【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 青 (by LSV) 前編
2015年1月15日 翻訳 コメント (2)◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
Fate Reforged Limited Set Review - Jeskai
Luis Scott-Vargas, 2015年1月12日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-blue/
白のレビューは昨晩投稿したから、まだ読んでなかったらこちらからどうぞ。
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
(拙訳前編)http://misdirection.diarynote.jp/201501142313291601/
(拙訳後編)http://misdirection.diarynote.jp/201501132240224388/
今回、《宝船の巡航/Treasure Cruise》相当は不在かもしれないけど、青には中々使いでのありそうなカードが複数あるみたいだ。ドラフトすると色々、あっと驚くようなことができそう。さあ、評価基準と合わせて見ていこうか。
(訳者注:評価基準は白レビューに掲載したので省略)
Fate Reforged Limited Set Review - Jeskai
Luis Scott-Vargas, 2015年1月12日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-blue/
白のレビューは昨晩投稿したから、まだ読んでなかったらこちらからどうぞ。
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
(拙訳前編)http://misdirection.diarynote.jp/201501142313291601/
(拙訳後編)http://misdirection.diarynote.jp/201501132240224388/
今回、《宝船の巡航/Treasure Cruise》相当は不在かもしれないけど、青には中々使いでのありそうなカードが複数あるみたいだ。ドラフトすると色々、あっと驚くようなことができそう。さあ、評価基準と合わせて見ていこうか。
(訳者注:評価基準は白レビューに掲載したので省略)
《エイヴンの偵察員/Aven Surveyor》
リミテッド3.0点
5マナ3/3飛行は大変結構だが、心躍るほどではない。2/2飛行でバウンス付きの方が強そうだけど、バウンスにしてはちょっと遅い。2つが合わさることで素晴らしいカードになっている。5マナが相当混雑でもしていない限り、まず間違いなくメインに採用できるだろう(混雑していても、こいつは割と優先的に採用する部類のカードだし)。3/3飛行として唱えるなら、先に敵影がないか戦場を偵察して、バウンス候補がいないか確認した方がいい。とにかくバウンスで使うことが多いだろうからね。
《雲変化/Cloudform》
リミテッド3.5点
《光変化/Lightform》とどっちが強いか、まだちゃんと考察してないんだけれど、どちらも優れた面があるから難しい。2/2飛行・絆魂の方が2/2飛行・呪禁より強いから、予示先がクリーチャーでないなら光変化に軍配が上がるだろう。でも裏側がクリーチャーだとすれば、安全に表返せるし急がなくてもいいことになるから、呪禁がついてるのは本当に素晴らしい。光変化のが安定して強いことが多いだろうけれど、雲変化も強いよ。どちらも見たら取っていいくらいじゃないかな。
雲と光、どちらでも構わないが運良く2枚取れたなら、果敢との食い合わせは悪くなるにしても、クリーチャーを優先して確保したい。他の予示関連のカードは、予示されたのがクリーチャーであってもそこまで見返りがあるわけではないから、それに寄せた構築をしようとは思わないが、「変化」は予示したのがクリーチャーだった場合、壊れた強さを発揮するよ。
《強化された知覚/Enhanced Awareness》
リミテッド2.0点
俺はドローにゃちょっとうるさいぜ。でも安心してくれ。ドローに強化された点数をつけてるって自覚はあるんだ。インスタントで動くデッキなら、1枚くらいすんなり採用できると思う。いやマジで。それに普通のデッキなら、5マナ3ドローは嬉しいものさ。1枚捨てなきゃならないのは残念だけど、まあ3枚も引けば捨てるものも見つかるだろう。2枚引くより3枚引いて1枚捨てる方がずっと強いしね(俺は《運命編み/Weave Fate》すら結構使えると思っちまうくらいなんだぜ)。この環境は中速環境で、テンポと消耗戦によって決まるゲームがほとんどだから、しかるべきゲームで使えばカードアドバンテージの取れるカードはとても強力だ。
《陶酔/Fascination》
リミテッド0.0点
普通カードを引くというだけで陶酔が止まらないんだけど、リミテッドでこれを使うのはないわー。自分だけじゃなく相手にもカードを引かせるのは、相手が引いたカードを先に使えるのもあって、かなりの危険が伴う。ライブラリーを削る方も、ガチでライブラリーアウトを狙うデッキで使わない限り、これで勝てるというものではない。使えないものと考えよう。狂ったようにドローを進めるデッキになら、サイドボード要員として優秀かもしれないにしてもね(カード引きすぎとか……そんなことがありえるのか!?)。
《霜歩き/Frost Walker》
リミテッド3.0点
大概のデッキは、出されるとウッとなるはず。対象に取るようなカードは、元々除去なことが多いしね。それに《悪寒/Crippling Chill》とか撃たれたからといってアドバンテージを失うわけでもない。こいつを対象にすると立ち消えするせいで、キャントリップのドローができないからね。何も消費せずに対象を取れるクリーチャーはほとんどないとはいえ、相手に対象を取るシステムクリーチャーが見えたら、迷いなくサイドアウトしておこう。カード1枚使わせての交換なら十分。こいつは何せ軽いし、打点は高いし、相手に対応を迫るカードだからね。普通そんなカードはもっと重いものだけど、2マナなら使わない手はないね。
《ジェスカイの浸透者/Jeskai Infiltrator》
リミテッド3.5点
こいつ強そうじゃない?人を煙に巻くのが好きだから言ってるわけじゃないぞ。3ターン目にこいつを出したら、4ターン目にはカードを1枚引いて、しかも即座に唱えているようなもの。後半に引いたら、盤面が片付くとブロック不能をちらつかせられるし、コンバットトリックや除去があればそのままでも攻撃を通しに行ける。クリーチャーの多いデッキなら、カードを引くよりもこいつで殴れる方が嬉しいだろうか。まあ3マナ2/3の時点で中々だよね。
《ジェスカイの呪印/Jeskai Runemark》
リミテッド2.5点
この点数は飛行ありきのものだから、白か赤に付ければおあつらえ向きってことになるね。ダメージ量が突然跳ね上がるから、1発限りでも強力だ。《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》か《霜歩き/Frost Walker》にでもつければあっさりゲームが終わりそう(どっちが勝つとは言っていない)。オーラの常として、使い勝手は相手がどんな除去をどの程度持っているかに大分左右されるとはいえ、最初メインに入れておいて、相手のデッキを見てから入れるか抜くか考えてもいいと思う。
《ジェスカイの賢者/Jeskai Sage》
リミテッド3.0点
実は最近、こいつ構築でやれるんじゃないかと結構期待してるんだけどね(賢者の言うことは分かりにくいもんさ)。リミテッドでも遊び人じゃないぞ。最低でも、ダメージを食い止めつつドローに変換されるし、大概はそれ以上の活躍が期待できるはず。序盤は何かしら使えば相討ちを狙えるし、ジェスカイのデッキはキャントリップや軽い呪文ばかりで構成されているのが理想だから、攻守にわたってやり手だと思うよ。
《蓮道のジン/Lotus Path Djinn》
リミテッド3.0点
タルキール覇王譚をレビューしたとき、《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》の実力はちょっと見誤っていた。2/3飛行つながりで、こいつは願わくば正しく評価したいと思う。この環境の2/3飛行は考えてたよりかなり強くかった。それがパワー3になったり、ブロック時にサイズが上がったりするのは相当いい感じだ。地上はとまる環境だから、飛行は普通の環境より大分強い。
《マラング川をうろつくもの/Marang River Prowler》
リミテッド3.0点
3点をつけたが、点数に惑わされないでくれ。強いカードだから3点は至極まっとうな評価なんだが、コントロール系のデッキだと入らないこともあると思う。そんなデッキは滅多にないにしてもね。前のめりに殴っていくデッキなら、黒も緑もパーマネントを出す気が一切なくても入るだろう。勿論、黒や緑のパーマネントが出たら抑え込むのは不可能だ。
《精神掃きのドラゴン/Mindscour Dragon》
リミテッド2.5点
6マナ4/4飛行はいいんだが、能力が相手を苦しめるどころか、喜ばせてしまう可能性があるのはいただけない。だから対象には専ら自分を選ぶことになるだろう。探査を使わないデッキなら、6マナ4/4飛行の軽いデメリット持ちと思えばいい。サイクルの他の面子に比べればかなり見劣りするけどね(他の奴らは4/4飛行にメリット能力がついてるから)。サイクルだから他の色にも6マナ4/4飛行がいるわけで、いっそうこいつの評価は下がらざるを得ない。重たい強いカードを強欲に詰め込みたいものだけど、現実にはデッキの6マナを太らせない方がいいからさ。
【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV) 後編
2015年1月14日 翻訳 コメント (2)◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
Fate Reforged Limited Set Review – White
Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
白のリミテッドコモントップ5
5.《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
4.《圧点/Pressure Point》
3.《魂の召喚/Soul Summons》
2.《砂爆破/Sandblast》
1.《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
白はセット中最強のコモン《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》を擁し、優良除去の《砂爆破/Sandblast》もあり、《魂の召喚/Soul Summons》や《圧点/Pressure Point》のようなアーキタイプを形作るカードまで揃っている。アグロかコントロールか、どちらかを決定づけるような指向性は見られない。なので白をメインカラーに据えてドラフトするなら、タルキール覇王譚でアグロかコントロールか、どちらで組むか決めればいいだろう。白のカードパワーは間違いなく一級だ。それも柔軟ゆえに強いカードが多い。
次は青をレビューするよ。たくさんカードを引くぞ!!
明日午前11時ごろには上がる予定だから、チェックしてみてくれ。
LSV
Fate Reforged Limited Set Review – White
Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
《光変化/Lightform》
リミテッド3.5点
60%程度の確率でクリーチャーでないカードを予示する計算でも、予示してくっつくエンチャントはとても強力だ。3マナ2/2飛行絆魂というだけで既に十分すぎるほど強いし、予示でクリーチャーを引き当てようものなら、まず負けなくなる。うっかり表が《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》なんかだった日には、ダメージレースが成立しない。ハズレでも強さが保障されていて、その上とんでもないことになる可能性も秘めているとくれば、素晴らしいカードなのは間違いないね。
《蓮眼の神秘家/Lotus-Eye Mystics》
リミテッド2.0点
エンチャントが回収できるか、その真否を問わず、4マナ3/2果敢というだけでデッキによっては採用できる。3回に1回程度でいいから、回収できるエンチャントがあるなら是非使いたい。上で話した《光変化/Lightform》とか、強力なエンチャントも増えたし、回収する先を作るために無理をしなくても良さそうなのは追い風だね。
《マルドゥの悲哀狩り/Mardu Woe-Reaper》
リミテッド2.5点
前のめりな白黒戦士なら優先して取りたいところだが、普通に白が入っているという程度のデッキでは平凡な性能。中速デッキに1マナを詰め込んだら、その分、中盤から終盤にかけて引いてくるカードがちょっと色褪せることになる。1マナ2/1という性能はどちらかというとリミテッドより構築向けで、能力の方もやはり構築のが活かせるだろう。総じてリミテッドではまあまあ程度のカードだけど、軽くて《エレボスの鞭/Whip of Erebos》への対抗策にもなる構築のが居場所としては確かだろう。
《見えざるものの熟達/Mastery of the Unseen》
リミテッド2.5点
4マナで2/2を産みだす2マナのエンチャントとして見ても悪くない性能だけど、見た目以上に強い。予示していけば中にはクリーチャーも混じっているだろうから、単なる2/2に留まらずそれ以上のものを出してるようなものだし、ライフゲインがついてくるから大暴れするだけの時間が稼げるだろう。だからアドバンテージ源としてとても優秀だし、終盤はまさに産む機械だ。どちらかというとコントロール向けな性能だから、デッキを作る際は意識してみよう。
《僧院の導師/Monastery Mentor》
リミテッド4.0点
然るべきデッキで使えば壊れ性能だが、適当に使っても単なる《灰色オーガ/Gray Ogre》止まり。総員、注意して使うように。俺なら《果敢な一撃/Defiant Strike》や《抵抗の妙技/Feat of Resistance》、《再集中/Refocus》に《圧点/Pressure Point》とかスペルばかりのデッキを作りたい。さぞかし無双っぷりを見せてくれるだろうね。呪文一つあたり1/1を出すだけでも十分強いのに、トークンに果敢までついているというのは驚嘆すべき性能だ。トークンを出せば出すほど、先に出したトークンまで強くなるというのは、まさにデッキの機関部。幸運にも《ゴブリンすべり/Goblinslide》も拾えたら、コンボを目指してみてもいいね。
《圧点/Pressure Point》
リミテッド3.0点
どう転んでも悪くはない効果だし、果敢に寄せたデッキでは大活躍することも珍しくないだろう。果敢デッキではキャントリップというだけで採用したいし、殴りに行く場面でも猛攻を凌ぐ場面でも、クリーチャーをタップする効果は中々需要に合ってんじゃないかな。果敢を使わないデッキでもすんなり入るカードだから、優先して取っていきたい。
《先祖の結集/Rally the Ancestors》
リミテッド0.5点
変なカードだよね。戻したクリーチャーに速攻がつくと思ったら、そういうわけではないらしい。ブロックに使えるだけ。リミテッド的にはガッカリだね。構築なら何かしらコンボができそうだけど、リミテで無理して使うこともないんじゃないかな。重たい上に用途が限定的で、しかも前提としてクリーチャーがある程度墓地にいなきゃならないカードはちょっと扱いにくすぎる。
《賢人の夢想/Sage’s Reverie》
リミテッド1.0点
何らかのコンボを仕込まないと、4マナ+1/+1にカード1枚がついてくるだけ。ときめかないね。オーラ戦略が可能かと言われれば好意的に見積もっても怪しい止まりだし、カード損失なしで使えるとはいえ重い。採用を検討することは滅多にないだろう。
《砂爆破/Sandblast》
リミテッド3.0点
点数は3点をつけたけれど、環境に存在する除去の多くに何かしらの制限がついていることを考えると、3点より高めにみて優先してとってもいいかもしれない。でかすぎる《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》みたいに、倒せない生物が存在するのは残念だが、それでも5点のダメージは破格だ。コントロールデッキなら《必殺の一射/Kill Shot》を選ぶだろうけれど、殴りたい人はこちらをどうぞ。
《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
リミテッド3.5点
この選択肢付きクリーチャーのサイクルは実にいいね。こういう選択肢があるとゲームがぐっと面白くなるし、コモンにもサイクルがあって実に素晴らしい。そうはいっても、砂草原ののけ者の難易度は高くない。1/1飛行がついてくる方がほとんどの場合嬉しいだろうからね。サイクルでも他のカードの場合、もう少し難しい選択を迫られるけれど、だからといって砂草原ののけ者が弱いということではないよ。2/1でも3/2でも変異と相討ちはできるから、それに1/1飛行がついてくる方が嬉しいよね。
《魂の召喚/Soul Summons》
リミテッド3.0点
2マナ域はこういうカードを採用したい。確かにほとんど2マナ2/2バニラだろうけれど、それ以上のものが得られる可能性があるというのはかなり大きい。表にすることで奇襲できれば、それだけで追加のカード1枚分の働きといってもいいくらいだし、単なる2/2だったとしても、相手にはそうと分からない。予示を相手にするのは難しい。ほとんどの場合は単なる2/2だとしても、クリーチャーとして表になる可能性を計算に入れなければならないし、仮に表になったら何が出てくるか、あまりに多くのパターンが考えられて大変だ。うっかり《真珠の達人/Master of Pearls》でも表になろうものなら大惨事だし。予示されてるカードを見たら、ついつい裏側がバケモノだと思ってしまいそう(だからといって、カードの評価が大幅に変わるわけではないにしろ、ね)。
《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
リミテッド4.0点
2マナ2/2絆魂というだけで十分やり手なのに、マナをつぎ込めば普通の呪文でアドバンテージが稼げるとか素晴らしい。素晴らしすぎる。呪文に絆魂がつくというところに拘らなくてもいいから、そちらは嬉しいオマケということで。オマケ扱いと呼ぶには凄すぎるけどね。ジェスカイの強いカードの例に漏れなく、真の力を引き出すにはカードに合わせた構築が必要になるけれど、軽い呪文を集めるという方針はそこまで厳しくないはずだし、ジェスカイのデッキ構築方針とも多くの場合合致する。ちなみにこいつの点数は、真の力を発揮できたときでつけているから覚えておいてね。
《勇敢な姿勢/Valorous Stance》
リミテッド3.5点
除去対象に制限がかかっているが、条件は結構緩い。除去したくなるようなクリーチャーは大体タフネス4以上だろうし、タフネス制限で対象に取れないようなクリーチャーには、もう一つのモードが役に立つはずだ。軽いコンバットトリックとしても、除去としても使えることで、かなり強いカードに仕上がっているね(リミテッドでも、構築でも)。
《放浪する勇者/Wandering Champion》
リミテッド3.0点
2マナ2/2はそれほど好きじゃない俺でも、3/1となれば使ってみたくなるというもの。パワーが3あれば後半になっても相討ちを取りやすい。それにこいつの場合、空気でない能力がくっついてるから、相手は易々とダメージを通せないだろう。コンバットトリックのたくさんある色で、こういうブロックしなきゃいけないと思わせるクリーチャーはいいね。ルーター能力はかなり、スルーを躊躇させる能力だ。
《護法鱗のドラゴン/Wardscale Dragon》
リミテッド2.5点
4/4飛行はいつでも4/4飛行。リミテッドの華だ。とはいえマナコストを見るとちょっと心配でね。こいつが戦闘に参加した瞬間、もう能力は有効だから、《必殺の一射/Kill Shot》であっさりやられることはない。だから6マナのクリーチャーを出して攻撃するまで持っていければきっと有利な状況に持っていけるだろう。マナカーブのトップにいてくれると嬉しい、《河水環の曲芸士/Riverwheel Aerialists》みたいなカードだね。
白のリミテッドコモントップ5
5.《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
4.《圧点/Pressure Point》
3.《魂の召喚/Soul Summons》
2.《砂爆破/Sandblast》
1.《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》
白はセット中最強のコモン《砂草原ののけ者/Sandsteppe Outcast》を擁し、優良除去の《砂爆破/Sandblast》もあり、《魂の召喚/Soul Summons》や《圧点/Pressure Point》のようなアーキタイプを形作るカードまで揃っている。アグロかコントロールか、どちらかを決定づけるような指向性は見られない。なので白をメインカラーに据えてドラフトするなら、タルキール覇王譚でアグロかコントロールか、どちらで組むか決めればいいだろう。白のカードパワーは間違いなく一級だ。それも柔軟ゆえに強いカードが多い。
次は青をレビューするよ。たくさんカードを引くぞ!!
明日午前11時ごろには上がる予定だから、チェックしてみてくれ。
LSV
【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV) 前編
2015年1月13日 翻訳 コメント (4)◆ 【翻訳】運命再編 リミテッドレビュー 白 (by LSV)
Fate Reforged Limited Set Review – White
Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
セット・レビューへようこそ!今回は運命再編を見ていくよ。今回からは新しいセットが出るごとに、文章だけでなく音声でもお届けするつもりだ。文章版は、今見てるこれだね。それに加えて、ポッドキャストのリミテッド・リソース(Limited Resources)で、マーシャル・サトクリフ(Marshall Sutcliffe)と全てのコモン・アンコモンを見ていく予定。月曜から始まるよ。《予言/Divination》がいかに強いか俺が力説するのを、目でも耳でも楽しんでもらえるってことだね。
http://lrcast.com/
(↑ リミテッド・リソースのページ)
それじゃいつも通り、リミテッド視点でカードを見ていくよ。点数付けはこんな具合だ(カード例も差し換えたんだぜ):
Fate Reforged Limited Set Review – White
Luis Scott-Vargas, 2015年1月11日
http://www.channelfireball.com/articles/fate-reforged-limited-set-review-white/
セット・レビューへようこそ!今回は運命再編を見ていくよ。今回からは新しいセットが出るごとに、文章だけでなく音声でもお届けするつもりだ。文章版は、今見てるこれだね。それに加えて、ポッドキャストのリミテッド・リソース(Limited Resources)で、マーシャル・サトクリフ(Marshall Sutcliffe)と全てのコモン・アンコモンを見ていく予定。月曜から始まるよ。《予言/Divination》がいかに強いか俺が力説するのを、目でも耳でも楽しんでもらえるってことだね。
http://lrcast.com/
(↑ リミテッド・リソースのページ)
それじゃいつも通り、リミテッド視点でカードを見ていくよ。点数付けはこんな具合だ(カード例も差し換えたんだぜ):
5.0点 強すぎる神いわゆるゴッド。《群れネズミ/Pack Rat》、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》、《風番いのロック/Wingmate Roc》
4.5点 素晴らしい爆弾レアだが、対処できなくはない。《軍族の解体者/Butcher of the Horde》、《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》、《火口の爪/Crater’s Claws》
4.0点 優秀なレアや、それに比肩し得るアンコモン。《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》、《対立の終結/End Hostilities》、《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》
3.5点 《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》、《停止の場/Suspension Field》
3.0点 ほぼデッキに入る良カード。《消耗する負傷/Debilitating Injury》、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》、《肉は塵に/Flesh to Dust》
2.5点 まず抜けることのないカード。《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《苦々しい天啓/Bitter Revelation》、《弱者狩り/Hunt the Weak》
2.0点 数合わせでデッキに入る。でもたまに抜けるカード。《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》、《果敢な一撃/Defiant Strike》、《取り消し/Cancel》
1.5点 頭数の水増し。入るかどうかは半々くらい。《境界の偵察/Scout the Borders》、《飛空士の修繕屋/Aeronaut Tinkerer》、《レインジャーの悪知恵/Ranger’s Guile》
1.0点 数合わせとしても役不足。ほぼ入らない。《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》、《青銅の黒貂/Bronze Sable》、《抑圧的な光線/Oppressive Rays》
0.5点 ギリギリデッキに入るかどうかなカード。もしくはサイドボード用カード。《帰化/Naturalize》、《部族養い/Feed the Clan》、《集い/Congregate》
0.0点 役立たず。《市内捜査/Search the City》、《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
《アブザンの優位/Abzan Advantage》
リミテッド1.0点
エンチャント除去なのでサイドボード要員安定っぽく見えるものの、2マナで鼓舞1がついてるから、メインに入れても腐りにくい。鼓舞が面白いのは、普通の強化呪文と比べて強化先に制限がかかっているものの、どこかしらに+1/+1カウンターは乗るから、対戦相手が対応して何かしても2:1交換を取りづらくなっている。鼓舞1は特別優秀というわけでないし、エンチャントを除去できない限りアドバンテージが稼げるわけでもないから、できればサイドボードに置いておきたい類のカードだね。
《アブザンの呪印/Abzan Runemark》
リミテッド1.5点
リミテッドで使うオーラは好きになれないものの(だからって構築で使いたいわけでもないが)、安定して警戒がつくようなら強烈ではある。対戦相手に除去が無ければ大体殴りにはこれないだろうし、どんなクリーチャーに付けても毎ターン4点くらいのクロックは刻めるだろう。+2/+2の修正がつけばダメージ除去の大部分には耐性ができるし、そもそもタルキールブロックは除去が潤沢な環境というわけでもない。呪印の中では強い方でないが、除去の薄い相手や、確定除去の少ないデッキにサイドボードから投入すればかなり効果的だろう。
《アブザンの飛空隊長/Abzan Skycaptain》
リミテッド3.0点
4マナ2/2飛行というスペックは、昔と比べてそこまで強くなくないものの、ただの2/2と比べて鼓舞2がついたのは大幅強化といえる。相手からすると、盤面が荒れないよう上手く対処するのは極めて困難だし、使う側はある程度、鼓舞先が機能するよう調整もできる。自軍の鼓舞を上手く運用しつつ、相手の鼓舞に対抗するのは、環境の中でも腕が問われる部分になるだろう。戦闘中の除去やバウンス呪文との兼ね合いが極めて複雑になりそう。今から楽しみなんだけど、こんなシチュエーションはどうだろう。まず先制攻撃持ちのクリーチャーを飛空隊長でチャンプブロックするだろ。そしたら鼓舞が誘発して、鼓舞先が戦闘で一方殺を取る……楽しみだなぁ。
《アラシンの僧侶/Arashin Cleric》
リミテッド1.0点
超高速環境だったゼンディカーにいたら活躍したかもしれないが、進んでデッキに入れたくなるようなカードではないね。この環境において、後半全く何の役にも立たない2マナ域を入れることは必須じゃない。白黒戦士みたいなデッキへのサイドボードとしては有効だし、メインに入れる羽目になっても別にそこまで悪くはないんだけどね。とはいえ、ゲーム全編を通じて仕事のできる《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》や《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》のようなカードの方が、2マナ域としては優秀だ。
《エイヴンの散兵/Aven Skirmisher》
リミテッド0.0点
まーた出たな。《灯籠の神/Lantern Kami》とか《陽光尾の鷹/Suntail Hawk》って、リミテッドでしょっちゅう刷られる割に、カード1枚分の性能のあったためしがない。こいつは戦士だから、鷹と比べると少しだけ強化されているものの、間違ってデッキに入れる読者が出ないようにもう一度語っておこう。
まず、こんなカードを使わなければいけない状況というのは極めて稀だ。単純にクリーチャーとして弱い。1/1飛行は単体で相手を倒せるようなカードでないし、殴り値的にも大して貢献しない。かといって効果的にブロックができるわけでもない。そんなクリーチャーに戦士シナジーが加わったところで焼け石に水だ。《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》が2枚3枚とあったと仮定して、それで初めて考えるくらいだが、まずそんなことはないだろう。単に0点をつけて構わないと思う。2/1飛行ばかり出してくる相手がいるのなら、サイドボード要因として価値が出てくるかもしれないが、それもそうそうあり得ない話だ。
ちょっと手厳しいことばかり言ったかもしれないけれど、経験則で、この手のカードが一番、実際の強さよりも強く見えるというのを知ってるからね。デッキの一マナ域として採用したくなるのは、こういうカードじゃないってことさ。
《交感の痛手/Channel Harm》
リミテッド2.5点
相手のクリーチャーを始末しつつ、こちらの被害を劇的に防いでくれる。これはもう、古のコンボ《チャネル/Channel》+《火の玉/Fireball》を再現したような効果と言ってしまっても構わないのでは。うちのサイト名とも縁があるし好感が持てるね!
効果は超強力なものの、その分相応のマナがかかってしまう。それでも、名前だけじゃなくカードとしても、俺は結構気に入ったね。普通の環境なら、6マナも構えたら露骨すぎて、ちょっと頭の回る対戦相手には易々とケアされてしまう。しかしこの環境なら、6マナ立てていても全く不審に見えない。変異を2体出していてマナが立っていても、相手からすると変異を表にする機を伺っているように見えるから、殴ってきた相手は交感の痛手に突っ込んでしまうというわけさ。仮にバレていたとしても、強力すぎて相手からすると何ができるわけでもないというのもある。相手のクリーチャーが何であれほぼ除去できるし、戦線を立て直す時間も稼いでくれる。
上手いプレイヤー相手だとケアされてしまうものの、見せていない状態で最初に突き付けた際の効果は凄まじいものがあるだろう。ダメージを軽減して複数のクリーチャーを守りつつ除去すれば、完璧に形勢が一転する。2回目以降は警戒されるだろうけれど、インスタントを多めに採用して、これを構えつつマナを使う手段を用意しておくと更にいい感じだ。
カードセットを眺めただけで評価するのが最も難しいカードの一枚だけど、2.5点から大幅に上方修正も、10手目以降安定になるのも、どちらも十分あり得ると思うよ。
《城塞の包囲/Citadel Siege》
リミテッド4.5点
どちらの選択肢も正解とか、選択の意味をなしてないんじゃない?どれだけ城塞の包囲が強力か、伺い知れるというものだね。確かにカンのモードを選んだら、相手が3発くらい連続で除去をぶっ放してきた、なんてことだってあるかもしれないけど、普通のゲーム展開で城塞の包囲が残ってたら、どちらのモードを選んでも負ける気がしない。毎ターン一番強いクリーチャーを寝かせ続けるのはそれだけでバカバカしい強さだから、龍のモードのが安定ではある。でも盤面がある程度構築できていたら、カンのモードで相手を速やかに蹴散らすことができるだろう。その上長久で能力を与えるクリーチャーと組み合わせれば、もっと凄いことに。明確な壊れだね。
《不屈のダガタール/Daghatar the Adamant》
リミテッド4.0点
4マナ4/4というだけで十分強い上、能力もかなり強力だ。ダガタールがいるだけで戦闘が恐ろしくやりにくくなる上、相手の+1/+1カウンターをマイナス要因にしてしまう。カウンターを移動する能力は「あなたがコントロールする~」とはどこにも書いてないから、アブザン相手にぶつけたらさぞかし相手の顔を歪ませられるだろう。《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》と《牙守りの隊長/Tuskguard Captain》と並んでいるところを想像してみよう。相手のクリーチャーが突然、パワーとタフネスが1~2上がって、先制攻撃だのトランプルだのを持ち始めるんだ。しかも敵軍に+1/+1カウンターが見えるなら、相手を縮ませながら自軍のサイズを弄れてしまう。
能力のマナコストも、黒か緑を選べるハイブリッドになっているからそれほど厳しくはない。早めに取らない手はないね。
《龍鐘の僧兵/Dragon Bell Monk》
リミテッド2.5点
果敢を意識したデッキで嬉しい一枚。3マナは変異のせいで大体足りてることが多いとはいえ、それでも中々。コンバットトリックを考えると戦闘を避けたくなるものの、攻撃しつつブロックにも立たせられるのはかなりいい。警戒のおかげで、攻守にわたってコンバットトリックを意識させられるからね。強すぎはしないものの、個人的には是非お供にしたくなるヤツだ。
《龍鱗隊の将軍/Dragonscale General》
リミテッド3.5点
俺は終盤輝くようなカードが好きだが、こいつはまさに理想的だ。3ターン目変異、4ターン目変異で攻撃した直後に出して強いし、9ターン目くらいに出しても嬉しい。とても強力、かつ柔軟なカードだ。盤面に何もなくて4マナ2/3バニラということもあるだろうけど、カウンターの1つや2つくらい載せるのは難しくないだろう。1回使えるだけで十分強い。
《鱗衛兵の精鋭/Dragonscale General》
リミテッド3.0点
5マナ4/5、攻撃に参加したとき対象のクリーチャー1体をタップすると読み替えてしまっていい性能。そしてもちろん、そんな5マナクリーチャーは強い。しかも嬉しいことに、鼓舞は大体こいつ自身でなく、召喚良いしてないクリーチャーに置かれるだろうから、すぐ殴れて尚良し。勿論、欠点としては鼓舞のカウンターがどこに乗るか自由に選べないところで、本来の力を発揮できないこともあるだろう。概して強いカードだけれど、5マナはあまりたくさん採用できるマナ域でもないのもちょっと注意。
《大角クルショク/Great-Horn Krushok》
リミテッド1.0点
《軍用ビヒモス/War Behemoth》みたいな変異で溢れた環境で、デカいだけのバニラは強くない。名前が強そうでもダメ。3マナで出す選択肢のあるカードを差し置いて、こちらを使う意義が見いだせない。
《名誉の報賞/Honor’s Reward》
リミテッド2.0点
運用は難しいけれど、使いこなせればかなりの報賞が見込めるカードだ。4点のライフゲインをしつつ、戦闘で一方を取った上に、+1/+1カウンターによる強化が永続とくれば素晴らしいじゃないか。欠点はカウンターを置く先を好きに選べないことか。タフネスの揃えてあるデッキや、長久シナジーの見込めるデッキで輝きそうだが、その分普通のコンバットトリックとはかなり異なる挙動になるだろう。たとえばブロック前に唱えて、ダメージ除去が飛んでくるか、どこにカウンターが乗るか見届けてから使うとかね(相手は解決する前に動かないといけないため)。当たり前だけど、確定除去を持たれていたら先にブロックしたいところだから、インスタントの鼓舞は難しい。
ライフゲインがあまりありがたくないマッチでは、随分と強さが落ちてしまうし、強化呪文の常として、除去満載のデッキを相手にするのは厳しい。メインに採用できると思うけれど、相性の悪い相手に当たったらすぐサイドアウトすると思う。
《ジェスカイのバリケード/Jeskai Barricade》
リミテッド2.0点
これはいいね。俺は壁が好きだし、工夫の凝らしがいのあるカードも好きだ。おっと、好きといえばアドバンテージを稼げるカードを忘れちゃいけない。そんな3つの要素が詰まってるとか、なんて素晴らしいカードなんだ!クリーチャーがたくさん入っていないと真価を発揮できないから、どんなデッキにでも入るカードではないが、除去に対応して唱えられるといい感じ。メインに入らなくても、サイドボード要員として優秀だし、戦場に出たとき能力の誘発するクリーチャーの数を確保できれば更に強くなる。こういう工夫次第でより強くなるクリーチャーは大好きだ。2枚取れば無限ブロッカーにもなるぞ。
◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚リミテッドの知って嬉しい相互作用
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
緑黒
2ターン目に4/4を叩きつける以上に強い動きは果たしてあるだろうか?序盤の4/4トークンは対処しづらいし、序盤のダメージレースは完全にこっちのものになる。おまけにトークン単体で5ターンクロックだ。
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》が取れたら、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》といった高タフネスクリーチャーの評価を上げたい。族樹の発動が環境にあるというだけで、縁切られた先祖のようなカードは、他の色と比較して黒緑でこそ高評価になる。
ジェスカイ
実は私は、11マナのコンボなどに目がなくてね。《水渦/Waterwhirl》で毎ターン、《眼の管理人/Warden of the Eye》を戻し続けるとかどうだい?相手の地上巨大クリーチャーは管理人で止めて、水渦で飛行アタッカーと管理人をバウンスするんだ。それから管理人をまた出してもう一度水渦……とぐるぐる回していきたい。横で《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が殴り続けてればその内ゲームも終わるだろうし。
あるいは《眼の管理人/Warden of the Eye》と《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》を戻し続けるというのというのはいかがかな?これなら11マナ2ダメージを好きなだけ繰り返せる計算だ。全くもって嬉しくはないにせよ、終盤息切れしているなら勝ちにつながるかもしれない。待てよ……《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》3枚と《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》が4枚あれば無限に……ウッ頭が。
白緑
長久クリーチャーと+1/+1カウンターのシナジーは誰の目にも明らかだが、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて一つだけ覚えておくべきことがある。それは、《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》や《抵抗の妙技/Feat of Resistance》といった+1/+1カウンターを載せるカードの中で最強なのは《増え続ける成長/Incremental Growth》だということだ。
増え続ける成長でクリーチャーを3体強化して、《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》がそいつらを空に飛ばす。地上のブロッカーたちを尻目に一撃必殺奥義。マジック簡単。
赤白
あまり目にすることはないかもしれないけど、知っておいて損はしないこともある。《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》に《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》がついて殴ってきていて、こちらは《打ち倒し/Bring Low》があるものの、神秘家のタフネスが4のせいで倒すことができない。そんなところに颯爽と《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》が駆けつけるんだ。
抵抗の妙技は相手のクリーチャーを対象に取れないが、上級歩哨の能力は相手も対象に取れるのだった。というわけで、+1/+1カウンターを置いてやれば、打ち倒しで倒すことができる。なべて世は事も無し。
スゥルタイ
どの氏族も探査を利用できるし、墓地にカードを落とす手段も備えているが、スゥルタイが一番探査を上手に使える。コンボと呼ぶにはあまりに直球すぎるけどね。スゥルタイには《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》という素晴らしい探査お膳立て用のカードがあるし、そもそも探査呪文が最も多く存在する色だ。しかもたまに、アホみたいに巨大な《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》とかまでついてくることすらある。
赤緑
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》が攻撃してきて、最悪の場合どうなってしまうか、考えを巡らせたことは?《強大化/Become Immense》で10/10の2段攻撃になって、一発でゲームが終わったりしてね。強大化ケアで常にブロックしろっていうんじゃないよ。ただ、どれだけ双子が強大になるか、いつも最悪のケースは考えておいた方がいいってだけさ
。
青緑
変異クリーチャーが6体かそこらじゃ、《秘密の計画/Secret Plans》はできれば使いたくない。7~8体いれば、まあまあ使ってもいい。変異を9枚以上採用するなら、2ターン目秘密の計画は、かなり強力なプレイになるだろう。幸運なことに、青と緑は最もたくさん変異のいる色だから、結構《秘密の計画/Secret Plans》はアドバンテージを稼いでくれることが多い。
秘密の計画は(《神秘の痕跡/Trail of Mystery》も同じだけど)、変異解除が軽いクリーチャーや、マナを使わなくて済む変異との相性がいい。《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》や《ティムールの軍馬/Temur Charger》、《僧院の群れ/Monastery Flock》などがそうだね。変異関連のエンチャントを取ったら意識して高めに取りたい。
マルドゥ
両方コモンだからよく目にする組み合わせだが、相手がマルドゥのときは、盤面に変異が1体だけでも、《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》がエンド前に表になって、《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》で13点ねじ込まれる可能性があるというのは心に留めておこう。同じく何もないところからの《武器を手に/Take Up Arms》→《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》も脅威だ。
青黒
ベルギー勢を相手取って、ワールド・マジック・カップチームシールドの練習をしてたとき、アレクサンドル・ダラス(Alexandre Darras)が突然、2ターン目に《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》を唱えだしたことがあった。こいつまた《ゴブリンすべり/Goblinslide》か懲りないな。呪文の数合わせに入れたんだろう、と皆が思っていた……アレクサンドルが5枚すべてを墓地に落とすまでは。そう、呪文も土地も全部まとめて、5枚すべてをだ。
続く3ターン目に《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》が登場して、我々はどういう事なのかようやく呑み込んだ。当たり前といえば当たり前だが、序盤に出てくる悪鬼を処理するのは困難を極める。テイガムの策謀はカード1枚分のアドバンテージを失うものの、重い探査呪文の多いデッキでは、損失分に見合ったマナを生み出してくれるのだ。
まとめ
タルキール覇王譚の可能性はまさに無限。良いアイディアがあったら是非聞かせてくれ。ドラフトでお気に入りのシナジーは?普通じゃ経験できないような勝ち方をしたことは?最後にクイズだ。タルキール覇王譚のカードだけを使って、射手の胸壁で対戦相手に攻撃するには、どうしたらいいか?
