◆ 【翻訳】ドラゴンの迷路・レビュー 青・ディミーア・イゼット (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - Blue, Dimir, and Izzet
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月29日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-blue-dimir-and-izzet/
 
《霊異種/AEtherling》
 構築3.0点
 青のレビューを始めるのに、これほど青くて最高なクリーチャーはいないよな。《霊異種/AEtherling》には期待してる。願わくば、土地を15枚くらい置いた状態で唱えられる機会に多く恵まれますように。長期戦になるゲームのフィニッシャーを、こいつ以上に上手くやってのけるクリーチャーはそうそういないだろう。何せこいつは基本的に無敵だ。全体除去すらきかないし、大概のクリーチャーと渡り合え、凄まじいダメージを稼いでクロックまで刻む。もちろん、それらを全部こなすには大量のマナが必要になるが、霊異種を入れるようなデッキでマナは問題にならないだろう。
 
 7マナで出るまで待たなきゃならない分、使える枚数は自然と限られてくるし、どれだけのデッキで実際に運用できるだろうか。《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》を使うデッキで1,2枚と見ている。霊異種と啓示がこの先も使えれば、だけどね(使えるさ)。面白いのは、こいつが元祖《変異種/Morphling》よりどれだけぶっ飛んでて強力になったのに、《変異種/Morphling》に比べて全く環境を支配できないだろうなってこと。面白くない?
 
 リミテッド4.5点
 欠点はマナコストだけ。色シンボルもマナ総量もね。凄まじい脅威であり万能ブロッカーだ。やられるとすれば、数で押し返されてレースに負けるくらいだろう。青3つが必要だから色をタッチしづらくなるが、開封してこいつがいたら、青だけはやるようにしたい。
《見えざる糸/Hidden Strings》
 構築2.0点
 複数のパーマネントをアンタップできるとな。唱えたターンに最大4つまで。コンボの可能性があるかもしれない。今のところ見えてはないんだけどね。
 
 リミテッド1.5点
 《束縛の手/Hands of Binding》先輩とリミテッドで一緒だなんて恥ずかしい。最初に唱えたターン以降、戦闘後に相手をタップしても効果的ではないからなあ。こっちが疑似警戒になったって慰めにもならないし。
《迷路の滑空者/Maze Glider》
 構築1.0点
 これが迷路唯一の出口なら、迷い続けてる方がましだな。
 
 リミテッド2.5点
 リミテッドの迷路の出口としてなら。少なくとも、6マナ3/5飛行は強くないが、それでも使えるカードではある。《不可思議/Wonder》よろしく何体もクリーチャーを飛ばせたら、使うべきだろう。
《精神静電/Mindstatic》
 構築1.0点
 《マナ漏出/Mana Leak》好きだったろ?2倍で支払いも倍だ。これやるから取っときな。
 
 リミテッド0.5点
 対戦相手がぶっ壊れの爆弾だらけのデッキでもない限り、サイドボードから取り出して使うところが想像できない。4マナも払うのにそれでも確定で打ち消せないなんてとても正気じゃない(相手に爆弾がたくさんあったとしても使うか議論になるくらいだ)。
《つぶやく幻/Murmuring Phantasm》
 構築1.0点
 つぶやき - 祈り - 詠唱 - 念じろ!
 幻になりました。
 
 リミテッド2.5点
 超攻撃的なデッキでない限り、2マナ域としてはかなりのやり手だろう。相手が何を繰り出してきても大体止まる。少なくとも終盤まではね。それに2ターン目にやることができるから、ぼんやり過ごさないで済むし。盤面的に弱くなったら追加で引いても弱い都合上、たくさんあっても嬉しくないが、1,2枚ならかなりいいと思うね。
《オパール湖の門番/Opal Lake Gatekeepers》
 構築1.0点
 
 リミテッド3.0点
 門番サイクルは白・アゾリウス・オルゾフのレビューをしたときに評価済み。こちらを読んでくれ。
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/ (元記事)
 http://misdirection.diarynote.jp/201305012327038735/ (拙訳)
《走者止め/Runner’s Bane》
 構築2.0点
 《感覚の剥奪/Sensory Deprivation》と違って、走者止めならシステムクリーチャーも効果的に止めることができる。除去不足の折には、こんなのでも走ってくるものを止めるのに使われるかもしれない。盤面に残ってしまうのが残念だ。《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》を止めても、続けて撃たれる《冒涜の行動/Blasphemous Act》で死ぬのまでは止められない。
 
 リミテッド3.5点
 除去は除去だ。しかも驚くべきことに、かなり満点に近い除去。つけられるときにすぐ相手をタップできるのは実にいい。ブロックできないようにもできるし、さっき言及した《感覚の剥奪/Sensory Deprivation》よりもかなりいいね。
《特質改竄/Trait Doctoring》
 構築1.0点
 ん!?まちがったかな…
 ターン終了時までとかテキストに書いてないじゃないですかーやだー。永続するとしないじゃ随分違う。《窒息/Choke》とか《沸騰/Boil》とか再録されでもしない限り(絶対に再録されるわけがない)、色を変えるとか土地タイプをいじるとかはカード1枚使ってやることじゃない。
 
 リミテッド0.5点
 他の除去と組み合わせると、《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》が倒せる!凄い!
《発掘された道しるべ/Uncovered Clues》
 構築2.5点
 いつも通り、青だけ道しるべが多いんだよな。我らディミーア家が優勝はもらった!構築でもこれが強いといいね。最近のクリーチャーは質が恐ろしくいいから難しいと思うけど、呪文がたくさん掘れたらコントロールにとっては素晴らしいよ。生物は《霊異種/AEtherling》2枚、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》3枚、それに《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》3枚。後は土地28枚とスペル24枚とかだと、俺に取っちゃ夢みたいなんだがね。
 
 リミテッド1.0点
 リミテッドでこいつを強く使うには、かなりこれ専用の構築が必要になる。いつもそんな構築をしたいと思うんだが、間違ってるんじゃないかって思えてきた。
《風のドレイク/Wind Drake》
 構築1.0点
 青いカードは上までで終わりだな。構築では使えないことを言う必要もなかろう。
 
 リミテッド3.0点
 昔ながらの《風のドレイク/Wind Drake》。評価は環境が変わってもほとんど揺るがない。今回も例外ではないだろう。他環境より強いこともあるけれど、大体はそこまででもない。

◆ ドラゴンの迷路・レビュー 白・アゾリウス・オルゾフ (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - White, Azorius, and Orzhov
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/
 
 評価
 本質的に異色なセットだから、いつものように構築とリミテッドのコモンそれぞれについてトップ5を挙げるのでなく、各ギルドのトップ3と、単色から1枚ベストなものを取り上げることにするよ。通常のトップ5は最後のまとめにて。
 
 白のカード
 構築
 《ギルドとの縁切り/Renounce the Guilds》
 
 スタンは随分と優良除去に飢えててね。《ギルドとの縁切り/Renounce the Guilds》を真剣に除去枠に検討することがあるだろう。自らの成功の犠牲になるかもしれないが、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を除去できる可能性があるこいつは興味深い。
 
 リミテッド
 《ハズダーの罠部隊/Haazda Snare Squad》
 
 《太陽塔の門番/Sunspire Gatekeepers》や《尖塔のロック鳥/Steeple Roc》よりも上だ。攻めにも守りにも強く、おまけにサイズも合格。
 
 
 アゾリウス(青白)のカード
 構築
 3.《不可侵議員/Council of the Absolute》
 2.《静寂宣告/Render Silent》
 1.《唯々+諾々/Beck+Call》
 
 《唯々/諾々/Beck/Call》は厳密にはアゾリウスでないし、その強みも諾々の方ではない。それでも正確に言えばこれはアゾリウスのカードだし、アゾリウスだって主張するのもアゾリウスっぽいだろ?アゾリウスのカードの中で最も心躍るカードで、多くの新デッキが唯々諾々のおかげで生まれるかもしれない。不可侵議員も静寂宣言も両方スタンダードでは活躍しそうだし、中々使われると思う。とはいえ、《唯々/諾々/Beck/Call》ほど環境を揺るがしたりはしないだろうな。
 
 リミテッド
 
 導き石サイクルとギルドの数が多いせいで、比較が可能なほど各ギルドにコモンが存在しない。だから各ギルドについて、レアでない最高のカードを取り上げてみることよ(大抵はアンコモンになるだろうね)。
 
 《ジェーレンのスフィンクス/Jelenn Sphinx》
 
 すんなり決まった。2位の《上昇する法魔道士/Ascended Lawmage》にかなりの差をつけての1位だ。攻めても守っても強すぎる。白にぴったり。
 
 
 オルゾフ(白黒)のカード
 構築
 
 3.《覚悟+意欲/Ready+Willing》
 2.《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
 1.《罪の収集者/Sin Collector》
 
 ユーティリティであり妨害を兼ねたクリーチャー、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》的なフィニッシャー、それに素晴らしいサイドボードカード候補と、オルゾフもやり手が参入したね。これだけの幅は凄い。《神無き祭殿/Godless Shrine》はこれから2年ばかり、お布施を集め続けることになるだろうな。
 
 リミテッド
 《税収飲み/Tithe Drinker》
 パッと見て華やかではないかもしれないが、たった2マナでこいつから得られるものは、オルゾフのプレイヤーに流せるものじゃない。序盤中盤終盤隙がない2マナ域は貴重なんだぜ。
 
 明日は青をレビューするよ。それにディミーア、イゼットだ!
 
 
 
 LSV
◆ ドラゴンの迷路・レビュー 白・アゾリウス・オルゾフ (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - White, Azorius, and Orzhov
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/
 
 
《死せざる者への債務/Debt to the Deathless》
 構築1.0点
 双頭巨人戦が構築で競技フォーマットにでもならない限り、債務と同じで採用する数は少なければ少ないほどいいってね。
 
 リミテッド2.0点
 7マナなら中々。8マナ以上で撃てたらとても強い。盤面に影響しないのは大きな欠点で、フィニッシャーにしかならない。ダメージレースを仕掛けるデッキで一番強いか。何せ大量のライフゲインもついてるからね。白白黒黒というマナコストのせいで、オルゾフ中心のデッキでしか使えないだろうが、平均的なオルゾフデッキがどんなものになるかはまだ見当がつかないな。
《オブゼダートの大口/Maw of the Obzedat》
 構築1.0点
 キブラー(Brian Kibler)とも話してたんだけど、こいつのクリーチャータイプはスラルってより、往年の太っちょエルヴィス・プレスリーだよな。もしくはスターウォーズのサーラック?
 
 リミテッド3.5点
 こいつが盤面にいるだけで、対戦相手からするとあらゆる戦闘が悪夢と化すだろう。クリーチャーが3,4体並んでいれば、攻撃もブロックも組み合わせがやたらと複雑になって、クリーチャーが増えるたびに厄介さが増すんだ。そしてこちらが選択肢を選べるから優位に立てる。対戦相手からしたら、攻撃とブロックであらゆる場面を想定しないといけないのに、こちらからすれば戦闘が始まってから考えればいいだけだからね。強化呪文だとか除去も、そいつを食べて全軍を強化すればいいだけだから、効果が薄くなってしまう。大口が取れたなら、クリーチャーの優先度は上げてもいい。できる限り複雑な盤面を作ればいいだけになるからね。
《オブゼダートの救済/Obzedat’s Aid》
 構築2.5点
 こんな効果は他に例を見ないから、とても強力になる可能性を秘めている。スタンダードで一番釣って嬉しいのは《全知/Omniscience》だろう。全知は他の凄まじく重いカード、たとえば《グリセルブランド/Griselbrand》とか《怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged》ともよく噛み合ってるしね。《オブゼダートの救済/Obzedat’s Aid》を使い倒そうとすれば、《堀葬の儀式/Unburial Rites》以上に可能性は広がるが、それでもクリーチャーを釣ることが依然として多いと思うよ。それとこの手のカードは長いこと入るデッキが見つからなかった後に、ひょっこり新しいアーキタイプを生み出したりするカードかもしれない。もっと読みたい人は、トラヴィス・ウー(Travis Woo)の記事やオーウェン(Owen Turtenwald)の記事を読んでくれ。
 http://www.channelfireball.com/articles/woo-brews-dragons-maze-combos/
 http://www.channelfireball.com/articles/spoiler-spotlight-obzedats-aid/
 
 リミテッド1.5点
 こいつに価値が出るためには、まずでかいパーマネントを引いてきて唱え、しかもそいつが墓地に落ちなくてはならない。俺からしたらちょっとばかり前提が多いので、ぶっ壊れの爆弾が2枚とかあったりしない限り、早めに取るのは躊躇われるね。遅いマッチアップでは十分に使用に耐えるけど、これを引いて何も釣る対象がないときは裏目になる。釣る先がないときに引くことを考えると、かなり凄いカードを釣らないと割にあわないところだ。
《利得+損失/Profit+Loss》
 構築1.0点
 《損失/Loss》側に利得を見出さない限り、構築では使わないかな。《盲信的迫害/Zealous Persecution》に5マナも払うのはちょっと……。
 
 リミテッド3.0点
 ちょっと……ただしリミテッドで使うなら話は別だ。マナ効率こそ良くはないかもしれないが、相手を吹き飛ばせる可能性がある以上、両方を唱えられるのならいつでもデッキに入れるべき。《損失/Loss》の側しか唱えられなくても入れることだってあるだろう。
《覚悟+意欲/Ready+Willing》
 構築2.5点
 単純に強くて使われそう。ほぼサイドボード要員だろうけどね。《覚悟/Ready》は全体除去ををそこそこのマナコストで止められるし、《意欲/Willing》はクリーチャー中心のマッチアップでヤバい。どちらも使い出があるし、終盤には両方を唱えて優良スペルになるから、中速のデッキで使ってみる意欲が湧いたね。
 