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
緑黒
2ターン目に4/4を叩きつける以上に強い動きは果たしてあるだろうか?序盤の4/4トークンは対処しづらいし、序盤のダメージレースは完全にこっちのものになる。おまけにトークン単体で5ターンクロックだ。
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》が取れたら、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》といった高タフネスクリーチャーの評価を上げたい。族樹の発動が環境にあるというだけで、縁切られた先祖のようなカードは、他の色と比較して黒緑でこそ高評価になる。
ジェスカイ
実は私は、11マナのコンボなどに目がなくてね。《水渦/Waterwhirl》で毎ターン、《眼の管理人/Warden of the Eye》を戻し続けるとかどうだい?相手の地上巨大クリーチャーは管理人で止めて、水渦で飛行アタッカーと管理人をバウンスするんだ。それから管理人をまた出してもう一度水渦……とぐるぐる回していきたい。横で《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が殴り続けてればその内ゲームも終わるだろうし。
あるいは《眼の管理人/Warden of the Eye》と《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》を戻し続けるというのというのはいかがかな?これなら11マナ2ダメージを好きなだけ繰り返せる計算だ。全くもって嬉しくはないにせよ、終盤息切れしているなら勝ちにつながるかもしれない。待てよ……《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》3枚と《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》が4枚あれば無限に……ウッ頭が。
白緑
長久クリーチャーと+1/+1カウンターのシナジーは誰の目にも明らかだが、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて一つだけ覚えておくべきことがある。それは、《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》や《抵抗の妙技/Feat of Resistance》といった+1/+1カウンターを載せるカードの中で最強なのは《増え続ける成長/Incremental Growth》だということだ。
増え続ける成長でクリーチャーを3体強化して、《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》がそいつらを空に飛ばす。地上のブロッカーたちを尻目に一撃必殺奥義。マジック簡単。
赤白
あまり目にすることはないかもしれないけど、知っておいて損はしないこともある。《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》に《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》がついて殴ってきていて、こちらは《打ち倒し/Bring Low》があるものの、神秘家のタフネスが4のせいで倒すことができない。そんなところに颯爽と《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》が駆けつけるんだ。
抵抗の妙技は相手のクリーチャーを対象に取れないが、上級歩哨の能力は相手も対象に取れるのだった。というわけで、+1/+1カウンターを置いてやれば、打ち倒しで倒すことができる。なべて世は事も無し。
スゥルタイ
どの氏族も探査を利用できるし、墓地にカードを落とす手段も備えているが、スゥルタイが一番探査を上手に使える。コンボと呼ぶにはあまりに直球すぎるけどね。スゥルタイには《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》という素晴らしい探査お膳立て用のカードがあるし、そもそも探査呪文が最も多く存在する色だ。しかもたまに、アホみたいに巨大な《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》とかまでついてくることすらある。
赤緑
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》が攻撃してきて、最悪の場合どうなってしまうか、考えを巡らせたことは?《強大化/Become Immense》で10/10の2段攻撃になって、一発でゲームが終わったりしてね。強大化ケアで常にブロックしろっていうんじゃないよ。ただ、どれだけ双子が強大になるか、いつも最悪のケースは考えておいた方がいいってだけさ
。
青緑
変異クリーチャーが6体かそこらじゃ、《秘密の計画/Secret Plans》はできれば使いたくない。7~8体いれば、まあまあ使ってもいい。変異を9枚以上採用するなら、2ターン目秘密の計画は、かなり強力なプレイになるだろう。幸運なことに、青と緑は最もたくさん変異のいる色だから、結構《秘密の計画/Secret Plans》はアドバンテージを稼いでくれることが多い。
秘密の計画は(《神秘の痕跡/Trail of Mystery》も同じだけど)、変異解除が軽いクリーチャーや、マナを使わなくて済む変異との相性がいい。《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》や《ティムールの軍馬/Temur Charger》、《僧院の群れ/Monastery Flock》などがそうだね。変異関連のエンチャントを取ったら意識して高めに取りたい。
マルドゥ
両方コモンだからよく目にする組み合わせだが、相手がマルドゥのときは、盤面に変異が1体だけでも、《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》がエンド前に表になって、《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》で13点ねじ込まれる可能性があるというのは心に留めておこう。同じく何もないところからの《武器を手に/Take Up Arms》→《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》も脅威だ。
青黒
ベルギー勢を相手取って、ワールド・マジック・カップチームシールドの練習をしてたとき、アレクサンドル・ダラス(Alexandre Darras)が突然、2ターン目に《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》を唱えだしたことがあった。こいつまた《ゴブリンすべり/Goblinslide》か懲りないな。呪文の数合わせに入れたんだろう、と皆が思っていた……アレクサンドルが5枚すべてを墓地に落とすまでは。そう、呪文も土地も全部まとめて、5枚すべてをだ。
続く3ターン目に《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》が登場して、我々はどういう事なのかようやく呑み込んだ。当たり前といえば当たり前だが、序盤に出てくる悪鬼を処理するのは困難を極める。テイガムの策謀はカード1枚分のアドバンテージを失うものの、重い探査呪文の多いデッキでは、損失分に見合ったマナを生み出してくれるのだ。
まとめ
タルキール覇王譚の可能性はまさに無限。良いアイディアがあったら是非聞かせてくれ。ドラフトでお気に入りのシナジーは?普通じゃ経験できないような勝ち方をしたことは?最後にクイズだ。タルキール覇王譚のカードだけを使って、射手の胸壁で対戦相手に攻撃するには、どうしたらいいか?
Archers’ Parapet / 射手の胸壁 (1)(緑)http://mtgwiki.com/wiki/%E5%B0%84%E6%89%8B%E3%81%AE%E8%83%B8%E5%A3%81/Archers%27_Parapet
クリーチャー - 壁(Wall)
防衛
(1)(黒),(T):各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。
0/5
◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚リミテッドの知って嬉しい相互作用
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
先週末、私はグランプリストラスブール14のカバレージ・ブースから、タマーシュ・ナジ(Tamás Nagy)がドラフトでスゥルタイを組んでトロフィーをさらっていくのを見ていた。タルキール覇王譚のリミテッドで成功するには、理解しておかなければならないことが2つある。1つはカードパワーとマナ安定のバランスを取って、強く安定したデッキを作ること。もう1つは変異環境ならではの、心理戦やブラフといかにして向き合うかだ。それに加えて、ちょっとしたコンボ、強烈なシナジー、普通だと考え付かないようなカードの使い方などを知っておくことも、勝利に貢献するときがある。
例えばストラスブールでは、相手ターンの戦闘中に《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》を使っている光景を見た。相手のクリーチャーが強化されてしまうので普通ならしないプレイだが、その場合には意味があった。ラッパの一吹きを使ったプレイヤーの《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》の果敢が誘発して、攻撃クリーチャーを討ち取ったのだ。他にも《矢の嵐/Arrow Storm》を自分の《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》に撃ったプレイヤーもいた。ダメージレースに必死だったみたいでね。相手のクリーチャーに《強大化/Become Immense》して、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《停止の場/Suspension Field》、《跳ね返す掌/Deflecting Palm》なんてのはいかが?
この手の普通じゃない、傾奇者プレイは大好きだ。しかし最も強力なのは、本来意図された使い方をすること。今日の記事では、各色の組み合わせと氏族について、それぞれ相乗効果を見ていきたいと思う。当たり前なものもあれば、気づきにくいものもあるけれど、どれもがゲームを決めるくらい強いものだよ。
白黒
白黒戦士が、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて最もシナジーに溢れたアーキタイプであることは恐らく間違いない。なので今回の記事の一番手をつとめるのも自然な成り行きといえるだろう。環境には戦士クリーチャーがたくさんいる上(しかも《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》や《武器を手に/Take Up Arms》といった、複数の戦士を出すカードすらある)、強化手段も豊富だ。強化手段としては《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》が最良だが、《刃の隊長/Chief of the Edge》も相当なやり手だ。それに《戦場での猛進/Rush of Battle》があれば、ダメージレースを完全にひっくり返すことができる。
シールドだと、ドラフトに比べてこれらのシナジーを追及するのは困難なので、《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》もサイドボードに置いておくことが多くなるだろう。でもドラフトの白黒戦士で使う戦利品の価値は計り知れないよ。
ティムール
ティムールは格闘がお好き。《ティムールの魔除け/Temur Charm》、《凶暴な殴打/Savage Punch》に加えて、手が足りなければ《素早い蹴り/Swift Kick》も採用できる(手が足りないだけに蹴りだ)。自分のクリーチャーと相手のクリーチャーを格闘させるのが普通の使い方だけど、個人的には相手のクリーチャー同士で潰し合わせるのが好み。
仮に相手が《アブザンの先達/Abzan Guide》と《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》で殴ってきているとしよう(凄い色だが、十分あり得る話だ)。そこで先達を《反逆の行動/Act of Treason》で奪って、まず殴る。その後に魔除けで雪角の乗り手と格闘させてみよう。するとどうだ。なんと相手のクリーチャーを2体除去した上に、9点ものライフを得られたことになる。
《反逆の行動/Act of Treason》は《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》との相性も目を見張るものがある。塔甲羅のテキストは「あなたのコントロール下で」だから、何とオーナーでなく奪ったこちら側へ永続的に帰ってくるんだ。
赤黒
この記事内で初めて紹介する、友好色の組み合わせだね。タルキール覇王譚のリミテッドでは、できることなら避けたい組み合わせだ。友好色だと氏族の選択肢が一つに限られてしまうし、対抗色の組み合わせなら使える、強力な多色カードを使用することが不可能になってしまう。
赤黒の組み合わせで思いつくコンボは、接死と先制攻撃の組み合わせだ。《龍の握撃/Dragon Grip》は、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》をメイン採用するとしても微妙だからできれば使いたくないカードだが、飛んでないデカブツだらけでコンバットトリック多め、かつ除去やバウンス少な目のデッキに当たったら、結構真剣に握撃の採用を検討するよ。《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》についたら、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》すらもじもじさせるという、素晴らしい仕事をしてくれる。リミテッドでは、いつもサイドボードを見るのを忘れずに!
青赤
こんな場合を考えてみてほしい。相手のライフが12点で、こちらには《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》がいるが、相手の2体ならんでいる4/4で止められているんだ。こちらはもうライフが3点、相手は《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》で攻撃し続けている。最終ターン、こちらの場にあるのは古きもの、9枚の土地、手札は土地が1枚。楽観視できる状況ではないね。
そこで《道極め/Master the Way》をトップデック。まず5マナ浮かせて(ティムールの魔除けケアでもっとマナを出しておいてもいいかも)、それから古きものの能力を3回起動するんだ。するとなんと、手札は土地10枚、古きもの、道極めの12枚。道極めで12点ダメージ。奇跡を見せてやろうじゃないか!
アブザン
《砂塵破/Duneblast》は環境最強のカードの一枚。唱えることができればほぼすべてのゲームに勝てるだろう。だから全除去絡みのコンボは大体何でもオーバーキル感が漂う。そうはいっても、華麗にオーバーキルをキメたり、接戦の場合に備えて、より効率良く運用する方法を考えておくのは悪くない。
砂塵破を最大限に活用するというなら、《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》を出してから使ってみるなんてどうだろうか。砂塵をくぐった後には10/10飛行が待ち受けているという寸法さ。他には《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》を砂塵に放り込んで超ドローしてみるとか、うねる塔甲羅で更地になった盤面を駆け抜けるとか、《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》で再生してみるとか、破壊不能の《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》を合わせてみるとか。
更にシナジーを追い求めるなら、血蠅の大群を《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》と合わせてみよう。さながら《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》のごときマシンガンに早変わりだ。2枚目の血蠅か、《硬化した鱗/Hardened Scales》も合わせれば、酷いことが起きるだろう。報復も鱗も普通は使用に堪えるカードではないけれど、ガッチリはまるデッキを作れることもあるはずだ。
青白
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》は、デッキによって微妙なこともあれば超強力なこともある。デッキに呪文が4枚程度だと、強くない変異との相討ちもおちおちできないので、《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》以下に成り下がる。しかしながら、呪文が8枚以上あるようなら、長老は凶悪な2マナクリーチャーへと変貌する。
ストラスブールでクリスチャン・サイボルト(Christian Seibold)が、ジェスカイの長老2体、他の果敢持ちのクリーチャー、それに軽い呪文を詰め込みまくった美しいデッキを作ったことがあった。対戦相手は長老を上手に止めることができず、毎ターンルーター能力で手札の質が上がっていくのを眺めていることしかできなかった。5ターンキルまで決めてたのには舌を巻いた。
長老と相性抜群なのは《抵抗の妙技/Feat of Resistance》だ。ダブルブロックされても守ることができるし、+1/+1カウンターが載れば、続くターンにも平然と殴りに行くことができる。
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
先週末、私はグランプリストラスブール14のカバレージ・ブースから、タマーシュ・ナジ(Tamás Nagy)がドラフトでスゥルタイを組んでトロフィーをさらっていくのを見ていた。タルキール覇王譚のリミテッドで成功するには、理解しておかなければならないことが2つある。1つはカードパワーとマナ安定のバランスを取って、強く安定したデッキを作ること。もう1つは変異環境ならではの、心理戦やブラフといかにして向き合うかだ。それに加えて、ちょっとしたコンボ、強烈なシナジー、普通だと考え付かないようなカードの使い方などを知っておくことも、勝利に貢献するときがある。
例えばストラスブールでは、相手ターンの戦闘中に《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》を使っている光景を見た。相手のクリーチャーが強化されてしまうので普通ならしないプレイだが、その場合には意味があった。ラッパの一吹きを使ったプレイヤーの《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》の果敢が誘発して、攻撃クリーチャーを討ち取ったのだ。他にも《矢の嵐/Arrow Storm》を自分の《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》に撃ったプレイヤーもいた。ダメージレースに必死だったみたいでね。相手のクリーチャーに《強大化/Become Immense》して、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《停止の場/Suspension Field》、《跳ね返す掌/Deflecting Palm》なんてのはいかが?
この手の普通じゃない、傾奇者プレイは大好きだ。しかし最も強力なのは、本来意図された使い方をすること。今日の記事では、各色の組み合わせと氏族について、それぞれ相乗効果を見ていきたいと思う。当たり前なものもあれば、気づきにくいものもあるけれど、どれもがゲームを決めるくらい強いものだよ。
白黒
白黒戦士が、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて最もシナジーに溢れたアーキタイプであることは恐らく間違いない。なので今回の記事の一番手をつとめるのも自然な成り行きといえるだろう。環境には戦士クリーチャーがたくさんいる上(しかも《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》や《武器を手に/Take Up Arms》といった、複数の戦士を出すカードすらある)、強化手段も豊富だ。強化手段としては《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》が最良だが、《刃の隊長/Chief of the Edge》も相当なやり手だ。それに《戦場での猛進/Rush of Battle》があれば、ダメージレースを完全にひっくり返すことができる。
シールドだと、ドラフトに比べてこれらのシナジーを追及するのは困難なので、《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》もサイドボードに置いておくことが多くなるだろう。でもドラフトの白黒戦士で使う戦利品の価値は計り知れないよ。
ティムール
ティムールは格闘がお好き。《ティムールの魔除け/Temur Charm》、《凶暴な殴打/Savage Punch》に加えて、手が足りなければ《素早い蹴り/Swift Kick》も採用できる(手が足りないだけに蹴りだ)。自分のクリーチャーと相手のクリーチャーを格闘させるのが普通の使い方だけど、個人的には相手のクリーチャー同士で潰し合わせるのが好み。
仮に相手が《アブザンの先達/Abzan Guide》と《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》で殴ってきているとしよう(凄い色だが、十分あり得る話だ)。そこで先達を《反逆の行動/Act of Treason》で奪って、まず殴る。その後に魔除けで雪角の乗り手と格闘させてみよう。するとどうだ。なんと相手のクリーチャーを2体除去した上に、9点ものライフを得られたことになる。
《反逆の行動/Act of Treason》は《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》との相性も目を見張るものがある。塔甲羅のテキストは「あなたのコントロール下で」だから、何とオーナーでなく奪ったこちら側へ永続的に帰ってくるんだ。
赤黒
この記事内で初めて紹介する、友好色の組み合わせだね。タルキール覇王譚のリミテッドでは、できることなら避けたい組み合わせだ。友好色だと氏族の選択肢が一つに限られてしまうし、対抗色の組み合わせなら使える、強力な多色カードを使用することが不可能になってしまう。
赤黒の組み合わせで思いつくコンボは、接死と先制攻撃の組み合わせだ。《龍の握撃/Dragon Grip》は、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》をメイン採用するとしても微妙だからできれば使いたくないカードだが、飛んでないデカブツだらけでコンバットトリック多め、かつ除去やバウンス少な目のデッキに当たったら、結構真剣に握撃の採用を検討するよ。《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》についたら、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》すらもじもじさせるという、素晴らしい仕事をしてくれる。リミテッドでは、いつもサイドボードを見るのを忘れずに!
青赤
こんな場合を考えてみてほしい。相手のライフが12点で、こちらには《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》がいるが、相手の2体ならんでいる4/4で止められているんだ。こちらはもうライフが3点、相手は《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》で攻撃し続けている。最終ターン、こちらの場にあるのは古きもの、9枚の土地、手札は土地が1枚。楽観視できる状況ではないね。
そこで《道極め/Master the Way》をトップデック。まず5マナ浮かせて(ティムールの魔除けケアでもっとマナを出しておいてもいいかも)、それから古きものの能力を3回起動するんだ。するとなんと、手札は土地10枚、古きもの、道極めの12枚。道極めで12点ダメージ。奇跡を見せてやろうじゃないか!
アブザン
《砂塵破/Duneblast》は環境最強のカードの一枚。唱えることができればほぼすべてのゲームに勝てるだろう。だから全除去絡みのコンボは大体何でもオーバーキル感が漂う。そうはいっても、華麗にオーバーキルをキメたり、接戦の場合に備えて、より効率良く運用する方法を考えておくのは悪くない。
砂塵破を最大限に活用するというなら、《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》を出してから使ってみるなんてどうだろうか。砂塵をくぐった後には10/10飛行が待ち受けているという寸法さ。他には《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》を砂塵に放り込んで超ドローしてみるとか、うねる塔甲羅で更地になった盤面を駆け抜けるとか、《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》で再生してみるとか、破壊不能の《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》を合わせてみるとか。
更にシナジーを追い求めるなら、血蠅の大群を《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》と合わせてみよう。さながら《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》のごときマシンガンに早変わりだ。2枚目の血蠅か、《硬化した鱗/Hardened Scales》も合わせれば、酷いことが起きるだろう。報復も鱗も普通は使用に堪えるカードではないけれど、ガッチリはまるデッキを作れることもあるはずだ。
青白
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》は、デッキによって微妙なこともあれば超強力なこともある。デッキに呪文が4枚程度だと、強くない変異との相討ちもおちおちできないので、《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》以下に成り下がる。しかしながら、呪文が8枚以上あるようなら、長老は凶悪な2マナクリーチャーへと変貌する。
ストラスブールでクリスチャン・サイボルト(Christian Seibold)が、ジェスカイの長老2体、他の果敢持ちのクリーチャー、それに軽い呪文を詰め込みまくった美しいデッキを作ったことがあった。対戦相手は長老を上手に止めることができず、毎ターンルーター能力で手札の質が上がっていくのを眺めていることしかできなかった。5ターンキルまで決めてたのには舌を巻いた。
長老と相性抜群なのは《抵抗の妙技/Feat of Resistance》だ。ダブルブロックされても守ることができるし、+1/+1カウンターが載れば、続くターンにも平然と殴りに行くことができる。
◆ 【翻訳】運命再編より独占カードプレビュー 《Palace Siege》 by LSV
Exclusive Fate Reforged Preview - Palace Siege
Luis Scott-Vargas, 2014年12月30日
http://www.channelfireball.com/home/exclusive-fate-reforged-preview-palace-siege/
言ってなかったかもしれないが、俺は「包囲」とつくカードをプレビューするのに目がなくてね。今日のお題はサイと違って、包囲する側でなくて包囲される側の宮殿だ。こいつはちょっとばかり抜けるのが難しいぜ。
Palace Siege
2つのかなり異質なモードがセットになっているけど、これは良し悪しだね。柔軟なカードは強いのが常とはいえ、選択肢の2つで推奨される使い方がそれぞれ相当に異なるとなると、両方のモードを最大限に活用するのは困難。Palace Siegeの場合、モードは2つとも十分に強力だから、問題は入るデッキだ。両方のモードを使うデッキ、もしくはどちらか一方のモードをどうしても使いたい、というようなデッキを居場所として探すことになるだろう。
カンのモードは、包囲でも消耗戦ということだろうか。毎ターン《死者再生/Raise Dead》をやり込めるのは中々難しい。最近は場に出た時点で仕事するクリーチャーに不自由しないしね(「包囲」って名前のついてるどっかの動物を筆頭にね)。《エレボスの鞭/Whip of Erebos》デッキによって、この種の戦略の有用性は既に証明されてるけれど、Palace Siegeの場合、鞭の絆魂と引き換えに釣ったクリーチャーが場に残ってくれる。鞭より優れた点になる可能性もあるだろう。エレボスの鞭に対する反発として、《消去/Erase》や《再利用の賢者/Reclamation Sage》だらけなスタンダードの現状は、Palace Siegeの舞台としておあつらえ向きではないと思うけど、テーロス・ブロックがローテーション落ちして、鞭戦略が下火になったら結構いけると思う。エレボスの鞭そのものがスタンダード落ちしたら、鞭の後釜にPalace Siegeのカンのモードは最適だと思う。
ドラゴンのモードを見ると、こちらはドラゴンの常。ゲームを終わらせにかかるモードだ。毎ターン2点の削りはライフを詰めるのに最適だし、こちらが2点ゲインするのもオマケとしては守備的に嬉しい。盤面でダメージが通らないように固められてしまっても、Palace Siegeで最後の6~8点くらいを削りきるというのは中々名案じゃないかな。どれだけ守りを固めてもドラゴンのモードから逃げられない様は、フレイバー的にもまさに包囲という感じが出ていて大変によろしい。それに運命再編の包囲サイクルの例に漏れず、ゲームが長引けば長引くほどより効力を発揮する。ドラゴンのモード目的で使うデッキの場合、エンチャントはデッキ全体でPalace Siege1~2枚以外入らないだろうから、ドラゴンのモードの方がエンチャント除去には耐性がありそう。前のめりなデッキを相手にするとき、Palace Siegeを処理するためだけに、エンチャント除去をサイドから投入したくはないしね。
ほとんどのデッキにとって、Palace Siegeはどちらか片方のモード目的で入れるカードだろうけれど、当初の予定と違うモードで使うことも普通にあると思う。Palace Siege、《包囲サイ/Siege Rhino》《包囲戦法/Siegecraft》に他の包囲サイクル、どれを使っても世はまさに大包囲時代だ!
LSV
Exclusive Fate Reforged Preview - Palace Siege
Luis Scott-Vargas, 2014年12月30日
http://www.channelfireball.com/home/exclusive-fate-reforged-preview-palace-siege/
言ってなかったかもしれないが、俺は「包囲」とつくカードをプレビューするのに目がなくてね。今日のお題はサイと違って、包囲する側でなくて包囲される側の宮殿だ。こいつはちょっとばかり抜けるのが難しいぜ。
Palace Siege
2つのかなり異質なモードがセットになっているけど、これは良し悪しだね。柔軟なカードは強いのが常とはいえ、選択肢の2つで推奨される使い方がそれぞれ相当に異なるとなると、両方のモードを最大限に活用するのは困難。Palace Siegeの場合、モードは2つとも十分に強力だから、問題は入るデッキだ。両方のモードを使うデッキ、もしくはどちらか一方のモードをどうしても使いたい、というようなデッキを居場所として探すことになるだろう。
カンのモードは、包囲でも消耗戦ということだろうか。毎ターン《死者再生/Raise Dead》をやり込めるのは中々難しい。最近は場に出た時点で仕事するクリーチャーに不自由しないしね(「包囲」って名前のついてるどっかの動物を筆頭にね)。《エレボスの鞭/Whip of Erebos》デッキによって、この種の戦略の有用性は既に証明されてるけれど、Palace Siegeの場合、鞭の絆魂と引き換えに釣ったクリーチャーが場に残ってくれる。鞭より優れた点になる可能性もあるだろう。エレボスの鞭に対する反発として、《消去/Erase》や《再利用の賢者/Reclamation Sage》だらけなスタンダードの現状は、Palace Siegeの舞台としておあつらえ向きではないと思うけど、テーロス・ブロックがローテーション落ちして、鞭戦略が下火になったら結構いけると思う。エレボスの鞭そのものがスタンダード落ちしたら、鞭の後釜にPalace Siegeのカンのモードは最適だと思う。
ドラゴンのモードを見ると、こちらはドラゴンの常。ゲームを終わらせにかかるモードだ。毎ターン2点の削りはライフを詰めるのに最適だし、こちらが2点ゲインするのもオマケとしては守備的に嬉しい。盤面でダメージが通らないように固められてしまっても、Palace Siegeで最後の6~8点くらいを削りきるというのは中々名案じゃないかな。どれだけ守りを固めてもドラゴンのモードから逃げられない様は、フレイバー的にもまさに包囲という感じが出ていて大変によろしい。それに運命再編の包囲サイクルの例に漏れず、ゲームが長引けば長引くほどより効力を発揮する。ドラゴンのモード目的で使うデッキの場合、エンチャントはデッキ全体でPalace Siege1~2枚以外入らないだろうから、ドラゴンのモードの方がエンチャント除去には耐性がありそう。前のめりなデッキを相手にするとき、Palace Siegeを処理するためだけに、エンチャント除去をサイドから投入したくはないしね。
ほとんどのデッキにとって、Palace Siegeはどちらか片方のモード目的で入れるカードだろうけれど、当初の予定と違うモードで使うことも普通にあると思う。Palace Siege、《包囲サイ/Siege Rhino》
LSV
【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築 後編
2014年10月31日 翻訳 コメント (4)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
マナ基盤を構築する
前にも述べた通り、基本土地はなるべく中核となる2色のものにしたい。タッチする色は、特殊地形や旗で補えるようにするべきだ。下にタッチの方針を書いてみたけど、中にはフランク・カースティン(Frank Karsten)の素晴らしい記事の中で書かれていることを繰り返したり、あるいは強調するにとどまっているものもあるけど、私の考えも入ってるよ。
Frank Analysis – A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
上記の記事の拙訳 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編・後編
http://misdirection.diarynote.jp/201410222226405300/
http://misdirection.diarynote.jp/201410232042096472/
・タッチとして一番気軽なのは、変異クリーチャー1体にタッチを留めることだ。それなら対応する色マナが引けなくても使えるので、大惨事にはならない。タッチカラーの出る色マナ供給源は2枚くらいあればいいだろう。
・終盤向けの呪文を1枚タッチするなら(《砂塵破/Duneblast》とか)、色供給源は3枚くらいあれば十分だ。
・タッチしたいカードが複数枚あったり、あるいは中盤くらいには使いたい呪文をタッチするなら(《弧状の稲妻/Arc Lightning》とか《包囲サイ/Siege Rhino》とか)、対応する色マナ源は4~5枚くらい欲しい。
・仮に低マナを白と黒に寄せるよう最善を尽くしたとして、緑をタッチするのはほぼ確定としよう。アブザンの3色カードや緑の変異を数枚入れるなら、緑マナ供給源は7枚欲しいところだが、欲を言えば森の枚数は2枚までにしたい。
・「メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。」これはフランクの記事のまま引用させてもらうよ。
ここで書いたのは、マナ基盤構築にあたって最低限の基準だ。言い換えれば、ここで書いたことに忠実に従えば、欲張ってもそこそこのところでブレーキがかかる。当たり前のことだけれど、欲張れば欲張るほど、苦境に立たされる確率も上がってしまう。
5色でデッキを組んで、各色の色供給源を最小限まで絞ったなら、普通にプレイするより5倍は不運に見舞われる確率があるということだ。そんなデッキで長いトーナメントを勝ち抜くのは、驚異的なまでの運が必要になるだろう。色を増やせば増やしただけ、マナ基盤に望む基準も厳しくなる。それにシールドだとプールによっては、そもそも5色が選択肢に入らないこともある。その場合は何かを切らなければならないだろう。
覚えておいて欲しいのだが、4色デッキと5色デッキでは天地の差がある。2色を中心としたデッキで、別の2色を少しだけ足すのと、ド4色のデッキを使うのは全く似て非なるものだ。デッキの強さをできるだけ落とさずに、マナ基盤は安定したものにしたい。
サンプルデッキ
これがグランプリロサンゼルス14の、スーパーサンデーシリーズのシールドで私が使って6-1-1-したデッキだ。
(引き分けはIDじゃない本当の引き分け。トップ4には入れなかった)
そう、5色デッキだ。白唯一のカードは《砂塵破/Duneblast》で、白マナ源は3枚とってある。赤いカード3枚を、赤マナ源4枚で運用している(このデッキで一番欲張ったのが、赤いカードの枚数だ)。青いカードは2枚、それに青の変異クリーチャーが4枚入ってて、青マナ源は6枚。島も1枚入れた。緑と黒がメインカラーで、それぞれ9・10枚の色マナ供給源を確保してある。
これは使っていて面白いデッキだった。最初に述べておかなければならないが、強力なレアと、量的に充実したマナ基盤のあるプールを引けて、かなり幸運に恵まれていたと言えるだろう。上でも言ったけれど、5色全てを使える可能性が皆無なプールもあるのだ。平均以上のマナ安定要素を手にして尚、私はちょっとばかり強欲に構築したといえる。自分は正しい判断をしたと信じているけどね。
下のような紆余曲折を経て、最終的な上の形に落ち着いた:
まず、プール中最も強いカードが青と緑に寄っている。《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》、《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》、《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》といったカードだが、何が何でも《砂塵破/Duneblast》を使うと決めていたもので、デッキはスゥルタイのタッチ白赤の方向で考えた。軽いクリーチャーは序盤に唱えられるものでなくてはならないので、変異でない軽量クリーチャーと基本土地枠に緑と黒を採用することにした。《煙の語り部/Smoke Teller》や《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》は、赤や白、青にすらもっと優秀な低マナ域があったものの、それらを押しのけての採用だ。戦旗はプールにたくさんあったが、悠長だしパッとしないカードだし、複数枚引きたくもなかったので1枚に留めた。それと、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》は赤と白のタッチを最小限に留めたかったので、控えに下げておくことにした。少しでもプールが違っていたら(たとえば《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》がいないとか)、4枚の赤マナ源を5枚にするとかして使っていたと思う。
今回の記事が、タルキール覇王譚のシールドデッキ入門に少しでも役立ってくれたなら幸いだ。皆がこの環境を少しでも楽しんでくれたなら嬉しい。ちょうど私自身、タルキール覇王譚で熱い気持ちが呼び覚まされたみたいにね。PTQ,グランプリ、MOのデイリーイベントと、色々なところでタルキール覇王譚シールドをプレイすると思うけれど、読者の皆のシールドが上手くいくよう祈っているよ!
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
マナ基盤を構築する
前にも述べた通り、基本土地はなるべく中核となる2色のものにしたい。タッチする色は、特殊地形や旗で補えるようにするべきだ。下にタッチの方針を書いてみたけど、中にはフランク・カースティン(Frank Karsten)の素晴らしい記事の中で書かれていることを繰り返したり、あるいは強調するにとどまっているものもあるけど、私の考えも入ってるよ。
Frank Analysis – A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
上記の記事の拙訳 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編・後編
http://misdirection.diarynote.jp/201410222226405300/
http://misdirection.diarynote.jp/201410232042096472/
・タッチとして一番気軽なのは、変異クリーチャー1体にタッチを留めることだ。それなら対応する色マナが引けなくても使えるので、大惨事にはならない。タッチカラーの出る色マナ供給源は2枚くらいあればいいだろう。
・終盤向けの呪文を1枚タッチするなら(《砂塵破/Duneblast》とか)、色供給源は3枚くらいあれば十分だ。
・タッチしたいカードが複数枚あったり、あるいは中盤くらいには使いたい呪文をタッチするなら(《弧状の稲妻/Arc Lightning》とか《包囲サイ/Siege Rhino》とか)、対応する色マナ源は4~5枚くらい欲しい。
・仮に低マナを白と黒に寄せるよう最善を尽くしたとして、緑をタッチするのはほぼ確定としよう。アブザンの3色カードや緑の変異を数枚入れるなら、緑マナ供給源は7枚欲しいところだが、欲を言えば森の枚数は2枚までにしたい。
・「メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。」これはフランクの記事のまま引用させてもらうよ。
ここで書いたのは、マナ基盤構築にあたって最低限の基準だ。言い換えれば、ここで書いたことに忠実に従えば、欲張ってもそこそこのところでブレーキがかかる。当たり前のことだけれど、欲張れば欲張るほど、苦境に立たされる確率も上がってしまう。
5色でデッキを組んで、各色の色供給源を最小限まで絞ったなら、普通にプレイするより5倍は不運に見舞われる確率があるということだ。そんなデッキで長いトーナメントを勝ち抜くのは、驚異的なまでの運が必要になるだろう。色を増やせば増やしただけ、マナ基盤に望む基準も厳しくなる。それにシールドだとプールによっては、そもそも5色が選択肢に入らないこともある。その場合は何かを切らなければならないだろう。
覚えておいて欲しいのだが、4色デッキと5色デッキでは天地の差がある。2色を中心としたデッキで、別の2色を少しだけ足すのと、ド4色のデッキを使うのは全く似て非なるものだ。デッキの強さをできるだけ落とさずに、マナ基盤は安定したものにしたい。
サンプルデッキ
これがグランプリロサンゼルス14の、スーパーサンデーシリーズのシールドで私が使って6-1-1-したデッキだ。
(引き分けはIDじゃない本当の引き分け。トップ4には入れなかった)
サンプルデッキ
土地
4:《森/Forest》
4:《沼/Swamp》
1:《島/Island》
1:《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》
1:《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》
1:《花咲く砂地/Blossoming Sands》
1:《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
1:《茨森の滝/Thornwood Falls》
1:《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
1:《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
1:《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1:《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
クリーチャー
1:《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
1:《高地の獲物/Highland Game》
2:《煙の語り部/Smoke Teller》
1:《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
1:《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
1:《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》
1:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
1:《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
1:《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》
1:《霧炎の織り手/Mistfire Weaver》
1:《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》
1:《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》
1:《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
2:《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
非クリーチャー
1:《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》
1:《弧状の稲妻/Arc Lightning》
1:《焼き払い/Burn Away》
1:《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
1:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
1:《砂塵破/Duneblast》
そう、5色デッキだ。白唯一のカードは《砂塵破/Duneblast》で、白マナ源は3枚とってある。赤いカード3枚を、赤マナ源4枚で運用している(このデッキで一番欲張ったのが、赤いカードの枚数だ)。青いカードは2枚、それに青の変異クリーチャーが4枚入ってて、青マナ源は6枚。島も1枚入れた。緑と黒がメインカラーで、それぞれ9・10枚の色マナ供給源を確保してある。
これは使っていて面白いデッキだった。最初に述べておかなければならないが、強力なレアと、量的に充実したマナ基盤のあるプールを引けて、かなり幸運に恵まれていたと言えるだろう。上でも言ったけれど、5色全てを使える可能性が皆無なプールもあるのだ。平均以上のマナ安定要素を手にして尚、私はちょっとばかり強欲に構築したといえる。自分は正しい判断をしたと信じているけどね。
下のような紆余曲折を経て、最終的な上の形に落ち着いた:
まず、プール中最も強いカードが青と緑に寄っている。《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》、《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》、《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》といったカードだが、何が何でも《砂塵破/Duneblast》を使うと決めていたもので、デッキはスゥルタイのタッチ白赤の方向で考えた。軽いクリーチャーは序盤に唱えられるものでなくてはならないので、変異でない軽量クリーチャーと基本土地枠に緑と黒を採用することにした。《煙の語り部/Smoke Teller》や《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》は、赤や白、青にすらもっと優秀な低マナ域があったものの、それらを押しのけての採用だ。戦旗はプールにたくさんあったが、悠長だしパッとしないカードだし、複数枚引きたくもなかったので1枚に留めた。それと、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》は赤と白のタッチを最小限に留めたかったので、控えに下げておくことにした。少しでもプールが違っていたら(たとえば《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》がいないとか)、4枚の赤マナ源を5枚にするとかして使っていたと思う。
今回の記事が、タルキール覇王譚のシールドデッキ入門に少しでも役立ってくれたなら幸いだ。皆がこの環境を少しでも楽しんでくれたなら嬉しい。ちょうど私自身、タルキール覇王譚で熱い気持ちが呼び覚まされたみたいにね。PTQ,グランプリ、MOのデイリーイベントと、色々なところでタルキール覇王譚シールドをプレイすると思うけれど、読者の皆のシールドが上手くいくよう祈っているよ!
【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築 前編
2014年10月28日 翻訳 コメント (2)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
今ではやる機会が少なくなってしまったが、私のトーナメントプレイヤーとしてのルーツはシールド戦にあると思う。プロツアーに出るよりも前のことだが、せっせとマジックオンライン(MO)に励んでいた頃、シールドは一番楽しく、かつ得意なフォーマットだった。それがごく最近になって、また熱い気持ちが湧いてきたんだ。長いこと忘れていた気持ちをタルキール覇王譚が呼び覚ましてくれた。やはりシールドは最高だ。
タルキール覇王譚のシールドは、あらゆる面にて深遠で、やりごたえがあってしかも面白い。どの色を使うか、一色をタッチで使うか、先手と後手のどちらを取るべきか、それにこれはジョン(Jon Finkel)と4ラウンド目の2ゲーム目でも起こったことだけど、5ターン目の変異をブロックすべきかスルーすべきか。数限りなく問いが生まれ、簡単に答えの出るものはほとんとない。
今日のこの記事は、タルキール覇王譚のシールドについて考えるきっかけを提供できたらというのが目標だ。特に強さと色安定のバランスをいかに適正に保つかというところに重点を置いて話したい。タルキール覇王譚に限定して話すので、シールド全般のことならこちらを見てほしい。
Sealed Deck by Reid Duke (リンク先は英語)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/lo/sealed-deck-2014-09-15
タルキール覇王譚のシールドは、タルキール覇王譚*3のドラフトとどう異なるのか?
どんなセットにも言えることだが、シールドとドラフトのデッキが最も異なる点として、デッキの焦点の定まり具合が挙げられる。ブースター・ドラフトでは、特定の一貫した戦略を意識して、それに合わせたピックを行うことが可能だ。シールドの場合、ドラフトの方針をそのまま転用するのは少し難しい。。
デッキの焦点が定まりきらないせいで、タルキール覇王譚のシールドで特に顕著となることが2点ある。第一に、ゲーム展開がかなりゆっくりになるため、序盤に激しく攻勢に出ることで勝ちをもぎ取るのは非常に困難だ。ドラフトで強いデッキが組めた場合、3マナに到達して変異の出てくる前に、クリーチャーを1体でも2体でもとにかく並べ立てて、コンバットトリックで押し通したりテンポを奪ったりして、初動が変異の対戦相手を最後まで後手後手に押し込んでしまうことができる。シールドのゲームでそんな状況は作りにくい。初動が変異クリーチャーだったとしても、致命的なまでに押し負けることはほとんどない。後手のときですら、初動が変異クリーチャーだからといって、それが原因で押し負けることは少ない。
第二に重要なのはマナ関連だ。ドラフトでは自分のやりたい色の土地を優先して集めることができるが、シールドでは運を天に任せるしかない。パックから都合よく土地が出るようお祈りするわけだが、毎回特定の氏族をサポートするように偏って出てくれるわけでもないし、プールの中で使いたいと思うカードに土地が合わせて出てくれる保証もない。むしろ色の組み合わせは、ばらばらでまとまりのないことの方が多いだろう。
色を選ぶ
タルキール覇王譚のドラフトでは、何ら問題なく2色のデッキを仕上げることが可能だが、シールドで2色のデッキにはお目にかかったことがない。というより個人的経験だが、綺麗な3色のデッキすらほとんど見たことがない。多くの人が4色目に手を伸ばすし、5色のデッキすら全く珍しくない。一般的に、色を足すときは切実な理由に駆られてのことが多いが、タルキール覇王譚のシールドでは、色を増やすことで咎められることはあまりない。特にゲームが低速化するシールド戦において顕著だ。
《砂塵破/Duneblast》のような、ゲームを終わらせるだけの爆弾レアカードがプールにあったら、ほぼ使うのが大正義。強いられていると言ってもいい。かなり特殊な状況でもない限り、砂塵破を撃つというのは、ゲームに勝つのとほぼ同意義だ。終盤に使えればいいカードの場合、タッチ色の出るマナソースは3枚程度あれば十分といえる。シールドのプールだと大体、基本土地を全く使わなくても特定の色を出せるマナソースが3枚くらいはあるものだ。砂塵破を見たら最初に考えるのはアブザンだが、スゥルタイやマルドゥで組んで、必要な色をタッチするという使い方でも全く差し支えない。
砂塵破は何が何でも絶対に使いたいカードの典型例だ。色シンボルが3色ともシングルシンボルで、終盤撃てれば良いカードであり、ゲームへの勝ちに直結する。このことは(砂塵破と比べると、ゲームに対する支配力はまちまちなものの)《火口の爪/Crater’s Claws》、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》、《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》、《飛鶴の技/Flying Crane Technique》、《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》など、相当数のカードにも当てはまる。色安定要素が不運にも絶望的なまでに足りないとき以外、サイドボードにこういった一枚で勝てるカードを残さないようにしたい(とはいえ、マナ基盤に恵まれないのは実際に可能性としてあり得るので、そんな状況にも面食らわないよう心の準備をしておきたい)。
ステップ1.爆弾レアはなるべく使うようにする。
爆弾レアというのは、単体でゲーム結果を左右する可能性があるカードのことを指す。単純に軽くて使い勝手の良い呪文と混同しないようにしてほしい。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》といったカードの強さはいくら語っても語り尽くせないほどだが、《砂塵破/Duneblast》と同類ではない。死与えやカマキリの乗り手にもゲーム勝者を決定づけるくらいの力はあるが、それは序盤に引いてきて早くに唱えることができた場合に限られる。たとえばアナフェンザのために色をタッチしたとしても見返りは少ない。アナフェンザとて6~7ターン目までに唱えられなければ、代わりにコモンやアンコモンのクリーチャーを投入しているのと、あまり変わらないのだ。
爆弾レアを検討した後は、優良除去と、安定したカードアドバンテージを稼げるカードを探そう。私の考えでは、タルキール覇王譚シールドにおいて、アドバンテージ源として一番優秀なコモンは《宝船の巡航/Treasure Cruise》と《苦々しい天啓/Bitter Revelation》だ。優良除去としては、《完全なる終わり/Utter End》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《弧状の稲妻/Arc Lightning》、《残忍な切断/Murderous Cut》、《死の投下/Dead Drop》、《死の激情/Death Frenzy》、《道極め/Master the Way》、《停止の場/Suspension Field》あたりだ。《騎乗追撃/Ride Down》や《凶暴な殴打/Savage Punch》も、然るべきデッキで使えば上のカードと並びうる性能が出せるだろう。《焼き払い/Burn Away》や《消耗する負傷/Debilitating Injury》、それにアブザン以外の魔除けは、中々強いながら真に優秀かと問われるとギリギリ含まれるか含まれないか、微妙なところだ。
ステップ2.カードアドバンテージを取れるカードと除去はできるだけ使うようにする。
さて、ステップ1・2と順に辿ってきていれば、色ごとにばらつきが出たりはするものの、選り分けた優良カードの束が目の前にできているはずだ。運が良ければ、使いたいカードの色は5色に散らばっておらず、わかりやすく特定の色に固まっているだろう。そこまでわかりやすいことは少なくても、3~4色に偏っていることはあるかもしれない。もしくは逆に、候補にあがらない色を切れる場合もあるだろう(たとえば爆弾レアがなくて、《弧状の稲妻/Arc Lightning》しかない赤、のような具合に)。
次に頭の中で組み立てるべきなのが、デッキのマナ基盤だ。プールには戦旗が結構あると思うけど、戦旗は入っても1枚かせいぜい2枚だと思う。見るべきなのは土地だ。3色の出るトライランドは、3色中2色しか合っていなくても喜んで使うだろうから、まずデッキに入るとみていい。コモンの2色土地を見れば、どの色の組み合わせがやりやすく、タッチ可能な色にも見当がつくだろう。
ステップ3.使いたい爆弾レアや優良カードとマナ供給源を突き合わせて検討する。特殊地形を見て、何が使えて何が使えないか、考えを整理する。
ここからが重要で、我慢のしどころだ。しっかりと自制心を持とう。多くのプレイヤーが罠にかかるのがマナ基盤で、ここで躓くと致命的になりかねない。
ステップ4.強レア・除去・アドバンテージ源を見たら、残りのカードは2色に寄せてデッキを構築する。
2色の構築を金科玉条として死守する必要はないものの、2色に寄せるというのは指針として素晴らしいものだと思う。デッキができる限り2色になるよう、全プレイヤーが最善を尽くすべきといってもいいくらいだ。4~5色だからといって、全ての色の基本土地を入れるのは避けること。そんな真似をしたら、単純にマナ基盤がガタガタで安定を欠くものになってしまう。理想的な話をすれば、デッキの核は2色にキッチリ寄せてあるべきで、序盤はそのメイン2色のカードを使えるようにしておきたい。メイン2色がしっかりできて初めて、終盤唱えられればいい爆弾レアや優良カードをタッチすることを考える選択肢が生まれる。とはいえそれでも、色をタッチして使うカードは出来る限り少量に留めたい。
タルキール覇王譚の場合、入れ替えても似たような役割を果たすことのできるカードが大半を占める。主に変異というメカニズムのおかげだけれど、他のカードが霞んでしまうくらい、ぶっ飛んだコモンやアンコモンが各色に無いせいでもある(つまり、《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》や《火炎放射/Cone of Flame》、《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》といった連中のことだ)
どんなクリーチャーを使うにしても、また使われるにしても、戦闘では相討ちが多くの場合基本となるだろう。もしくは爆弾レアを引くまで死なないようにするための肉壁のように考えてもいい。
《必殺の一射/Kill Shot》、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《矢の嵐/Arrow Storm》に《絞首/Throttle》といった、いつでも使いたいコモンの優良除去が環境には存在する。しかし、シールドではクリーチャーの密度を高く保つのが重要だ。絞首を使わず、代わりに平凡なクリーチャーを入れたからといって、そのせいで負けるようなことは普通起きない。
とにかく基本となる2色を選ぼう。タルキール覇王譚では、大体対抗色の組み合わせになるだろう。選ぶときは、使用に堪えるカードの枚数を見て、それに絶対に使いたいカードを上手く組み込むことができるかを考え、マナ基盤と相談するのが肝要だ。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》のような、軽くて超強力なカードが影響してくるのはこの段階だ。序盤展開するカードは基本となる2色のカードであるべきだし、基本土地はなるべくメイン2色のもののみを使うようにしたい。初手にはなるべく、基本2色の出るマナソースが欲しいからね。キープする際、メインカラーが初手で確保できているのなら、たとえタッチ色が出なくても安心してキープできるはずだ。
ここでまた思い出してほしいのが、大概のカードは他のカードと交換しても、大勢に影響はないということだ。《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》、《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《跳躍の達人/Leaping Master》、《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》、《僧院の群れ/Monastery Flock》、《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》、《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》といったカードはデッキの屋台骨となる連中だが、ここで名をあげたカードはどれを使おうとも、他の何かより圧倒的に優れているとか劣っているということはない。マナが安定するように選択すればいいのだ。
マナ基盤を構築する以降は後編にて
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
今ではやる機会が少なくなってしまったが、私のトーナメントプレイヤーとしてのルーツはシールド戦にあると思う。プロツアーに出るよりも前のことだが、せっせとマジックオンライン(MO)に励んでいた頃、シールドは一番楽しく、かつ得意なフォーマットだった。それがごく最近になって、また熱い気持ちが湧いてきたんだ。長いこと忘れていた気持ちをタルキール覇王譚が呼び覚ましてくれた。やはりシールドは最高だ。
タルキール覇王譚のシールドは、あらゆる面にて深遠で、やりごたえがあってしかも面白い。どの色を使うか、一色をタッチで使うか、先手と後手のどちらを取るべきか、それにこれはジョン(Jon Finkel)と4ラウンド目の2ゲーム目でも起こったことだけど、5ターン目の変異をブロックすべきかスルーすべきか。数限りなく問いが生まれ、簡単に答えの出るものはほとんとない。
今日のこの記事は、タルキール覇王譚のシールドについて考えるきっかけを提供できたらというのが目標だ。特に強さと色安定のバランスをいかに適正に保つかというところに重点を置いて話したい。タルキール覇王譚に限定して話すので、シールド全般のことならこちらを見てほしい。
Sealed Deck by Reid Duke (リンク先は英語)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/lo/sealed-deck-2014-09-15
タルキール覇王譚のシールドは、タルキール覇王譚*3のドラフトとどう異なるのか?
どんなセットにも言えることだが、シールドとドラフトのデッキが最も異なる点として、デッキの焦点の定まり具合が挙げられる。ブースター・ドラフトでは、特定の一貫した戦略を意識して、それに合わせたピックを行うことが可能だ。シールドの場合、ドラフトの方針をそのまま転用するのは少し難しい。。
デッキの焦点が定まりきらないせいで、タルキール覇王譚のシールドで特に顕著となることが2点ある。第一に、ゲーム展開がかなりゆっくりになるため、序盤に激しく攻勢に出ることで勝ちをもぎ取るのは非常に困難だ。ドラフトで強いデッキが組めた場合、3マナに到達して変異の出てくる前に、クリーチャーを1体でも2体でもとにかく並べ立てて、コンバットトリックで押し通したりテンポを奪ったりして、初動が変異の対戦相手を最後まで後手後手に押し込んでしまうことができる。シールドのゲームでそんな状況は作りにくい。初動が変異クリーチャーだったとしても、致命的なまでに押し負けることはほとんどない。後手のときですら、初動が変異クリーチャーだからといって、それが原因で押し負けることは少ない。
第二に重要なのはマナ関連だ。ドラフトでは自分のやりたい色の土地を優先して集めることができるが、シールドでは運を天に任せるしかない。パックから都合よく土地が出るようお祈りするわけだが、毎回特定の氏族をサポートするように偏って出てくれるわけでもないし、プールの中で使いたいと思うカードに土地が合わせて出てくれる保証もない。むしろ色の組み合わせは、ばらばらでまとまりのないことの方が多いだろう。
色を選ぶ
タルキール覇王譚のドラフトでは、何ら問題なく2色のデッキを仕上げることが可能だが、シールドで2色のデッキにはお目にかかったことがない。というより個人的経験だが、綺麗な3色のデッキすらほとんど見たことがない。多くの人が4色目に手を伸ばすし、5色のデッキすら全く珍しくない。一般的に、色を足すときは切実な理由に駆られてのことが多いが、タルキール覇王譚のシールドでは、色を増やすことで咎められることはあまりない。特にゲームが低速化するシールド戦において顕著だ。
《砂塵破/Duneblast》のような、ゲームを終わらせるだけの爆弾レアカードがプールにあったら、ほぼ使うのが大正義。強いられていると言ってもいい。かなり特殊な状況でもない限り、砂塵破を撃つというのは、ゲームに勝つのとほぼ同意義だ。終盤に使えればいいカードの場合、タッチ色の出るマナソースは3枚程度あれば十分といえる。シールドのプールだと大体、基本土地を全く使わなくても特定の色を出せるマナソースが3枚くらいはあるものだ。砂塵破を見たら最初に考えるのはアブザンだが、スゥルタイやマルドゥで組んで、必要な色をタッチするという使い方でも全く差し支えない。
砂塵破は何が何でも絶対に使いたいカードの典型例だ。色シンボルが3色ともシングルシンボルで、終盤撃てれば良いカードであり、ゲームへの勝ちに直結する。このことは(砂塵破と比べると、ゲームに対する支配力はまちまちなものの)《火口の爪/Crater’s Claws》、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》、《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》、《飛鶴の技/Flying Crane Technique》、《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》など、相当数のカードにも当てはまる。色安定要素が不運にも絶望的なまでに足りないとき以外、サイドボードにこういった一枚で勝てるカードを残さないようにしたい(とはいえ、マナ基盤に恵まれないのは実際に可能性としてあり得るので、そんな状況にも面食らわないよう心の準備をしておきたい)。
ステップ1.爆弾レアはなるべく使うようにする。
爆弾レアというのは、単体でゲーム結果を左右する可能性があるカードのことを指す。単純に軽くて使い勝手の良い呪文と混同しないようにしてほしい。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》といったカードの強さはいくら語っても語り尽くせないほどだが、《砂塵破/Duneblast》と同類ではない。死与えやカマキリの乗り手にもゲーム勝者を決定づけるくらいの力はあるが、それは序盤に引いてきて早くに唱えることができた場合に限られる。たとえばアナフェンザのために色をタッチしたとしても見返りは少ない。アナフェンザとて6~7ターン目までに唱えられなければ、代わりにコモンやアンコモンのクリーチャーを投入しているのと、あまり変わらないのだ。
爆弾レアを検討した後は、優良除去と、安定したカードアドバンテージを稼げるカードを探そう。私の考えでは、タルキール覇王譚シールドにおいて、アドバンテージ源として一番優秀なコモンは《宝船の巡航/Treasure Cruise》と《苦々しい天啓/Bitter Revelation》だ。優良除去としては、《完全なる終わり/Utter End》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《弧状の稲妻/Arc Lightning》、《残忍な切断/Murderous Cut》、《死の投下/Dead Drop》、《死の激情/Death Frenzy》、《道極め/Master the Way》、《停止の場/Suspension Field》あたりだ。《騎乗追撃/Ride Down》や《凶暴な殴打/Savage Punch》も、然るべきデッキで使えば上のカードと並びうる性能が出せるだろう。《焼き払い/Burn Away》や《消耗する負傷/Debilitating Injury》、それにアブザン以外の魔除けは、中々強いながら真に優秀かと問われるとギリギリ含まれるか含まれないか、微妙なところだ。
ステップ2.カードアドバンテージを取れるカードと除去はできるだけ使うようにする。
さて、ステップ1・2と順に辿ってきていれば、色ごとにばらつきが出たりはするものの、選り分けた優良カードの束が目の前にできているはずだ。運が良ければ、使いたいカードの色は5色に散らばっておらず、わかりやすく特定の色に固まっているだろう。そこまでわかりやすいことは少なくても、3~4色に偏っていることはあるかもしれない。もしくは逆に、候補にあがらない色を切れる場合もあるだろう(たとえば爆弾レアがなくて、《弧状の稲妻/Arc Lightning》しかない赤、のような具合に)。
次に頭の中で組み立てるべきなのが、デッキのマナ基盤だ。プールには戦旗が結構あると思うけど、戦旗は入っても1枚かせいぜい2枚だと思う。見るべきなのは土地だ。3色の出るトライランドは、3色中2色しか合っていなくても喜んで使うだろうから、まずデッキに入るとみていい。コモンの2色土地を見れば、どの色の組み合わせがやりやすく、タッチ可能な色にも見当がつくだろう。
ステップ3.使いたい爆弾レアや優良カードとマナ供給源を突き合わせて検討する。特殊地形を見て、何が使えて何が使えないか、考えを整理する。
ここからが重要で、我慢のしどころだ。しっかりと自制心を持とう。多くのプレイヤーが罠にかかるのがマナ基盤で、ここで躓くと致命的になりかねない。
ステップ4.強レア・除去・アドバンテージ源を見たら、残りのカードは2色に寄せてデッキを構築する。
2色の構築を金科玉条として死守する必要はないものの、2色に寄せるというのは指針として素晴らしいものだと思う。デッキができる限り2色になるよう、全プレイヤーが最善を尽くすべきといってもいいくらいだ。4~5色だからといって、全ての色の基本土地を入れるのは避けること。そんな真似をしたら、単純にマナ基盤がガタガタで安定を欠くものになってしまう。理想的な話をすれば、デッキの核は2色にキッチリ寄せてあるべきで、序盤はそのメイン2色のカードを使えるようにしておきたい。メイン2色がしっかりできて初めて、終盤唱えられればいい爆弾レアや優良カードをタッチすることを考える選択肢が生まれる。とはいえそれでも、色をタッチして使うカードは出来る限り少量に留めたい。
タルキール覇王譚の場合、入れ替えても似たような役割を果たすことのできるカードが大半を占める。主に変異というメカニズムのおかげだけれど、他のカードが霞んでしまうくらい、ぶっ飛んだコモンやアンコモンが各色に無いせいでもある(つまり、《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》や《火炎放射/Cone of Flame》、《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》といった連中のことだ)
どんなクリーチャーを使うにしても、また使われるにしても、戦闘では相討ちが多くの場合基本となるだろう。もしくは爆弾レアを引くまで死なないようにするための肉壁のように考えてもいい。
《必殺の一射/Kill Shot》、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《矢の嵐/Arrow Storm》に《絞首/Throttle》といった、いつでも使いたいコモンの優良除去が環境には存在する。しかし、シールドではクリーチャーの密度を高く保つのが重要だ。絞首を使わず、代わりに平凡なクリーチャーを入れたからといって、そのせいで負けるようなことは普通起きない。
とにかく基本となる2色を選ぼう。タルキール覇王譚では、大体対抗色の組み合わせになるだろう。選ぶときは、使用に堪えるカードの枚数を見て、それに絶対に使いたいカードを上手く組み込むことができるかを考え、マナ基盤と相談するのが肝要だ。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》のような、軽くて超強力なカードが影響してくるのはこの段階だ。序盤展開するカードは基本となる2色のカードであるべきだし、基本土地はなるべくメイン2色のもののみを使うようにしたい。初手にはなるべく、基本2色の出るマナソースが欲しいからね。キープする際、メインカラーが初手で確保できているのなら、たとえタッチ色が出なくても安心してキープできるはずだ。
ここでまた思い出してほしいのが、大概のカードは他のカードと交換しても、大勢に影響はないということだ。《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》、《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《跳躍の達人/Leaping Master》、《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》、《僧院の群れ/Monastery Flock》、《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》、《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》といったカードはデッキの屋台骨となる連中だが、ここで名をあげたカードはどれを使おうとも、他の何かより圧倒的に優れているとか劣っているということはない。マナが安定するように選択すればいいのだ。
マナ基盤を構築する以降は後編にて
【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 後編
2014年10月23日 翻訳 コメント (9)◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
どれも非常に強力なカードのは誰の目にも明らか。唱えることができさえすれば、だが。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》のようなカードを初手で取るのは好みじゃない。安定して3ターン目にカマキリの乗り手を唱えられるマナ基盤を構築するのは容易でないし、いきなりジェスカイを決め打っているようなものだ。不人気な色や氏族に乗り換えるのが難しくなるだけでなく、2色デッキも選択肢から外れてしまう。2色のレアが3色のレアより上に来ているのは、色シンボルのせい。
しつこいようだけれど、強力な爆弾レアがピック順位表で一見弱い単色のカードの後塵を拝しているのは、ピックの柔軟さが失われるというのが理由だ。ジェスカイに行くことを決めてマナ基盤がある状態で、2パック目に《カマキリの乗り手/Mantis Rider》と《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》が一緒にいたら、カマキリの乗り手を取るよ。
どれも重かったり、強さが状況に依存したりといった欠点はあるけれど、どれも盤面に大きな影響を与えるカードたちだ。だから初手で上のどれかを取って皮切りにできるなら満足だよ。初手《対立の終結/End Hostilities》だったら、戦旗を2枚くらい入れた5色デッキの構築へ切り替えてもいいと思う。
5色デッキをドラフトで組むなら、青い回避能力持ちのクリーチャーなんかそっちのけで土地を確保すべきだろう。とはいえ可能であれば2色を組むという私のプランだと、評価は少し下がってこのくらいの評価に落ち着く。
4マナ以下で変異が表になっても、戦闘で一方殺を取ることはできないようになっている。とはいえ、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》と《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》は、かなり大きくテンポを稼げる可能性がある。たとえば5ターン目に相手が攻撃してきてこちらも変異で迎撃したとして、相手が《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》を表にしたところで、こちらも切り裂き魔や学者を表にして受け止めてやれば、相手は5マナも無駄に使った上に、こちらがダメージレースで有意に立てる。加えてどちらも土地が止まったり、劣勢な場合には表で出して差し支えない性能だ。《ティムールの軍馬/Temur Charger》や《軍団の伏兵/Horde Ambusher》もいいね。2マナ域を埋めてくれるし、終盤にブラフや奇襲効果として活用できる可能性を秘めている。
《凶暴な殴打/Savage Punch》、《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》、《抵抗の妙技/Feat of Resistance》、《消耗する負傷/Debilitating Injury》は各色の最強コモンだと思う。きちんと性能を引き出せるようにデッキを組めば、凶暴な殴打は《破滅の刃/Doom Blade》を上回る除去になるし、マルドゥの戦叫びは《Black Lotus》だ(分かった分かった、Black Lotusってのは盛りすぎたけど、何が言いたいかは理解してくれたと思う)。
航空戦力が高く評価されているのも気づいてくれたかと思う。この環境を制する鍵となるのは回避能力だ。
どれも強力だけれど、多色だから少し評価は下げざるを得ない。それと個人的な好みで、黒いカードの評価は他の色と比べて少し低めに見積もってある。
ここらで注記として記しておきたいんだが、このあたりから1-1の初手という概念が少し緩くなってくる。というのも、実際にこのあたりのカードを初手にしてドラフトを開始することはまずないからだ。たとえば《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《茨森の滝/Thornwood Falls》の中から初手を選ぶとき、表やランキングなどより、実際に使ってみた経験を基に考えることが多いからだ。なのではっきりとした意味を持つ、有意義な順位表を作るのは難しい。それでも何とか表の形にはしてみた。
どれもが普通にデッキに入るものの、デッキによって強さが変わってくるカードが多い。たとえば《増え続ける成長/Incremental Growth》は、+1/+1カウンターで能力を付与するクリーチャーを擁するアブザンで使えば非常に強力なものの、クリーチャーの少ないデッキでは微妙でしかない。《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》は、白黒の戦士に寄せたデッキだと手が付けられない強さだが、5色の戦士不在のデッキで、使用に堪えるカードではない。といった具合に、こういったカードを順位表に含めるのは難しかったけれど、それでも大体は評価順に並べられたかな。
3色出るトライランドには見劣りするものの、数枚はデッキに入れたい。
然るべきデッキで使えば、何らかの仕事はしてくれるかなと思える程度のカード。いわゆるデッキの23枚目。
まあ、《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》とかリミテッド用に作られたカードじゃないだろうし。
というわけで、今日のところはこれにておしまい。冒頭でも触れたけれど、タルキール覇王譚のリミテッド環境は実に奥深いので、今後ドラフトをするたびにこの順位表も間違いなく変わると思う。私の見解が参考になったら幸いだ。コメントでも、読んでくれた皆の意見を聴けるのを楽しみにしているよ!