 リミテッド4.0点
 3マナの面白いコンバットトリック2種であり、6マナで使えば完全にゲームを決めかねない。クリーチャーがなぐり合うのなら、これが強いこともあるだろう。1:1交換はほぼ約束されているし、2:1以上の交換も上手く運用してやれば難しくないだろう。

◆ ドラゴンの迷路・レビュー 白・アゾリウス・オルゾフ (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - White, Azorius, and Orzhov
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/
 
 
《第10管区のラヴィニア/Lavinia of the Tenth》
 構築2.0点
 プロテクション赤で、小粒なクリーチャーを全部留置。発想はいいよね。ただその計画には穴がある:
 
 《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》
 
 ヘルカイトがラヴィニアを悠々と飛び越えていくことを別にしても、ラヴィニアさん、《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》、《稲妻のやっかいもの/Lightning Mauler》それに《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》がどれだけ素早くライフを詰めていくかご存じで?除去できない正真正銘の《Time Walk》だとしても、《スラーグ牙/Thragtusk》よりこっちがいいと確実に言えることがどれだけあるだろうか?昨今、5マナは中々ハードルが高いから、ラヴィニアがそれを乗り越えられるかは分からない。プロテクションは強力な能力だから、使われる可能性はあるけれど、マッチアップの隙間を縫って役割を埋める感じだろうな。
 
 リミテッド4.0点
 対戦相手のクリーチャーの大部分を留置するなんて願ってもないことだ。それにプロテクション赤がつけば、そこかしこで対戦相手が嫌がってくれるだろう。大概のデッキが少なくとも2.5色くらいにはなるだろうから、プロテクションが役立つ可能性は高い。プロテクションがなかったとしても超強力だよ。
《保安+奉仕/Protect+Serve》
 構築1.0点
 このセット・レビューは構築プレイヤーを守り、奉仕するものです。
 
 リミテッド3.0点
 2つの強力なコンバット・トリックが2つまとめられていて高性能なカードに仕上がってる。いつでも使うね。相手に見られてしまうと殊更、実際に2:1交換を取るのは難しいが、1:1交換をするのは簡単だろう。
《静寂宣告/Render Silent》
 構築2.5点
 囮の呪文に釣られる心配がなくなるのはかなり重要だ。相手がどんなものを繰り出してこようと、そいつを消してしまえば終了。《雲散霧消/Dissipate》、《静寂宣告/Render Silent》、《対抗変転/Counterflux》がどれもそれぞれの長所があって、メタゲームを斟酌して正しく採用した人に報いてくれるのは嬉しい。3つのうちで頭一つ抜けてて、これを採用すれば安心というものではないとはいえ、《静寂宣告/Render Silent》が俺にとっては最有力候補金。打消しとして一番強いからね。《雲散霧消/Dissipate》はフラッシュバック呪文やリアニメイトにきくし、《対抗変転/Counterflux》は打消し合戦になったとき役立つ。どちらも少しばかり隙間産業的だからさ。今なら《静寂宣告/Render Silent》だけど、週ごとにコロコロ変わると思うよ。
 
 こいつはそれに、ストーム開始も止められる。とはいえ《煮えたぎる歌/Seething Song》がモダンで禁止された今、あまり重要ではないかもしれない(レガシーならもっと良い選択肢があるしね)。
 
 リミテッド2.0点
 《取り消し/Cancel》は取り消し。後続を打ち止めにするとしてもそこは同じだ。3マナの打消しのリミテッド評価は、環境の速度次第で1.5点から3.0点といったところ。これも例外じゃないよ。
《平和の復元/Restore the Peace》
 構築1.0点
 平和を復元するより、《修復の天使/Restoration Angel》で修復してもらったらどうだい。より平和になるぜ。
 
 リミテッド1.0点
 基本的に超劣化版《霊気化/AEtherize》だ。1マナと引き換えに大量のライフを失うことになってしまった。面白そうな使い方はできると思うけど、あまり意味はないような気がするね。
《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
 構築3.0点
 支払ったマナの分、血アドが返ってくる!中でも目玉は絆魂で、プロテクション白と黒がついてるおかげでかなり除去られづらいから、実際にライフを稼いでくれるまで盤面に残ってくれるだろう。こいつは対戦相手を殴ってると、更なる怪物に成長するが、その点も中々重要になることが多いだろう。対戦相手からしたら、本来チャンプするよりずっと早くチャンプブロックに入って大きくなる機会を潰さないとならない。後に除去を引かれるとしても、攻める側からしたらかなり有利だ。
 
 スタンダードの5マナ以上にはかなり強烈な奴らが多いから、いつも通りではあるけれど、どれが一番強いかはメタゲームがかなり影響するだろう。血男爵が輝くのに必要な条件として、そこそこの期間生き延びられることが一つ。またクリーチャー戦を制することができる必要もある。どちらの条件も、どの色が使われているかに左右される。これまたいつも通りではあるが、メタゲームは影響力のあるカードに合わせて変遷するから、こいつの強さも除去が白や黒から他の色になることで変わってくるだろう。
 
 リミテッド4.5点
 強すぎ。これ以上強いのなんてそうそうなれるもんじゃない。幸運な対戦相手なら、押さえ込んでおくだけの巨大な赤か緑のクリーチャーがいたりするかもしれないが、そんな運に恵まれることは稀だろう。ほとんどの相手からすれば、除去することもできなければ戦闘を有利に運ぶこともできなくなってしまう。ダメージレースをするのは恐ろしく難しくなるし、色拘束すら厳しくないんだぜ。

◆ ドラゴンの迷路・レビュー 白・アゾリウス・オルゾフ (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - White, Azorius, and Orzhov
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/
 
 
《上昇する法魔道士/Ascended Lawmage》
 構築1.0点
 《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》やら《不可視の忍び寄り/Invisible Stalker》やらならある程度我慢もできるけど、こいつがオーラデッキで使われるようなら参っちゃうね。幸運なことに、こいつが構築で法を説けそうにはない。よかったよかった。
 
 リミテッド3.5点
 除去られる恐れなしにフルタップで出せるパワー3の飛行というだけで素晴らしい(そして4マナ3/2飛行はそれだけでいつの時代も強い)。そんな生物に裏目らずオーラをつけられて、悪いことが起きるはずもなし。こいつに履かせるパンツを取った後に見たなら即ピックだし(中でも《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》だね)、初手~3手目くらいまでを捨てて取っても全然いいよ。
《唯々+諾々/Beck+Call》
 構築3.0点
 強すぎるから使われないはずがない。もっとも下の環境中心だろうけれどね。《遺産のドルイド/Heritage Druid》も《メムナイト/Memnite》もなしに《垣間見る自然/Glimpse of Nature》を使うのはそこまで簡単じゃないけど、どちらも都合のいいことにモダンでは使用可能だし、他にも楽しいことができる。一番いいのは《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》かな。こいつにはどちらの側にクリーチャーが出るかは関係ないからね。
 
 強い《唯々+諾々/Beck+Call》デッキを作るには、2つばかりやるべきことがある。
 
 1.マナ効率良くたくさんのクリーチャーを出す方法が必要。《遺産のドルイド/Heritage Druid》エンジンや、単に0マナクリーチャーを詰め込むなど(《メムナイト/Memnite》、コボルト、《Shield Sphere》、《金属ガエル/Frogmite》とか)。
 
 2.大軍を呼び出した後の勝ち筋。できれば大量に出たターンの間に勝ちたい。ストーム呪文や《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》がフィニッシャーとして名乗りを上げそう。もっとも《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》は《ぶどう弾/Grapeshot》より間違いなく重いけどね。
 
 どちらもスタンダードで達成するのは無理そうだが、モダン、レガシー、ヴィンテージでは容易に手に入るだろう。それにマナフラッドしたとき、《諾々/Call》側がボーナスをくれるのもとても嬉しい。間違いなくときたま役立つこと請け合い。
 
 マット・ナス(Matt Nass)がエルフデッキを改造できるかもって、記事をまるまる一本書いてたな。こちらからどうぞ。
 http://www.channelfireball.com/articles/matt-nass/spoiler-spotlight-beck-call/
 
 リミテッド3.5点
 唐突だが評価は一点、予想できたことかもしれないが、リミテッドでは《諾々/Call》側の性能で強カードに数えられる。俺なら《唯々/Beck》側が唱えられるかどうか関係なく使うな。それに《唯々/Beck》が唱えられたとしても、一緒に《諾々/Call》が唱えられない限り《唯々/Beck》だけで使うつもりはない。6マナで1/1の飛行が4体出るのは強いし、ほぼ確実に少なくとも2:1交換はできるだろう。
《不可侵議員/Council of the Absolute》
 構築2.5点
 《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》を使うミラーでぶっ飛んだことに。《翻弄する魔道士/Meddling Mage》が重くなったが、代わりにこちらは関係なくスペルを唱えられる上に、軽くまでなるんだからね。スペルというのがミソでさ。重要なことだけど、こいつでクリーチャーは指定できない。指定スペルを使っていなくても、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》なんかをジャンド相手に止めるのは強力だし、2/4だからまあまあ除去にも耐える。ナヤブリッツみたいなデッキ相手には弱すぎるから、サイドボード用のカードだと思うけど、それでもサイド要員としては有力だと思う。少なくとも、《突然の衰微/Abrupt Decay》対象外で、《堀葬の儀式/Unburial Rites》を止められるのはとても嬉しいよな。
 
 リミテッド3.5点
 こちらにおわしますは、リミテッド用《殺戮遊戯/Slaughter Games》でござい。1ゲーム目では相手のデッキに入ってそうなものを指定してもいいし、自分の呪文を軽くするために使ってもいい。どちらにしても、2/4というサイズで戦闘に参加できる。1ゲーム目が終わったらたくさん情報もあるだろうし、それを基に指名していけばいい。4マナ以上かかる同じ呪文が複数枚あるのなら、こいつはステキだね。どんなマッチアップでも強力だろう。爆弾レアとは言わないが、序盤にとって差し支えないね。
《返済代理人/Deputy of Acquittals》
 構築2.0点
 《返済代理人/Deputy of Acquittals》は、《救助の手/Saving Grasp》と《修復の天使/Restoration Angel》の合体版だ。もっとも残念ながらこの界隈では救助の手に近い。戦場に出たときの効果を使いまわし、除去からこちらの生物を救うことができる。この代理人は2/2瞬速に便利能力がついていて、効果が任意なのも嬉しいし、不用意な対戦相手を待ち伏せることができる。こいつで稼げるアドバンテージはそこまで大きくはないから、多くのデッキで見ることはないんじゃないかと考えてるけど、たまに出てきそうであはる。《修復の天使/Restoration Angel》と一緒になると無限っぽくなって、永遠にブロックできる機械が出現するよ。
 
 リミテッド3.0点
 普通くらいのデッキが作れれば、ほぼ毎回2:1交換くらいは取れるだろう。ここではおまけとしてついてくるのが《灰色熊/Grizzly Bears》ってことだね。順当な線だろう。2ターン目に唱えられることを考えると特に(2tに唱えるのはちょっと難しいけど)。突然出てきてブロックすることもできる。こいつと上手く噛むカードが取れていればとても強いし、単体でも既に十分だ。
《ジェーレンのスフィンクス/Jelenn Sphinx》
 構築1.0点
 見てください、この幸せそうな顔を!
 
 リミテッド3.5点
 1/5飛行警戒というわけで既に凄い。俺みたいにブロックを愛してやまない人ならね。それに攻撃してるとき《栄光の頌歌/Glorious Anthem》がつくと、これぞまさに素晴らしいカード。戦闘で討ち取るのはかなり難しいから、攻めても守ってもかなりの仕事をするよ。

◆ ドラゴンの迷路・レビュー 白・アゾリウス・オルゾフ part1 (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - White, Azorius, and Orzhov
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/
 
 
門番サイクル
《オパール湖の門番/Opal Lake Gatekeepers》《サルーリの門番/Saruli Gatekeepers》《溶解区の門番/Smelt-Ward Gatekeepers》《太陽塔の門番/Sunspire Gatekeepers》《ウブール・サーの門番/Ubul Sar Gatekeepers》

 構築1.0点
 《迷路の終わり/Maze’s End》が加わったし、門入りのデッキも考えられないではないけど、達成したらもう少し嬉しいご褒美が欲しかったところだ。万事うまく運んでようやく、ライフゲインも変身もできない2/4の《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》が手に入ったり、カードが1枚引けたり、《脅しつけ/Threaten》、7点ライフゲイン、《見栄え損ない/Disfigure》なんだもの。この中では7点ゲインが一番ワンチャンありそうだけど、あわよくば使おうと思い続けるほどではないね。
 
 リミテッド3.0点
 4マナ2/4だって悪くはないし、(気に入らない《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》なんて見たことがない)そこまで能力の誘発も非現実的ではない。ドラフトだと一人当たり3枚くらい門が出るんだから(ショックランドが出ると確率が下がるが)。サイクルはどれもとても強力で、色を散らすくらいだと思う。俺なら色の合わないギルド門でもかなり使っちゃうだろうね。何せ俺なら門番の数は1,2枚じゃきかないだろうからな。色の合わない門でも入れる価値があるってもんだよ。
《反射起こし/Wake the Reflections》
 構築1.0点
 リミテッドでインスタントだったらあまりに面倒くさいってのが想像できるけど、そのせいで構築での評価はがらりと性質が変わってしまった。毎回少しばかり安く3/3や5/5を出せる代わりに、こいつはやることなく手札に居座ることが多いだろう。それに除去で簡単にやられてしまう。トークンを除去られると酷いことになるかもしれない。構築にはまた別の機会にお越しくださいませってことかな。
 