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
最強格の多色レア・神話レアたち
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
《道極め/Master the Way》
《完全なる終わり/Utter End》
《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》
《軍族の解体者/Butcher of the Horde》
《包囲サイ/Siege Rhino》
《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》
《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》
《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》
《飛鶴の技/Flying Crane Technique》
どれも非常に強力なカードのは誰の目にも明らか。唱えることができさえすれば、だが。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》のようなカードを初手で取るのは好みじゃない。安定して3ターン目にカマキリの乗り手を唱えられるマナ基盤を構築するのは容易でないし、いきなりジェスカイを決め打っているようなものだ。不人気な色や氏族に乗り換えるのが難しくなるだけでなく、2色デッキも選択肢から外れてしまう。2色のレアが3色のレアより上に来ているのは、色シンボルのせい。
しつこいようだけれど、強力な爆弾レアがピック順位表で一見弱い単色のカードの後塵を拝しているのは、ピックの柔軟さが失われるというのが理由だ。ジェスカイに行くことを決めてマナ基盤がある状態で、2パック目に《カマキリの乗り手/Mantis Rider》と《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》が一緒にいたら、カマキリの乗り手を取るよ。
単色の強レア
《対立の終結/End Hostilities》
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》
《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》
《凍氷破/Icy Blast》
《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》
《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
どれも重かったり、強さが状況に依存したりといった欠点はあるけれど、どれも盤面に大きな影響を与えるカードたちだ。だから初手で上のどれかを取って皮切りにできるなら満足だよ。初手《対立の終結/End Hostilities》だったら、戦旗を2枚くらい入れた5色デッキの構築へ切り替えてもいいと思う。
トライランド
《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》
《神秘の僧院/Mystic Monastery》
《華やかな宮殿/Opulent Palace》
《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》
《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
5色デッキをドラフトで組むなら、青い回避能力持ちのクリーチャーなんかそっちのけで土地を確保すべきだろう。とはいえ可能であれば2色を組むという私のプランだと、評価は少し下がってこのくらいの評価に落ち着く。
単色の優良コモン・アンコモン
《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》
《ティムールの軍馬/Temur Charger》
《軍団の伏兵/Horde Ambusher》
《凶暴な殴打/Savage Punch》
《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》
《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
《消耗する負傷/Debilitating Injury》
《矢の嵐/Arrow Storm》
《焼き払い/Burn Away》
《打ち倒し/Bring Low》
《休息地の見張り/Watcher of the Roost》
《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》
《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》
《牙守りの隊長/Tuskguard Captain》
《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》
4マナ以下で変異が表になっても、戦闘で一方殺を取ることはできないようになっている。とはいえ、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》と《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》は、かなり大きくテンポを稼げる可能性がある。たとえば5ターン目に相手が攻撃してきてこちらも変異で迎撃したとして、相手が《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》を表にしたところで、こちらも切り裂き魔や学者を表にして受け止めてやれば、相手は5マナも無駄に使った上に、こちらがダメージレースで有意に立てる。加えてどちらも土地が止まったり、劣勢な場合には表で出して差し支えない性能だ。《ティムールの軍馬/Temur Charger》や《軍団の伏兵/Horde Ambusher》もいいね。2マナ域を埋めてくれるし、終盤にブラフや奇襲効果として活用できる可能性を秘めている。
《凶暴な殴打/Savage Punch》、《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》、《抵抗の妙技/Feat of Resistance》、《消耗する負傷/Debilitating Injury》は各色の最強コモンだと思う。きちんと性能を引き出せるようにデッキを組めば、凶暴な殴打は《破滅の刃/Doom Blade》を上回る除去になるし、マルドゥの戦叫びは《Black Lotus》だ(分かった分かった、Black Lotusってのは盛りすぎたけど、何が言いたいかは理解してくれたと思う)。
航空戦力が高く評価されているのも気づいてくれたかと思う。この環境を制する鍵となるのは回避能力だ。
優良多色カード
《高峰のカマキリ/Highspire Mantis》
《熊の仲間/Bear’s Companion》
《軍備部隊/Armament Corps》
《足首裂き/Ankle Shanker》
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》
《アブザンの隆盛/Abzan Ascendancy》
《内向きの目の賢者/Sage of the Inward Eye》
《騎乗追撃/Ride Down》
《象牙牙の城塞/Ivorytusk Fortress》
《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》
《なだれの大牙獣/Avalanche Tusker》
《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul》
《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》
《刃の隊長/Chief of the Edge》
《鱗の隊長/Chief of the Scale》
《ティムールの魔除け/Temur Charm》
《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》
《マルドゥの魔除け/Mardu Charm》
《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm》
《はじける破滅/Crackling Doom》
《アブザンの先達/Abzan Guide》
《マルドゥの荒くれ乗り/Mardu Roughrider》
《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》
《冬の炎/Winterflame》
どれも強力だけれど、多色だから少し評価は下げざるを得ない。それと個人的な好みで、黒いカードの評価は他の色と比べて少し低めに見積もってある。
ここらで注記として記しておきたいんだが、このあたりから1-1の初手という概念が少し緩くなってくる。というのも、実際にこのあたりのカードを初手にしてドラフトを開始することはまずないからだ。たとえば《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《茨森の滝/Thornwood Falls》の中から初手を選ぶとき、表やランキングなどより、実際に使ってみた経験を基に考えることが多いからだ。なのではっきりとした意味を持つ、有意義な順位表を作るのは難しい。それでも何とか表の形にはしてみた。
強力な単色のカード
《星霜の証人/Witness of the Ages》
《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
《河水環の曲芸士/Riverwheel Aerialists》
《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
《遠射兵団/Longshot Squad》
《機を見た軍族朋/Timely Hordemate》
《増え続ける成長/Incremental Growth》
《戦名を望む者/War-Name Aspirant》
《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》
《挑発の咆哮/Roar of Challenge》
《賢いなりすまし/Clever Impersonator》
《時を越えた探索/Dig Through Time》
《引き剥がし/Force Away》
《鐘音の一撃/Singing Bell Strike》
《軍用ビヒモス/War Behemoth》
《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》
《マー=エクの夜刃/Mer-Ek Nightblade》
《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》
《絞首/Throttle》
どれもが普通にデッキに入るものの、デッキによって強さが変わってくるカードが多い。たとえば《増え続ける成長/Incremental Growth》は、+1/+1カウンターで能力を付与するクリーチャーを擁するアブザンで使えば非常に強力なものの、クリーチャーの少ないデッキでは微妙でしかない。《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》は、白黒の戦士に寄せたデッキだと手が付けられない強さだが、5色の戦士不在のデッキで、使用に堪えるカードではない。といった具合に、こういったカードを順位表に含めるのは難しかったけれど、それでも大体は評価順に並べられたかな。
土地
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《茨森の滝/Thornwood Falls》
《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
《平穏な入り江/Tranquil Cove》
《岩だらけの高地/Rugged Highlands》
《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
《花咲く砂地/Blossoming Sands》
《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
3色出るトライランドには見劣りするものの、数枚はデッキに入れたい。
デッキに入る、そこそこのカード
《アブザンの戦僧侶/Abzan Battle Priest》
《死の激情/Death Frenzy》
《僧院の群れ/Monastery Flock》
《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》
《跳躍の達人/Leaping Master》
《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
《眼の管理人/Warden of the Eye》
《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《神秘の痕跡/Trail of Mystery》
《イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmaster》
《煙の語り部/Smoke Teller》
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》
《熊の覚醒/Awaken the Bear》
《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
《強大化/Become Immense》
《必殺の一射/Kill Shot》
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》
《サグの射手/Sagu Archer》
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》
《高地の獲物/Highland Game》
《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》
《果敢な一撃/Defiant Strike》
《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy》
《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》
《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》
《不撓のクルーマ/Unyielding Krumar》
《水渦/Waterwhirl》
《シディシのペット/Sidisi’s Pet》
《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
《スゥルタイの隆盛/Sultai Ascendancy》
《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》
《苦しめる声/Tormenting Voice》
《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》
《尊いラマスー/Venerable Lammasu》
《湯熱の精/Scaldkin》
《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker》
《物静かな熟考/Quiet Contemplation》
《秘密の計画/Secret Plans》
《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》
《大物潰し/Smite the Monstrous》
《射手の胸壁/Archers’ Parapet》
《沸血の熟練者/Bloodfire Expert》
《目潰しのしぶき/Blinding Spray》
《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》
《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
《死の投下/Dead Drop》
《マルドゥの悪刃/Mardu Hateblade》
《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》
《武器を手に/Take Up Arms》
《反逆の行動/Act of Treason》
《運命編み/Weave Fate》
《蔑み/Despise》
《戦場での猛進/Rush of Battle》
《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》
《谷を駆ける者/Valley Dasher》
《取り消し/Cancel》
《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》
《グルマグの速翼/Gurmag Swiftwing》
《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret》
《素早い蹴り/Swift Kick》
《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》
《精神振り/Mindswipe》
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
《よろめく従者/Shambling Attendants》
《ケルゥの吸血者/Kheru Bloodsucker》
《漂流/Set Adrift》
《死者の王、ケルゥ/Kheru Lich Lord》
《石弾の弾幕/Barrage of Boulders》
《奈落の総ざらい/Empty the Pits》
《ティムールの戦旗/Temur Banner》
《ジェスカイの戦旗/Jeskai Banner》
《マルドゥの戦旗/Mardu Banner》
《アブザンの戦旗/Abzan Banner》
《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》
《贈賄者の財布/Briber’s Purse》
《悪逆な富/Villainous Wealth》
《龍の握撃/Dragon Grip》
《本質捕らえ/Trap Essence》
《旋風の達人/Whirlwind Adept》
《春の具象化/Embodiment of Spring》
《硬化した鱗/Hardened Scales》
《境界の偵察/Scout the Borders》
《マルドゥの炎起こし/Mardu Blazebringer》
《包囲戦法/Siegecraft》
《沸血の導師/Bloodfire Mentor》
《地平の探求/Seek the Horizon》
《跳ね返す掌/Deflecting Palm》
《まばゆい塁壁/Dazzling Ramparts》
《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》
《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》
《従順な復活/Dutiful Return》
《炎蹄の騎兵/Firehoof Cavalry》
《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》
然るべきデッキで使えば、何らかの仕事はしてくれるかなと思える程度のカード。いわゆるデッキの23枚目。
最後の数枚の常連
《殻脱ぎ/Molting Snakeskin》
《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》
《暴風/Windstorm》
《頭蓋書庫/Cranial Archive》
《ゴブリンすべり/Goblinslide》
《砂への挑戦/Brave the Sands》
《頑固な否認/Stubborn Denial》
《部族養い/Feed the Clan》
《軍族の雄叫び/Howl of the Horde》
《粉砕/Shatter》
《帰化/Naturalize》
《消去/Erase》
《群の祭壇/Altar of the Brood》
《精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon》
《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》
《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》
まあ、《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》とかリミテッド用に作られたカードじゃないだろうし。
というわけで、今日のところはこれにておしまい。冒頭でも触れたけれど、タルキール覇王譚のリミテッド環境は実に奥深いので、今後ドラフトをするたびにこの順位表も間違いなく変わると思う。私の見解が参考になったら幸いだ。コメントでも、読んでくれた皆の意見を聴けるのを楽しみにしているよ!
【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編
2014年10月22日 翻訳 コメント (3)◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
タルキール覇王譚ドラフトは最高だ。変異メカニズムはよく練りこまれてるし、カードパワーと色安定を天秤にかけるのも面白い。しかも色々なデッキが組めて、そのどれもが有効に働くなんてね。たとえばプロツアーで、アリ・ラックス(Ari Lax)が5色変異デッキを組む一方で、スタニスラフ・ツィフカ(Stanislav Cifka)は2色のビートダウンデッキを目指して、そのどちらもが5-1以上の成績を収めるなんて凄いことだ。
個人的には安定した色供給の見込めるデッキが好みだけれど、タルキール覇王譚のリミテッドは、皆の意見が合致しないどころか真っ二つな、近年稀にみる環境といっていいだろう。あまりに多くのアプローチがあるもので、カードの評価どころか、アーキタイプの好みやピック優先度、あらゆる面で、合意に至るのが難しい。素晴らしい!環境にはまだまだ未知の領域があるということだから、研究が進んでも依然、新鮮な気持ちでプレイできることだろう。
しかし上で言ったようなことは、裏返すと、決定版となる評価を今日の記事でお見せするのはまず不可能、ということでもある。代わりにお見せするのは、チーム・キャビン・クルー(team Cabin Crew)で共有されている大まかな評価といったところだ。チーム名の由来は、森の中の小屋(キャビン)でドラフト練習をするのにちなんでつけたんだけどね。大体15~20回くらいやったところで、出た結論はこんな具合だ:
この環境のドラフトの指針としてはこんな具合だ。参考までに記録を申し添えておくと、チーム・キャビン・クルーがプロツアーのブースター・ドラフト部門で出した成績は、計43勝23敗だった。案外環境を把握できていたのかもしれない。
というわけで、ピック順位表を見ていこう。このリストはタルキール覇王譚×3のドラフトで、1パック目の1ピック目にカード取る際、全カードを評価順に並べたもので、ゲーム中の強さに基づいた順位表だ。金銭的価値は計算に入ってない。読みやすくなるよう、いくつかの塊に分けてあるけれど、連続した一つの表と思って読んでくれて一向に構わない。
あらゆるコモンやアンコモンより優先して取るカードたち。白の3/4飛行がセット内最強のカードで、続いて赤の極めて除去しづらい飛行クリーチャーが続く。《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》は、トップ4の飛行クリーチャーどもほど強くはないかもしれないが、ちょっとのマナで変異を強大なクリーチャーに変貌させられる。それに1-1ではもっと重要な要素として、色選択を先延ばしにできて、かつ必ずデッキに入る強力なカードが手に入るというのが大きい。
《砂塵破/Duneblast》は、多色カードで、黒を含んでいて、7マナもかかるというスリーストライクでも尚、バッターアウトにならない強力無比なカード。欠点はあるものの、唱えることさえできれば大体ゲームに勝てるだろう。見たらすぐに確保して、遅めのコントロールデッキでタッチでも何でもいいからとにかく使いたい。
レアの変異は、マナカーブに沿って表で出しても申し分ないものの、変異状態で出して解除した方が強いクリーチャーばかりだ。裏向きで出して変異解除すれば、まず対戦相手の不意を突けるだろう。コモンの変異はケアしてプレイされても、レアの変異まで考えてプレイする人はまずいない。戦闘で敵軍を大いに壊滅させてやることが可能だ。
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》、《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》、《嘲る扇動者/Jeering Instigator》、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》がこれほど高く評価されるというのは確かに疑わしくて、表を作った当初は、この4枚の代わりにトップクラスのアンコモンが入っていた。でも、お尋ね者の危険人物として、トップ層と一緒に面を覚えてもらいたかったのと、この4枚の変異には驚かされてばかりだということにも触れたかったので、こちらに入れることにした。どれも表で出して強いものだから、無色のアーティファクトのように手堅い。たとえばデッキがジェスカイカラーになったとしても、初手に取った《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》は色マナを供給してくれるし、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》なら《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》や《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》で容易にタッチすることが可能だ。
上から3枚は実質《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、《不可思議/Wonder》みたいなものだ。……当時のことは知らないけれど、どいつも壊れだったと聞いたよ。
4位の《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》は多色カードとはいえ、(《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》にも通ずるが)青緑という最強色の組み合わせだし、変異で出しても表で出しても素晴らしいから、単色のカードを差し置いて手を伸ばす価値があると思う。
トップアンコモンはそのくらいにして、初手これから初めて何ら申し分ない、というような単色のカードもたくさんある。2マナ域が大事というのは覚えておいてくれ。
次は強コモンなんだけど、私の好みが青の回避能力デッキということもあって、何と5枚全部が青い。
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が青の最強コモンというのは、おそらく意見が分かれるところだと思う。色の好みを計算に入れなければ、《消耗する負傷/Debilitating Injury》に最強のコモンの座は譲っても良かったけれど、黒という色が強くない。ブロックされない3/2というのは、にらみ合って膠着した盤面を突破するのに最適なクリーチャーだ。
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
タルキール覇王譚ドラフトは最高だ。変異メカニズムはよく練りこまれてるし、カードパワーと色安定を天秤にかけるのも面白い。しかも色々なデッキが組めて、そのどれもが有効に働くなんてね。たとえばプロツアーで、アリ・ラックス(Ari Lax)が5色変異デッキを組む一方で、スタニスラフ・ツィフカ(Stanislav Cifka)は2色のビートダウンデッキを目指して、そのどちらもが5-1以上の成績を収めるなんて凄いことだ。
個人的には安定した色供給の見込めるデッキが好みだけれど、タルキール覇王譚のリミテッドは、皆の意見が合致しないどころか真っ二つな、近年稀にみる環境といっていいだろう。あまりに多くのアプローチがあるもので、カードの評価どころか、アーキタイプの好みやピック優先度、あらゆる面で、合意に至るのが難しい。素晴らしい!環境にはまだまだ未知の領域があるということだから、研究が進んでも依然、新鮮な気持ちでプレイできることだろう。
しかし上で言ったようなことは、裏返すと、決定版となる評価を今日の記事でお見せするのはまず不可能、ということでもある。代わりにお見せするのは、チーム・キャビン・クルー(team Cabin Crew)で共有されている大まかな評価といったところだ。チーム名の由来は、森の中の小屋(キャビン)でドラフト練習をするのにちなんでつけたんだけどね。大体15~20回くらいやったところで、出た結論はこんな具合だ:
最強色は青。タフネスの高いクリーチャーが多く、ゲームが膠着しやすいので突破手段が必要。こと突破手段にかけて、《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》のような回避能力持ちや、《悪寒/Crippling Chill》のようなカードを擁する青に勝る色はない。
最弱色は黒。《消耗する負傷/Debilitating Injury》は優秀だし《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》も悪くないが、全体的に黒のコモンはパッとしない。ドラフト合宿でも、黒の勝率が一番低かった。
2色で充実したマナ基盤とマナカーブを備えたビートダウンが組めれば、それが最強だと思う(たとえば2マナクリーチャー4枚、変異込みで3マナが7枚、4マナが4枚、5マナが1枚、それに6枚の呪文とか)。デッキを2色で組むなら、土地を早めに確保する必要はない。展開の遅れる原因になる、タップ状態で場に出る土地を数多く採用する必要もなければ、そもそも色事故することも少なくなる。マナに悩まされないなら、マナカーブを整えて、膠着状態を突破する手段の確保に心を砕いていればいい。2色アグロが組めれば、立ち上がりが遅くマナに不安を抱えるデッキを簡単に蹂躙することができる。ドラフト練習中の記録では、2色デッキの勝率は55%で、3色デッキの50%、4色以上の45%に差をつけた。
色安定を図れる土地が数枚あるなら、2色に1色タッチして3色デッキにするのは全く問題ない。タッチするのは変異クリーチャーなら尚良し。ほとんどのデッキは2色タッチ1色に落ち着くことが多かった。マナといえば、メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。タッチカラーの供給源は2~5枚程度用意したい(変異クリーチャーを1,2枚タッチする程度なら2枚でいいし、タッチしたいカードが複数枚あるなら5枚は欲しい)。典型的な9:8:4くらいのマナ基盤を構築するには、9+8+4ということで、合計21のシンボルを集める必要がある。2色土地が3枚取れていれば、後は基本土地15枚で達成可能だ。頑張ってこのくらいを目指したい。
大体のデッキで土地は18枚必要。3ターン目には絶対変異クリーチャーを出したいし、5ターン目には変異解除を狙いたい。もし5枚目の土地が置けなかった場合、展開的にかなり後手に回ってしまうことになる。
2マナクリーチャーは重要。こちらに戦闘できるクリーチャーがいて相手が何も展開しなければ、マナをより有効活用できるし、ダメージレースでも先んじることができる。3ターン目や4ターン目の行動は、大体変異クリーチャーをお互いに出し合うことになるから、2/1バニラだろうとそれより前のターンに出していれば有利に立つことができる。
2色のビートダウンデッキを組むなら、膠着状態を突破するカードが必要という話を上でしたけれど、今一度強調しておきたい。序盤からマナカーブに沿って、2/2だの変異だのを並べて相手のライフを削ることはできるが、2/5とか3/6とか高タフネスクリーチャーが環境には溢れている。ビートダウンを組むときは、そんなクリーチャーを押しのけて、ゲームを終了に持っていく手段が複数必要だ。《矢の嵐/Arrow Storm》や《道極め/Master the Way》をプレイヤーに撃って焼き尽くしたり、《悪寒/Crippling Chill》や《反逆の行動/Act of Treason》でブロッカーをどかすとかの工夫が必要。あるいは飛行などの回避能力持ちを多めに採用するとかでもいい。手段は問わないが、こういうカードが大量に必要で、この詰めが一番得意な色は青なんだ。
勝率を見てみると、2色の中では青緑が最強で、氏族で見るとティムールの勝率が一番高かった。
2色の組み合わせだと、対抗色(赤白、青緑、白黒、黒緑、青赤)で取ると2つの氏族に行けて、友好色だと1つの氏族に固定されるのと比べて優れている。何より、優良多色カードを使える強みがある。それでも、友好色をやってもいい場合もある。たとえば1パック目、緑だけを取って、次のパックで《風番いのロック/Wingmate Roc》を取って、アブザンカラーの土地を取れないときとかね。
テンポが中心の環境なので、変異は表で出すのが正解な場合もままある。表で出せるだけのマナがあって、今から出そうとするクリーチャーが手札の最後の一枚(土地でないカードの最後の一枚)なら、大体私は表で出すことにしている。変異クリーチャーを評価するときは、表と裏の性能をじっくり見比べるようにしたい。
ピックとは関係ないけれど、相手が3ターン目、4ターン目と続けて変異クリーチャーを出してきたら、通常最初に出てきた方が序盤の戦闘で相討ちになっても構わない奴で、後に出た方が強い変異なことが多い。ブロックするときや、除去を撃つときはそのことを心の片隅に留めておこう。
5色デッキをドラフトするのは私の好みではないが、序盤グチャったときの予備プランとしては良いだろう。たとえば最初の6ピックで、土地2枚と異なる氏族の多色カード4枚を取ってしまったとかなら、そこから見た土地は全部取る不動産屋を開業して、5色を何とか形にするというのは、そこからできる救済策としては上々だ。
この環境のドラフトの指針としてはこんな具合だ。参考までに記録を申し添えておくと、チーム・キャビン・クルーがプロツアーのブースター・ドラフト部門で出した成績は、計43勝23敗だった。案外環境を把握できていたのかもしれない。
というわけで、ピック順位表を見ていこう。このリストはタルキール覇王譚×3のドラフトで、1パック目の1ピック目にカード取る際、全カードを評価順に並べたもので、ゲーム中の強さに基づいた順位表だ。金銭的価値は計算に入ってない。読みやすくなるよう、いくつかの塊に分けてあるけれど、連続した一つの表と思って読んでくれて一向に構わない。
最強格のレア・神話レア
《風番いのロック/Wingmate Roc》
《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》
《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》
《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》
《砂塵破/Duneblast》
《真珠の達人/Master of Pearls》
《千の風/Thousand Winds》
《頭巾被りのハイドラ/Hooded Hydra》
《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》
《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》
《嘲る扇動者/Jeering Instigator》
《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
あらゆるコモンやアンコモンより優先して取るカードたち。白の3/4飛行がセット内最強のカードで、続いて赤の極めて除去しづらい飛行クリーチャーが続く。《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》は、トップ4の飛行クリーチャーどもほど強くはないかもしれないが、ちょっとのマナで変異を強大なクリーチャーに変貌させられる。それに1-1ではもっと重要な要素として、色選択を先延ばしにできて、かつ必ずデッキに入る強力なカードが手に入るというのが大きい。
《砂塵破/Duneblast》は、多色カードで、黒を含んでいて、7マナもかかるというスリーストライクでも尚、バッターアウトにならない強力無比なカード。欠点はあるものの、唱えることさえできれば大体ゲームに勝てるだろう。見たらすぐに確保して、遅めのコントロールデッキでタッチでも何でもいいからとにかく使いたい。
レアの変異は、マナカーブに沿って表で出しても申し分ないものの、変異状態で出して解除した方が強いクリーチャーばかりだ。裏向きで出して変異解除すれば、まず対戦相手の不意を突けるだろう。コモンの変異はケアしてプレイされても、レアの変異まで考えてプレイする人はまずいない。戦闘で敵軍を大いに壊滅させてやることが可能だ。
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》、《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》、《嘲る扇動者/Jeering Instigator》、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》がこれほど高く評価されるというのは確かに疑わしくて、表を作った当初は、この4枚の代わりにトップクラスのアンコモンが入っていた。でも、お尋ね者の危険人物として、トップ層と一緒に面を覚えてもらいたかったのと、この4枚の変異には驚かされてばかりだということにも触れたかったので、こちらに入れることにした。どれも表で出して強いものだから、無色のアーティファクトのように手堅い。たとえばデッキがジェスカイカラーになったとしても、初手に取った《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》は色マナを供給してくれるし、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》なら《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》や《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》で容易にタッチすることが可能だ。
最強クラスのアンコモン
《残忍な切断/Murderous Cut》
《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》
《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》
《弧状の稲妻/Arc Lightning》
《荒野の後継者/Heir of the Wilds》
《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute》
《道の探求者/Seeker of the Way》
《停止の場/Suspension Field》
《松歩き/Pine Walker》
上から3枚は実質《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、《不可思議/Wonder》みたいなものだ。……当時のことは知らないけれど、どいつも壊れだったと聞いたよ。
4位の《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》は多色カードとはいえ、(《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》にも通ずるが)青緑という最強色の組み合わせだし、変異で出しても表で出しても素晴らしいから、単色のカードを差し置いて手を伸ばす価値があると思う。
トップアンコモンはそのくらいにして、初手これから初めて何ら申し分ない、というような単色のカードもたくさんある。2マナ域が大事というのは覚えておいてくれ。
青のコモン・アンコモントップ5
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》
《霧炎の織り手/Mistfire Weaver》
《悪寒/Crippling Chill》
《氷河の末裔/Scion of Glaciers》
次は強コモンなんだけど、私の好みが青の回避能力デッキということもあって、何と5枚全部が青い。
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が青の最強コモンというのは、おそらく意見が分かれるところだと思う。色の好みを計算に入れなければ、《消耗する負傷/Debilitating Injury》に最強のコモンの座は譲っても良かったけれど、黒という色が強くない。ブロックされない3/2というのは、にらみ合って膠着した盤面を突破するのに最適なクリーチャーだ。
【翻訳】チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンの使ったアブザンミッドレンジ
2014年10月15日 翻訳 コメント (5)◆ 【翻訳】チャネル・ファイアーボール チーム・パンテオンの使ったアブザンミッドレンジ
#TeamCFBP Deck Tech – Abzan Midrange
William "Huey" Jensen, 2014年10月12日
http://www.channelfireball.com/articles/teamcfbp-deck-tech-abzan-midrange/
今回はのプロツアーでは、プロツアー『ニクスへの旅』で使ったようなアブザンミッドレンジを使う予定だ。今回は前と比べて、少しコントロール寄りの構成になっている。
ヒューイの質問
1枚挿しのカードが多い理由は?