 リミテッド1.5点
 ほとんどのラヴニカへの回帰の居住カードにかなり劣る。居住以外のことは何もしないからね。そうはいっても、これを何としても入れたいデッキなら、居住カードの中でも多分最高なんじゃないかな。そんなデッキが万が一組めているなら(ケンタウロスやワーム出す手段が4枚以上あって、《議事会の招集/Call of the Conclave》だとか《ワームの到来/Advent of the Wurm》なんかまで入っているなら)、朗報だ。他は誰も《反射起こし/Wake the Reflections》なんて取らないぞ。

◆ ドラゴンの迷路・レビュー 白・アゾリウス・オルゾフ part1 (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - White, Azorius, and Orzhov
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-white-azorius-and-orzhov/
 
 ドラゴンの迷路レビューへようこそ!今回のセットは本質からして普段とは違うもので、毎日1色とその色を含むギルド2つをレビューしていくつもりだよ。今日は白、そしてアゾリウスとオルゾフだ。今まで通り、点数表はこちら:
 構築
 
 5.0点:フォーマットをまたいでの大活躍。価格も大高騰間違いなし
 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
 
 4.0点:環境定番のカード。
 《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》、《スラーグ牙/Thragtusk》
 
 3.5点:色々なデッキで使えて強いけど、必須とまではいかない。
 《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》、《修復の天使/Restoration Angel》、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
 
 3.0点:アーキタイプが合えば必ず入る。
 《遥か見/Farseek》、《墓所這い/Gravecrawler》
 
 2.5点:定番として使われるデッキもあるけど、必須ではない。
 《熟慮/Think Twice》、《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》
 
 2.0点:隙間を埋めてくれるカード。サイドボード要因や、強いけどまだ居場所のないカード。
 《帰化/Naturalize》(結構2.0点がつくカードは多いから、2.0点がついたら説明が重要だって考えてくれ)
 
 1.0点:使われることもあるかもしれない。
 《空虚自身/One with Nothing》(これすらハウリング・オウルに対する秘密兵器として使われたとかなんとか。効果のほどは疑わしいが)
 
 
 
 リミテッド
 
 5.0点:何があろうとも使う。それだけ。
 
 4.5点:他に何が取れてようとも間違いなく使うレベル。
 
 4.0点:それだけのために色を使う価値がある。
 
 3.5点:見たらその色に行こうと思う。
 
 3.0点:その色が使いたくなる。色が合うなら100%使う。
 
 2.5点:このレベルのカードが何枚も取れたら色は確定。色が合うならほぼ間違いなく使う。
 
 2.0点:色が合うなら大体使う。70%くらいの確率で使う。
 
 1.5点:メインには半々くらいの確率でしか入らない。50%で使うかも。
 
 1.0点:これを使うようじゃ酷いデッキだと思わざるを得ない。30%くらい。
 
 0.5点:サイドボードとして使うことを考えなくもない。でも絶対にメインに入れない。10%くらいの可能性で使う。
 
 0点:メインだろうとサイドだろうと、絶対に使わない。
《ボロスの猛犬/Boros Mastiff》
 構築1.0点
 2マナ絆魂界隈での負け犬。《近野の巡礼者/Nearheath Pilgrim》との争いに敗れたね。2マナ2/2に頑張って絆魂とつけるというのは、構築でやることじゃない。こいつよりずっと強いとはいえ、プロツアーで《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》を使ったのだって信じられないくらいなんだ。
 
 リミテッド3.0点
 ギルド門侵犯で見た通り、2マナ2/2というのはボロスにとって貴重なんだ。しかも地味とはいえ、おまけにしては嬉しい能力までついてるときた。ギルド門侵犯よりはずっと遅い環境だとしたら(そう願うしかない)、この手の2マナは2.5点に近くなるかな。
《ハズダーの罠部隊/Haazda Snare Squad》
 構築1.0点
 1マナ1/1で同じテキストがついてたら、みんな熱狂してプレイしたと思うけど、3マナ1/4じゃあとてもとても。
 
 リミテッド3.5点
 除去でも戦闘でも倒すのが難しいだけでなく、こいつがいると相手は効果的なブロックをするのが極めて難しくなる。1/4として防御的に使うこともできるから、どんなデッキで使っても素晴らしいカードに仕上がっている。
《リーヴの命令/Lyev Decree》
 構築1.0点
 アドれないインスタントなど必要ない!
 
 リミテッド1.0点
 ものすごい攻撃的で、除去もバウンスも全くないなら強いんじゃないかな。カード1枚をテンポアドバンテージに変えるってのは、多くのデッキで欲しがるものではないだろう。
《迷路の歩哨/Maze Sentinel》
 構築1.0点
 6マナ3/6なんてのが使えるカードになるためには、目を見張るような能力がついてないと。警戒ではとても足りないな(たとえ他のクリーチャーに警戒がつくとしてもね)。
 
 リミテッド1.5点
 単体ではとても6マナ払うに値するカードじゃないし、他のクリーチャーに警戒がついてもそこまで劇的に評価が変わるほどではない。高マナ域が欲しいなら、その役目は果たしてくれると思うけど、心躍るものではないね。
《ギルドとの縁切り/Renounce the Guilds》
 構築3.0点
 《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》も余命いくばくもないといったところか(霊だからもう死んでるけど)。トラフト、《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat》、《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》、《軍勢の集結/Assemble the Legion》、《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》、《ロクソドンの強打者/Loxodon Smiter》、《屑肉の刻み獣/Dreg Mangler》と、これだけでもかなりのカードへ回答となる(ここに挙げてないものもたくさんあるしね)。それに加えて新顔の中にも強力な多色の奴らが控えてるだろう(《狂気の種父/Sire of Insanity》とかどうだい)。そんな中に舞い降りた良除去。両プレイヤーに影響するという欠点もあるけど、そのくらいは簡単に何とかなるだろう。《無垢の血/Innocent Blood》を思い出すよね。無垢の血はぶっ壊れだった。
 
 リミテッド3.5点
 だいたいのデッキにこれの被害を受けるカードが何枚も入ってると思うけど、普通の布告系除去と違って、こいつは基本的にいつ使っても質の高いカードを撃ち落すことだろう。繰り返しになるけど、自分も被害を受けるとはいえ、盤面を操作して相手の強いカード1枚を引っこ抜けるようにするのは、そう難しいことではないだろう。
《暴動鎮圧/Riot Control》
 構築2.0点
 3マナというのは《濃霧/Fog》の親戚でも軽い方じゃないが、ターボフォグ系のデッキがもっとたくさん濃霧を入れたいってなら、こいつを使えばライフを含め何ターンも凌げるだろう。
 
 リミテッド1.5点
 相手の全軍を待ち伏せして、弱い奴を討ち取りつつ他の奴をスルーなんてことはできるが、それでも凄い強いってほどではないね。
《ヴィトゥ=ガジーの末裔/Scion of Vitu-Ghazi》
 構築2.5点
 テキストから苦しい感じがするのは置いておいて(《大笑いの写し身/Cackling Counterpart》とかで無限にならないようにする処置だね)、こいつはとても強い。少なくとも4/4に1/1が2体ついてくる上、2つ目の1/1はこいつを欲しがるようなデッキで使えばずっとデカいトークンになることもしばしばあるだろう。《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk》ほど堅実ではないし、唱えたときにしか誘発しないにしても、潜在的に強化された部分もある。トークン原理主義者ってわけじゃないが、こいつは気に入ったよ。
 
 リミテッド4.5点
 変な方に転びようがない。4/4に2体の鳥がついてきてもスゴいし、4/4に鳥、それに加えて鳥より素晴らしいものがついてくるのもいいね。強力かつ比較的軽く、かつ押されているときでも強いというのは、リミテッドの理想みたいなクリーチャーじゃないか。
《尖塔のロック鳥/Steeple Roc》
 構築1.0点
 こいつに戦闘を任せたら、ロクなことにならないだろう。
 
 リミテッド2.5点
 言うまでもなく、5マナ以上のカードは強くても厳しめに見なければならない。そんなわけで2.5点にした。こいつは簡単に死ぬけど、即死しなければ相手の攻撃をすぐに止めてくれるし、毎ターン3点クロックを刻めるだろう。先制攻撃のパワー3を止めるのは難しい。飛行とくれば尚更ね。

【翻訳】ドラゴンの迷路より独占カードプレビュー 《Sire of Insanity》 by LSV
◆ ドラゴンの迷路より独占カードプレビュー 《Sire of Insanity》 by LSV
 
 Exclusive Dragon’s Maze Preview Card - Sire of Insanity
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年4月
 
 http://www.channelfireball.com/articles/luis-scott-vargas/exclusive-dragons-maze-preview-card-sire-of-insanity/
 
 今日はイカれたカードをプレビューするぜ。もっとも、俺の場合使っていい思いをするよりも、相手に使われて大打撃なことが多いだろうけどね。ラクドスの伝統に則って、皆が暴勇できるよう頑張っちゃう奴だ。
 
 そんな《Sire of Insanity》はこちら:
 《Sire of Insanity》(4)(黒)(赤)
 クリーチャー - デーモン
 各終了ステップの開始時に、各プレイヤーは手札を捨てる。
 6/4

 こりゃ凄い。6マナ(と手札全て)で、6/4に全力の《精神錯乱/Mind Twist》がついてくると考えればどうだい。しかも一回きりじゃないときた。比較対象は明らかに《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》だろう。どちらもかなり似た効果を、似たようなマナコストでもたらすからね。
 
 幸運なことに、《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》は素晴らしいカードだったから、同じ土俵で競合しても依然嬉しい。復活より《Sire of Insanity》の方が有利な点をまとめてみよう:
 
 1.《魂の洞窟/Cavern of Souls》で打ち消されなくなる
 《雲散霧消/Dissipate》や《中略/Syncopate》(復活なら《否認/Negate》にも触れるべきだろう)で消されなくなるのはとても大きい。《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》なら通常止められるカードの多くで、こいつは止まらない。
 
 2.毎ターン効果が誘発する
 こいつが除去られなければ、トップから《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》を引かれても大して痛くない。ラクドスの復活は、啓示さえめくれれば撃たれてもすぐにゲームへ復帰できた。しかし《Sire of Insanity》に対してはあまり救いにならない。
 
 3.3~6点程度ダメージを叩き込むより、6/4が場にいる方が偉いことが多い。
 上の2つより分かりにくいかもしれない。《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》もX火力で相手へのトドメになるからね。しかし手札破壊が重要な時、大体においてダメージ数点よりも6/4の方が有効な場合は多い。プレインズウォーカーこそ倒せないが、それもこいつ自らカチコミにいって、直接なぎ倒すまでの話だ。
 
 しかしいいことばかりというわけでもない。主な(そして明らかな)デメリットとして、自分も手札を捨てなければならない。マナカーブのトップにこいつが来るようにしないといけないプレッシャーがあるし、中速デッキの妨害カードにはなれない(それは《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》の役割で、復活の代わりにはならない)。デッキ構築には頭を使うことになるが、代わりにより強力で、よりメインデッキ向けのカードが加入することになる。
 
 誘発能力がスタックに乗った後、こいつ自身が《送還/Unsummon》されたら笑えるね(*おおっと*)。くれぐれもバウンスが入ってるデッキを相手にするときは気を付けるようにしよう。
 
 こいつはヤバいカードだ。俺が捨てるカードの量と相手が捨てるカードの量はかなり違う自信があるけど(ヒント:俺の方がいっぱい捨てるだろう)、こいつが参入したらスタンダードもブロック構築もより面白くなるだろう。《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》に対抗する手段が欲しいなら、間違いなくこいつは候補になるね。
 
 《Sire of Insanity》を強く使えるデッキを2つばかり考えてみたよ。
 
 1つ目はジャンドで、普通のより少しランプ(加速)多めにしてみた。同じく強力だと思った《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》も投入してみたよ。まだ少しスペルが多いかもしれないし、《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》もしっくりくるか分からないけど、《Sire of Insanity》を上手く使えるのはパーマネント重視のジャンドかもしれないと思ったものでね。
 4:《血の墓所/Blood Crypt》
 1:《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
 4:《森/Forest》
 1:《沼/Swamp》
 1:《山/Mountain》
 2:《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》
 4:《草むした墓/Overgrown Tomb》
 2:《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
 4:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
 2:《森林の墓地/Woodland Cemetery》
 2:《魂の洞窟/Cavern of Souls》
 3:《Sire of Insanity》
 1:《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》
 4:《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
 4:《スラーグ牙/Thragtusk》
 2:《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voltaren》
 2:《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat》
 4:《東屋のエルフ/Arbor Elf》
 2:《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
 4:《遥か見/Farseek》
 2:《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》
 2:《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
 2:《戦慄掘り/Dreadbore》
 3:《灼熱の槍/Searing Spear》

 次に見せるこちらの方が素敵かもしれない。《Sire of Insanity》と《ラル・ザレック/Ral Zarek》の共闘だ。しかも《ラル・ザレック/Ral Zarek》のおかげで6マナにたどり着くのが1ターン早まることすらあるかもしれない。ラルは即+1を起動することで《送還/Unsummon》や《火柱/Pillar of Flame》が撃てるから、1マナの除去との相性が抜群だ。《Sire of Insanity》とバウンスを組み合わせるのも楽しい。そして軽い呪文を詰め込んでいった結果、《Sire of Insanity》が出る頃には手札があまり残らないデッキになった:
 3:《Sire of Insanity》
 1:《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voltaren》
 4:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
 3:《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》
 4:《ラル・ザレック/Ral Zarek》
 4:《思考掃き/Thought Scour》
 3:《送還/Unsummon》
 1:《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
 2:《戦慄掘り/Dreadbore》
 2:《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
 2:《灼熱の槍/Searing Spear》
 3:《火柱/Pillar of Flame》
 1:《小悪魔の遊び/Devil’s Play》
 1:《熟慮/Think Twice》
 2:《対抗変転/Counterflux》
 4:《硫黄の滝/Sulfur Falls》
 2:《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
 4:《血の墓所/Blood Crypt》
 4:《蒸気孔/Steam Vents》
 4:《湿った墓/Watery Grave》
 2:《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
 1:《僻地の灯台/Desolate Lighthouse》
 2:《島/Island》
 1:《山/Mountain》

◆ ギルド門侵犯・レビュー 緑・グルール(赤緑)
 
 Gatecrash Set Review - Green/Gruul
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-greengruul/
 
《怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged》
 構築2.0点
 あの強力カード《突撃の地鳴り/Seismic Assault》が、たった2.67倍のマナコストでダメージ50%増し(当社比)、おまけに7/6クリーチャーがついてきます!易々と唱えられるカードじゃないけれど、これほど強力な効果を鼻から無視して決めてかかるのは馬鹿げてる。それに、30フィートものサイクロプスをどうやって無視できるってんだい?
 
 リミテッド1.5点
 8マナは厳しい。唱えられる段になったら、即相手のクリーチャーに投げつけるだけの土地なんてまず残ってないんじゃないか。完璧なグルールコントロールデッキが組めたら、こいつでゲームに勝てるとは思うけど、そんなデッキにはお目にかかったことがない。
《一族の誇示/Clan Defiance》
 構築2.0点
 見ろよ、また強力なX呪文だ。現時点では、こいつが他のX呪文3枚(《小悪魔の遊び/Devil’s Play》、《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》、《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》)を押しのけて誇示する確率は極めて低い。飛行と地上クリーチャーが程よく入ったデッキが多くみられるようになったら使われるかも。しかし今はないね。
 面白さ:C
 
 リミテッド4.0点
 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》とはいかないが、《枝分かれの稲妻/Branching Bolt》にあやかって枝分かれの火の玉とでも言おうか。リミテッドでは壊れだね。間違いなくタッチで使う価値がある。
 面白さ:C+
《激情の耕作/Frenzied Tilling》
 構築1.0点
 《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》(綴り自信ない)はランプデッキのミラーマッチで面白いサイドボードだった。俺もプロツアーで使ったなぁ。しかし感激するほどじゃなかったから、激情にかられて1マナ重くなったこいつをずっと早い環境で試そうとは思わない。俺がアド嫌いってんじゃないよ。でも言わせてもらえば遅すぎる。
 面白さ:C
 
 リミテッド1.0点
 《怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged》ランプデッキミラーで使えば完璧だな。クネオ(Andrew Cuneo)と俺が同卓することになったら使おうかね。
《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
 構築3.0点
 今まさに暴れまわってるけど、しばらくこいつによる暴行は続くと思う。あと、カードが公開される前にマジックTVの企画でこいつの存在を予測できたってのも愉快だ(まあ想像に難くないカードではあったけどね)。
 http://www.channelfireball.com/articles/magic-tv-gatecrash-mechanics/
 
 《焼尽の猛火/Searing Blaze》さながらのコンバットトリックとしても、まずまずの殴りクリーチャーとしても、暴行者はパワーと柔軟性が理想的に同居している。壊れたラジオみたいに同じことを繰り返したくはないが、柔軟性は神様なんだ。というわけでこいつは両方強力な分割カードみたいなもので、スタンダードの定番になってるんだね。
 面白さ:C+
 
 リミテッド3.5点
 リミテッドでは湧血するより唱える方が多いだろうけど、いずれにせよ幸せ。ゲームが終盤になるにつれ、コンバットトリックが欲しくなるから、他の歩兵どもと違ってこいつは際どいレースの最終ターンに引いても素晴らしいトップデッキになってくれる。
《地上の突撃/Ground Assault》
 構築2.0点
 今のスタンダードの除去を見る限り選択肢に入るとは思わないが、地に足の着いた評価がしたい。《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》より優先して採用されるなんてことは言わないよ。というわけで俺はシールドで4枚集まった《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》を使うことにするぜ。
 面白さ:C+
 
 リミテッド3.5点
 大体なんでも倒せる軽量除去は売り手市場だ。いつだって早めに取りたい。序盤終盤隙がないね。中盤だけ少し扱いに困るか。
《グルールの魔除け/Gruul Charm》
 構築2.0点
 《支配魔法/Control Magic》に対して使うモードがちぐはぐな感じだ。これでもくらえ、《シミックの干渉者/Simic Manipulator》!他の2つのモードはいい感じ。中でもミニ《ハリケーン/Hurricane》が一番良さそう。強力なのでサイドボードに居場所があるかな。
 
 リミテッド3.0点
 真のモード2つのうち片方を選ぶわけだが、どちらでも無意味に使うのが難しいくらい。地上のみで圧殺されてるのでもない限り、飛行をなぎ倒したり《尻込み/Falter》を撃つのは強いはず。それに《シミックの干渉者/Simic Manipulator》や《魂の代償/Soul Ransom》を屈服させられるかもしれないしね。
《グルールの憤怒獣/Gruul Ragebeast》
 構築2.0点
 《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》を出しつつ、後続を更に《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》にするこいつは、構築で使われる可能性があるくらい心躍るクリーチャーだ。クリーチャー中心の中速デッキのミラーではいいサイドボードになってくれそう。《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》や《スラーグ牙/Thragtusk》を狙い撃つぜ!
 面白さ:B-
 
 リミテッド3.5点
 こういうカードにこそ俺は7マナを支払いたいんだ!出た直後に相手のクリーチャーをぶち殺せるのはでかい(相手が大きすぎなければだけどね)。盤面をビタ止まりにしてくれるだろう。そうなったら後は1体ずつ相手のクリーチャーをなぎ倒していけばいい。しかもその間パワー6でぶん殴りながらね。7マナの敷居は高いけど、こいつは合格だ。
《原初の訪れ/Primal Visitation》
 構築1.0点
 5マナのオーラには速攻がマジ欲しかったんですよ!!!!
 
 リミテッド1.5点
 +3/+3というのは大きい修正だからたまには入るだろうし、《尖塔なぞり/Spire Tracer》との組み合わせもそこそこイケる。5マナの中で最高とはいかないが、マナカーブのトップに何か必要な時もあるさ。
《瓦礫鬼/Rubblehulk》
 構築1.0点
 超人ハルクっぽいのは楽しいけどさ、スタンダードのスマッシュといえば大体5ターン目までには決めてくれないと。それにその席には《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》さんがいるしなあ。
 面白さ:B
 
 リミテッド3.5点
 3マナで使っても最低+3/+3は保証されてるし、大体もっと修正値が高いだろう。唱える頃には6/6以上になる。どちらもいいね、喜んで取って使うよ。
《破滅のワーム/Ruination Wurm》
 構築1.0点
 甲鱗様の下位互換だからスタンダードでは厳しいのではないかな!
 面白さ:C
 
 リミテッド2.5点
 5マナ以上のマナ域も1,2枚欲しいことが多いはず。重いところは少なくてもいいけども、バニラのクリーチャーでよければ重い強いのこいつはぴったりだ。
《一族の信号/Signal the Clans》
 構築1.0点
 強い教示者になれない理由には2つある。第一に、1枚挿しのカードをたくさん入れても、安定してそれらをサーチしてくることができないこと。《酸のスライム/Acidic Slime》、《森林の始源体/Sylvan Primordial》、《乱打角/Batterhorn》を1ずつ挿したりでもしない限り、アーティファクト破壊のために教示者するには幸運を祈るしかない。
 
 第二に、2マナでクリーチャーカードを1枚手札に入れること自体が、現環境では必ずしも強くない。スタンダードではマナカーブ的に2マナ余分に払えるようなマナレシオの良いクリーチャーがいない。しかも異なる名前3枚分となれば更に狭まってしまう。しかも、こいつは残りを墓地に落としてさえくれない。もっとも残りが墓地に落ちたらヤバいってのはわかってるけどね。こういう制限もあいまって、構築向けの信号ではないと読んだよ。
 面白さ:C+
 
 リミテッド2.0点
 強力なクリーチャーには比較的事欠かないようなら、こいつは全くもって悪くない。3マナのクリーチャーが手札にいないとき、2ターン目にこれで3マナのクリーチャーを3体公開するのはステキだし、後半になって最も重いクリーチャーを3体見せても悪くない。2マナのクリーチャーが大量にあるなら、バット・シグナル……じゃない、一族のシグナルはサイドに置いておくだろうけど、俺は使うこと多いと思うな(俺のデッキは大体2マナより5マナを詰め込むんでね)
《スカルグのギルド魔道士/Skarrg Guildmage》
 構築2.0点
 全軍にトランプルがつくのはそうでもないが、土地を4/4にして殴れる選択肢の方は気に入った。後半こいつは実質速攻だし、序盤には多少のダメージを稼ぎつつ、唱えるもののないターンにやることができる。スタンダードのグルールデッキが後半までもつれ込みたいかは明らかでないが、そんなデッキがあればこいつは選択肢になるよ。
 
 リミテッド3.5点
 ギルド魔道士の例に漏れず、こいつは終盤横っ面を引っ叩く強さだが、これまた例外でなく終盤になるまではそうでもない。ブロックするのが難しくなるし、土地が十分あれば絶えず4/4を乗り込ませることができる。更に2マナ域でもあるから貴重だね。
《ザル=ターの豚/Zhur-Taa Swine》
 構築1.0点
 俺のジョークを評価するなんて、全く豚に真珠だね。猫が小判を見る方がまだありがたいってもんだぜ。
 面白さ:B
 
 リミテッド3.0点
 +5/+4は小さい修正値ではない。そんなわけでこいつはクリーチャーとしてより呪文として使った方が強い湧血カードだ。勿論5マナ5/4からして弱くはないので、どちらとして使っても幸せだと思うよ。あと俺が嬉しいのは、他の5マナ域と違ってたくさん入れても差し支えないこと。軽い湧血がある分多く入れても構わないね。
《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
 構築3.0点
 フリースペルのクリーチャーでしかも色安定にも貢献し、しかもたった2マナだって?赤系のデッキが荒ぶって爆速スタートを切っちまう。スタンダードが炎上するぜ。確かに緑のデッキでも使えるが、これまでのところ赤が圧倒的だ。
 面白さ:D
 
 リミテッド3.0点
 発生したマナを毎回使い切ることはできないかもしれないが、2マナ2/2でしかも唱えるのが容易な生物だ。しかも追加で2/2なんぞ出たら素晴らしい生物だよ。
《闘技/Pit Fight》
 構築2.0点
 《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》コンボが来るかな?実はコンボとして使わなくても悪くない。軽いし色々なデッキで使える可能性のある除去だ。構築の除去呪文の多くと比べて少し条件が多いけどね。
 
 リミテッド3.5点
 《捕食/Prey Upon》からして既に強かったけど、インスタントになったのは1マナ重くなる価値が十分にある。驚かないことに一番使いやすいのはグルール。湧血して戦闘して、すぐに格闘で襲いかかれるからね。
《瓦礫帯の略奪者/Rubblebelt Raiders》
 構築2.0点
 最低でも4/4として殴れるし、多分4/4よりでかいことが多いだろう。《瓦礫帯の略奪者/Rubblebelt Raiders》は《地獄乗り/Hellrider》の後塵を拝してスタンバってるところだ。実際こいつの打点はハンパないがし、《稲妻のやっかいもの/Lightning Mauler》との相性もいいが、《地獄乗り/Hellrider》が強すぎてなあ。
 面白さ:D
 
 リミテッド4.0点
 即4/4とか5/5で殴れ、一度戦闘を生き残りさえすれば手が付けられないだろう。くっ、こんなとき一緒に殴れたり、攻撃のときだけ使えて戦闘を有利に運べる、そんなコンバットトリックとしても使えるカードさえあれば……!