パトリックの答え:
アブザンは60枚でなく、サイドボードまで含めた75枚が1つのデッキだ。メインデッキで大量に1枚挿ししてあるカードを、サイドボードにある追加の1枚で補っているんだね。胆汁病、悲哀まみれ、残忍な切断はどれも輝く瞬間がある。刺さるとき以外でも、1枚目は何らかの使い道があるものの、それ以降は微妙なカードを抱えることになってしまう。胆汁病はジェスカイテンポ、それに《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》に頼るデッキならよく効くし、悲哀まみれは赤系英雄的デッキなどのアグロ相手に強いけれど、他にも緑のマナクリーチャーを潰したりするのにもいい。胆汁病と悲哀まみれは使い道が似ているから、メインでは枚数を抑えることにして、サイドボードで追加を取ることにした。胆汁病は効果範囲が全体でないし、悲哀まみれはデッキで一番混雑してる3マナにある上、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》のようなクリーチャーを倒せないという欠点がある。それとこれは予想してなかったんだけど、両方がデッキに入っているとケアしてプレイするのが難しいという効果もあるね。
《残忍な切断/Murderous Cut》はファッティを対処する枠であると同時に、1ターンに2枚のカードを使うことをも可能にしてくれる。4~5ターン目まで待てるなら、切断は大体1マナで唱えられる。メインに1枚挿しておくと、ほぼいつでも除去が飛んでくるのを匂わせられてかなりいい。単体除去ではあるが、性能は折り紙つきだ。
翻って《完全なる終わり/Utter End》はどんな障害でも排除が可能だ。欠点としてはあまりマナ効率が良くないことだが、他に対処可能な手段がないときの保険のようなもので、普通の除去の2枚目3枚目のように考えれば悪くないだろう。もっとたくさん入れたいところだが、手札に完全なる終わりばかりあっても遅すぎて困るので、増量はちょっと難しい。2枚は入れていいと思うけれど、それ以上の枚数を入れるのはちょっと怖い。《信者の沈黙/Silence the Believers》は、《対立の終結/End Hostilities》が使えるようになった分、ブロック構築と比べると重要性は下がっただろうか。それにブロック構築と違って、クリーチャー以外にも色々と厄介な奴らがいるからね(特にプレインズウォーカー)。
サイドボード後は、相手に合わせたデッキに変貌できる。アブザンは環境内でも、サイドボード用カードに恵まれているという点ではトップクラスのデッキの一つだろう。あらゆる種類のパーマネントに対する軽くて使いやすい除去、全体除去、ドロー、プレインズウォーカー、それに多彩なクリーチャーやライフゲインとそろい踏みだ。
1挿しの《エレボスの鞭/Whip of Erebos》はちょっと場違いに思えるかもしれないが、用途が2つある。一つは《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と《包囲サイ/Siege Rhino》に続く9枚目のライフゲイン手段が欲しかった。この点では、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》とどちらを入れるか難しいんだけどね。今この瞬間も、どちらを登録するのが良いか100%確信できてはいない。2つ目の理由は、鞭(もしくはソリン)を足すことで、攻めに多角的な面を足すことができるということ。長期戦では特に、《女王スズメバチ/Hornet Queen》を釣るのがお気に入り。そこまで長期戦にならなくても、鞭を出して毎ターン8点くらいライフゲインをすれば、圧倒的に有利なゲーム展開ができる。ゲームが長引けば、対戦相手は倒しても倒しても繰り出されるサイの前に屈することだろう。鞭でなくソリンを使う場合、一番の売りはパワーが1上がることになりそう。絆魂との相性は抜群だ。飛行クリーチャーを出せるのもいいけれど、ライフゲインのが重要だ。
《消去/Erase》と《霊気のほころび/Unravel the AEther》が両方入っているのは、一晩考えた結果でね。消去の方が好きではあるんだが、《危険な櫃/Perilous Vault》がどのくらい使われるか分からなかったもので、75枚の中に対処できるカードが2種類くらいは欲しかった。2枚目の完全なる終わりも同じ用途で考えたものの、霊気のほころびの方がずっと軽い。《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》コンボや、赤系英雄的を相手にするとき、軽いことは超重要から(《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》、《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》、《モーギスの軍用犬/Mogis’s Warhound》などなど)。
苦し紛れの1挿し《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》は、コントロールを相手取るとき用の悪あがきだ。コントロールにとって一番有効な攻め手で、本当はもっとたくさん採用したかった。しかし、コントロールが流行るという証拠もないのに増量するのは難しかったんだ。結果的に、対コントロール要員としては《骨読み/Read the Bones》を代わりに取ることにした。骨読みなら、《思考囲い/Thoughtseize》の取られている黒系のミッドレンジデッキを相手取るときも使えるし、対戦の組み合わせによってはコントロール風のデッキに組み替えるんだけど、その際も役立つ。
《風番いのロック/Wingmate Roc》は1枚挿しで使いかけて思いとどまった。アブザンカラーのデッキでは既に結構使われているけれど、メインに《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》を多く取っていないこともあって、今回のデッキには不向きと思ったんだ。ジェスカイテンポデッキに非常に強くて素晴らしいと思うけれど、その役割なら《高木の巨人/Arbor Colossus》のがいいかと思った。巨人の方が、赤緑怪物やプレインズウォーカーを相手にするときも強い。ジェスカイ相手でも、《思考囲い/Thoughtseize》で前方確認してやれば、巨人で十分実力を発揮できる
ヒューイの質問
他のアブザンではあまり見ない、《対立の終結/End Hostilities》が取られているのは何故?
パトリックの答え
緑単信心デッキが環境を席巻するなら、緑を倒すのに《対立の終結/End Hostilities》が一番有効だと思ったんだ。こちらと似たようなデッキを含めて、緑デッキにも強いのもいい。盤面を更地にしてから、カードを引いて《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》や《女王スズメバチ/Hornet Queen》を出せば簡単マジックできるからね。対立の終結を使う場合、《森の女人像/Sylvan Caryatid》との兼ね合いが一番の問題だった。結果、我ながらイカれてると思うけれど、《森の女人像/Sylvan Caryatid》と《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》を入れたり抜いたり、枚数を変えながらテストしてみたんだ。《森の女人像/Sylvan Caryatid》のが1ゲーム目は優れているんだけど、サイドボード後は《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》のが優秀だった。女人像のがありがたい対戦にしても、道探しだってそこそこ強かった。道探しが強いと思う対戦でも、2枚くらいあればいいかなという結論になった。多分こういう考え方は間違ってて、どちらかが良いかはっきり決めるべきだと思う。取りあえず今は女人像を使ってるけど、明日はどうなるかは分からない。ちなみにこのインタビューはプロツアー前日夜のものだから、デッキリストは実際変わる可能性があるよ。
ヒューイの質問
デッキに《女王スズメバチ/Hornet Queen》が2枚取られているが、プロツアー・基本セット2015では少し使われたに留まっていたこのカード、プロツアー・タルキール覇王譚ではたくさん目にすると思うか?
パトリックの答え
間違いなく目にすると思う。しかもたくさん。《女王スズメバチ/Hornet Queen》は、環境を定義するカードの一枚と言っていいだろう。プロツアー・基本セット2015では《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》が張り切ってたから、この危険生物にとっては居心地が良い環境でなかった。女王スズメバチはエルズペスのマイナス能力に引っかからず、おまけに1回の攻撃でエルズペスを葬り去る。更に《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》や《英雄の破滅/Hero’s Downfall》といった環境最強のカードの多くを一蹴してのけるんだ。既に緑単信心やリアニメイトでは柱となっているカードだけど、他にも怪物デッキやコントロール、アブザンなど実に様々なデッキで目にすることになると思う。スズメバチに対抗できるカードは多くないし、対スズメバチを考えて準備してくるプレイヤーは多くないと思う。意識されていたとしても、安定して対処するためにはデッキをかなり組み替えないとならない。
ヒューイの質問
アブザンでデッキをくむとき、前のめりにいくのかコントロール寄りで組むのか、舵を切るのが難しい。今回のデッキはコントロール寄りに見えるが、新スタンダードにおいて、アブザンビートダウンとアブザンコントロール、それぞれの強みと弱点を教えてほしい。
パトリックの答え
ビートダウン寄りのデッキを作る人が多い様子で、確かに他のプレイヤーの構成を見ていると一理ある。前のめりに組んだアブザンも試したけれど、緑単信心相手が絶望的でコントロール寄りになった。それにコントロール寄りに組んだことで、ミラーマッチも制しやすくなった。代償として一番大きかったのは、コントロール相手が微有利から微不利になったことだ。それと、カード単体で見ると前のめりなカードの方がコントロール用のカードよりやや強いという事情もあるので、相手を選ぶものの、全体的にはコントロール寄り構築の方が、幅広い相手に有利なゲームが展開できるだろう。アブザンをビートダウン路線で組むかコントロール路線で組むかは、環境初期大いに揺れるところだと思う。
ヒューイの質問
サイドボードのカード選択について、採用した理由を聞かせてほしい。
パトリックの答え
《骨読み/Read the Bones》は《思考囲い/Thoughtseize》を取っているデッキ用。アブザンやマルドゥミッドレンジか、スゥルタイや青黒コントロールか、相手は問わない。消耗戦を戦い抜くのに強いカード。除去を山盛りにした後、緑単信心に持ち込んでもいい。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》は、とにかくただただ強い。今この環境にたまたま合っていなかったとしても、間違いなく輝く瞬間がくる。もっとたくさん入れたいところなのだけれど、枠が無いので仕方がない。2枚しか追加できなくても、受け身なデッキを突き崩して、新たなゲームプランを立てるのに十分な性能。ブロック構築の時ほどではないにせよ、序盤のブロッカーとしても機能してくれる。
《高木の巨人/Arbor Colossus》は、ガッチリした肉が欲しいときに追加投入できる戦力だ。中でも特に、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》迎撃に重宝する(あと《カマキリの乗り手/Mantis Rider》や《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》相手)。赤緑主軸の怪物デッキと戦うときに一番輝く。怪物デッキの人気は下火かもしれないけれど、アブザンミッドレンジにとっては強敵だ。緑単のデッキミラーを制するには《対立の終結/End Hostilities》に頼らなくてはいけないのに、赤緑はクリーチャーに加えてプレインズウォーカーもいるのが理由だ。
サイドボードの残りは基本的に除去で、上でも触れたけど相手に合わせてデッキを調整していくのが主な用途だ。例外は《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》で、こちらはコントロール用。相手のプレインズウォーカーと戦う際に、違った方向から攻撃を仕掛けることができる。
#TeamCFBP Deck Tech – Abzan Midrange
William "Huey" Jensen, 2014年10月12日
http://www.channelfireball.com/articles/teamcfbp-deck-tech-abzan-midrange/
今回はのプロツアーでは、プロツアー『ニクスへの旅』で使ったようなアブザンミッドレンジを使う予定だ。今回は前と比べて、少しコントロール寄りの構成になっている。
Patrick Chapinのアブザンミッドレンジ
土地
3:《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
4:《疾病の神殿/Temple of Malady》
4:《静寂の神殿/Temple of Silence》
3:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
1:《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
1:《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
4:《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
3:《森/Forest》
2:《平地/Plains》
クリーチャー
4:《森の女人像/Sylvan Caryatid》
1:《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
4:《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4:《包囲サイ/Siege Rhino》
2:《女王スズメバチ/Hornet Queen》
呪文
4:《思考囲い/Thoughtseize》
1:《胆汁病/Bile Blight》
4:《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
3:《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
1:《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
1:《完全なる終わり/Utter End》
1:《残忍な切断/Murderous Cut》
2:《対立の終結/End Hostilities》
3:《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
サイドボード
3:《骨読み/Read the Bones》
2:《胆汁病/Bile Blight》
2:《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
2:《高木の巨人/Arbor Colossus》
1:《消去/Erase》
1:《対立の終結/End Hostilities》
1:《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
1:《完全なる終わり/Utter End》
1:《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
1:《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
ヒューイの質問
1枚挿しのカードが多い理由は?
パトリックの答え:
アブザンは60枚でなく、サイドボードまで含めた75枚が1つのデッキだ。メインデッキで大量に1枚挿ししてあるカードを、サイドボードにある追加の1枚で補っているんだね。胆汁病、悲哀まみれ、残忍な切断はどれも輝く瞬間がある。刺さるとき以外でも、1枚目は何らかの使い道があるものの、それ以降は微妙なカードを抱えることになってしまう。胆汁病はジェスカイテンポ、それに《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》に頼るデッキならよく効くし、悲哀まみれは赤系英雄的デッキなどのアグロ相手に強いけれど、他にも緑のマナクリーチャーを潰したりするのにもいい。胆汁病と悲哀まみれは使い道が似ているから、メインでは枚数を抑えることにして、サイドボードで追加を取ることにした。胆汁病は効果範囲が全体でないし、悲哀まみれはデッキで一番混雑してる3マナにある上、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》のようなクリーチャーを倒せないという欠点がある。それとこれは予想してなかったんだけど、両方がデッキに入っているとケアしてプレイするのが難しいという効果もあるね。
《残忍な切断/Murderous Cut》はファッティを対処する枠であると同時に、1ターンに2枚のカードを使うことをも可能にしてくれる。4~5ターン目まで待てるなら、切断は大体1マナで唱えられる。メインに1枚挿しておくと、ほぼいつでも除去が飛んでくるのを匂わせられてかなりいい。単体除去ではあるが、性能は折り紙つきだ。
翻って《完全なる終わり/Utter End》はどんな障害でも排除が可能だ。欠点としてはあまりマナ効率が良くないことだが、他に対処可能な手段がないときの保険のようなもので、普通の除去の2枚目3枚目のように考えれば悪くないだろう。もっとたくさん入れたいところだが、手札に完全なる終わりばかりあっても遅すぎて困るので、増量はちょっと難しい。2枚は入れていいと思うけれど、それ以上の枚数を入れるのはちょっと怖い。《信者の沈黙/Silence the Believers》は、《対立の終結/End Hostilities》が使えるようになった分、ブロック構築と比べると重要性は下がっただろうか。それにブロック構築と違って、クリーチャー以外にも色々と厄介な奴らがいるからね(特にプレインズウォーカー)。
サイドボード後は、相手に合わせたデッキに変貌できる。アブザンは環境内でも、サイドボード用カードに恵まれているという点ではトップクラスのデッキの一つだろう。あらゆる種類のパーマネントに対する軽くて使いやすい除去、全体除去、ドロー、プレインズウォーカー、それに多彩なクリーチャーやライフゲインとそろい踏みだ。
1挿しの《エレボスの鞭/Whip of Erebos》はちょっと場違いに思えるかもしれないが、用途が2つある。一つは《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と《包囲サイ/Siege Rhino》に続く9枚目のライフゲイン手段が欲しかった。この点では、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》とどちらを入れるか難しいんだけどね。今この瞬間も、どちらを登録するのが良いか100%確信できてはいない。2つ目の理由は、鞭(もしくはソリン)を足すことで、攻めに多角的な面を足すことができるということ。長期戦では特に、《女王スズメバチ/Hornet Queen》を釣るのがお気に入り。そこまで長期戦にならなくても、鞭を出して毎ターン8点くらいライフゲインをすれば、圧倒的に有利なゲーム展開ができる。ゲームが長引けば、対戦相手は倒しても倒しても繰り出されるサイの前に屈することだろう。鞭でなくソリンを使う場合、一番の売りはパワーが1上がることになりそう。絆魂との相性は抜群だ。飛行クリーチャーを出せるのもいいけれど、ライフゲインのが重要だ。
《消去/Erase》と《霊気のほころび/Unravel the AEther》が両方入っているのは、一晩考えた結果でね。消去の方が好きではあるんだが、《危険な櫃/Perilous Vault》がどのくらい使われるか分からなかったもので、75枚の中に対処できるカードが2種類くらいは欲しかった。2枚目の完全なる終わりも同じ用途で考えたものの、霊気のほころびの方がずっと軽い。《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》コンボや、赤系英雄的を相手にするとき、軽いことは超重要から(《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》、《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》、《モーギスの軍用犬/Mogis’s Warhound》などなど)。
苦し紛れの1挿し《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》は、コントロールを相手取るとき用の悪あがきだ。コントロールにとって一番有効な攻め手で、本当はもっとたくさん採用したかった。しかし、コントロールが流行るという証拠もないのに増量するのは難しかったんだ。結果的に、対コントロール要員としては《骨読み/Read the Bones》を代わりに取ることにした。骨読みなら、《思考囲い/Thoughtseize》の取られている黒系のミッドレンジデッキを相手取るときも使えるし、対戦の組み合わせによってはコントロール風のデッキに組み替えるんだけど、その際も役立つ。
《風番いのロック/Wingmate Roc》は1枚挿しで使いかけて思いとどまった。アブザンカラーのデッキでは既に結構使われているけれど、メインに《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》を多く取っていないこともあって、今回のデッキには不向きと思ったんだ。ジェスカイテンポデッキに非常に強くて素晴らしいと思うけれど、その役割なら《高木の巨人/Arbor Colossus》のがいいかと思った。巨人の方が、赤緑怪物やプレインズウォーカーを相手にするときも強い。ジェスカイ相手でも、《思考囲い/Thoughtseize》で前方確認してやれば、巨人で十分実力を発揮できる
ヒューイの質問
他のアブザンではあまり見ない、《対立の終結/End Hostilities》が取られているのは何故?
パトリックの答え
緑単信心デッキが環境を席巻するなら、緑を倒すのに《対立の終結/End Hostilities》が一番有効だと思ったんだ。こちらと似たようなデッキを含めて、緑デッキにも強いのもいい。盤面を更地にしてから、カードを引いて《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》や《女王スズメバチ/Hornet Queen》を出せば簡単マジックできるからね。対立の終結を使う場合、《森の女人像/Sylvan Caryatid》との兼ね合いが一番の問題だった。結果、我ながらイカれてると思うけれど、《森の女人像/Sylvan Caryatid》と《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》を入れたり抜いたり、枚数を変えながらテストしてみたんだ。《森の女人像/Sylvan Caryatid》のが1ゲーム目は優れているんだけど、サイドボード後は《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》のが優秀だった。女人像のがありがたい対戦にしても、道探しだってそこそこ強かった。道探しが強いと思う対戦でも、2枚くらいあればいいかなという結論になった。多分こういう考え方は間違ってて、どちらかが良いかはっきり決めるべきだと思う。取りあえず今は女人像を使ってるけど、明日はどうなるかは分からない。ちなみにこのインタビューはプロツアー前日夜のものだから、デッキリストは実際変わる可能性があるよ。
ヒューイの質問
デッキに《女王スズメバチ/Hornet Queen》が2枚取られているが、プロツアー・基本セット2015では少し使われたに留まっていたこのカード、プロツアー・タルキール覇王譚ではたくさん目にすると思うか?
パトリックの答え
間違いなく目にすると思う。しかもたくさん。《女王スズメバチ/Hornet Queen》は、環境を定義するカードの一枚と言っていいだろう。プロツアー・基本セット2015では《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》が張り切ってたから、この危険生物にとっては居心地が良い環境でなかった。女王スズメバチはエルズペスのマイナス能力に引っかからず、おまけに1回の攻撃でエルズペスを葬り去る。更に《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》や《英雄の破滅/Hero’s Downfall》といった環境最強のカードの多くを一蹴してのけるんだ。既に緑単信心やリアニメイトでは柱となっているカードだけど、他にも怪物デッキやコントロール、アブザンなど実に様々なデッキで目にすることになると思う。スズメバチに対抗できるカードは多くないし、対スズメバチを考えて準備してくるプレイヤーは多くないと思う。意識されていたとしても、安定して対処するためにはデッキをかなり組み替えないとならない。
ヒューイの質問
アブザンでデッキをくむとき、前のめりにいくのかコントロール寄りで組むのか、舵を切るのが難しい。今回のデッキはコントロール寄りに見えるが、新スタンダードにおいて、アブザンビートダウンとアブザンコントロール、それぞれの強みと弱点を教えてほしい。
パトリックの答え
ビートダウン寄りのデッキを作る人が多い様子で、確かに他のプレイヤーの構成を見ていると一理ある。前のめりに組んだアブザンも試したけれど、緑単信心相手が絶望的でコントロール寄りになった。それにコントロール寄りに組んだことで、ミラーマッチも制しやすくなった。代償として一番大きかったのは、コントロール相手が微有利から微不利になったことだ。それと、カード単体で見ると前のめりなカードの方がコントロール用のカードよりやや強いという事情もあるので、相手を選ぶものの、全体的にはコントロール寄り構築の方が、幅広い相手に有利なゲームが展開できるだろう。アブザンをビートダウン路線で組むかコントロール路線で組むかは、環境初期大いに揺れるところだと思う。
ヒューイの質問
サイドボードのカード選択について、採用した理由を聞かせてほしい。
パトリックの答え
《骨読み/Read the Bones》は《思考囲い/Thoughtseize》を取っているデッキ用。アブザンやマルドゥミッドレンジか、スゥルタイや青黒コントロールか、相手は問わない。消耗戦を戦い抜くのに強いカード。除去を山盛りにした後、緑単信心に持ち込んでもいい。
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》は、とにかくただただ強い。今この環境にたまたま合っていなかったとしても、間違いなく輝く瞬間がくる。もっとたくさん入れたいところなのだけれど、枠が無いので仕方がない。2枚しか追加できなくても、受け身なデッキを突き崩して、新たなゲームプランを立てるのに十分な性能。ブロック構築の時ほどではないにせよ、序盤のブロッカーとしても機能してくれる。
《高木の巨人/Arbor Colossus》は、ガッチリした肉が欲しいときに追加投入できる戦力だ。中でも特に、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》迎撃に重宝する(あと《カマキリの乗り手/Mantis Rider》や《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》相手)。赤緑主軸の怪物デッキと戦うときに一番輝く。怪物デッキの人気は下火かもしれないけれど、アブザンミッドレンジにとっては強敵だ。緑単のデッキミラーを制するには《対立の終結/End Hostilities》に頼らなくてはいけないのに、赤緑はクリーチャーに加えてプレインズウォーカーもいるのが理由だ。
サイドボードの残りは基本的に除去で、上でも触れたけど相手に合わせてデッキを調整していくのが主な用途だ。例外は《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》で、こちらはコントロール用。相手のプレインズウォーカーと戦う際に、違った方向から攻撃を仕掛けることができる。
【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー まとめ (by LSV)
2014年10月6日 翻訳 コメント (9)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー まとめ (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review Wrap-up
Luis Scott-Vargas, 2014年9月19日
http://www.channelfireball.com/articles/luis-scott-vargas/khans-of-tarkir-limited-set-review-wrap-up/
今日はレビューの総括をするよ。でもその前に、セット全体への評価へ一言。もう気づいてる人もいると思うけど、タルキール覇王譚は3点以上のつくカードがこれまでのセットと比べて非常に多かった。それはつまり、セット全体で箸にも棒にもかからないカードがほとんどないということ。他のセットにあったら、いつでもデッキに入るようなカードがたくさんあるんだ。プールのカードを全部使うのは無理だから、30枚とか候補があるとどれかを抜かなきゃならないね。これを踏まえた上で、点数の付け方には2つばかり選択肢があって:
1.タルキール覇王譚の中で点数を調整する。普通なら3点級のカードの評価を、2点か2.5点に下げる。
2.今まで通りに点数をつけて、詳細を解説する。
見てわかる通り、このレビューでは2番を採用することにした。実際、3点のカードのうち半分を2点台に下げるより、「正確な」評価を付けた方が良いと思ったんだ。何せ同程度の強さのカードが本当にたくさんあるんだから。似たような点数のカードが多いということは、プレイヤーが各自、自分でデッキや環境の流行り廃りに合わせたカード選択をしなくてはならないということだ。同じ3点のカードでも、今回採用するのはこっち、次はあっちといった風にね。でもどちらも同じ点数といった塩梅だ。
タルキール覇王譚のリミテッドでは、ドラフトでもシールドでも、使用に堪えうるカードの取捨選択、サイドボードのイン・アウト、弱めのカードでも状況に応じて使う判断をする。こういった技術を身につけることが報われると思う。サイドボードに複数枚、メインで使うに足るカードが常に存在するというのはとても面白そうだ。サイドボーディングや、メインデッキの構築が面白くなるんじゃないかな。ドラフトですらね。
いつでも点数だけじゃなくてコメントを読んでくれとは言ってるけど、カードがどのくらい強力かということだけでなく、どんな用途のあるカードなのかというところに光を当てていきたいね。それとPV(Paul Vitor Damo da Rosa)も言ってるけど、全員が強いカードを使うということは、マナ基盤の安定性がかなり重要になるということでもある。どの色を使ってもカードが余るのなら、マナ基盤の優先度を高めた方がいい。
PV’s Playhouse - Khans of Tarkir Prerelease Primer
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-khans-of-tarkir-prerelease-primer/
氏族ランキング
5.アブザン
4.ジェスカイ
3.スゥルタイ
2.マルドゥ
1.ティムール
氏族ランキング(リミテッドの強さ順)
5.スゥルタイ
4.ジェスカイ
3.ティムール
2.マルドゥ
1.アブザン
プレリリースではアブザン家がいいな。氏族のランキングは上のような感じになると思う。ドラフトではどの氏族も同程度に強いということがあり得るかもしれないけれど、スゥルタイのメカニズムである探査はそればかり集めても上手く機能しないし、ジェスカイの果敢も、呪文を増やせばクリーチャーが足らず、クリーチャーを増やせば果敢のための呪文が足らずという自己矛盾を抱えている。
Khans of Tarkir Limited Set Review Wrap-up
Luis Scott-Vargas, 2014年9月19日
http://www.channelfireball.com/articles/luis-scott-vargas/khans-of-tarkir-limited-set-review-wrap-up/
今日はレビューの総括をするよ。でもその前に、セット全体への評価へ一言。もう気づいてる人もいると思うけど、タルキール覇王譚は3点以上のつくカードがこれまでのセットと比べて非常に多かった。それはつまり、セット全体で箸にも棒にもかからないカードがほとんどないということ。他のセットにあったら、いつでもデッキに入るようなカードがたくさんあるんだ。プールのカードを全部使うのは無理だから、30枚とか候補があるとどれかを抜かなきゃならないね。これを踏まえた上で、点数の付け方には2つばかり選択肢があって:
1.タルキール覇王譚の中で点数を調整する。普通なら3点級のカードの評価を、2点か2.5点に下げる。
2.今まで通りに点数をつけて、詳細を解説する。
見てわかる通り、このレビューでは2番を採用することにした。実際、3点のカードのうち半分を2点台に下げるより、「正確な」評価を付けた方が良いと思ったんだ。何せ同程度の強さのカードが本当にたくさんあるんだから。似たような点数のカードが多いということは、プレイヤーが各自、自分でデッキや環境の流行り廃りに合わせたカード選択をしなくてはならないということだ。同じ3点のカードでも、今回採用するのはこっち、次はあっちといった風にね。でもどちらも同じ点数といった塩梅だ。
タルキール覇王譚のリミテッドでは、ドラフトでもシールドでも、使用に堪えうるカードの取捨選択、サイドボードのイン・アウト、弱めのカードでも状況に応じて使う判断をする。こういった技術を身につけることが報われると思う。サイドボードに複数枚、メインで使うに足るカードが常に存在するというのはとても面白そうだ。サイドボーディングや、メインデッキの構築が面白くなるんじゃないかな。ドラフトですらね。
いつでも点数だけじゃなくてコメントを読んでくれとは言ってるけど、カードがどのくらい強力かということだけでなく、どんな用途のあるカードなのかというところに光を当てていきたいね。それとPV(Paul Vitor Damo da Rosa)も言ってるけど、全員が強いカードを使うということは、マナ基盤の安定性がかなり重要になるということでもある。どの色を使ってもカードが余るのなら、マナ基盤の優先度を高めた方がいい。
PV’s Playhouse - Khans of Tarkir Prerelease Primer
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-khans-of-tarkir-prerelease-primer/
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
リミテッド4.0点
最悪でもゴッサムシティのバットケイブとして、バットマンを送り出すことで身を守ることができる。盤面が充実していればかなりのライフを得られるし、色々な状況に対応が可能だ。プレインズウォーカーとしての期待に十分応えられると思う。しかも他のプレインズウォーカーは苦手としている、対空防御すら可能だ。確かに自軍が窮していて、相手にクリーチャーが山ほどいたら、ソリンとて大逆転はできないけど、数あるプレインズウォーカーの中でもそんな窮地を何とかできる奴はほとんどいない。
旗サイクル(《アブザンの戦旗/Abzan Banner》・《ジェスカイの戦旗/Jeskai Banner》・《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》・《マルドゥの戦旗/Mardu Banner》・《ティムールの戦旗/Temur Banner》)
リミテッド2.0点
3ターン目には変異クリーチャーをプレイしたい環境だし、旗は超強力というほとではないけれど、マナ基盤はマナ基盤だからね。強力な呪文を唱えるのにマナは必要だし、終盤はドローにも変換できる。デッキには1枚入るのが普通か。とはいえ、3色とも合っていないとサイクリングできなくて痛い目をみそう。デッキによっては全く使うことがなかったり、あるいは2枚とか喜んで入れるデッキもあるかもしれない。そしてよくできたデッキであれば、旗に頼らなくてもマナは土地で賄えるだろう。細かくいえば、マルドゥの旗はアブザンのよりありがたみが薄いとか、攻撃的かどうかによる違いはあるけど大した差じゃない。
《群の祭壇/Altar of the Brood》
リミテッド1.0点
強く使うためにはライブラリーを大量に削りつづけないといけないから、ライブラリー破壊は難しい。ライブラリーをかなり掘るタイプのスゥルタイに対するサイドボードとしては効果的かもしれないけれど、この環境でライブラリー破壊デッキがドラフト可能だとは思わない。
《贈賄者の財布/Briber’s Purse》
リミテッド2.5点
フレイバー4.0点
コントロールより、是非ビートダウンで使いたいね。でもコントロールで使っても強いよ。大量のマナが必要とはいえ、ブロック不可に3回もすれば、かなりのダメージが見込めるだろう。押されてるのを凌ぐ使い方は、ダメージレースを仕掛けているか、ゲームプランに沿っているのでない限り、あまり効果的な使い方とは言い難い。
《頭蓋書庫/Cranial Archive》
リミテッド1.0点
こちらの墓地をライブラリーに戻すのは大した意味が見いだせないので、相手の探査を妨害する使い方になるだろうか。マナだけあればカードは要らないから、能力としてあってもいいと思うけれど、メインには入れようと思わない(サイドインすることもあまりないだろう)。果敢を誘発することも、まあ覚えておこう。
《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》
リミテッド1.5点
おい、そこに座れ。効果は非常に強力なものの、そこそこのサイズのクリーチャーを戦闘に参加させず座らせて、最低でも9マナを支払ったうえ、他にもクリーチャーが複数体必要となると、ちょっと希望的観測すぎないかと思うね。玉座という名前の割に、座っても勝つどころか逆に死んでしまいそう。なんだその目は!