 
 緑・グルール(赤緑)のコモントップ5
 
 5.《旧き道の信奉者/Disciple of the Old Ways》
 4.《殺戮角/Slaughterhorn》
 3.《ザル=ターの豚/Zhur-Taa Swine》
 2.《両生鰐/Crocanura》
 1.《闘技/Pit Fight》
 
 グルールには役割的に入れ替え可能なカードがたくさんあり、《両生鰐/Crocanura》と《闘技/Pit Fight》が除去として最優秀。飛行を止める手段が少しありさえすれば、グルールは巨大生物とコンバトトリックで戦闘を支配して、敵をぶっ潰すことができるだろう。
 
 緑・グルール(赤緑)の構築用カードトップ5
 
 5.《グルールの魔除け/Gruul Charm》
 4.《一族の誇示/Clan Defiance》
 3.《実験体/Experiment One》
 2.《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
 1.《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
 
 トップ3は相当強いから、熱狂的なグルール愛好家は小躍りしてることだろう。興奮のあまり窓ガラスくらい割れてるかもしれない。ここにあげたカードは組み合わせて使われるだろう。グルールはこれら前のめりなカードたちと一緒に存在感を示すことになるだろう。
 
 もうすぐアーティファクトと土地をレビューして、セット全体のカードトップをまとめてレビューを締めくくるよ。
 
 
 LSV
◆ ギルド門侵犯・レビュー 緑・グルール(赤緑)
 
 Gatecrash Set Review - Green/Gruul
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-greengruul/
 
《遮り蔦/Hindervines》
 構築1.0点
 もっとすっきり、「このターン、あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーから与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する」ってできなかったのかね。それでも使えないが。こいつは+1/+1カウンターが必要というところと、《安全な道/Safe Passage》系のカードは強くないという2つの事実に遮られてる。使える《濃霧/Fog》になるには今一つ足りない。
 面白さ:B-
 
 リミテッド1.5点
 強いシミックで使えばかなり強そう。ただ、強いシミックならこれはデッキに入らなそうでもある。同じくらいの大きさのクリーチャーが睨み合って、こちらに進化クリーチャーがたくさんいるならこいつは強そう。しかしメインには普通入らないだろう。
《キヅタ小径の住人/Ivy Lane Denizen》
 構築1.0点
 バットマンもいないのに活躍できるはずなかろう。アイビーの割に露出も足りない。
 面白さ:B-
 
 リミテッド3.0点
 進化っぽい能力がいいね。緑のクリーチャーが必要だけど、かわりにいつでも強くなる。立ち上がりがちとゆっくりだが、回ったときの見返りはある。他に緑のクリーチャーが9体以上いるなら強いはずさ。
《真似るスライム/Miming Slime》
 構築1.0点
 な なんと スライムたちが…。スライムたちが どんどん 真似していく。なんと ウーズトークンに なってしまった!
 面白さ:B+
 
 リミテッド3.0点
 どちらかというと有利な状況を更に有利にするものだが、少なくとも中々の強さのはず。完全に腐ったり2/2程度にしかなれない可能性があるのはマイナスだ。3マナ4/4や5/5がどのくらいの確率で作れるかは毎回考えておくこと。
《帰化/Naturalize》
 構築2.0点
 過去のレビューを見返さずとも、《帰化/Naturalize》について毎回自然で凄いジョークを言ってたとは思うんだけど、ちょっとばかり呪いから解放された気分なんだ。環境にあっていい一枚。決して凄いカードではないにしろね。
 面白さ:D
 
 リミテッド0.5点
 シールドですらメインにはできれば入れたくない。ドラフトでは尚更。いつも通りのあると嬉しいサイドボード要員だ。
《軟泥の変転/Ooze Flux》
 構築1.0点
 まずもってどのくらい+1/+1カウンターが身の回りにあると思うんだ?強い進化クリーチャーが何体かいれば多少は増えるだろうが、これがカード1枚分の働きを安定してこなせるほどには決してならないだろう。
 面白さ:C
 
 リミテッド3.5点
 機能させるには少し労力がいるけど、評価を下げるのはそこだけかな。上手く組めたシミックでは驚く性能を発揮するよ。大きなウーズを出せれば進化がまた誘発するし、ウーズを出す文字通りの永久機関にもなる。
 面白さ:D
 「文字通り」という単語の使い方:F
《捕食者の関係/Predator’s Rapport》
 構築1.0点
 虎の縞が洗っても落ちないように、単にライフを得るだけのカードは使えない。他のライフゲインに比べて条件までついてりゃ世話ないね。
 面白さ:D
 
 リミテッド0.5点
 もしデッキがぶっ壊れた強さのグルールで全く除去がないのにダメージレースに勝つ必要があるなら、サイドボードから投入してライフゲイン祭りしようとするかも。もしかしたらね。
《腐食スカラベ/Rust Scarab》
 構築1.0点
 使えない奴ってイメージを払拭したいんだがね。
 面白さ:D
 
 リミテッド2.0点
 そこそこのサイズとたまに役立つ能力が組み合わさって、フツーのカードに仕上がってる。やったね!
《瘡蓋族の突撃者/Scab-Clan Charger》
 構築1.0点
 突撃するんじゃなくて、やっかいな物事を引き起こせばプロツアーに食い込めたかもしれないのにな。強いクリーチャーを使うには課金しないといかんらしいよ。
 面白さ:B-
 
 リミテッド3.0点
 こちらのクリーチャーを生存させるという点では、湧血カードの中でも随一だ。4マナ2/4ってのも悪くないしね。無理してまで取らないけど、取ったならサイドボードに入れておくことはないだろう。
《静寂なる想起/Serene Remembrance》
 構築2.0点
 アンドリュー・クネオ(Andrew Cuneo)と愉快なドS野郎どもの努力の甲斐あって、《ガイアの祝福/Gaea’s Blessing》系のカードは全てそこそこ使われてきた。代わりに相手をライブラリーアウトまでもっていけるのに何でライブラリー破壊で勝たないんだ?今は《不死の霊薬/Elixir of Immortality》のがいいけど、スタン落ちしたら《静寂なる想起/Serene Remembrance》の出番かもしれない。
 
 リミテッド0.5点
 ライブラリー破壊のディミーアと戦うにはいいかも。でもメインデッキには入れない。ディミーアで強いライブラリー破壊デッキからしてあまりお目にかからないから、サイドから投入することすら稀だと思う。
《スカルグの大巨獣/Skarrg Goliath》
 構築1.0点
 でかーい!出なーい!
 面白さ:C。ホントだよ。
 
 リミテッド3.0点
 少なくともこいつは他のクッソ重たい呪文と違って、7マナでゲームを終わらせてのける。ほとんどのゲームでこいつを湧血すれば勝てるだろう。それが叶わないなら、素出ししてぶん殴れ。
《殺戮角/Slaughterhorn》
 構築1.0点
 消えろ殺戮されんうちにな。
 面白さ:C-
 
 リミテッド3.0点
 1マナ+3/+2修正も、3マナ3/2クリーチャーも中々いい感じ。とても柔軟なカードに仕上がっている。どちらを選んでも重くないのがいいね。
《尖塔なぞり/Spire Tracer》
 構築1.0点
 呪禁がついてなくて驚いたよ。こういうのってなんか呪禁ついてそうじゃないか。しかし、最近の《ぬめるボーグル/Slippery Bogle》の活躍を見る限り、ついてなくて一安心といったところか。何らかの除去耐性がない限り、全力でオーラバトラーする理由はない。そしてオーラ戦略こそがこういうのの唯一の使い道でもある。
 面白さ:C-
 
 リミテッド1.5点
 強く使う方法はたくさんあるが、あまりに振れ幅が大きすぎて序盤にとって丸いカードではない。オーラがかき集められればビートダウンできるけど、取れなかったら全く使い物にならない。
《森林の始源体/Sylvan Primordial》
 構築1.0点
 《原始のタイタン/Primeval Titan》でもなければ《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》ですらない。いったん7マナに届いてしまったら《森/Forest》カードを追加で持ってきても大したことはない。それにクリーチャーでないパーマネント破壊というのも、他の始原体に比べて明らかに見劣りする。その効果が欲しければ《酸のスライム/Acidic Slime》を使うよ。
 
 リミテッド3.0点
 緑の巨大クリーチャーに一番ついていて役立つ能力、それは到達かもしれない。盤面を膠着させるのにぴったり。7マナに到達したとき必要なことも多いだろう。それに出たときエンチャントや魔鍵(相手が起動して生物にできないならだけど)を破壊できるのもでかい。7マナだからいつもの入れすぎないようにってのはあるけど、こいつは同じマナ域でもかなりできる奴だよ。
《塔の防衛/Tower Defense》
 構築1.0点
 そんな名前のブラウザゲーあったね。
 
 リミテッド0.5点
 驚かないことに、用途が無暗に狭い対空カードは今日もサイドボードを防衛しているのであった。
《新緑の安息所/Verdant Haven》
 構築1.0点
 毎ターン2点ゲインなら入れたかも(^q^)。欲しいのは2マナの加速なんだよ。3マナでちょっとおまけがついてる加速じゃないんだ。
 
 リミテッド1.5点
 マナカーブに沿って展開するためにこれが必要になるようなデッキはドラフトしたくないな。5マナ圏よりは2マナ圏を厚くしたい。しかしこれで5マナまでジャンプできたら《隠れ家/Safe Haven》、もとい楽園だ。5色デッキを作れるくらいには強力だよ。俺はやってみるさ。
《不毛の地のバイパー/Wasteland Viper》
 構築2.0点
 2マナ1/2接死だとしても、思ってるほどマナカーブ的に劣りはしない。1/2接死を入れるようなデッキはあまり殴らなそうだから、湧血が役立つかは疑問だけどね。緑のデッキで嫌がらせしたいなら、入れてみても不毛な結果にはなるまいよ。
 面白さ:B-
 
 リミテッド3.0点
 優良ブロッカーに強烈なコンバットトリック効果がくっついてる。《不毛の地のバイパー/Wasteland Viper》はセット内でも2:1交換を簡単に取れるカードの一つ。更に地上の守りを固めつつ1マナの進化クリーチャーを進化させられる。簡単マジックできるよ。
《野生林の再誕/Wildwood Rebirth》
 構築1.0点
 インスタントになった?そうかそうか。使ってほしかったら再鍛してもらってくれ。
 面白さ:C+
 
 リミテッド1.5点
 《死者再生/Raise Dead》大好きってわけじゃないが、湧血とあわせれば《巨大化/Giant Growth》になったりするのって可愛いじゃないか。インスタントなのは狙ってだよね。

◆ ギルド門侵犯・レビュー 緑・グルール(赤緑)
 
 Gatecrash Set Review - Green/Gruul
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-greengruul/
 
《順応する跳ね顎/Adaptive Snapjaw》
 構築1.0点
 構築環境で使えるくらいに順応するにはあと何百年かかかりそうだな。
 面白さ:C+
 
 リミテッド2.5点
 こいつは速やかに使えるクリーチャーに進化するだけじゃなく、場に出たときに複数の進化を誘発するだろう。そこんところが重要だね。強いシミックのデッキでは、こいつはマナカーブの上として置いて嬉しいクリーチャーで、強いグルールなら、あまりこいつが採用されることはないだろう。グルールは取らないでも問題ないはず。だってシミックを取ってるプレイヤーはまっしぐらで取るだろうからね。
 面白さ:D
《最上位権限/Alpha Authority》
 構築1.0点
 2位じゃダメなんでしょうか?ところでこれ2枚出たらどうなるんだろう。
 面白さ:D+
 
 リミテッド1.5点
 もともとでかいクリーチャーを更に強くするエンチャントの優先順位は高くない。これが輝くマッチアップはあるだろうけどね。こいつはサイドボードに置いておいて、遅めのコントロールデッキに対してだけ入れたい(あまりそういうデッキはないし)。
《力の噴出/Burst of Strength》
 構築1.0点
 噴出する方向を間違ったらしい。
 面白さ:C-
 
 リミテッド2.5点
 中々こいつは気に入った。シミックのカウンターを使うデッキとシナジーがあるし、戦闘でちょっとサイズを上げてくれるし、状況に応じてアンタップすることで奇襲もできる。あまりコンバットトリックは好きじゃないんだけど、こいつは採用。
《両生鰐/Crocanura》
 構築1.0点
 3マナ1/3とか輪にかけて弱い。たまに大きくなるにしてもダメだな。
 面白さ:C+
 
 リミテッド3.0点
 《両生鰐/Crocanura》は少し防御寄りだが、コントロール寄りのシミックでは完璧だ。1,2回進化すれば打点だって稼げる。ビートダウンでもコントロールでも、シミックなら進化はできるだろう。シミックデッキでは定番になるだろうし、グルールでもデカブツを出す前にやられるのを防いでくれると思う。
《冠角獣/Crowned Ceratok》
 構築1.0点
 そろそろ俺もジョークで何冠か贈られてもいいよな。
 面白さ:F
 
 リミテッド3.5点
 単体でコストに対して前のめりなだけでなく、自軍の多くに嬉しいボーナスを付与してくれる。シミックで素晴らしくグルールでも強い。みんな大好き。
《旧き道の信奉者/Disciple of the Old Ways》
 構築1.0点
 旧い時代なら使われることもあったろう。だから信奉してるのかもね。クリーチャーが進歩する前は、赤1の2マナで2/1能力なしだって使われてたこともあるんだからさ
 面白さ:C
 
 リミテッド3.0点
 この環境は本質的に2マナ域を必要としているんだ。そして俺は未だにグルールやシミックで、こいつが入らないデッキにお目にかかったことがない。能力を起動できなくても、こいつは軽くて進化も誘発させられる。先生攻撃を起動してつけられたらかなり強い。
《実験体/Experiment One》
 構築3.0点
 あらゆるデッキがこいつを実験してみてるだろうね。何らかの形で使われそう。最初の2ターンで安定してパワー2になって、すぐに3にも届くなら構築の席に見合うだろう。それに加えて全体除去や単体除去を耐えれる可能性があるとくれば、実験は成功裏に終わりそうじゃないか。
 
 確かにパワーとタフネスが3以上のクリーチャーが必要になるけど、その条件を満たすのはたくさんいるだろう。こいつは人間だから《魂の洞窟/Cavern of Souls》と使ってもいい。人間なのは間違いなくアドバンテージだ。
 面白さ:C
 
 リミテッド3.5点
 怪物に成長するのに長くはかからない。相手が総力をあげて潰しにかかってきたところで、再生してちょっと縮むだけだ。1マナの進化クリーチャーを出すのはシミック最強の動きだが、グルールでも輝くクリーチャーだ。
《強制順応/Forced Adaptation》
 構築1.0点
 面白い冗談が言えるよう自分に強制しようとしたんだが、どうも順応できてないようだ。
 面白さ:B
 
 リミテッド1.0点
 《強制順応/Forced Adaptation》は遅すぎるし除去にも弱いしで、大体の状況で使わないことを推奨したい。+1/+1カウンターとのシナジーが山ほどあるのに、それを発動するためのカードがないなら、使うことを強いられることもあるかもしれない。しかしそれは最悪の場合だよ。普通じゃない。
《巨大オサムシ/Giant Adephage》
 構築1.0点
 「神か紙か(Hit or Myth)」企画でこいつは最も神話らしくない紙って言ったけど、こいつは更に7マナで場に出たときに何もしない上に除去耐性もない。お寒い虫だ。
 面白さ:C+
 http://www.channelfireball.com/videos/magic-tv-gatecrash-hit-or-myth/
 
 リミテッド3.0点
 ギルド門侵犯は、近年の中で最も7マナが苦しい環境かもしれない。ラヴニカへの回帰よりずっと厳しいんだが、そのラヴニカへの回帰からして前のめりな環境だった。今回は攻撃的なギルドが多すぎる。特に緑はあまり重たいカードに興味がないことが多かった。
 
 こいつは明らかに強力なカードだ。回りだすまで安定して生き延びることができるなら、ゴキブリより殺すのが手間なことだろう。しかし相手がボロス、ディミーア、グルール、ビートダウン系のシミックなら、7マナに届くまで毎回は生き延びられないだろう。オルゾフ相手には強いよ!
 
 こいつのサイズと脅威度をだけ見ればできる奴なんだよ。しかし爆弾レアでは全くない。フィニッシャーが全くないならフィニッシャーに昇格するだろう。でもデカブツは2マナクリーチャーに比べて間に合ってるんだよね。
 面白さ:D
《緑側の見張り/Greenside Watcher》
 構築1.0点
 エコなデッキをプレイしようぜ。ショックランドの代わりにギルド門なんてどうだい。
 面白さ:D
 
 リミテッド3.0点
 2マナクリーチャーなだけでなく、たまにマナまで出してくれる。君採用。明日から来てくれるかな。
《円環の賢者/Gyre Sage》
 構築2.0点
 2ターン目に出して4マナに届かせてこそくれないが、1,2ターンのうちに山ほどマナを出すようになるさ。クリーチャーを十分出せば自家製《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》の完成だ(ま、無限に近い円環にはなるんじゃないか)。脆さはあるものの、強力だから考える価値はあるよ。
 面白さ:F
 
 リミテッド3.5点
 1個カウンターが載れば強い。それ以上カウンターが載ったらぶっ壊れだ。俺は賢者というわけじゃないが、ここは意見を聞き入れてこいつを取ってみてくれ。

◆ ギルド門侵犯・レビュー ボロス(赤白)
 
 Gatecrash Set Review - Boros
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-boros/
 
《要塞のサイクロプス/Fortress Cyclops》
 構築1.0点
 いいボロスのカードは目くばせしてるもんだ。
 面白さ:C-
 
 リミテッド2.0点
 奇妙に聞こえるかもしれないが、ボロスにとっては3/6で殴れた方が良かった。その方が大隊を崩さないですむことが多いからね。6/3も悪くはないが、別に良くもない。特に5マナとくれば尚更ね。
《鋳造所の勇者/Foundry Champion》
 構築2.0点
 ちと重いが、戦場に出たときの効果は強いから一風変わったデッキで出番があるかも。5点くらい《猛火/Blaze》を叩き込めるのは笑いごとじゃない。そこらのデッキに放り込める厨能力ではないにせよね。
 面白さ:D+
 
 リミテッド3.5点
 6マナだから、カーブの一番上に置くことになると思うけど、重いマナを支払った分見返りは凄い。安定して2,3点飛ばすのも悪くないし、生物として残る4/4パンプ能力持ちも戦闘で討ち取るのは難しい。
《軍部の栄光/Martial Glory》
 構築1.0点
 ボロスのコンバットトリック?確かにマナコストは赤白で、インスタントのやつを使うだろうな。輝かしい名前がついてるが、栄光ってのはこいつのことではないと思うよ。
 面白さ:D
 
 リミテッド3.0点
 ボロス版《苦悶のねじれ/Agony Warp》はその名に違わず搦め手になる。もっともねじれよりは状況に依存するが。ボロスが殴り始めるときのことを考えると、《軍部の栄光/Martial Glory》を持っておいてこちらに都合よく事を運ぶというのは中々良さそう。《巨大化/Giant Growth》系の中でもここしばらくで最強だと思う。実際《巨大化/Giant Growth》より《苦悶のねじれ/Agony Warp》に近いところが多いと思う。
《オルドルーンの古参兵/Ordruun Veteran》
 構築1.0点
 2回ほどテキストを読んでみたのだが、奴さん構築ではやる気がないようだぜ。
 面白さ:B-
 
 リミテッド2.5点
 大隊してないときの脆さは明らかに欠点な上、それに加えて4マナなのもあって取ったら無条件で入るカードではないと思う。まあまあ使えるし取ったら入りそうだが、それほど優先度は高くない。
《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》
 構築1.0点
 《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》は以前ラヴニカブロック構築で使われたが、今回構築には切り込めないと思う。クリーチャーは強くなり過ぎた。3マナパワー2は力不足だ。
 面白さ:A-
 
 リミテッド3.5点
 速攻はかつてないほど強力だし、回避能力があっても後れを取るわけではない。こいつを出して大隊達成するのが夢だが、達成するのは難しくはないだろう。こいつより2マナを優先することはあるだろうけど、ほとんどの場合流せないと思う。
《火花の強兵/Spark Trooper》
 構築2.0点
 ライフ12点分は笑い飛ばせるものじゃない。ちょっとこいつに走ってもらえば収拾のつかなくなる。特にビートダウンのミラーではね。少し脆いし重たいが、適切なマッチアップで使えば雷に打たれるような強さだと思う。赤単みたいなデッキに対しては、《灼熱の槍/Searing Spear》で落ちなければとても有利になれるだろう。
 面白さ:C+
 
 リミテッド3.0点
 普通俺はこういうのでカード1枚を使うのは好かないけど、ボロス軍はカードアドバンテージなんて些細なことは気にしないんである。ボロスは殴りたいものだ。こいつはその点大ダメージを叩き出すし、突然大隊を達成するし、ダメージレースに勝つべくライフも稼いでくれる。
《サンホームのギルド魔道士/Sunhome Guildmage》
 構築2.0点
 《セレズニアのギルド魔道士/Selesnya Guildmage》は構築で強かったけど、《サンホームのギルド魔道士/Sunhome Guildmage》は少しアップデートされた。生成するトークンもちょっと強いし、強化に使う能力だって軽い。もっともパワーしか上がらないのは気をつけなくてはならないけどね。あと、最近はゲーム展開が高速すぎて、こいつが入っていけないかもしれないのが怖いよ。
 面白さ:D-
 
 リミテッド4.0点
 先人と同じく、《サンホームのギルド魔道士/Sunhome Guildmage》はギルドメイジ界で押しも押されぬ強キャラだ。マナと時間が十分あれば手の付けられない軍団を作り出すし、高速なゲームでも大隊達成に必要な3人目を速攻つきで送り出し、その上強化までしてくれる。
《真火の聖騎士/Truefire Paladin》
 構築2.0点
 ギルド魔道士が嫌いな人でも、こいつを見れば燃えるかもしれないぜ。軽量で、最初の数ターンはギルド魔道士より偉い。こいつはブロックしづらいし、大ダメージをちらつかせて脅かすし、少なくとも守りにも役立つ。
 面白さ:D
 
 リミテッド3.5点
 どうしてボロスにはギルド魔道士が2体いるんですかねぇ。《真火の聖騎士/Truefire Paladin》は大隊達成にも使えるし、単体でもやすやすとアタックしてのける。こいつの唯一の欠点は、マナを注ぎ込んだ後にコンバットトリックや除去で裏目ることだけど、だいたいケアしてプレイできるだろう。
《ウォジェクの矛槍兵/Wojek Halberdiers》
 構築1.0点
 《サンホームのギルド魔道士/Sunhome Guildmage》と《真火の聖騎士/Truefire Paladin》に挟まれて、こいつの矛って矛盾の矛のことだろう?
 面白さ:D, F
 
 リミテッド3.0点
 これがコモンとか壊れてる。強すぎるわけじゃないし、最強コモンでも何でもないが、3/2に強力な能力がついているのはかつてのコモンクリーチャーを凌駕している。《ウォジェクの矛槍兵/Wojek Halberdiers》は立派に2マナ圏を埋めてくれる。ボロスの優良カードだ。
《正義の矢/Arrows of Justice》
 構築1.0点
 除去は正義。正義の矢を膝に受けてしまってな。
 
 リミテッド2.0点
 他の環境でならずっと強いんだろうが、殴れる奴しか入れたくないギルドで使うにはそれほど素晴らしくないだろう。こいつは生物と違って殴れないのが良くないんであって、オルゾフやグルールで使う分にはマシだろう。ブロッカーがブロックする前に排除できないのも今一つで、防御寄りのカードといえる(オルゾフが大好きで、グルールでもまあまあ使えそう)。
《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
 構築3.0点
 無限ライフコンボのパーツの一部なだけじゃなく、単体でも強いクリーチャーだから、高得点を上げなきゃならんよ。3/3で戦闘に強く、ダメージ除去に対して反撃するってのはかなり素敵だ。しかも《ボロスの魔除け/Boros Charm》や《前線の衛生兵/Frontline Medic》で破壊されなくして、《近野の巡礼者/Nearheath Pilgrim》や《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》で絆魂を持たせたら、こいつにダメージを飛ばし続けてボロスらしからぬライフを得ることもできる。そのコンボがどれくらいモノになるかはまだ分からないが、コンボの可能性と十分なマナレシオのサイズがあるおかげで、ガチガチのマナコストの割に柔軟なカードに仕上がっている。
 面白さ:B-
 
 リミテッド4.0点
 ウェブ(David Ochoa)がドラフトで3ターン目に《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》を出してきたことがあってね。そんな経験した俺が言うんだから、対処しづらい相手だって信じてほしいな。しかもウェブは《闘技/Pit Fight》まで持ってて、こちらの2/2を倒しながら横の5/1まで処理してきた。ボロスはどうやら爆弾レアには困らんらしいよ。
《破壊的一撃/Shattering Blow》
 構築2.0点
 混成のアーティファクト版《消去/Erase》はほぼ確定でいつか、どこかで使われるだろう。ただ強いとかそういうことはないけどね。
 面白さ:D
 
 リミテッド0.5点
 絶対にメインに入ることはない。たまーにサイドに入るかな程度だよ。

 
 赤・ボロスのコモントップ5
 
 5.《向こう見ずな技術/Madcap Skills》
 4.《くすぶり獣/Ember Beast》
 3.《大規模な奇襲/Massive Raid》
 2.《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》
 1.《強盗/Mugging》
 
 ボロスは大隊の特殊条件を満たすために、最もピックの優先順位が変わりうるデッキだと思う。《強盗/Mugging》は効率が良すぎて流せないように見えるけど、クリーチャーを優先して取るのも想像に難くない。あと《大規模な奇襲/Massive Raid》は大量に入れすぎたくはないね。《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》は回避能力と速攻があるからトップを飾りそうだ。ボロスのカードだもの不思議ではないね。
 
 構築のカードトップ5
 
 5.《軍勢の忠節者/Legion Loyalist》
 4.《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》
 3.《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
 2.《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》
 1.《ボロスの魔除け/Boros Charm》
 
 ボロス軍が来てるぞ!しばらく遊んでみて、あと週末に起きたことを加味して、少しカードの順番を変えた。もともとのトップ5には満足してるけど、俺がどのくらい《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》と《ボロスの魔除け/Boros Charm》を気に入ったかを反映してみた。以前と比べてみてほしい。依然《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》は好きだし、順位はともかく、ボロスは軍事兵器みたいなカードを手にしたよ。
 
 面白さ:C-
 
 
 
 LSV
◆ ギルド門侵犯・レビュー ボロス(赤白)
 
 Gatecrash Set Review - Boros
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-boros/
《軍勢の集結/Assemble the Legion》
 構築2.0点
 メインからは入らないと思うが、サイドボードから集結するってアイディアは気に入った。1つしか能力のついてないプレインズウォーカーみたいなものだよね。除去するのが難しくてカードアドバンテージになるっていうね。ゆっくりしたゲームでは、兵士の大軍が止まらなくなるだろう。こういうカードはビートダウンのサイドボードから出てきてコントロールに刺さるカードだ。コントロールはビートダウンに対して単体除去を入れるものだから、マッチアップで重要な軸をずらせるのは素晴らしい。《拘留の宝球/Detention Sphere》こそされるものの、それくらいだ。。似たような理由でコントロールミラーでも強い。ビートダウン相手に入れるのでない限り強いよ。
 
 リミテッド3.5点
 回りだすまで生き延びることができれば、凄まじく対処しづらい。こいつはエンチャントだから割られることも少なそうだしね。となると課題は生き延びることだけだが、こいつから出る兵士も生存に貢献するだろう。かなり感服したよ。5ターン目の出たときには何もしないから、完全な爆弾レアというわけにはならないけどね。
《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》
 構築2.5点
 彼女単騎でも《刃の翼ロリックス/Rorix Bladewing》で、他に1体でもクリーチャーがいれば凄まじい打点になるよ。唱えるための色拘束はかなりきついし、フルに実力を発揮するためには他のクリーチャーも必要だけどね。
 