《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》
リミテッド3.5点
変異クリーチャーが足りてないなら評価は下げざるを得ないけど、3~5体も変異が確保できていれば、序盤凄まじい力を発揮するだろう。終盤は変異でないクリーチャーにつけても素晴らしい。とても強力な装備品だと思う。
《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》
リミテッド2.0点
攻撃にいけるクリーチャーが十分確保できていれば、1点ダメージを飛ばせるのは強力だ。でも、相手にタフネス1のクリーチャーが多くなければサイドアウトも明らかだ。この環境はタフネス1のクリーチャーが少なそうだから、どちらかというとサイドボード要員だろう。
《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》
リミテッド0.0点
主張を鮮明にしておきたいけれど、使うのはやめとけ。相手のデッキがいかに変異まみれであっても、カード1枚の投資には見合ってないよ。変異が《スカークの猛士/Skirk Commando》か《乱打する岩角獣/Battering Craghorn》か考えないといけない環境ではないし、仮にそうだとしてもレンズを使う理由にはならない。
《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》
リミテッド0.0点
どうして神話のアーティファクトは紙率が高いんだろう?ウギンのきずなもまさに紙。追加ターンを得るためには尋常じゃない労力が必要で、得られる効果に見合っていない(相手の追加ターンを止めることもまずないだろう)。
《星霜の証人/Witness of the Ages》
リミテッド3.0点
これぞ変異クリーチャーの代表格。使えるが取り立てて強いわけではない。
《精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon》
リミテッド0.5点
どれだけ変異クリーチャーがいようと全力でスルーすることをお勧めする。マナ基盤が充実しすぎて困るということはありえないからね。
トライランドサイクル(《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》・《神秘の僧院/Mystic Monastery》・《華やかな宮殿/Opulent Palace》・《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》・《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》)
リミテッド3.5点
アラーラの断片ではかなり点数が高かった。変異がいたり、他にも色マナ供給源があっても、評価は変わらないだろう。トライランドは最小限のコストで色マナを安定させてくれる。3色中2色あっているだけで十分なくらいだ。トライランドに合わせて氏族を選択するのは、選択の理由として申し分ないよ。
フェッチランド(《汚染された三角州/Polluted Delta》・《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》・《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》・《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》・《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》)
隠れ家サイクル(《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》・《花咲く砂地/Blossoming Sands》・《岩だらけの高地/Rugged Highlands》・《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》・《平穏な入り江/Tranquil Cove》・《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》・《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》・《急流の崖/Swiftwater Cliffs》・《茨森の滝/Thornwood Falls》・《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》)
リミテッド3.0点
色があっているなら、まずピックして後悔することはあるまい。どちらかというとフェッチランドが取りたいけど、デッキに沼を入れずに色をタッチしたいこともあるだろう。その場合は隠れ家が役立つ。どれもトップクラスのコモンには見劣りするけれど、普通より強い程度のコモンよりは評価が上だ(今回、どれだけ使用に足るカードが取れるか考えれば特にね)。ドラフト終盤では、強いカードよりも優先して取らなきゃいけない瞬間もあるだろう。フェッチランドは探査の役に立つね。取り切りも捗るし(^q^)
氏族ランキング
5.アブザン
4.ジェスカイ
3.スゥルタイ
2.マルドゥ
1.ティムール
氏族ランキング(リミテッドの強さ順)
5.スゥルタイ
4.ジェスカイ
3.ティムール
2.マルドゥ
1.アブザン
プレリリースではアブザン家がいいな。氏族のランキングは上のような感じになると思う。ドラフトではどの氏族も同程度に強いということがあり得るかもしれないけれど、スゥルタイのメカニズムである探査はそればかり集めても上手く機能しないし、ジェスカイの果敢も、呪文を増やせばクリーチャーが足らず、クリーチャーを増やせば果敢のための呪文が足らずという自己矛盾を抱えている。
◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー アブザン・緑 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Abzan
Luis Scott-Vargas, 2014年9月18日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-abzan/
緑のリミテッドコモントップ5
《煙の語り部/Smoke Teller》
《サグの射手/Sagu Archer》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《凶暴な殴打/Savage Punch》
《遠射兵団/Longshot Squad》
緑は到達持ちに長久クリーチャーと、長期戦に強そうな面々が揃っている。そこに格闘やコンバットトリック各種が加わって、力押し以外もできるようになっている。攻めるよりは守るカードの方が若干優秀そうに見えるけれど、殴りに向いてるカードも多少あるから、緑は最も柔軟な色なんじゃないかと思ってるよ(特に、攻守どちらでも機能するカードが多そうだしね)。
残りのカードは明日レビューするよ。それから環境がどんな感じになるか、予想を話してみたい。
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Abzan
Luis Scott-Vargas, 2014年9月18日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-abzan/
《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
リミテッド3.0点
変異と相討ちってのは気に入らないけど、変異となら3マナ同士の交換だし、相手の土地が詰まったり、除去を当てていければかなりのダメージを与えられる。4マナや5マナの奴が攻撃してきたら相討ちにもっていけるから、守備性能も高い。
《射手の胸壁/Archers’ Parapet》
リミテッド2.0点
相手の攻撃を防ぎつつ、止まらないクロックを刻めるのは悪くないけど、そりゃまず守るデッキでの採用が前提だからね。前のめりなデッキではこういうダメージの通し方はお呼びじゃないと思う。こいつがいくら、止めることの難しいクロックになるといってもね。あと、相手の主戦力がパワー4以下だってなら、サイドボードとしては素晴らしい。こちらは十分にあり得る話だしね。
《熊の覚醒/Awaken the Bear》
リミテッド2.5点
トランプルがついたからって2マナも重くなるのは、《巨大化/Giant Growth》として割に合ってないから、ただのコンバットトリックというよりはフィニッシュ手段といったところだろう。3マナ同士の戦闘に熊の覚醒を使えば勝てるけど、使ったらターンはそれだけで終わって無為に費やすことになる。3点ぽっちダメージを通すくらいなら、他のクリーチャーを展開したいところだ。それでも、コンバットトリックが使えるときは使うものだし、選択肢としてこいつは悪くない。終盤はかなり強力で、7点以上のダメージを簡単に稼いでくれるだろう。たとえ序盤、マナコストが隠せないほど重たいにしても目をつぶるさ。
《強大化/Become Immense》
リミテッド2.0点
1マナで唱えたらさぞかし強大になったような気分になるだろうけど、兄弟分の探査の仲で、こいつの優先度は下の下だ。効果は大きいから、標準的なスゥルタイコントロールより、ビートダウン剥きだろうね。
《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》
リミテッド2.5点
完全にはいったら流し斬り並みの大打撃だろう。前のめりなデッキであればあるほど、こちらがマナを立てていても相手はブロックを強いられることになるだろうね。逆にいえば、いかに《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》をうまく使われないように立ち回るかが、リミテッドの力量の試金石ということになるだろう。相手が4~6ターン目に、タップ状態のクリーチャーのみを残して何も展開してこなかったら、無闇に攻撃せずじっくりと考えよう。これを持たれていても、こちらが攻撃しなければ相手はマナ効率を重視して普通に使ってくるかもしれない。でもその使い方なら、クリーチャーをアンタップすることで攻撃中に奇襲されるのと比べて、そこまで壊滅的でない。長久クリーチャーが回りにいれば、キーワード能力もつくことがある。かなり重要だよ。
《部族養い/Feed the Clan》
リミテッド0.5点
働かないカードで食う飯は旨いか?相手が信じられないほど超攻撃的なデッキなら、サイドからあるいは入れるかも。
《硬化した鱗/Hardened Scales》
リミテッド1.0点
長久クリーチャーがいればいるほど、驚くほど効果的だと思うけれど、勝ってる時だけ強く見えるって奴じゃないのかな。
《荒野の後継者/Heir of the Wilds》
リミテッド3.5点
2マナ2/2接死の時点で素晴らしいし、その上サイズが上がる可能性まであるというのは凄い。その上、こいつ自身を4/4にまで持っていくことすら可能だ。そうなったら横に頼もしいサイズのクリーチャーがいなくても自家発電で強くなれる。
《高地の獲物/Highland Game》
リミテッド2.5点
タダで2点ライフがついてくるのはありがたいし、それでなくても大概のデッキは2マナクリーチャー確保に躍起になるものさ。緑にとって守りがどのくらい重要かは分からないけど、ライフがついてきて悪くはないはずさ。
《頭巾被りのハイドラ/Hooded Hydra》
リミテッド4.0点
多芸なカードの上に、カードパワーまで備えた怪物だ。全国1億人のハイドラファン大歓喜だね。Xの値を1にすることだけはお勧めしないけれど、1以上ならどんな数字にしても正当化できると思うよ。X=2で唱えるのはよほど必要に迫られてるときだけだろうけど、Xが3以上ならいくつで唱えても素晴らしい。変異経由だと、何も残さず死んでしまうんじゃないかと少し心配だけど、変異が強いときもあるだろう。変異で騙し討ちを仕掛けなくても、十分すぎるほど強力な上に止めることも難しい奴だよ。
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
リミテッド3.0点
4マナくらいで唱えるのは難しくないだろうし、4マナで唱えられたら強いとまでいえるだろう。勿論、4ターン目に4マナで唱えられるわけじゃないにしても、終盤とてマナ効率の良さは重要だ。たまに1マナか2マナでこいつを展開して、更にもう1枚強いクリーチャーを追加して攻めたてることもできるだろう。
《増え続ける成長/Incremental Growth》
リミテッド3.5点
黒い方の《増え続ける荒廃/Incremental Blight》には敵わないにしても(嗚呼!黒いピンポンパンときたら!)、永続的な《踏み荒らし/Overrun》であり、長久との噛み合いも完璧だ。性能を十分引き出すためにクリーチャーの頭数を十分確保したいところではあるけれど、それは大した手間にはならないよね。
《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》
リミテッド3.0点
強襲を誘発させたいとか、5ターン目にきっかり《増え続ける成長/Incremental Growth》を使いたいというのでもない限り、ほとんどの場合裏向きで出すことになると思う。変異解除がとても軽いから、除去に対応して表になってかわせたら、かなりいい感じだ。
《遠射兵団/Longshot Squad》
リミテッド3.5点
狙い撃つぜ!大きくなって蜘蛛になる《丘巨人/Hill Giant》とかとても好みだし、場に出てすぐ他のクリーチャーに到達がついたりするとくれば尚いい。盤面を止めるというのは長久のゲームプランにぴったりだから、そんな戦略に《遠射兵団/Longshot Squad》はうってつけだね。
《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》
リミテッド3.5点
攻撃性能は非常にゆっくりでも、いずれウサギにすら追いつくことに定評のある亀さんだからね。しかも乗り越えるのはほぼ無理だから、盤面を好きなだけせき止めてくれる。足止めしていずれゆっくり、着実に勝てばいい。
《帰化/Naturalize》
リミテッド0.5点
サイドボードにいるのが自然ってものさ。
《松歩き/Pine Walker》
リミテッド3.0点
5マナ5/5とか強いし、変異がついててうまくやればクリーチャーも討ち取れるとくれば、どんなデッキにも採用できるな。
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》
リミテッド3.5点
マナ基盤がレアってのにどうも慣れないんだが、優秀なのに変わりはないね(ただ、出現頻度は変わるにしても)。2ターン目に出して嬉しいし、4ターン目に爆発的な加速をしたいなら変異で出せばいい。とにかく、マナ加速と色安定要素と良好な変異能力が組み合わさってて実に素晴らしい。
《挑発の咆哮/Roar of Challenge》
リミテッド2.0点
盤面に巨大なクリーチャーがいること前提のカードをデッキに入れるのは厳しいけれど、《挑発の咆哮/Roar of Challenge》は採用に足るだけのカードパワーがあると思う。使い方の一つとしては、6/6くらいのクリーチャーに使って相手のクリーチャーを一方的に殺戮すること。もう一つの使い方は、1/1とかにブロックを集中させることで、致死量のダメージを通すこと。この2つの使い方ができるおかげで、場面異存の中では優秀なカードに仕上がっている(それでも無条件でデッキに入れられるほどじゃないと思うけどね)。
《サグの射手/Sagu Archer》
リミテッド3.0点
素で出して良し、変異して良し。スゥルタイやアブザンの守りにうってつけ。
《凶暴な殴打/Savage Punch》
イラスト5.0点
フレイバー5.0点
リミテッド3.5点
軽くて効果は大きく、相手へのダメージをも追加できる可能性がある。しかもこんな素晴らしいイラストがついてるとくれば、中々流せないな。
《境界の偵察/Scout the Borders》
リミテッド1.5点
フレイバーテキスト3.5点
フレイバーテキストが素晴らしすぎて筆舌に尽くしがたいものの、カードの効果そのものも結構悪くないと思う。探査を使うか爆弾レアを探すのでない限り使わないと思うけれど、それはつまり緑のデッキの中でも限られた層しか使わないということでもある。3ターン目をカードの質を上げるために使うというのはどんなデッキでもできることじゃないし、環境がそれを許さない可能性もあるけれどね。
《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
リミテッド1.5点
安定してクリーチャーを2体連れてこれるなら、レビューを書いてもいいよ。でも不文律として、効果が見えにくいカードは使うなってのもあってね。獰猛を達成していない場合、6マナも支払ってスカる可能性がある上に、そもそも6マナかからないクリーチャーに余分なマナを支払うことになってしまう。2体出せるなら、マナ的にもカード的にも美味しいから、使ってみようという気になるね。
《地平の探求/Seek the Horizon》
リミテッド1.5点
遅くてアドバンテージを稼ぐカードの好きな俺にとってすら、ちと遅すぎる。多くの場合、唱えてもすぐにディスカードしてしまいそうだし、ディスカードしなくても4ターン目を《地平の探求/Seek the Horizon》に使うというのは厳しい。色安定要素が少なく、かつ7マナ以上のクリーチャーがたくさん入っていたりするのでない限り(何で皆、俺のデッキのことだと思うわけ?)、もっと違うものを違うやり方で探究した方がいいんじゃないかな。
《煙の語り部/Smoke Teller》
リミテッド3.0点
テキスト欄が空白だったとしても、2マナ2/2というだけで大体のデッキは使うんじゃないかな。特にささやかでも、こいつはおまけ能力がついてるしね。ただ2マナに見合った効果ではないから、2マナ2/2というコストとサイズ故の採用でもね。
《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》
リミテッド3.0点
タフネス4以上のクリーチャーがこいつしかいなくて、かつ4マナ3/4も必要でないというデッキは非常に稀なんじゃないだろうか。こいつ自身でも回復するしね。そうそう何回も誘発しないと思うけど、1回回復できるだけで十分強いよ。
《ティムールの軍馬/Temur Charger》
リミテッド3.0点
2マナ3/1の時点で優秀な上に変異まであっていうことなし。他のクリーチャーにトランプルをつけたり、マナを使わず表になってタフネス3のクリーチャーを交換を迫ったりできるから、どんなデッキにでも入れられるね。
《神秘の痕跡/Trail of Mystery》
リミテッド1.5点
変異デッキは眉唾だと思ってる。基本土地を探してこれるといってもそこは変わらない。表になったときの+2/+2というのもなんだかなあと思う。軽く変異解除できるクリーチャーが大量に取れてるのでもない限り、手は出さないかな。
《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》
リミテッド1.5点
変異で溢れた環境で頑張るためには相当きばらないと。同じようなマナコストとサイズで変異もついてるクリーチャーのいる環境で、何でこんな中途半端な6マナクリーチャーを使わないとならないんだ?たまに他の選択肢がないからってことはあるにしても、進んで取るカードじゃないと思うよ。
《牙守りの隊長/Tuskguard Captain》
リミテッド3.5点
トランプル付与は驚異的な能力でないにしても、3マナ2/3で、しかもたったの緑1マナで自己強化できるカードは単体で十分強い。
《暴風/Windstorm》
リミテッド0.5点
メインから入れるほど飛行の多い環境だとは思わない。特に到達持ちが結構いるしね。
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
リミテッド3.0点
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》みたいなのがいるから、大牙……何とかさん?みたいなバニラを使うのが、他に何もないときの非常手段になるんだ。《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》ならサイズが一回り上な上3ターン目に唱えられ、表になることで戦闘をうまく運べる可能性もある。カードを柔軟に使えるようなメカニズムはいいね。特に7マナのカードをたくさん入れても厳しく咎められないなんて最高さ。
緑のリミテッドコモントップ5
《煙の語り部/Smoke Teller》
《サグの射手/Sagu Archer》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《凶暴な殴打/Savage Punch》
《遠射兵団/Longshot Squad》
緑は到達持ちに長久クリーチャーと、長期戦に強そうな面々が揃っている。そこに格闘やコンバットトリック各種が加わって、力押し以外もできるようになっている。攻めるよりは守るカードの方が若干優秀そうに見えるけれど、殴りに向いてるカードも多少あるから、緑は最も柔軟な色なんじゃないかと思ってるよ(特に、攻守どちらでも機能するカードが多そうだしね)。
残りのカードは明日レビューするよ。それから環境がどんな感じになるか、予想を話してみたい。
LSV
◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー アブザン・緑 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Abzan
Luis Scott-Vargas, 2014年9月18日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-abzan/
Khans of Tarkir Limited Set Review - Abzan
Luis Scott-Vargas, 2014年9月18日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-abzan/
《アブザンの隆盛/Abzan Ascendancy》
リミテッド4.5点
前半分だけでも素晴らしいカードなのに、後ろに続くテキストがもっと強いとは!2つ目の効果を何とかするのはおそろしく困難、特に長期戦で顕著だ。クリーチャーがとにかく何でも頭数さえいれば、多分ゲームに勝てるだろう。《霊魂の絆/Spirit Bonds》ほど速やかに相手を霊魂にすることはかなわないものの、費やすマナ総量は少なくて済むし、引いてきたときすぐに凄い効果があるのは大きい。+1/+1カウンターにして2個か3個載せた上、飛行クリーチャーを5体くらい出すというのも非現実的じゃない。3マナの効果としては驚異的なものがあるよ。
《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
リミテッド4.0点
3つどのモードも素晴らしい。全てのモードが、まさにリミテッドで必要なことそのものだ。カードを引くモードを使うことが少なそうでちょっと残念なくらい。何せ、カードを2枚引いてくるより、強力な除去やコンバットトリックとして使った方が強いことが多いだろうからね。それでも選択肢としてカードを引けるのは嬉しい。とにかく土地を引いてくる必要があることもあるし。でも、あまりに強力な魔除けだから温存しておきたいと思うだろうな。贅沢な悩みさ。あらゆる環境で最強の魔除けだろう。
《アブザンの先達/Abzan Guide》
リミテッド3.0点
4/4絆魂は、軽く攻められた分を取り返すのにぴったりなカード。とはいえ、セット全体でみると他の重たい変異と比べて、特別抜きん出て優れているというわけではない。《賛美されし天使/Exalted Angel》には及ばないものの、十分な強さだよ。
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》
リミテッド4.0点
3マナ4/4とういわけで十分だが、それ以上の性能だ。他のクリーチャーを大きくできるのは中々いい感じだ。大きくするクリーチャーは攻撃していなくても、タップさえしていればいい。長久と使えと言わんばかりだね。最後の能力はささやかではあるけど、探査や《死者再生/Raise Dead》系のカードを弱くするのは、ついてて悪い能力じゃない。
《軍備部隊/Armament Corps》
リミテッド3.5点
最低でも5マナ6/6の時点で既に強い。攻撃できるクリーチャーにカウンターを載せれば速攻みたいなものだから、大体4/4で出てくるんじゃないかな。3/3に2つカウンターを載せて4/4を乗り越えたりすれば、1点2点じゃ済まないダメージを叩き込めるだろう。柔軟性とカードパワーが同居していて実にいいね。それに、長久で能力がつくクリーチャーとの相性も良いのも見逃せない。
《砂塵破/Duneblast》
リミテッド4.5点
7マナはとても重いから、4.5点より4点に近いと考えるべきな可能性もあるけど、効果が強力すぎるから、過小評価するより過剰評価して、甘い点をつけておきたい。自軍最強のクリーチャーを残しておける《神の怒り/Wrath of God》とか、あまりに強力すぎる。こちらが1体か2体、十分なサイズのクリーチャーを展開しておくことで、相手に突破するための盤面構築を強いながら、全体除去はないと安心させることができる(砂塵破がデッキに入ってるのがバレてない前提だけどね)。そんなわけで普通の全体除去よりもかなり酷い事態を引き起こせる。しかもそれに加えて、残した1体で攻撃までできてしまうんだからね。持ってるのがバレたとしても、こちらに5/5とか出ていたら、相手からすれば強いクリーチャーを出し惜しみすることもできない。7マナは重いけれど、ここまで打てば勝てそうに見えると、7マナに対する偏見は投げ捨てるよ。
《象牙牙の城塞/Ivorytusk Fortress》
リミテッド3.5点
パワーとタフネスを見てくれ。5マナとしては二回りくらい上だから、3.5点の評価は至極当然。能力も悪くないけれど、5/7が戦場を蹂躙していたらどれだけ防御が必要だというのか。長久が2回起動できるっていうなら結構だけど、ブロックできるようになるってのは別に壊れでも何でもない。それでも5マナ5/7というサイズは、色さえ合っていればいつでも喜んでプレイするだけのものだよね。
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》
リミテッド2.5点
大体3/3以上のクリーチャーは出ると思うけど、コストと違って2マナ域のクリーチャーではないし、唱えられるのは少なくとも4ターン目以降になるだろう。それに、他にもクリーチャーが出てることを要求されるから(それに、クリーチャーが1体だけなら唱えるのに対応して撃たれる除去に対しても弱い)、強力とはいえ絶対に使うカードとまではいかなそうだ。巨大なクリーチャーが出せるから、アブザンなら大体入れると思うけど、クリーチャーが少な目だったり、重いクリーチャーが多いデッキなら適当な変異クリーチャーを入れた方がいいだろう。
《包囲サイ/Siege Rhino》
リミテッド4.5点
アブザンの多色カードはどいつもこいつも最強すぎる(一方スゥルタイは……)。《包囲サイ/Siege Rhino》は、押してる場面でも押されてる場面でもとにかく強い。相手の立ち上がりが遅いところに登場したら、速やかに相手を粉砕してくれるだろう。軽くてどんな盤面からでも流れを変えられるというのは、王者の風格。一つだけ注文をつけるとすれば、終盤お互いにライフが潤沢な場合、少し強さが落ちるくらいか。そんなゲームはほとんどないだろうし、初手で取りたいカードとして、あらゆる条件を満たす凄い奴だ。
◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー ティムール・赤 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Temur
Luis Scott-Vargas, 2014年9月17日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-temur/
赤のリミテッドコモン トップ5
5.《素早い蹴り/Swift Kick》
4.《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
3.《苦しめる声/Tormenting Voice》
2.《矢の嵐/Arrow Storm》
1.《打ち倒し/Bring Low》
赤は状況やデッキを選ぶカードが多いから、評価も揺れる部分が多い。前のめりなカードはアンコモンに多いものの、コモンで攻めるカードは少なめだから、赤系の速攻デッキが有力なら驚くことになると思う。3色に傾いて、タップイン土地の数が増えたり、マナ基盤の不安定要素が増したら、速攻デッキの強みの序盤の強さが薄れてしまう。そうするとそもそも速攻というゲームプランが疑問に感じてしまうな。コントロール向けな除去は3色デッキに合いそうだし、《苦しめる声/Tormenting Voice》使ってドローを安定させるというのも良い感じだと思う。赤い《予言/Divination》の名前は伊達じゃないぜ。
明日はアブザンと緑、それからいくつか残ってるカードをレビューしてセットレビューをまとめるよ!
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Temur
Luis Scott-Vargas, 2014年9月17日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-temur/
《反逆の行動/Act of Treason》
リミテッド1.5点
デッキによっては超強力で、また多くのデッキにとっては取るに足らないカードの代表例だから、点数をそのまま捉えたらいかんよ。前のめりなデッキにとっては、3色のマナ基盤で重たいクリーチャーを出してきた相手を咎めるのに最適な手段だ。殴らないデッキなら、サイドボードに残しておくのがいいね。
《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker》
リミテッド2.5点
突然先制攻撃3/3に化けて相手を討ち取る使い方でないと、唱えるにも及ばない感じだ。変異の中でも最弱クラス。そうはいっても、色の合っている変異をサイドに下げておくのはそうそうできることじゃない。
《弧状の稲妻/Arc Lightning》
リミテッド4.0点
巨大生物が跋扈している環境では普段ほど壊れじゃないにしても、依然優秀だ。いつでも1:1交換は取っていくし、2:1交換を取れることもあるだろう。衝撃の3:1交換だって十分あり得る。
《矢の嵐/Arrow Storm》
リミテッド3.0点
ストームって書いてあるカードをドラフトで取るのはお好き?5マナ4点でも十分。それが5マナ5点になってもそこまで超強化ではないけれど、総括して特別優先するほどではないが、優秀な除去といったところだろう。本体に撃ちこんでゲームを終わらせることもできるのはいいね。大半の火力と同じく、前のめりなデッキで使えば更に輝くだろう。
《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
リミテッド4.5点
他の変異と真逆に、まず表で出されてから裏になる。これは素晴らしい。4マナ4/1飛行は強力だし、死んで2/2になるのも嬉しい。更にマナさえあれば何度でも帰ってくるのはマジでぶっ壊れだ。
《石弾の弾幕/Barrage of Boulders》
リミテッド1.5点
相手の場に小粒なクリーチャーが並んでたら明らかに強い。そこそこのサイズのクリーチャーがいて盤面が膠着しそうときにも悪くない。強い場面を2つ考えてみたけれど、それでも依然入れたくないゲームが多そうではあるから、メインには入れないで始めようかなと思ってるよ。
《沸血の熟練者/Bloodfire Expert》
リミテッド1.5点
実はあんまりこいつのこと好きじゃない。リミテッドの熟練者として考えると、タフネス1の果敢クリーチャーは変異相手に上手く立ち回れない。だからセットの中でもこいつは強くない3マナって扱いになると思う。果敢デッキが組めたら、クリーチャー枠に死にやすい奴を残しておく余裕なんてないはずだし、果敢デッキでなければ大したことはしてくれないだろう。
《沸血の導師/Bloodfire Mentor》
リミテッド2.0点
このルーターのガタイが良くなった代わりに、ルーター能力が重くなるって謎の傾向はどこから来たんだろう?とはいえ個人的にはそう気に入らなくもない。無条件で入れられるわけではない……というより実際にはかなり劣化だけど、ルーター能力自体はもっと面白くなった。ブロックしたいデッキで、掘って辿り着きたい強いカードもあるならうってつけのカードということになるね。青赤のデッキでそういう立ち位置のデッキはどのくらい作れるか分からないけれど。
《打ち倒し/Bring Low》
リミテッド3.5点
4マナ3点火力のままだと、強いとまでは言い切れずともそれなり。3点では倒せなさそうなクリーチャーを、実際には結構倒せるのは優秀だ。おまけにインスタント除去とくれば、たくさん取っても多すぎるということはないだろう。
《焼き払い/Burn Away》
リミテッド3.0点
特定の氏族を狙い撃ちする火力が複数あるとか、他の色にこれまで無かったと思うけれど、何も悪いことはないね。《打ち倒し/Bring Low》とくらべるとオマケは大きくないけれど、それでも相手のクリーチャーを焼いて、永遠に退場願うには十分だ。
《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》
リミテッド2.5点
表になったとき、タフネスの上がらない変異に対する不満をまた書いておかないといけない。対戦相手がまず、戦闘で変異にクリーチャーをぶつけてもいいと思っているのなら、少なくとも変異が表になったら死なずに残りそうだと相手に思わせたい。でもまあ、変異の常として弱くてもデッキには入るよ。
《火口の爪/Crater’s Claws》
リミテッド4.0点
《猛火/Blaze》+2だって?くれ。
《龍の握撃/Dragon Grip》
リミテッド1.5点
元から戦闘で勝てるクリーチャーにつければ、相手はぼろ人形のように崩れ落ちるぞ!パワー4のクリーチャーがいれば他のクリーチャーも対象に取れるってのは分かってるけど、カードアドバンテージをむざむざ失いに行くルートだから、そこまでしなくてもと思ってしまうね。
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》
リミテッド3.5点
何ともスタイリッシュだけれども、少々重いかな。確かに、相手を1発か2発で仕留めてくれると思うけれど、それでも「爆弾」までいかず「優秀」くらいのが近いと思う。タルキールは除去も豊富そうだから、それも痛そうだ。
《ゴブリンすべり/Goblinslide》
リミテッド1.5点
確かにヴィンテージマスターズドラフトで、チェオン(Paul Cheon)にゴブリンすべりをやれってけしかけたけどね(見れなかった人のために解説すると、《霊体の地滑り/Astral Slide》入りのゴブリンデッキさ!)。呪文が十分あれば上手く働くかもしれないけど、呪文満載のデッキで大量のゴブリンを上手に使うのは難しいと思うんだよね。
《軍団の伏兵/Horde Ambusher》
リミテッド3.0点
終盤前のめりなデッキに役立つ能力を備えた2マナクリーチャーというのは、まさにビートダウン御用達のパーツだ。赤は強力なビートダウンが組めるかも。3色環境でビートダウンをすることにはちょっと懐疑的だけど、2色に集中して取って、カードパワー不足を速度で補うというのは十分可能性がある。多分そんな戦略を取るときは、こういうカードがきっと大切だろう。
《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
リミテッド2.5点
良質なアドバンテージのとれるカードだ。唯一の懸念は赤赤のダブルシンボルなこと。それさえなければもっと自信を持って勧められたんだけど。繰り返すけど、3色のデッキばかりの世界でダブルシンボルのカードを使うのは本当に大変なんだ。
《軍族の雄叫び/Howl of the Horde》
リミテッド1.0点
超強力で軽い除去が大量にあるのでもない限り、雄叫びがあたり一面にこだまするだけだと思うよ。
《嘲る扇動者/Jeering Instigator》
リミテッド3.5点
《軍団の伏兵/Horde Ambusher》強みを持ちながら、大幅強化されてて大変よろしい。大した特技だよ。
《跳躍の達人/Leaping Master》
リミテッド2.0点
赤白のデッキでも、本当に2マナ域が必要な時くらいしか使わないと思う。デッキによっては本当に2マナ域が必要なこともあるから、そんなときには入れていいけれど、ゲーム中に思わず席から跳躍するほどの活躍はしないと思う。
《マルドゥの炎起こし/Mardu Blazebringer》
リミテッド1.5点
1回きりのブロッカーとして使うのがベストだろう。4点の本体火力として使っても上手くいかないと思う。4点ダメージをもぎ取りたいと思う頃には相手もブロックできることが多いし、序盤にこいつをぶつけるのは、相手を火力で焼き尽くせるよう祈りながらカードを投げ捨ててるようなものだ。ブロッカーとしては見えてる除去みたいなものだけど、相手がこいつを見て攻撃を諦めるなら、それはそれでいいよね。
《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》
リミテッド3.5点
強襲の達成は大概のデッキで難しくないと思う。もし強襲を達成するためクリーチャーを一体特攻させなきゃいけないとしても、こいつなら十分美味しい。こういうカードでアドを取っていきたいけど、ブロッカー排除の役には立たないというのが面白い。強襲連発によって手が付けられなくならないよう、調整されてる。
《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》
リミテッド2.5点
マナ安定要素というよりは、クリーチャーを並べたてる手段だと思うけど、辛いときはタッチ色のカードを唱える助けにもなってくれるだろう。攻勢に回れていてガス欠にもなっていない前提だから、勝ってる時だけ強い感じが少しあるけど、最悪でも《丘巨人/Hill Giant》だからね。
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
リミテッド1.5点
呪文を唱えないと弱い果敢クリーチャーはあまり好きになれない。1/2は典型的だね。速攻があるから強襲を誘発させるのにはいけど、果敢に寄せたデッキではもうちょっと頼りがいのあるサイズが欲しいと思うぞ。
《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》
リミテッド4.5点
真に強すぎるカードに分析は必要ない。サルカンを見ればなぜかは分かるね。どの能力もぶっ壊れだ。逆転することも、均衡状態から押し込むこともできる。しかもたった5マナでだ。こちらの盤面に全く何もなくて、相手が複数のクリーチャーを並べたててるときだけ(それかクリーチャーが1体でも、そいつのタフネスが5以上とか)十分性能を発揮できないかもしれないけど、他の状況ならまあ強いよ。
《粉砕/Shatter》
リミテッド0.5点
ミラディン以外では純然たるサイドボード要員さ。
《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
リミテッド2.5点
4マナ4/3はいつだって強いけれど、赤赤というコストのせいでどんな赤いデッキにも入るというわけにはいかなそうだ。
《素早い蹴り/Swift Kick》
リミテッド2.5点
格闘するならタフネス修正のがありがたいが、果敢デッキで使えないということもあるまい(もしくは獰猛デッキ用だろうか)。名前は中々いいけれど、この名前に見合う性能をつけるのは、蹴りだけに骨が折れそうだ。
《苦しめる声/Tormenting Voice》
リミテッド3.0点
マナカーブに沿って完璧に展開するのでもない限り、デッキに入れないのが難しいくらいじゃないだろうか。たった2マナとカード1枚でカード2枚を引けるとか、サイドボードに入れたら苦しむこと請け合い。それに赤いデッキならちょっとばかり土地事故したときの保険をかけておいて、後悔することはないと思うよ。
《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》
リミテッド1.0点
専用みたいなトークンデッキでだけ使うカードかな。トークンデッキにとっては、他のデッキで無用なものだから、掠め取られないで済むのが朗報だろうか。果敢も誘発することはするけれど、ラッパは果敢用ではないと思う。
《谷を駆ける者/Valley Dasher》
リミテッド1.5点
入れるならマジモノのビートダウンを仕掛けるときだろうけど、俺はちょっと及び腰だ(こいつ自身は喜んで突っ込んでいくけど)。あまりに裏目が多すぎて、単純にカードを1枚失っただけ、というのが一番怖い。それはちょっと誇張だたとしても、予想よりあるものだよ。
《戦名を望む者/War-Name Aspirant》
リミテッド3.0点
3ターン目か4ターン目まで待たなきゃいけないかもしれないが、3/2で出すのは難しくない。強襲達成して出たらかなりのものだ。2/1として出したとしても、トークンを出すカードがそれなりに種類のある環境で、1/1をよけて歩くのはかなりの良能力。
赤のリミテッドコモン トップ5
5.《素早い蹴り/Swift Kick》
4.《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
3.《苦しめる声/Tormenting Voice》
2.《矢の嵐/Arrow Storm》
1.《打ち倒し/Bring Low》
赤は状況やデッキを選ぶカードが多いから、評価も揺れる部分が多い。前のめりなカードはアンコモンに多いものの、コモンで攻めるカードは少なめだから、赤系の速攻デッキが有力なら驚くことになると思う。3色に傾いて、タップイン土地の数が増えたり、マナ基盤の不安定要素が増したら、速攻デッキの強みの序盤の強さが薄れてしまう。そうするとそもそも速攻というゲームプランが疑問に感じてしまうな。コントロール向けな除去は3色デッキに合いそうだし、《苦しめる声/Tormenting Voice》使ってドローを安定させるというのも良い感じだと思う。赤い《予言/Divination》の名前は伊達じゃないぜ。
明日はアブザンと緑、それからいくつか残ってるカードをレビューしてセットレビューをまとめるよ!