 もちろん、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》と一緒に突撃するのが夢だ。青白赤に突っ込めば実際にできるかもしれない。ナヤかトリコのマナカーブのトップに1,2積むのがいいと思う。強力ではあるけど、6マナはほとんどのビートダウンにとって重すぎるからね。
 面白さ:B
 
 リミテッド4.0点
 《天使の慈悲/Angel’s Mercy》とかいうカードを刷るくせに、《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》を見ると慈悲など全く感じられない。セット内最強の1枚だろう。速攻もあるから出て即勝ち確になることも多いだろう。
 面白さ:D
《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》
 構築3.0点
 真っ先にデッキに突っ込んだよ。まだどうなったかは言えないけど、俺はとっても幸せだったとだけ。クリーチャーのサイズが上がってるのは逆風だけど、ビートダウンでは実に多くの仕事をするぜ。
 
 現時点では、《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》より《ボロスの魔除け/Boros Charm》の方が上ってのは認めなきゃならんかもね。構築のカード順位を変えないとならない模様だ。あと付記すべきは、《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》と《小悪魔の遊び/Devil’s Play》が先に落ちることで、それによってもメタゲームが変わるだろう。今はぶっ壊れの赤いX呪文が3種類もあって選べるが、いつでも選べるわけじゃないからね。
 
 面白さ:C
 
 リミテッド4.5点
 《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》はいつだってリミテッドでぶっ壊れだ。だからそれに《尻込み/Falter》とか疑似《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》がついてくるのはただただおかしい。赤か白のどちらか1色あってればタッチしてみるべき。1色もあってなくても、散らすか少なくとも考えてはみよう(俺はタッチするね)。
《ボロスの魔除け/Boros Charm》
 構築3.0点
 ボロスの進撃が止まらない。前のめりならば《ボロスの魔除け/Boros Charm》はできる子だよ。PV(Paulo Vitor Damo da Rosa)がレビューの中で言ってたけど、クリーチャーが並んでいても強いし、いなくても強い。この手の柔軟性、無視して通り過ぎるには惜しい。二段攻撃が他の2つのモードとかぶってしまうのは少し奇妙な感じだけど、他が素晴らしいからそんな欠点も気にならないだろう。無理なく唱えることのできる殴りデッキならまず採用するだろうし、新スタンダードでは《神の怒り/Wrath of God》が宣伝文句通りの性能を発揮できると思わない方がいい。
 http://www.channelfireball.com/home/spoiler-spotlight-gatecrash-charms/
 面白さ:F
 
 リミテッド3.5点
 リミテッドのボロスがいいのは、いつでも前のめりになること。だから魔除けがいつでも強く使える。必要とあらばゲームを終了させられて、コンバットトリックとしても強力な選択肢を2つも得られる。大隊で突っ込んで、全軍を破壊されなくするのが最もよくある使い方だろうか。しかしパワーやタフネスの組み合わせ次第では、二段攻撃も相当強力になる。
《炎まといの報復者/Firemane Avenger》
 構築2.0点
 《炎まといの天使/Firemane Angel》はいつでも墓地でくつろいでるように見えたから、一体何に報復したいのか分からないな。《稲妻のらせん/Lightning Helix》を浴びせれるのは覚えておく価値があるから、条件さえ満たせれば見合うだけの見返りがあるだろう。4マナのビートダウンパーツはぶっ壊れた性能のがたくさんあるから、他のスゴい奴らが落ちてからになるかな。
 面白さ:C+
 
 リミテッド4.0点
 まず《幻影獣/Phantom Monster》を流すことからしてほぼないし、上手くボロスが組めたらこいつの能力はそこそこ誘発させることができるだろう。1回《稲妻のらせん/Lightning Helix》できるだけで素晴らしいし、回りだしたら相手の投了以外にゲームを止めることはできないだろう。

◆ ギルド門侵犯・レビュー 赤
 
 Gatecrash Set Review - Red
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-red/
 
《そびえ立つ雷拳/Towering Thunderfist》
 構築1.0点
 構築にこういうカードが混じらないよう、警戒しておかないとな。
 面白さ:D
 
 リミテッド2.0点
 マナカーブのトップに1枚あるといい。でもマナコストがそびえ立つ高さだから、1枚かせいぜい入って2枚だろう。
 面白さ:D+
《ヴィーアシーノの軸尾/Viashino Shanktail》
 構築1.0点
 ええっ、4マナでたった3/1なのかい?湧血が構築で使われるにはもっと前のめりにいけるコストでないと。
 面白さ:B
 
 リミテッド3.0点
 殴って強く、湧血して良コンバットトリックに。湧血サイコーだ!
《戦心の歩兵/Warmind Infantry》
 構築1.0点
 セットをレビューすることに専心してきた俺でも、こいつをどう使ったものかはわからなんだ。
 面白さ:B+
 
 リミテッド3.0点
 大隊デッキには肉が必要なんだよ。こいつはうってつけ。そこそこ軽く、殴り値も高く、大隊してなくてもまあまあのサイズだ。
《破壊のオーガ/Wrecking Ogre》
 構築1.0点
 何に湧血しても即死級のダメージとはいえ、突き詰めると素出ししても湧血しても破壊的な重さ。
 面白さ:C
 
 リミテッド3.5点
 こいつが手に入ったら、温存して致死ダメージを狙おう。ダメージ性能は凄まじいから、まず相手を倒せるだろう。コンバットトリックとして使ったりクリーチャーとして出すのは最終手段だ。

 
 赤・ボロスのコモントップ5
 
 5.《向こう見ずな技術/Madcap Skills》
 4.《くすぶり獣/Ember Beast》
 3.《大規模な奇襲/Massive Raid》
 2.《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》
 1.《強盗/Mugging》
 
 ボロスは大隊の特殊条件を満たすために、最もピックの優先順位が変わりうるデッキだと思う。《強盗/Mugging》は効率が良すぎて流せないように見えるけど、クリーチャーを優先して取るのも想像に難くない。あと《大規模な奇襲/Massive Raid》は大量に入れすぎたくはないね。《空騎士の軍団兵/Skyknight Legionnaire》は回避能力と速攻があるからトップを飾りそうだ。ボロスのカードだもの不思議ではないね。
 
 構築のカードトップ5
 
 5.《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
 4.《軍勢の忠節者/Legion Loyalist》
 3.《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》
 2.《ボロスの魔除け/Boros Charm》
 1.《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》
 
 ボロス軍が来たぞ!ボロスに構築級のカードが大量加入したのは間違いない。単色カードを全く無視してこのレベルだぜ(もっとも、上には赤が1枚紛れ込んでるが)。《オレリアの憤怒/Aurelia’s Fury》、《ボロスの魔除け/Boros Charm》、それに《戦導者オレリア/Aurelia, the Warleader》本人は全部ぶっ壊れだ。構築を揺るがすことだろう。ボロスの多色カードについては次にもっと話す予定だよ。全く悪くないとだけ言っておけばいいだろう。そう、まったくもって弱くはない。
 
 
 
 LSV
◆ ギルド門侵犯・レビュー 赤
 
 Gatecrash Set Review - Red
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-red/
 
《溶鉄の始源体/Molten Primordial》
 構築2.0点
 まーた状況限定で強い始原体か。相手が1体ぽっきり強いクリーチャーをコントロールしてたら、こいつは凄まじいダメージを叩きだす。スタンダードの展開と合わせて出てくる可能性はあるね。
 
 リミテッド3.5点
 出れば大体ゲームを決められるだろうから、本当の問題はこいつを出すまで生き延びることだ(そして相手のライフをこれで倒せるまで詰めておくことだ)。
《強盗/Mugging》
 構築1.0点
 撃とうとしてもあらゆる火力に劣る上、マジックのカード名らしくないよねこれ。
 
 リミテッド3.5点
 これだけ早い環境だと、1マナの除去は間違いなく最高だ。それがたとえソーサリーでもね。相手の2マナ生物を落として大隊達成を遅らせるのは凄まじく重要だ。反対に、マナカーブに沿って展開し、相手のブロッカーを排除しつつ更に展開を加えるのは大隊デッキにも必要不可欠なものだ。
《鱗剥ぎの捕食者/Ripscale Predator》
 構築1.0点
 ゲーム終盤にトップから引いて悪くはないけどさ、お目にかかったら目から鱗が剥がれ落ちるぜ。
 面白さ:C+
 
 リミテッド2.0点
 6マナとしてはこいつは中々いい。こういうのをたくさん詰め込む環境ではなさそうだから、急いで取ることはしないけど(ま、俺は取るかもしれないけど読者のみんなはやめとこうな)。他の2体以上でのブロックを要求するカードと同じく、湧血が相棒だね。
《焦土歩き/Scorchwalker》
 構築1.0点
 中々イカすから2点をあげようと思ったけど、コメント欄炎上まである気がしたのでやめておくわ。
 面白さ:C+
 
 リミテッド3.0点
 俺は《不治のオーガ/Incurable Ogre》だって好きだったんだぜ。それにパワーを5も上げる能力がついたのはステキだ。それに必要とあらばタフネスを1上げて戦闘を生き残らせることもできる(もっとも大概相手にトドメを刺すためこいつは温存するだろうけど)。
《皮印のゴブリン/Skinbrand Goblin》
 構築1.0点
 こいつが《ジャッカルの仔/Jackal Pup》みたいな1マナ2/1ならねえ。2マナの分割カードとしてみると、湧血が《巨大化/Giant Growth》だとしても入らないんじゃないかな。
 
 リミテッド3.0点
 クリーチャーとしても湧血としても、マナカーブに沿って使える。軽量クリーチャーであり軽いコンバットトリック。これほどの効率と柔軟性は目を見張るものがある。
《頭蓋割り/Skullcrack》
 構築3.0点
 赤いデッキで赤と無色1の2マナで8点ダメージは無視できるものじゃないだろう。ほぼそういう用途で使われるだろうからね。クリーチャーに当てれないのは欠点だが、だからといってこいつが使えなくなるわけじゃない。モントリオールのプロツアー「ギルド門侵犯」に向けて調整する中で頭蓋を割りまくることになると思う。
 面白さ:C
 
 リミテッド1.0点
 構築でこそ強力なものの、《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》をリミテッドで強く使うのは難しい。こちらのデッキが超まとまってないとならないが、それはほぼないだろうし、もしくは相手が超ヤバいライフゲインデッキな必要がある(それもまたなさそう)。
《構造崩壊/Structural Collapse》
 構築1.0点
 コンリー(Conley Woods)がブロック構築で使おうとでもしない限り(《地割れの孔/Fissure Vent》使ってたし)無意味。レビューの構造も崩壊してしまいそうだぜ。
 面白さ:D
 
 リミテッド0.5点
 相手が無敵すぎるアーティファクトを持ってるとかライフが2点しかないとかでもない限り、サイドボードに置いておこう。
《ブリキ通りの市場/Tin Street Market》
 構築1.0点
 史上最低のルーターかもな。
 面白さ:F
 
 リミテッド1.5点
 使ってみたいが上手くいかないだろうなあ。赤はこの手の効果に興味ないからね。特にこの市場はぼったくりだし。
 面白さ:C

◆ ギルド門侵犯・レビュー 赤
 
 Gatecrash Set Review - Red
 
 Luis Scott-Vargas, 2012年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-red/
 
《猛然たる抵抗/Furious Resistance》
 構築1.0点
 面白い冗談を言うのに猛然と抵抗したい。
 面白さ:C, 少なくとも自覚はあるのか
 
 リミテッド1.5点
 どういうわけか、赤いコントロールデッキを組むなら……もっと頑張れ。あとこいつを入れてもいい。守るデッキなら選択肢としては中々いい。あとダメージレースになるマッチアップならサイドボードの選択肢としては良いだろう。赤いデッキならまずこれは入れたくない。もしものときのために取っておくくらいかな。
《ヘルカイトの暴君/Hellkite Tyrant》
 構築1.0点
 フレイバーテキストかっこいいな!「あなたが20個以上のアーティファクトをコントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する」とか新しい。それ以外はただのリミテ専用ドラゴンだね。
 面白さ:F
 
 リミテッド4.0点
 ドラゴンだぁードコドコドコ。6/5飛行トランプルは早めに出れば速やかにゲームが終わるだろう。一方で、立ち上がりが遅れるとアグロ相手にはこいつが出ても手遅れってことになりかねんぜ。気を付けよう。
 面白さ:D
《はた迷惑なゴブリン/Hellraiser Goblin》
 構築2.5点
 ギルド門侵犯で一番好きなカードってわけじゃないが、3マナで2/2全軍速攻は破格と認めなくてはね。赤には元から速攻を持ってる奴も多いから、強くて速攻の必要なカードがあれば、こいつも相手にとってはた迷惑な奴になれるだろう。
 面白さ:B-
 
 リミテッド2.5点
 毎ターン攻撃に参加しなくてはならないのはかなりの欠点だけど、赤いデッキなら大体突撃するでしょ。突然大隊が達成されるのは素晴らしい。いいタイミングで出れば大打撃になるぜ。
《誘導稲妻/Homing Lightning》
 構築1.0点
 何で本体には誘導しないんですかねえ。本体に飛んだら強かったのに。でも飛ばないようにしたのは多分、よくある名前の人に対する配慮なんだろうね。ジョーとかジョンとか、巻き添えしたら大変だもんな。生物専用の除去なのが、用途を限定していて残念。赤いデッキでは大体、相手を殺すのに貢献しない呪文に4マナは払えないもんね。
 