LSV
【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー ティムール・赤 (by LSV) 前編
2014年9月24日 翻訳◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー ティムール・赤 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Temur
Luis Scott-Vargas, 2014年9月17日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-temur/
Khans of Tarkir Limited Set Review - Temur
Luis Scott-Vargas, 2014年9月17日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-temur/
《なだれの大牙獣/Avalanche Tusker》
リミテッド3.0点
これは困ったことになったゾウ……とか言うと雪崩より寒いことになりそうだからやめとこうか。しかし雪山を象が滑って突っ込んでくるって、まるでジョークの世界だよな。リミテッドでは、ダブルブロックで止められて相手にクリーチャー2体分の被害を与えて散るだろう。5マナにしてはいい仕事だ。こちらにコンバットトリックがあるとか、相手にブロッカーが1体しかいないとかだったら、蹂躙は時間の問題だ。
《熊の仲間/Bear’s Companion》
リミテッド2.5点
熊(2/2)が熊だけど熊じゃない奴(4/4)を連れてきた。熊といえば2/2が相場と決まっていたのに紛らわしいことこの上ないが、この熊フレイバーに対する評決はベン・スターク(Ben Stark)に任せておこうか。カードとして見てもとても素敵。3色の5マナを支払うだけの価値は十分ある。相手のバウンスには弱い面はあるけど、こちらもバウンスと一緒に使えば4/4を出し直すこともできるから、見るべきものがあるよ。3色のカードとしては若干大人しめだけど、マナ基盤が十分だったら、登別クマ牧場してみよう。
《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》
リミテッド3.5点
変異して良し素出ししても良し。こういうクリーチャーは希少にして貴重だ。氷羽のエイヴンは2ターン目に出したらマナレシオの良い飛行生物で、中~終盤にかけては変異経由で使って強い。要するに強いことしか書いてない。
《精神振り/Mindswipe》
リミテッド3.0点
序盤から中盤にかけて、手持ち無沙汰なとき何か打ち消せるおかげで、この手のフィニッシュ手段としてはとても丸く使いやすくなっている。対戦相手に本体火力を叩き込みたいデッキってあるじゃない?精神振りはそんなデッキで使うのにうってつけだ。本体火力に1:1交換まで取る能力が付いてるわけだから、色々なデッキで採用できる。勝ち確の場面で何か呪文を唱えたばかりに、特大の精神振りでライフを吹き飛ばされて、泣きを見る人がきっと多く出るだろうな。
《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》
リミテッド3.5点
今日はツイてるな、と思ったら変異で出して5ターン目から殴りかかってみてもいい。ただその使い方だと、裏の間に除去を撃たれる可能性があるけどね。相手の手の内が分からない間は、一度着地したら手が付けられない性能ではあることだし、6ターン目まで待った方が無難だと思う。でも変異経由で出す選択肢がついてるってだけで、ただでさえ強いクリーチャーが更に強くなってるな。
《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》
リミテッド4.5点
凶暴な拳刃は、リミテッドでも構築でも大暴れ必至。3ターン目に出てきたらバケモノだし、ブロックで止めるのは困難。ゲームが進行するにつれ、更に強くなる。唯一欠点があるとすれば、本当に負けそうな場面では、少なくとも単体で逆転することができないってくらい。それ以外に欲しいものは全部詰まってるよ(なんと若干の除去耐性までね)。
《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》
リミテッド3.0点
ティムールのコモン変異は、他の色より直球勝負なきらいがあるけど、だからといって弱いわけじゃない。巨大生物なのに、デカブツはお呼びでないとき《灰色オーガ/Gray Ogre》として出せる。ただのファッティじゃない、こいつは動けるファッティだ。
《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》
リミテッド4.0点
リミテッドで打消しに怯えることはそうないにしても、瞬速で突然現れて4/4くらいの生物に奇襲をかけれるのは素晴らしい。自軍にトランプルがつくのもオマケとしては嬉しいけれど、強さの大部分は優れたマナレシオと瞬速。こいつの単体性能さ。5マナ6/6とか垂涎モノだろう。
《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy》
リミテッド2.5点
然るべきデッキで使えば凄まじいまでの性能を発揮すると思うけど、ティムールで手を出さないデッキもあると思う。パワーが4以上のクリーチャーがそこそこの数必要だし、積極的に殴るデッキで使いたい。クリーチャーと前のめりな姿勢とは、決して相性が悪くないけどね。
《ティムールの魔除け/Temur Charm》
リミテッド3.5点
《マナ漏出/Mana Leak》、+1/+1修正つき《闘技/Pit Fight》、《尻込み/Falter》っぽい効果の組み合わせは強力そのもの。打消しを構えつつ、打消しで対処できない場合、格闘にいけるのはかなりえげつないし、ゲームを終わらせにいくモードまでついているから、いつ引いても強い。ティムールらしいといえばらしいけど、自陣にクリーチャーがいないときだけ弱いかな。そんなときでも、《マナ漏出/Mana Leak》を唱えたいことはあるはずさ。
《本質捕らえ/Trap Essence》
リミテッド1.5点
対象に制限がある上、唱えづらい打消しはあまりお世話になりたくないが、少なくとも撃てればご褒美は得られるよ。
◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー スゥルタイ・黒 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review – Sultai
Luis Scott-Vargas, 2014年9月16日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-sultai/
黒
黒のリミテッドコモン トップ5
1.《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
2.《消耗する負傷/Debilitating Injury》
3.《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
4.《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
5.《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
黒は重たい除去に、優秀な飛行生物、前のめりデッキ御用達なクリーチャーと揃い踏みだ。中々幅広いラインナップだけど、特にカードの質が気に入った。黒には全マナコストに色々な選択肢があって、どんな種類のデッキを組むときでも役立つカードがある。
明日は赤と一緒にティムールをレビューするよ。ティムールは赤い氏族じゃないんだが、マルドゥと白を最初に組み合わせちゃったものだからさ。全く一筋縄ではいかないゲームだぜ。
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review – Sultai
Luis Scott-Vargas, 2014年9月16日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-sultai/
黒
《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute》
リミテッド3.0点
へえ、名前からすると壁とか、ガッチリ系クリーチャーかと思ったけど違うのか。でもとにかく、殴ってればとてもマナレシオの良いクリーチャーだから、大体のデッキでは採用していいだろう。クリーチャーの少ない、防御的なデッキでだけ疑問符がつくくらいかな。一番支払うだけライフに余裕のあるデッキが、一番敬遠するってのは面白いね。
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
リミテッド3.0点
ライフを支払ってカードを引くのは何度もできることじゃないから、複数枚取るとどんどん弱くなっていく。でも4枚見て2枚を選ぶというのは超強力だ。探査とのシナジーもおまけとしては中々嬉しい。スゥルタイのコントロールで欲しいのはまさにこういうカードだろう。
《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
リミテッド3.0点
前のめりなデッキなら、これぞまさに欲しい一枚。ミッドレンジ~コントロールに寄るほど、これ自体の強さは薄れてしまうから、初手としては、評価が同程度の他のカードに譲ることになるかもしれない(逆にいえば、前のめりになれば3.5点くらいの評価になる)。
《死の投下/Dead Drop》
リミテッド2.0点
死んでも使ってみたい一枚だけど、あらゆるデッキで使えるカードではなさそう。ガチで探査を組んでなくても、探査カードを1,2枚採用して軽く唱えることができるというのは、メカニズム的に良いことだ。でもそれは、探査カード同士の食い合わせはあまり良くないということを反映している。死の投下はかなり重いから、少なくとも少しは墓地を肥やせるよう、労力を割かなくてはいけないだろう。でも6ターン目くらいにこれが使えれば、かなり強いと思う。あと、イラストがかなりいい感じだ。唱えられなくて手札で腐ってたら、絵を見て楽しめばいいな。
《消耗する負傷/Debilitating Injury》
リミテッド3.0点
分かりやすく、軽くて使いやすい。デッキにあって重みにならない。
《蔑み/Despise》
リミテッド1.0点
リミテッドでこういうカードって本当に嫌いなんだ。手札から何か落とせてやっと1:1交換を取れるわけだけど、相手はマナを消費してない上、外したときは無残そのもの。これを唱えたときどんなことが起きるか、相手の凄まじく強いクリーチャーが落とせた場合を含めて考えても、適当に他のそこそこのカードを入れた方がマシじゃないかと思える。そうは言ったものの、全く出番がないわけじゃない。もし相手のデッキに超重量級の強力生物がみっちり詰まってて、その上どいつもこいつも、手札破壊以外対処のしようがないカードばかりなら、サイドから投入することはあるかもしれない。「もし」とか「かもしれない」とかが多いけど、嫌いって明言するからにはちゃんとした理由があるんだよ。
《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
リミテッド3.0点
縁を切るなんてとんでもない。かなり多芸なクリーチャーだ。強襲を達成するのにぴったりだし、前のめりなデッキの序盤ブロッカーになるし、終盤は自身を大きくして殴りにも行ける。
《従順な復活/Dutiful Return》
リミテッド1.5点
強力なクリーチャーがたくさん取れてて、かつ探査を使わないで、しかもカードアドバンテージが必要なら、使ってもいいだろう。大半のデッキは3つも条件があったら当てはまらないものだから、まあ要するに22枚目とか23枚目のカードだね。強いときはかなりの性能を発揮するから、そこだけは普通の数合わせカードと違うところだね。
《奈落の総ざらい/Empty the Pits》
リミテッド2.0点
《悪逆な富/Villainous Wealth》と同じようなカードだけれど、悪逆な富より軽く、効果はより強力な可能性がある。安定して墓地にカードを落とし続けられるなら、6マナでゾンビを4体出すとかも夢じゃないかもしれないし、あるいはもっと凄いことになるかも。名前と違って、カードは奈落の底辺ってわけでもない。普通のデッキには入らないと言ってもね(採用頻度を考えると1.5点級だが、もし使えるような場合はずっと高い点数になるから2.0点をつけておくよ)。
《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
リミテッド3.5点
変異解除の軽さを考えると、カードを数枚引けるような状況にもっていくのは難しくないはずだ。3マナ3/2で、簡単にカードを引けるというのは破格の性能だから、特に工夫しなくても強いはずだ。デッキによっては更に凄まじい芸当が可能性もある。これをサイドボード要員にしておくデッキなんてありえないだろう。
《グルマグの速翼/Gurmag Swiftwing》
リミテッド1.5点
よく考えてみたんだが、強襲があっても素晴らしく強いカードではないんじゃなかろうか。強襲があるからという理由で採用はできると思うけど、他に入れる理由があまり見当たらない。オーラがテーマであるわけでもなし、探査や長久との相性も特に見るものはないし。
《ケルゥの吸血者/Kheru Bloodsucker》
リミテッド1.5点
でかいクリーチャーが多い?おめでとう!既にデッキは十分強いね!確かに、そういうデッキで強いカードだとは思うけれど、他に単体で強いカードがあるときだけ、それによりかかる形で強いカードって、あまり嬉しいカードじゃないよね。サクり台とかドレインする機械いうより、除去対策カードという印象を受けるけど、長期戦になったら相手を吸い殺せることもあるかもな。
《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
リミテッド1.5点
これまたうさんくさい防御カードだけど、重いのでもっさり感は否めない。地上を止めてくれるし、生き残るためのライフも稼いでくれるから、俺は結構使ってもいいかなと思うけど、欠片も興味がないというデッキのが多いだろう。
《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》
リミテッド2.5点
変異としても別に強いとは思えない。変異は高タフネスのが俺好みというのもあるし、表になっても戦闘で一方を取れず、大体相討ちというのは凡庸だ。でもまあ、マナカーブを埋める目的なら入れてもいいんじゃないかな。
《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》
リミテッド3.0点
ブロッカーとしての性能は惨めなものだけど、2:1交換が取れる可能性があるってだけで、どんなデッキでも採用したい。ほぼ強襲を達成できないという確信があるならのけておいてもいいけど、入れない理由を探す方が難しいくらいだ。
《マー=エクの夜刃/Mer-Ek Nightblade》
リミテッド3.0点
戦闘中除去られたくないクリーチャーランキングでも、かなり上の方に名前がある奴だ。しかしそれを差し引いても優秀。マナコストの割には小粒なクリーチャーだけど、それも速やかに自己解決するからね。3/4接死はシャレにならん。
《殻脱ぎ/Molting Snakeskin》
リミテッド1.0点
ここまで見てきて、やっとカード未満のカードだ!マナ効率が良いわけでもなく、除去やバウンスへの弱点が増やすだけという。探査の餌で追放してるときが一番輝くかな(注:お勧めはしないよ)。
《残忍な切断/Murderous Cut》
リミテッド3.5点
ついカッとなってしまったかい?これぞまさに探査呪文のあるべき姿。普通のカードより1マナか2マナ重いだけで、突然予想外のところから1マナで撃ったら大惨事を引き起こせる。
《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》
リミテッド4.0点
5マナくらいで唱えられるというだけで強いし(5マナといっても、5ターン目に唱えることはあまりないと思うけどね)、実質タダでクリーチャー除去のできる能力までついているのは超強力。いずれ餌が尽きるにしても、1体倒せるだけで十分すぎる。
《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》
リミテッド1.5点
パワーが上がるというのは分かるけど、強いセットだから戦利品にわざわざ頼らなくてもいいんじゃないかな。戦士がたくさん取れてるか、トークンをばら撒けるのでない限り(そういうデッキなら、戦士トークンも混じってることだろう)、4マナあれば何か違うことができるはず。
《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret》
リミテッド2.5点
《精神腐敗/Mind Rot》はいつもギリギリ入るくらいの強さで、環境によっては強カードだ。無視できないマナ加速までついているなら、結構使えるはずさ。
《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》
リミテッド1.5点
しかるべきデッキで使えば、カードアドバンテージを稼いでくれる強力なカードだと思うのだけれど、とても気の長い話だし対象も選ぶから《霊体の地滑り/Astral Slide》と呼べるほどではなさそう。長久クリーチャーが6体以上いれば、多分強い。だから2パック目とか3パック目で長久クリーチャーが取れてたら、取ってみていいと思う。この手のカードを最初に確保して、そこからこれを機能させるためのカードを集めるのは好きじゃない。勿論、使ってみたらただ強だったという可能性もあるけど、多分そこまでではないと思う。
《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
リミテッド3.0点
6マナのカードは、デッキにたくさん入れちゃダメって言っただろ!あ、でも俺は欲張ります。節度を守って楽しみたい系プレイヤーなら、6マナとして最初に枠を取るのはこういうカードだ。確定除去はそう簡単に諦められるものじゃないからね。蛇トークンが出るというオマケもジャマにはならない。まあ格段に強くなるわけでもないけどね。脈絡のないアブザンいじめは何なんだ?
《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》
リミテッド1.0点
環境が変異クリーチャーで溢れてるせいで、パワーたった2の、重たいバニラを使う理由がほとんどない。ところで朽ちたらタフネスが上がるっておかしくない?
《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
リミテッド3.5点
1マナ1/1接死として出せる選択肢があるだけで、強くないはずがない。それにこいつは、突然相手の巨大クリーチャーを打ち倒したり、ライフが追いつめられている対戦相手にとどめを刺すこともできる。実に多芸だ。
《よろめく従者/Shambling Attendants》
リミテッド2.5点
ほとんどのデッキで、重めの探査枠は1,2枚だとすると、こいつに活躍の場は多くなさそうだ。それでもクリーチャーとしては強い部類だから喜んで使いたいと思うけれど、他の探査系カードと比べると見劣りするのも確か。
《シディシのペット/Sidisi’s Pet》
リミテッド3.0点
変異解除が軽くて、ブロック性能も良好。変異からのライフゲインも驚くほどではないにしろ、ついてて悪いものじゃない。
《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
リミテッド3.5点
探査をつけてくれるなら、3/3飛行が1マナ重くなったって全く構わない。しかも大体、4マナくらいで出てこれるとくれば実に素晴らしい。探査の入れ過ぎには気を付けたいけれど、こいつは探査軍団でも筆頭候補だね。
《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》
リミテッド2.0点
最初は小さいものの、ひとたび戦闘が起きれば栄えある巨大飛行クリーチャーの仲間入りだ。こいつ中心のデッキが組めたらさぞかしバケモノのような強さだろうけれど、そんな頑張らなくても危険なカードであることは間違いない。相手の場にこいつがいたら、戦闘を仕掛けたいとは思わないね。ただ、除去やバウンスに対する脆さがあるから、あまり早く取りたいカードではないかな。
《絞首/Throttle》
リミテッド3.0点
《鞭の一振り/Lash of the Whip》が超強力だと主張する人はついぞ見たことがないけど、それとてデッキから抜けるようなカードでもなかった。変異コストと絞首を同時に構えられれば、ちょっと強さも増すというもの。それにつまるところ、除去は除去だからね。《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》の方が確定除去な分、重要だと思うけど、6マナのカードを大量に入れたら自分の首を絞めてるようなものだからね。
《不撓のクルーマ/Unyielding Krumar》
リミテッド2.5点
白黒デッキで使えば、止めにくい《丘巨人/Hill Giant》だから悪くはない。目を見張る強さではないにしろね。
黒のリミテッドコモン トップ5
1.《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
2.《消耗する負傷/Debilitating Injury》
3.《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
4.《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
5.《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
黒は重たい除去に、優秀な飛行生物、前のめりデッキ御用達なクリーチャーと揃い踏みだ。中々幅広いラインナップだけど、特にカードの質が気に入った。黒には全マナコストに色々な選択肢があって、どんな種類のデッキを組むときでも役立つカードがある。
明日は赤と一緒にティムールをレビューするよ。ティムールは赤い氏族じゃないんだが、マルドゥと白を最初に組み合わせちゃったものだからさ。全く一筋縄ではいかないゲームだぜ。
LSV
◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー スゥルタイ・黒 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review – Sultai
Luis Scott-Vargas, 2014年9月16日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-sultai/
Khans of Tarkir Limited Set Review – Sultai
Luis Scott-Vargas, 2014年9月16日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-sultai/
《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul》
リミテッド3.0点
表になったらそこそこサイズの飛行・ルーター能力持ち変異ってだけじゃ、3色決めなきゃならないのに見合っていない。でも十分強力ではあるし変異もついてるから、まず合格ってとこかな。変異がついてることで救われてるカードの一つだね。3マナとして出せないとかなり微妙だったろう。場面によって、重量級としてもマナカーブを埋める目的でも出せるクリーチャーって貴重だと思うよ。
《死の激情/Death Frenzy》
リミテッド3.5点
盤面の掃除についてくるちょっとのライフゲインだが、これぞまさに全体除去についていてほしい効果。変異で溢れた環境では、かなり使いでがあるだろう。あまり使われても気にかけないようなデッキもあるだろうけど、相手に知られてなければ痛恨の一撃をお見舞いできるし、知られていたとしても大打撃を与えられるだろう。
《死者の王、ケルゥ/Kheru Lich Lord》
リミテッド3.0点
いいか皆、翻訳には気を付けろよ。ケルゥは人名じゃない。カードの方は、ランダムの王とでも名乗ることが許されそう。マナを支払ってから、何が返ってくるのか蓋を開けてみるというのはおかしな気もするが、まあギャンブルとか好きやから。コンボ的視点では、探査で弱いクリーチャーを追放しておくというのがまず思いつくけど、単体で使ってもまあまあ悪くないアドバンテージを稼いでくれるだろう。6マナ4/4というのはパッとしないけれど、場に出たときに何かするクリーチャーがいれば中々良さそうだ。
《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》
リミテッド4.0点
2マナ域で、いつ引いても強いクリーチャーだって?TUEEEEEEEEE
序盤にこいつをブロックは中々しづらいし、何があろうとも鉄壁の守りを発揮するし、最終的にはどんなブロッカーをも突破してしまう。しかもその間除去されづらいとは、いやはや恐れいったね。
《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》
リミテッド3.0点
スゥルタイの3色で、探査って書いてあるカードが1枚か2枚でもあるならまずデッキに入るといっても誇張にはならないだろう。でも、探査が無かったりマナベースがキツければ、抜いても差し支えない。探査がいっぱい入ってるデッキなら、かなり汚い強さを見せつけてくれそうだ。除去られなければ速やかに相手を屠ってくれるだろう。
《秘密の計画/Secret Plans》
リミテッド1.5点
変異がたくさん入ってるなら、まあまあ使えるかも。ただ、変異が表になったら修正が消えるから、ちゃんと心構えをしておいてね。個人的には多分、変異が7枚以上ないなら使わないと思う。勿論、変異なら何でもいいわけじゃなく、色や条件が合ってて表にできる奴が7体だ(これがあるからって、色の合わない変異を使うほどじゃないぞ)。
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》
リミテッド4.0点
4マナ3/3に2/2が(大体)くっついてくるってのは素晴らしい。攻撃に行くと2/2が湧いてくるとくれば更に嬉しい。クリーチャー数が14体より少なくなると、シディシの強さも陰りが見えてくるが、肉々しければ大体都合よくいくだろう。あと、相手がライブラリーアウトだと表情が凍りつくこと請け合い。
《スゥルタイの隆盛/Sultai Ascendancy》
リミテッド3.5点
早めにこれを置けたら、長期戦には勝ったも同然。おっと、掘って掘って辿り着きたくなる強いカードがデッキに必要だけどね。しかも探査呪文に燃料をどんどん供給できるから、これぞまさにドラフトで専用デッキを作ってみたくなる一枚だ。
《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm》
リミテッド3.5点
範囲が狭い確定除去に、腐るの防止でエンチャント・アーティファクト除去がついているだけでかなり有用で、サイクリング的に違うカードに変換もできる。予想通り、今回の魔除けも全部柔軟なカードばかりだ。他の魔除けに比べると控え目だけど、色が合えば確実に入るだろう。絶対に腐らないカードの強さはとかく過小評価されがちだからね。
《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》
リミテッド3.5点
《衝動/Impulse》と《暗黒の儀式/Dark Ritual》と2/5クリーチャーの抱き合わせがたった5マナ!?1000枚取れ!!
《悪逆な富/Villainous Wealth》
リミテッド1.5点
俺が今思ってるよりも更に、環境がかなーり遅いとかでもない限り(そして覚えておいてほしいんだが、こと環境が遅いと思い込むことに関しては、俺は誰にも譲らないくらいなんだぜ)、夢見るようなことはできないだろう。少なくとも7マナか8マナは使えないとまず唱える気にはなれないだろうし、本当にリッチになりたければ8マナか9マナは元手に使えないといけないけど、そんなにマナが出てたらもうゲームに勝ってそうなもんだよね。もしかしたらドラフトで、これをフィニッシャーに据えるようなコントロールデッキとか、マナ加速するランプデッキが組めるかもしれないけど、普通のスゥルタイデッキではお呼びじゃないと思う。
◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー ジェスカイ・青 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Jeskai
Luis Scott-Vargas, 2014年9月15日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-jeskai/
教えてもらったんだが、どうもタルキールの氏族は、1色とその対抗色2色の楔3色ではあっても、中心となる色が必ずしも氏族に結びついているわけじゃないらしい。本当は、マルドゥは赤で、白の氏族ではなかったとか。そんなわけで氏族+テーマ的に正しい色をレビューしていこうと思うんだけど、もう白はレビューしちゃったから、ちょっと合わないところが出てきてしまいそう。ジェスカイは青の氏族。青はまだ残ってるから、早速見ていこう。
多色・ジェスカイ
青
青のリミテッドコモントップ5
5.《宝船の巡航/Treasure Cruise》
4.《悪寒/Crippling Chill》
3.《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
2.《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》
1.《引き剥がし/Force Away》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》以外はどれも前のめりなテンポデッキ用っぽいから、青を使うときは意識するべきだろうね。探査を使ったコントロールもできなくもなさそうとはいえ、青の氏族はジェスカイだから(もう覚えたよ!)、青中心のデッキは攻撃に行くことが多いだろう。宝船の巡航は、他の高評価カードを差し置いてトップ5に入ってるけど、何せ宝船はカードがひけるから……という以外にも至極まともな理由がある。宝船の巡航は、強いとき本当に強くて、《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》みたいな適当な中堅どころなど歯牙にもかけない強さだと思う。どんなデッキにも入るカードじゃないにしてもね。使い物にならないことがあっても、しかるべきデッキで使えば3.5点級のカードだろうから、高い順位にしたんだ。
明日はスゥルタイをレビューするよ。願わくば、最強の氏族であって欲しいものだ。
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Jeskai
Luis Scott-Vargas, 2014年9月15日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-jeskai/
教えてもらったんだが、どうもタルキールの氏族は、1色とその対抗色2色の楔3色ではあっても、中心となる色が必ずしも氏族に結びついているわけじゃないらしい。本当は、マルドゥは赤で、白の氏族ではなかったとか。そんなわけで氏族+テーマ的に正しい色をレビューしていこうと思うんだけど、もう白はレビューしちゃったから、ちょっと合わないところが出てきてしまいそう。ジェスカイは青の氏族。青はまだ残ってるから、早速見ていこう。
多色・ジェスカイ
《跳ね返す掌/Deflecting Palm》
リミテッド2.5点
実際に使うより見た目は強そう。間違いなく悪いカードではないにしろ、4点ダメージを軽減して、相手の顔面に4点を叩き込むというのは、毎回必ず欲しくなる効果ではないだろう。これが輝くときはマジキチな強さを発揮すると思う。9/9とかまで育った長久クリーチャーを受け止めて、相手をあっさり退場させられそうだしね。でも、カードアドバンテージを巡る攻防が中心のゲームでは、あまり活躍の場がないかもしれない。果敢を誘発させられるのは中々嬉しい。デッキによっては、とにかく軽い呪文を詰め込むような場合もあるだろう。そんなデッキでダメージレースをしてこれを撃ったら、鬼畜な一撃になるだろう。ダメージレースを仕掛けるテンポデッキで使いたい。カードアドバンテージで相手をすり潰す、コントロールデッキでは入れないこともあるかもね。
《イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmaster》
リミテッド3.0点
強い変異クリーチャーに引っかからないようにするのは容易でない。イフリートの武器熟練者は、大損害を受けかねない罠を張ってくる危険な奴だ。武器熟練者は、ジェスカイを相手にするときは常に計算に入れなくてはならないカードの一つだと思う。複数のクリーチャーで戦闘する場合、熟練者が表になる可能性があるかどうかで、戦闘はがらりと変わってくる。ちょっと重いし、単体で出すと更に重さがのしかかってくるから、血眼になって取らなくてもいいと思うよ。
《飛鶴の技/Flying Crane Technique》
リミテッド4.0点
近年の《踏み荒らし/Overrun》の中でも最高だ!フレイバーが本当に素敵だし、守りで使っても攻めで使っても壊滅的な打撃を与えられる(構えるには少し重いけど)。自軍に飛行がいなくても、相手に大ダメージを叩き込めるときたもんだ。性能を十分引き出すには頭数が十分必要だし、小さいクリーチャーばかりでもイマイチだけど、中型くらいのクリーチャーがいれば、10点以上のダメージは簡単に見込めるだろう。
《高峰のカマキリ/Highspire Mantis》
リミテッド3.5点
トランプルが無くたって、4マナ3/3飛行は十分強い。たまにブロックを貫通してダメージを通すこともできるしね。
《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》
リミテッド3.5点
是非使って気持ち良くなってみたい。2つの能力の噛み合いが実に素晴らしいんだ。ゲームが長引けば長引くほど手札の質が上がる上、突然こちらのクリーチャーが全部アンタップして迎え撃ってくる可能性があるとなると、相手にとっては戦闘がやりづらくなるし、ゲームを決めに来ることも非常に困難になる。呪文をたくさん使いたいところだから、まあ8枚以上呪文がデッキに入っていれば、十分すぎるくらい強く機能するだろう。評価が高いのは、上手く組めたときの強さを反映してあるからだよ。いつでも上手くいくわけじゃないと思うけどね。
《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》
リミテッド3.5点
《追い返し/Repel》は序盤から中盤にかけて中々強力だし、本体4点の火力も、全体強化と絆魂を付けるのも悪くない。丸く強い魔除けだ(まあ魔除けって全部そういうものだが)。様々な盤面に対応した、強力な効果の中から好きなのを選べるって?乗った!
《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
リミテッド3.5点
《高峰のカマキリ/Highspire Mantis》よりちょっと優秀だけど、色が一色増えてる上に、そこまで大きく性能は違わないから、点数は同じくらいに落ち着くかな。人によっては、カードパワーが違うのに点数が同じというのが気に食わないこともあるかもしれないけど、そういう評価もあっていいと思うよ。とにかく、カマキリの乗り手は強いカードだから、ジェスカイをやる理由になるね。守るデッキにも攻めるデッキにもよく合う。
《道極め/Master the Way》
リミテッド3.5点
3ターン目に《予言/Divination》を唱え続けて、ついに極めてしまったか……。《予言/Divination》してから唱えるのに拘らなくても、強い使い方が山ほどあるというのは嬉しい。是非、道を究めたいものだね。2~3点ダメージを飛ばさないようにする方が難しいだろう。それにドローもできる。俺にとっては重要さ。
《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》
リミテッド3.0点
ナーセットにはもっと高い点数をつけてあげたいんだけど、6マナ3/2でせいぜい呪文が1枚めくれるかどうかというのは、ちょっとむらがありすぎる。呪文が10枚以上入ってるデッキならかなり強いと思うけど、早めに手を出して、強い呪文をかき集めればいいと安直に思わない方がいい。呪禁と先制攻撃が同時にくっついてるから、除去はきかないしパワーを上げる効果との相性もいい。何かコンボができそうだけれど、リミテッドの爆弾レアというのは、他のカードと合わせなくても、単体で強いもののことを言うんだぜ。
《内向きの目の賢者/Sage of the Inward Eye》
リミテッド3.5点
ジェスカイはこいつのように、壊れでない程度に強力なカードと、絆魂を付けるカードに恵まれているらしい。ダメージレースに持ち込むのが得策で、レースにさえしてしまえば、制するための道具は色々揃っているようだ。内向きの目の賢者は、そこそこのサイズの飛行クリーチャーで、無視できない能力がついている。文句なしに採用したい強カードだ。
《眼の管理人/Warden of the Eye》
リミテッド3.0点
《イゼットの時術師/Izzet Chronarch》は好きだったなあ。こいつは何と、アーティファクトやプレインズウォーカーまで拾ってしまうんだ。ジェスカイデッキなら、少なくとも4枚は回収できる対象があるはず。回収先が8枚ともなれば、かなりの存在感になってくるはず。
《冬の炎/Winterflame》
リミテッド3.5点
最低でも《ショック/Shock》で、上手くいけば大きくテンポを奪うこともできる。冬の炎はジェスカイのカードでも、かなり強力な部類だ(というか唱えられるデッキでさえあれば何で使っても強い)。ダメージレースで使ってもいいし、果敢を誘発させるにもぴったりで、形勢がかなり不利でも、1ターン分くらいの時間稼ぎはまず保障してくれる。
青
《目潰しのしぶき/Blinding Spray》
リミテッド3.0点
とても強いけれど、カードを引くって一文に目潰しくらってるんじゃないと思いたいね。これだけ重いと構えててもバレバレだから、むしろ攻めるデッキで使って、ブロックするならこれで壊滅、通されるなら更に展開っていうように、先に動くことを強要していきたい。怪しげに5マナ立ててターンを返して、相手が攻撃しないことを選んだら、何とも惨めな結果に終わってしまう。少なくともキャントリップ付きの《濃霧/Fog》にはなるから、使おうとしておかしなことになる事態はないと考えにくいけどね。
《取り消し/Cancel》
リミテッド2.0点
《取り消し/Cancel》がどんな評価に落ち着くかというのは、リミテッド環境が新しくなるたび、とても面白くて毎回楽しみにしてるんだ。今回は普通のセットより青青を揃えるのがかなり難しそうだ。これは取り消しを使う上でかなり大きい。打消し呪文の打ちどころは一瞬だ。消したい呪文を相手が唱えた、その瞬間、構えておかないといけない。だからマナ基盤によっては、使用に堪えないこともあるだろう。遅めのデッキ相手に対しては有効だけど、そんな遅い上に受け身なデッキを目指す環境だとも思えなくってね(遅いデッキがいなければ、取り消しを使う相手にそうお目にかからないってことだからね)。
《賢いなりすまし/Clever Impersonator》
リミテッド3.5点
プレインズウォーカーがコピーできるとか胸熱だな!間違いなく環境が面白くなるぞ。早く使ってみたいね。おっと、そりゃ構築の話だった。リミテッドではただのオマケつきな《クローン/Clone》だが、クローンって強いのが普通だからね(相手のカードにもなれるクローン限定な!)