 リミテッド3.5点
 4マナで大体何でも倒せるのは素晴らしい。たまに1:2交換が取れるのも美味しい。1:3交換も夢じゃないと思うけど、カードレビューでは現実的なところに留めておきたい。俺のリミテは欲張りだけどな!
《軍勢の忠節者/Legion Loyalist》
 構築3.0点
 《ボロスの補充兵/Boros Recruit》が立派になって。トークンにブロックされないの行とかは冗長だけど、他のカードと組み合わせることでいい仕事をするぜ。大隊クリーチャーに速攻がついているのは掴みバッチリ。しかも1マナで、トランプルと先制攻撃がつくのは笑い飛ばせることじゃない。《未練ある魂/Lingering Souls》がまた出没するようになったら、こいつが歯止めをかけてくれるだろう。
 
 リミテッド3.5点
 マナカーブにそって展開して4,5ターン目に出ると昇天しそうになるな。こいつが戦闘後に生き残るかどうかも関係なくね。何回も攻撃できれば尚良し。これがいると、酷いデッキも大幅強化されるとかそういうことはないけど、普通に強いデッキが更に強くなる。大隊を成立させながら大打撃を見舞ってくれる。湧血があれば尚素晴らしい。赤いデッキでは取りたい一枚だ。
《向こう見ずな技術/Madcap Skills》
 構築1.0点
 名前が既に冗談だから特にジョークも思いつかない。パット(Pat Cox)が俺の冗談みたいに点数つけてくれると思う。
 名前:D
 面白さ:F
 
 リミテッド3.0点
 認めたくはないが、このオーラはやりよるぜ。ついたターンに大体、自軍最強のクリーチャーのパワー+3は入るだろう。その後で相手のクリーチャー2体と交換になるかな。悪くない交換だし、ゲームによっては最後までブロックできないこともあるだろう。それにコンバットトリックを構えてブロックを待ち構えるにも完璧だ。向う見ずのくせに構えるとは恐ろしい。
《死相/Mark for Death》
 構築1.0点
 構築で使われたら卒倒しそう。
 面白さ:C-
 
 リミテッド2.0点
 《捕食/Prey Upon》であり《尻込み/Falter》でもある。とても奇妙なカード。序盤はこちらのクリーチャーと相手のクリーチャーを格闘させるカードだけど、後半は全員で乗り込むときに使う。全軍突撃するべきなのか格闘に留めるかがはっきりしない中盤が一番変な感じだね。予想では、凄くはないが中々いいカードだと思う。ちょっと使うのが難しいしね(ここ一番というときにマナも結構使うしね)。
《大規模な奇襲/Massive Raid》
 構築1.0点
 お膳立てが必要とか、大規模な奇手とでも言おうか。
 面白さ:D+
 
 リミテッド3.0点
 安定して2点当てれればいいだろうか。普通はもう少し与えられそうだしね。既に押されて負けそうな場面で引いても強くないけど、そんなとき以外は大概強いはずさ(クリーチャーがたくさん盤面にいても負けそうなことはあるし)。

◆ ギルド門侵犯・レビュー 赤
 
 Gatecrash Set Review - Red
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年2月
 
 http://www.channelfireball.com/home/gatecrash-set-review-red/
 
《反逆の行動/Act of Treason》
 構築2.0点
 こういう効果っていつでも使えよって感じであるけど、これが使われるかはどういう亜種があるかによる。今は《裏切りの血/Traitorous Blood》と《反逆の印/Mark of Mutiny》で枠が埋まってるから、《反逆の行動/Act of Treason》と《裏切りの本能/Traitorous Instinct》はそれに続く感じだ。
 面白さ:C+
 
 リミテッド2.5点
 大隊があるおかげで反逆の行動は今までで最強かもしれない。2体並んでるところから、大隊を達成しつつブロッカーを排除するのが同時にできるのは大きい。ボロスと比べるとグルールでは不要なのもとてもいい。
 面白さ:C
《爆弾部隊/Bomber Corps》
 構築1.0点
 名前の割に爆弾レアでもない。他意はないけど使ったら自爆じゃないかな。
 面白さ:C+
 
 リミテッド2.5点
 大隊カードの中には両極端なものがある。こいつもその1枚だ。大隊達成しないならこいつは空気だが、大隊したらこいつは八面六臂の活躍をするだろう。大隊デッキなら間違いなく入る(しかもこいつは2マナ域というのがとても重要だ)。しかし守るデッキや中速デッキで使ったら、実力は発揮できない。点数にも出てるけど、赤いデッキはこの環境だとかなり前のめりになるから、ほぼ確実に使われるんじゃないかな。
 面白さ:D
《燃えがらの精霊/Cinder Elemental》
 構築1.0点
 残念だけど、こういう絵柄って構築にいそうな面じゃないのよね。
 面白さ:D
 
 リミテッド3.5点
 もう少し前に再録してくれたらずっと強かったんだけどね。信じられるかい?リミテッドだと強いんだぜ。《猛火/Blaze》には劣るとしても、できるやつさ。
 見え透いた皮肉:A
《はじける境界線/Crackling Perimeter》
 構築1.0点
 このカードを見て、私にいい考えがあると思った人。すぐにそのハジけたデッキを公開して俺が間違ってることを証明してくれ。
 面白さ:C
 
 リミテッド1.0点
 《孔の歩哨/Vent Sentinel》は好きだったがね。カード1枚を使って門を勝ち筋にするってのは厳しい。デッキに9枚以上門があるなら。
《くすぶり獣/Ember Beast》
 構築1.0点
 3マナ3/4とかワイルドだろう?
 面白さ:D
 
 リミテッド3.0点
 赤いデッキならたくさんクリーチャーがいるだろう。大隊を達成したかったり、呪文のように使うクリーチャーだったりしてね。お友達が十分いるなら、くすぶってるだけじゃなく相手を燃やしてくれる。
《火拳の打撃者/Firefist Striker》
 構築1.0点
 火拳のエースだー!そう簡単に大隊を達成できるか、あまり俺は楽観的になれない。だからもし大隊したいなら、もっと強力な効果が欲しいね。大隊デッキ自体はできると思うから、気にかけんといかんと思うよ。
 面白さ:B-
 
 リミテッド3.0点
 2マナでちょっと嬉しい大隊能力つき。まさに赤にぴったり。強いね。
《五連火災/Five-Alarm Fire》
 構築2.0点
 カード名が気に入った。能力もそれほどダメダメでないしな。トークンを並べることができるなら、効果はまさに火が燃え広がる様だろう。相手を焼き尽くすのにはそんな何回も起動しなくていいはずだ。《獣使いの昇天/Beastmaster Ascension》と似てるけど、条件達成は楽な分若干効果は控え目か。この差がどうなるかは分からないけど、希望はあると思う。
 面白さ:C-
 
 リミテッド3.5点
 一回焼けるだけでも入れる理由になる。クリーチャーが少ないときに引くことを差し引いてもだ。クリーチャー数を多めに確保ができているのなら、この環境ではどのみち生物を多めに確保すべきだが、中々の花火を見せてくれるはずさ。
《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
 構築1.0点
 赤単の1マナ圏も、最近は選べるようになった。2《流城の貴族/Stromkirk Noble》、《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》、《石大工/Stonewright》、《軍勢の忠節者/Legion Loyalist》なんかより2/1は劣るときもある。《無謀な浮浪者/Reckless Waif》にも負けるかな。昔なら赤単の住人になれたかもしれないけど、今の環境では選択肢に困ってないんだ。
 面白さ:D
 
 リミテッド2.0点
 超攻撃的な大隊デッキなら、どんなクリーチャーだろうと手に入れば使うだろう。《宮廷通りの住人/Court Street Denizen》と噛み合わないにしてもね。大隊ができないなら、デッキに入れるのに10体以上赤いクリーチャーがいて初めて検討するレベル。

◆ ギルド門侵犯・レビュー ディミーア(青黒)
 
 Gatecrash Set Review - Dimir
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年1月30日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/gatecrash-set-review-dimir/
 
《精神削り/Mind Grind》
 構築1.0点
 自分のライブラリーも削れない男の人って……。
 
 リミテッド1.5-3.5点
 ライブラリーアウトを狙わないデッキならほぼ何もしない。フィニッシャーとしては相当悠長だ。そしてライブラリーを空にする瞬間までは全く意味がない。ライブラリー破壊デッキでは、出得るカードの中で最も優秀なフィニッシャーの一つだ。もっともこれを見たからライブラリーアウトへ行くのか、既にライブラリーアウトを狙い始めてから取るのかは分からないけどね。どちらかというと後者だと思う。考えて精神を削ろうじゃないの。
《薨の徘徊者/Mortus Strider》
 構築1.0点
 徘徊者様の今後のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
 面白さ:A-
 
 リミテッド1.5点
 繰り返し強請る用途で使うのが一番良さそう。それ以外はまあ、タフネス1のクリーチャーが多い相手へのサイドボードとかかな。
《被害妄想/Paranoid Delusions》
 構築1.0点
 これで勝てると思ったら妄想だね。
 面白さ:D
 
 リミテッド1.5点
 ガチライブラリーアウトで使った時だけ強いカードだから、ほぼガンスルーすることになるかな。
《心理的打撃/Psychic Strike》
 構築2.0点
 多色なのはほとんどのデッキにとって打撃だけど、青をタッチに抑えて打消しを取りたいと思うデッキだってあるだろうぜ。ライブラリーを2枚落とすのは勿論どうでもいいね。
 
 リミテッド2.0点
 《取り消し/Cancel》は環境によって強かったり微妙だったりするカード。どちらかというとこの環境では微妙だと思う。
《魂の代償/Soul Ransom》
 構築2.0点
 5マナじゃなく4マナなのは凄まじくデカい。俺は《精神の制御/Mind Control》だって使ったんだぜ。マナを使わずに処理できてしまうのが面倒ではあるが、少なくともカード4枚分の差にはなる。
 
 リミテッド3.5点
 カードを引くよりも相手の最強クリーチャーを奪う方がずっと重要なリミテッドじゃ、《精神の制御/Mind Control》の劣化版だ。とはいえそれでも強いぞ。「精神の制御より弱い」って言ったって、精神の制御と普通に強いカードの間にどれだけ差があると思う?
《囁く狂気/Whispering Madness》
 構築2.0点
 構築の《意外な授かり物/Windfall》になるかもしれないカードなのに完全にダメ出しすることはできない。だからこいつがいかに悪用できるか、ベストな方法を考えよう。何回も回せるなら、軽いパーマネントとバウンスを詰め込んだデッキが一番いいだろうか。そうすれば盤面で有利に立てるし、ハンド入れ替えの効果から確実に相手よりアドバンテージを得ることができる。回避能力付きの軽量クリーチャーと効率よくバウンスする呪文があれば、デッキの中核となるいいカードになると思う。
 
 リミテッド1.5点
 こういう効果にカード1枚を使うのは嫌だな。これ中心の構築をすれば機能するかもしれないけど、普通のデッキに突っ込んでも弱いと思う。
《強要された自白/Coerced Confession》
 構築1.0点
 自白するが、パッと見素敵に見えました。カードを3,4枚引くとか俺得だと思ったんだが、恐ろしいことにこいつは0~2枚引くだけで終わることが多そう。使うことを強いられているわけじゃなかった。
 面白さ:C-
 
 リミテッド1.5点
 ライブラリーを4枚削ってカード2枚を引く。つまり強くない。しかもそれより弱いことも多い。
《死教団のならず者/Deathcult Rogue》
 構築1.0点
 ローグ(地雷)デッキ使いでもこいつには触るまいよ。《死せる願い/Death Wish》願望でもない限りね。
 面白さ:C+
 
 リミテッド3.0点
 こいつは高確率でブロックをすり抜けてくれるから、クロックとしても暗号先としても申し分ない。暗号デッキが成立するなら、その手のデッキでは最も重要なカードになるだろう。
《夜帷の死霊/Nightveil Specter》
 構築2.0点
 《夜帷の死霊/Nightveil Specter》は近年のスペクター界でもかなり殺意に溢れたマナコストの一枚。しかも使われる可能性がある一枚だ。2/3飛行のの《影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator》は見るべきものがある。俺はしょっちゅう影魔道士をデッキに投入してたしね。こいつが死ぬと困ったことに奪ったカードが使えなくなるから、何かいいものがめくれたらすぐ使うことだね。
 
 リミテッド3.0点
 デッキによっては唱えることができないまであるだろう。また唱えるなんてお茶の子さいさいのデッキもあるだろう。混成マナってのは大きい。簡単に唱えられるなら、こいつより強いカードはそうそうないよ。

 
 黒・ディミーア(青黒)のコモントップ5
 
 5.《死教団のならず者/Deathcult Rogue》
 4.《影切り/Shadow Slice》
 3.《聖堂の金切り声上げ/Basilica Screecher》
 2.《死の接近/Death’s Approach》
 1.《忌まわしい光景/Grisly Spectacle》
 
 ディミーアの立ち位置は奇妙だ。多くのライブラリー破壊カードがあるから、守るデッキを作るのかと思いきや、一方で暗号カードは殴ることを推奨している。上位のカードを見てもやはり殴り推奨に見える。強い除去はあるし、強請も数枚拾う分には全く悪くないから、決して弱くはないね。
 
 構築用のカードトップ5
 
 5.《陰鬱の始源体/Sepulchral Primordial》
 4.《ディミーアの黒幕ラザーヴ/Lazav, Dimir Mastermind》
 3.《肉貪り/Devour Flesh》
 2.《ダスクマントルの予見者/Duskmantle Seer》
 1.《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》
 
 《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》が明らかにトップだ。それにいくつもの強くなりそうなカードが続く。《ダスクマントルの予見者/Duskmantle Seer》も居場所を見つけられるといいんだけどね。今回いけるかはちょっとわからないな。
 
 
 
 LSV

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