《悪寒/Crippling Chill》
リミテッド3.0点
カードを失わず、マナを使って悪漢を黙らせる。こういうカードは大好きだ。こういう戦略的に使えるカードがあると、ゲームがとても面白くなるよね。墓地にカードを落とし、果敢を誘発させることもできる。何とも優秀なカードだ。
《時を越えた探索/Dig Through Time》
リミテッド2.0点
効果は間違いなく強力だが、2体布告除去の死の投下や、巨大な探査クリーチャーより優先してデッキに入れるとは思えないし、リミテッドでは平均してそこまで探査が潤沢に使えるとは思わない。探査は好きだよ。何せマナ加速して強力なカードをプレイしてるようなものだからね。ただ、重たい探査の呪文が、何も考えずにデッキに全部入れられるとは思えないってことは言っておきたい。何枚も使うとかなり重たいだろうからね。呪文として見れば、爆弾レアがデッキにあるとき、掘る呪文としてかなり偉いだろう。マナコストも凄いことになってるから、本気で探査を使うデッキしか手を出そうとしなさそうなのもいい。使うなら全力でいこう。
《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
リミテッド2.5点
いつでも一枚はメインデッキに入れたい。でも環境が分からないうちは、複数枚採用には慎重になろうと思う。相手が重いところを変異で出してきたら、軽蔑的な一撃を回避できるというのは間違いなく痛手だ。重いところは変異しか入っていないデッキだって普通にあるだろう。それでも一枚は強いだろうし、これが輝く頃には、2マナくらい構えて動いても平気だろう。
《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》
リミテッド3.0点
壁、情報、変異と揃ってて最高だな。コントロールが欲しいのはまさにこういうカードだ。前のめりなデッキでも、意外性のある変異がちらほらいても悪くないだろう。
《春の具象化/Embodiment of Spring》
リミテッド2.5点
実質2色のカード。それも青か緑のどちらかがタッチレベルでは使う価値がない。青と緑がメインのデッキでは、マナ安定にもなるし序盤の守りとしても使える。青と緑を取ると決めたら早めに確保しにいきたい(だから1パック目だと6手以降で取ることになるかな?)。
《引き剥がし/Force Away》
リミテッド3.5点
ルーター能力はそれほど重要じゃないけれど、重たいクリーチャーがひしめいてる環境で、《送還/Unsummon》は歓迎だ。重量級のカードはそこかしこにあるから、バウンスは青いデッキまっしぐらだと思う。果敢と組み合わせてもいいし、長久を無かったことにもできるし、探査の餌にもなる。
《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》
リミテッド3.0点
変異に3点を付け続けてるけれど、変異の強さはまさに3点級。色があってても使いたくない変異にゃ、お目にかかったことがない。正直言って、色が合わなくたって入れたくなる奴すらいるよ。
《凍氷破/Icy Blast》
リミテッド3.5点
ヤバすぎる効果だから喜んで3.5点くらいはあげたい。でも、《霜のブレス/Frost Breath》以下ということが結構あるのは覚えておこう。獰猛を達成しているときの効果が、狙った通りに決まったら最高だ。終盤両軍が睨みをきかせているところに撃ったらゲームが決まるだろう。クリーチャー5体を2ターンの間寝たきりにするというのは凄まじい効果だから、撃たれたらまず助からないだろう。
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》
リミテッド2.0点
果敢に厄介な能力がついているのはいいね。悪いことができそう。2マナ1/2だから、使うなら何か仕込んでおきたいところ。だから青ければすぐ入るカードでもない(ジェスカイですら、入らないこともあるかも)。俺はこういう、デッキをそれ用に組んでやると強くて、要らない人にとっては無価値なカードが好きだ。
《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》
リミテッド3.0点
どんな青いデッキにでも顔を出す、物見高い奴だ。
《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》
リミテッド3.0点
相手の超強力な呪文を奪うというイカれた奴だが、何も考えずに取れるカードではないと思う。こいつは変異であり《丘巨人/Hill Giant》でもあるから、最低限の性能はかなり高い方だけど、6マナはとても重い。ゲームによっては大活躍してくれると思うけど、優良除去や万能なカードを差し置いて取るかは、よくよく考えた上で決めた方がいいと思う。
《霧炎の織り手/Mistfire Weaver》
リミテッド3.5点
対照的にこちらは、唱えても変異解除でも軽くて使いやすい。3マナを使って除去を打ち消すのと、6マナ立てておいて除去呪文を奪うのとでは随分違う。それに、地上の3/3より3/1飛行のが優秀なことは多いしね。
《僧院の群れ/Monastery Flock》
リミテッド3.0点
飛行を止めるのは、飛行で殴るのと同じくらい大切だ。少なくとも、俺は自分に大切だって言い聞かせてるよ。壁に隠れて《宝船の巡航/Treasure Cruise》でドローするという大切な使命があるからね。変異解除が軽いから、除去もかわしやすいと思うけど、《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》がいる分少し見劣りするか。学者も存在するから、相手からすると青いデッキの変異にダメージ除去を当てるときは慎重になるかもしれない。アドバンテージを取るのは少し難しいかもね。
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
リミテッド3.0点
素出しでも変異経由でも、相手にとってはレースを挑むことすら容易でない速さのクロックになる。特にジェスカイ道の奥義には、絆魂を付ける手段が何百とあるみたいだからね。タフネスは低いから、ブロックしてもうまくないが、攻めるのにはこれくらいぴったりなカードもないだろう。
《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》
リミテッド3.5点
こいつの強さの核は、ほとんど高いパワーとタフネスだけだから、あまり高い点をつけるのは気がひける。とはいえ、相手の攻撃に対して待ち伏せて奇襲をかけたり、除去耐性があるのは中々いいと思う。6/7に果敢がついててもなんてことはにが、7点で殴れるターンがあったって悪くはないな。どちらかというとリミテッドより構築用っぽいよね。打ち消されないとか、自分を守る能力とかさ。
《物静かな熟考/Quiet Contemplation》
リミテッド2.0点
どんなデッキにも入るわけじゃないにしろ、強いデッキではひたすら強いカードだと思う。2ターンに1回使えるだけでも、クリーチャー1体を寝たきりにできるんだ。呪文多めのビートダウンデッキに組み込めれば、ブロックするにしろダメージレースを仕掛けるにしろ、悪夢のような戦いを強いることができるだろう。前のめりなジェスカイデッキでは、クリーチャーと呪文の数をどういじればいいのか。こういうカードもあるしかなり考えないとならないみたいだ。
《河水環の曲芸士/Riverwheel Aerialists》
リミテッド3.5点
あまり呪文の入っていないデッキでも、4/5飛行はかなりの突破力。これまた絆魂との相性がいいカードだね。呪文を使えなくても、ブロック性能が高いのは気に入った。多分、出したターンは呪文を構えられないだろうからさ。
《湯熱の精/Scaldkin》
リミテッド3.0点
青赤なら、デッキにほぼ無条件で放り込んでいいと思う。飛びつきたくなる性能ではないにしてもね。4マナ2/2飛行で、重たいショックにもなれるというのは効率こそよくないが、どちらもカード一枚分としては十分な性能だ。
《氷河の末裔/Scion of Glaciers》
リミテッド3.0点
まず4マナ2/5というのはかなり良好なサイズだし、パワーとタフネスの値を変えられるのは、攻撃でもブロックでも、相手からするとやりづらいだろう。地味だけど仕事はできる奴だ。
《漂流/Set Adrift》
リミテッド3.5点
安定して3マナか4マナで唱えられるデッキで使うなら、かなり強力といえるだろう。積極的に探査用の燃料を墓地に落とさないデッキでも、5ターン目くらいには4マナか5マナで使えるんじゃないだろうか。それに終盤には1マナで唱えられる可能性があるとくれば、かなり壊れ性能といえる。マナアドバンテージを稼ぐのは難しくないし、1:1交換も約束されている。
《鐘音の一撃/Singing Bell Strike》
リミテッド2.0点
除去ではあるものの、遅いデッキにとってはリスクも伴う。前のめりなデッキにとっては、強化版《抑圧的な光線/Oppressive Rays》だから福音の鐘だろうし(抑圧的な光線だって使われたのだ)、ミッドレンジやコントロールデッキでも、序盤を凌ぐために使うだろう。けれど、ゲームが長引く想定なら最終的にはエンチャント先と戦わないといけない。だから終盤戦を戦おうと思うなら、デッキにあるったけ入れるのはやめた方がいい。
《頑固な否認/Stubborn Denial》
リミテッド0.5点
俺は《否認/Negate》が好きだけど、不確定な否認はお呼びじゃない。サイドから入れるなら悪くないし、特にパワーが4以上のクリーチャーの頭数がそこそこいるなら結構だが、メインに入れるのはお勧めしないね。
《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》
リミテッド1.0点
策謀を巡らせた結果が、探査専用の《暗黒の儀式/Dark Ritual》だって?ドローの質も上げられるとはいえ、探査用マナ加速とドローの質向上が、カード1枚分に相当するとは思えない。ターボ探査みたいなデッキがあれば使いでもあるかもしれないけど、探査もそこまでぶっ壊れじゃないからね。カード1枚を使ってまで、早いターンで唱えられるようにしても仕方ないと思う。
《千の風/Thousand Winds》
リミテッド4.0点
《マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn》に、相手のクリーチャー全部を《激動/Upheaval》する能力が付いたって?お墓の前で泣かせてやんよ。ケアしてプレイするのが難しい部類のカードじゃないが、相手が上手く攻めてこれないで、こっちは5/6飛行を表にするなら、何だ結構悪くないじゃないか。レアの強力変異クリーチャーの常だけど、強い変異がいるだけで、コモンの変異も使いやすくなる。こちらのデッキにヤバい変異が潜んでいると知れたら、相手は血眼で除去をぶっ放してくるかもしれない。《氷河の末裔/Scion of Glaciers》でも入れて避雷針にして、存分に泣かせてやろう。
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
リミテッド4.5点!!!!
* おおっと *、うっかり点数の代わりに、デッキに入れる希望枚数を書いてしまったようだぜ!まず一枚目使えば、更に次の宝船も近づく(ああ、他の探査もね)。垂涎モノ。それに6ターン目や7ターン目に、手札を補充できるのは素晴らしい。実際の点数は2.0点とかそのくらいだろうね。前のめりなデッキや、積極的に墓地にカードを落とさないデッキにとって、6マナのドロー呪文はお呼びじゃない。とはいえ効果は間違いなく強烈だよ。
《水渦/Waterwhirl》
リミテッド3.5点
6マナは軽くないけれど、乗るしかないこのビッグウェーブに。バウンスに6マナかかっても、6マナ以上のクリーチャーを戻すのは簡単だろう。しかもそれがインスタントでできるとなれば、接戦から形勢逆転にも十分持って行ける。今回の青には、攻めてるとき輝くカードが多いね。リミテッドで青は、いつも攻撃の色ってわけでもないんだけど。
《運命編み/Weave Fate》
リミテッド2.5点
普通ならこういうカードがレビューを締めくくるんだけど、今回はWで始まるカードが複数あってね。どんなデッキにも入るカードじゃないってのは認めざるを得ないけど、4マナでも喜んで使うデッキもあるんじゃないかな。インスタントなおかげで、変異、打消し、果敢。ささやかながらみんな幸せ。2枚カードがひけて俺も幸せ。
《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》
リミテッド2.0点
変異環境で、2マナパワー2はまさに王者の風格。王者は言い過ぎでも、カード未満ではない風格。
《旋風の達人/Whirlwind Adept》
リミテッド1.5点
5マナで変異ついてない男の人って……。しかも守るとき弱い上に、サイズも大したことがない。除去耐性ってのは、除去を撃たれるような能力がついてるから偉いんだ。
青のリミテッドコモントップ5
5.《宝船の巡航/Treasure Cruise》
4.《悪寒/Crippling Chill》
3.《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
2.《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》
1.《引き剥がし/Force Away》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》以外はどれも前のめりなテンポデッキ用っぽいから、青を使うときは意識するべきだろうね。探査を使ったコントロールもできなくもなさそうとはいえ、青の氏族はジェスカイだから(もう覚えたよ!)、青中心のデッキは攻撃に行くことが多いだろう。宝船の巡航は、他の高評価カードを差し置いてトップ5に入ってるけど、何せ宝船はカードがひけるから……という以外にも至極まともな理由がある。宝船の巡航は、強いとき本当に強くて、《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》みたいな適当な中堅どころなど歯牙にもかけない強さだと思う。どんなデッキにも入るカードじゃないにしてもね。使い物にならないことがあっても、しかるべきデッキで使えば3.5点級のカードだろうから、高い順位にしたんだ。
明日はスゥルタイをレビューするよ。願わくば、最強の氏族であって欲しいものだ。
LSV
【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー マルドゥ・白 (by LSV)
2014年9月16日 翻訳 コメント (3)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚 リミテッドレビュー マルドゥ・白 (by LSV)
Khans of Tarkir Limited Set Review - Mardu + White
Luis Scott-Vargas, 2014年9月14日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-mardu-white/
タルキール覇王譚のセットレビューへようこそ!今回は3色の氏族を一つ一つ、単色のカードと一緒に評価していくよ。今日はマルドゥ(赤白黒)と、白のカードを見てく予定なんだが、白はアブザンとジェスカイにも属す色でもある。だから白のカードは、マルドゥ・アブザン・ジェスカイ視点で比較検討していくことになるかな。多色は多色で、2色は2つの氏族でどうかって具合に、きちんと見ていくからね。最終的には全てのカードをレビューするわけだから、これが理に叶ったやりかただと思う。
多色のカードの評価は、ほとんどのデッキが3色で構築されるって前提で評価していくよ。全部が全部3色なわけじゃないけれど、アラーラの断片のときの経験からいえば、3色以外でデッキを組むのは大変だったからさ(アラーラは3色セットの先輩。マナ安定要素は今回ほど充実してなかったけど)。3色前提ってことはつまり、多色のカードの評価が現実の色拘束を計算に入れた場合より、ちょっぴり高くなるということだ。だからといって、色安定要素を全く取らずにいても全く問題ないという意味じゃないよ。アラーラの断片では、3色土地ことタップイントライランドは十分初手で取って良かった。今回もそこは変わらないだろう。
いつも通り、点数付けはこんな具合だ:
というわけで、カードを見ていこう!
多色
マルドゥ
白
白のリミテッドトップ5
5.《必殺の一射/Kill Shot》
4.《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
3.《大物潰し/Smite the Monstrous》
2.《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
1.《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
白のコモンはどれも超強力ではないものの、マルドゥのコモンは気に入ったよ(子馬乗り部隊のことね)。《必殺の一射/Kill Shot》を過大評価しているかもしれないというのは分かってるんだけど、対戦相手の巨大な多色カードに対する回答は、持っておくのが望ましいと思うんだ。《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》は本当に強いと思うし、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》は攻守ともに隙がない。この環境では全ての色が、それぞれ異なるスタイルを持つ氏族に複数属しているせいで、同じ色でもカードの性質に競合が起きている。白のコモンにも見て取れるね。氏族ごとの食い合わせによって、単色の柔軟さが決まってくるだろう(強襲と果敢は相性のいい組み合わせだけど、長久は合わないなど)。あと、真の力を発揮するのに、どのくらい氏族のテーマに合わせた構築をする必要があるのかというのも未知数だ。考えるのはきっと楽しいぜ。難しい問題だけど、リミテッド環境に習熟するためには、考えるのが大切さ。
明日はティムールをレビューするよ。もしかすると、ティムールこそ最強の氏族かもしれないぜ(文字通りの意味でね)。
LSV
Khans of Tarkir Limited Set Review - Mardu + White
Luis Scott-Vargas, 2014年9月14日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-limited-set-review-mardu-white/
タルキール覇王譚のセットレビューへようこそ!今回は3色の氏族を一つ一つ、単色のカードと一緒に評価していくよ。今日はマルドゥ(赤白黒)と、白のカードを見てく予定なんだが、白はアブザンとジェスカイにも属す色でもある。だから白のカードは、マルドゥ・アブザン・ジェスカイ視点で比較検討していくことになるかな。多色は多色で、2色は2つの氏族でどうかって具合に、きちんと見ていくからね。最終的には全てのカードをレビューするわけだから、これが理に叶ったやりかただと思う。
多色のカードの評価は、ほとんどのデッキが3色で構築されるって前提で評価していくよ。全部が全部3色なわけじゃないけれど、アラーラの断片のときの経験からいえば、3色以外でデッキを組むのは大変だったからさ(アラーラは3色セットの先輩。マナ安定要素は今回ほど充実してなかったけど)。3色前提ってことはつまり、多色のカードの評価が現実の色拘束を計算に入れた場合より、ちょっぴり高くなるということだ。だからといって、色安定要素を全く取らずにいても全く問題ないという意味じゃないよ。アラーラの断片では、3色土地ことタップイントライランドは十分初手で取って良かった。今回もそこは変わらないだろう。
いつも通り、点数付けはこんな具合だ:
5.0点 強すぎる神いわゆるゴッド。《群れネズミ/Pack Rat》、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
4.5点 素晴らしい爆弾レアだが、対処できなくはない。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》、《超音速のドラゴン/Hypersonic Dragon》
4.0点 優秀なレアや、それに比肩し得るアンコモン。《密集軍の指揮者/Phalanx Leader》、《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士/Vitu-Ghazi Guildmage》、《混沌のインプ/Chaos Imps》
3.5点 トップコモンや強力なアンコモン。《稲妻の一撃/Lightning Strike》、《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad》、《屑肉の刻み獣/Dreg Mangler》
3.0点 ほぼデッキに入る良カード。《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad》、《本質の散乱/Essence Scatter》
2.5点 まず抜けることのないカード。《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur》、《死の歓楽者/Dead Reveler》
2.0点 数合わせでデッキに入る。でもたまに抜けるカード。《蛮族の血気/Savage Surge》、《前兆語り/Omenspeaker》、《武器庫の護衛/Armory Guard》
1.5点 頭数の水増し。入るかどうかは半々くらい。《鋤引きの雄牛/Yoked Ox》、《長屋壊し/Tenement Crasher》
1.0点 数合わせとしても役不足。ほぼ入らない。《迷宮での迷子/Lost in a Labyrinth》、《無視/Pay No Heed》
0.5点 ギリギリデッキに入るかどうかなカード。もしくはサイドボード用カード。《瓦礫の調査/Survey the Wreckage》、《天界の粛清/Celestial Purge》
0.0点 役立たず。《市内捜査/Search the City》、《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
というわけで、カードを見ていこう!
多色
マルドゥ
《足首裂き/Ankle Shanker》
リミテッド3.5点
こいつというよりマルドゥのカードは大体、ビートダウンする側で使いたいだろう。ドラフトでマルドゥを使うなら殴り1択、というようなことはないと思うけれど、殴りに行った方が良いことは多そうだ。マルドゥの力の大部分は強襲のメカニズムから来るものだから、強襲に関係なく毎ターン自然に攻撃に行けるデッキなら、ぐっと強さも上がるというもの。コントロールでも強襲は使えるけれど、誘発できなかったり、したくない戦闘をしなくてはならない羽目になるかもしれない。ビートダウンなら、そういう事態にはなりにくいだろう。
そんなことを踏まえた上で、足首裂きを見てみよう。馬鹿げて低いマナレシオ(と名前)だが、その脅威はホンモノだ。敵軍で先制攻撃がついていないクリーチャーが全部チャンプブロッカーに成り果てるせいで、押していた盤面が一気に喉元へ迫るものとなる。一番の欠点は、こいつが単体だと大した脅威でないことで、登場の前にお膳立てしておかないと、大して戦局は動かない。それでも、こいつのせいで相手を叩きのめせることもあれば、膠着した盤面を文字通り破壊してのけれるカードなのは間違いない。
《軍族の解体者/Butcher of the Horde》
リミテッド4.0点
2番目の能力がなくたって強いのに、その2番目の能力が異様な強さだ。ダメージレースを挑むのが難しい巨大な飛行クリーチャーは、3色のマナコストに見合ったものだし、こいつに寄せた構築を全くしなくても十分強い(とはいえ、餌を用意しておけばもっと強くなるけどね)
《刃の隊長/Chief of the Edge・鱗の隊長/Chief of the Scale》
リミテッド3.0点
白黒という色で、平均どのくらい戦士が集められるかまだ分からないんだけど(こいつら正確にはマルドゥ専用じゃないけど、それっぽいからさ)、ここの評価は戦士がそんなに集まらないって前提だと思ってくれ。あまり無理なく2ターン目に白黒を出せるようなら、2枚はどちらも単体でマナコストに見合ったクリーチャーだから、他にも戦士がいれば嬉しい実用的なおまけがついてくることになる。戦士がたくさん入ったデッキならとても強く使えると思う。入れておいて不満が出ることはないと思うな。
《はじける破滅/Crackling Doom》
リミテッド3.5点
《悪魔の布告/Diabolic Edict》系のカードとしてはかなり強化されてて嬉しいね。「パワーの一番高いクリーチャー」と書いてあるから、相手は適当なクリーチャーを身代わりにできない。かなり強いところをむしり取れるわけだ。普通、布告系の除去は相手の一番弱いクリーチャーを倒しておしまいなものだが、こちらは全くの別物。2点のダメージだってあると無いとでは随分違う。
《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy》
リミテッド3.0点
攻撃クリーチャーにタダで《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》がついてくるってのは実に素晴らしい。2番目の能力も、全軍突撃で効果を上げやすくなるだろう。ただ、攻撃し続けないと腐るカードの一つだから、評価する際にはそこんところを考えてね。
《マルドゥの魔除け/Mardu Charm》
リミテッド3.5点
どんな魔除けだろうと、1つ目のモードが「クリーチャー1体を対象とする。~の魔除けはそれに4点のダメージを与える。」で始まってれば強いに決まってる。一つ強いモードがあれば、他の2つが完全なボーナスとして考えられるからね。実際には、他の2つのモードも使うことになるだろう。使用割合はそれぞれ60%:30%:10%くらいだろうか。1/1を2体出して、犠牲を出さずに相手のクリーチャーを討ち取るのは中々嬉しいが、普通はでかいところを除去するのが優先されるだろう。生贄を要求するカードも少数存在するし、強襲のために攻撃するクリーチャーが必要なこともあるだろうから、この《急報/Raise the Alarm》っぽいモードも悪くない。最後の《強迫/Duress》モードを使うのは、もうほぼ勝ちが決まっていて、負け筋を潰しにかかるときくらいだろう。そうでなければ温存しておいて除去として使う方がよほどいいんだから。相手のターン終了時やドローステップに《強迫/Duress》モードで使ってから、アンタップしてゲームを決めに行くとういのは全然ありなんだが、他の2つのモードと比べて、何故このモードで使うか理由が必要だ。それはともかく、こいつはリミテッドで強い魔除けの一つだ。柔軟さがいかに強力かというのを雄弁に語っていると思う。
《マルドゥの荒くれ乗り/Mardu Roughrider》
リミテッド2.5点
こいつを抑え込むのは容易じゃない。ブロッカーを使って止めようとすれば、尚更辛いことだろう。呪文を使えば何とかなるし、ちょっとばかり出てくるのは遅いが、クリーチャーで止めるのは困難を極める。こいつを止めるため、デカブツを2体残してきた相手に除去を合わせたら大惨事間違いなしだ。こいつに戦闘で挑むなら、こちらから仕掛けるのが一番だろう。
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》
リミテッド3.0点
タルキールのゴブリンは、頭が悪そうで最高だ。この子馬乗り部隊は特にギャグ漫画みたいに見えて、実はかなりのやり手。展開はゆっくりだけどね。コモンで4体のクリーチャーをばら撒けるのは特筆に値するし、変異がリスクヘッジとして機能している。普通なら、6マナのクリーチャーは手札にたまっていって、プレイできなくてあっさりゲームに敗北する原因になったりする。3ターン目に繰り出すカードにできるのは、かなり大きいといえるだろう。今一度言うけど、やっぱり柔軟性は強力だってことさ。これを使って相手を罠にかけることもできる。突然変異を解除してブロッカーを展開したり、あるいは相手のターン終了時にばら撒いて奇襲をかけたりね。
《騎乗追撃/Ride Down》
リミテッド2.5点
押されているとき、救いの手になる除去呪文でないとはいえ(除去の最も基本的な使い方の一つだ)、相手の防壁を突破してダメージを通すのに一番簡単な方法の一つだ。普通のコンバットトリックのように2:1交換を取られるものでなし、ダメージまで押し通すことができる。こういうカードの欲しいデッキでは、点数以上に早く取りたいカードだろうね。でも手を休めず攻撃し続けるって要件を考えると、これに早めに手を出したばかりに使えないということにもなりかねないんだよなぁ(特にこれは2色だし、コントロール色の強いジェスカイになったりするかもしれない)
《完全なる終わり/Utter End》
リミテッド3.5点
土地でないパーマネント除去でも、対象は毎回クリーチャー、なんてなっても完全に驚いたりしないね。それでも依然、強力だし初手級だ。それにこれは2色だから、多くの多色カードより制限が緩い。どの氏族に落ち着くか分からないとき、制限が緩くて使えるカードはかなり偉い。
《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》
リミテッド3.5点
ズルゴは最低でも7点ダメージをねじ込むか相手のクリーチャーを排除できる。被害の小さい方を相手が選ぶとはいえ、最低ラインにしては凄い。更にデッキによっては、ズルゴへの有効な対処手段が皆無ということもあるだろう。マイナス修正や追放除去で倒されるとはいえ、唱えるのに膨大なマナがかかるわけでもないから、全く何もせず退場することはまずないだろう。ブロックはあまり得意でないとしても、赤白黒というマルドゥの色がまず守りを考える色じゃないだろう。本当に必要なら第2メインに唱えてもいいけれど、自分のターン以外は脆いことに気を付けて。
白
《アブザンの戦僧侶/Abzan Battle Priest》
リミテッド3.0点
長久のついてるクリーチャーはどれも強く見えるけど、その中でも仲間にキーワード能力を与える奴らは素晴らしい。最初から内蔵されている能力ではないから、能力をつけるためには1回攻撃かブロックを飛ばさなきゃならないけれど、反面、組み合わせて有用という強みもある。出せばすぐに絆魂がつくこともあるだろう。絆魂が即つくのは大きい。最悪でも4マナ3/2だし、色々とそれ以上の活躍をする能力が付いてるから(大きくなれるし、絆魂を自分や友軍につけれる)、サイドに置いておくことはまずないだろう。こいつの場合、生き残るためのライフを当てにしてるのでない限り、戦闘中にやられても計算が狂いにくいしね(得られる予定のライフが無くなって窮地に陥ることはあるとしても、飛行や先制攻撃が突然無くなるより軽傷で済むはず)。
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》
リミテッド3.0点
飛行なら任せろーバリバリ。3マナ2/3とか、4マナ3/2よりサイズまで優秀じゃあないか。とはいえリスクはこっちのが大きい。こいつ自身が飛んで殴るのは安全でも、他の長久クリーチャーが飛んで殴って、戦闘中に鷹匠が撃ち落とされたら大惨事になりかねない。それだけ覚えておいてくれ。俺はこいつをデッキから抜けって言ってるわけじゃないからね。
《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
リミテッド3.0点
他の長久クリーチャーもだが、こいつはやり手だ。どのクリーチャーもぶっ壊れでないにせよ、長久コストはかなり安いからね。全員にマナを行き渡らせたりとか、全軍をタップするわけにはいかないという意味では少しもじもじすることがあるとはいえ、能力を共有するという意味ではコンボだ。意図されて作られてるんだろうけど、ゆっくりじっくり攻めるデッキにはぴったりだよ。俺は気に入ったな。
《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》
リミテッド2.0点
4マナ2/3飛行というのは、まあまっとうな方のクリーチャーで、警戒がついてるから平均より上と言っていいだろう。4マナが他にもいたら抜くかもしれないけど、使うことの方が多いんじゃないかな。
《砂への挑戦/Brave the Sands》
リミテッド0.5点
超強いカードには見えないですな。まずデッキに入れる気がおきない。長久と相性が良くない上に、サイズも上がらないんじゃねえ。過去の環境でこの手のカードが強かったためしもないし……。
《まばゆい塁壁/Dazzling Ramparts》
リミテッド1.5点
なんて後ろ向きであることに積極的なんだ。越えられない壁を感じるぜ。大体のものを受け止められるくらい硬いし、止められないものならタップしてしまうこともできる。とはいえそんなに能率がいいわけじゃないから、重たいカードの好きな俺ならともかく、どんなデッキでもお呼びがかかるとはいかないね。
《果敢な一撃/Defiant Strike》
リミテッド2.5点
超軽いからお手軽にデッキに入れられるけど、その分単体では大したことをしないカードになってしまった。果敢を誘発するにはうってつけだから、ジェスカイが一番強く使えると思うけど、2/3いらのクリーチャーが頭数いれば、どんなデッキでも仕事はするだろう。俺はキャントリップが好きだからよく入れるけど、本当の意味でどんなデッキにでも入るカードではなさそう。果敢に寄せたデッキで使えば立役者になるかもしれないにしてもね。
《対立の終結/End Hostilities》
リミテッド3.5点
リミテッドの全体除去は好きじゃない。特に重い奴は嫌いだって何度も言ってきたけれど、5マナはまだ悪くない方だろう。対立の終結はゆっくりした立ち上がりを埋め合わせてくれるし、過剰なまでの盤面を作った相手を咎められるし、ドラフトで授与を持ち込まれてても安心だ!5マナなら、タップインの土地だの戦旗だの置いていれば、展開しないでもそこまで不自然には映らない。とはいえ一度相手に持ってることがばれたら、急速に価値も失ってしまうけどね。前のめりなデッキなら使わないと思うけど、ミッドレンジ~コントロールデッキなら喜んで入れるだろうね。
《消去/Erase》
リミテッド0.5点
メイン登用には消極的にならざるを得ない。サイドボード用。リミテッドより構築向けだよねこういうの。
《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
リミテッド3.0点
多用途なコンバットトリックって素敵だよな。こいつは戦闘でも、除去でもクリーチャーを守ってくれるし。しかも永続的に強化してくれるトリックときてるから、とにかく優秀な呪文だ。クリーチャーでも除去でもない枠を消費するカードだから、大概のデッキでこの手のカードを入れる枠は多くないと思うけど、似たような呪文の中では最強格だろう。
《炎蹄の騎兵/Firehoof Cavalry》
リミテッド1.0点
1マナ域に大量のマナをつぎ込んで、相手の2マナ域と相討ちするというのは、デッキを考えるときのプランとしてはちょいと苦しい。どうしてもクリーチャーが必要というのでもなければ、サイドがお似合いだろう。
《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》
リミテッド3.5点
長久してる間、盤面で押し負けないようにトークンが出るとは、単体でシナジーを持っている。素晴らしい戦士だ(もっともこいつのクリーチャータイプは兵士なんだが)。いつ引いてもマナをつぎ込む先として優秀だし、何より1マナと軽いのがいいね。奇妙な格好以外はまるで欠点がない。
《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》
リミテッド4.0点
4マナ3/4飛行というサイズだけで弱いはずがない。能力も保証付き。インスタントで味方を育てられる上に、自身までデカくなる。取らない理由がない。
《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》
リミテッド2.5点
実は俺、2マナ1/3とか結構好きでね。しかもこいつが戦闘にいく場合、トリックで急襲してくるかもしれないという恐怖を与えられる。果敢は面白いメカニズムで、こちらが何も動かなくても、果敢というだけで相手が考えてくれるんだ。なるほど格闘技ってのはこういうものかもしれないな。マナを立てておけば、対戦相手的には果敢を意識せざるを得ないから、果敢がついていないクリーチャー相手にするときは、通常とは違う動きをしてくるだろう。相手が何を持っているか分からないと、そう動かざるを得ない。とはいえこいつの場合、アタックしても1点ぽっちだから、俺にとっては防御性能の方が大切かな。マナを立て続けるとテンポロスにつながるから、果敢は守る側が使ってもそこまで怖くない。何も考えられずに入れられるカードじゃないな。
《必殺の一射/Kill Shot》
リミテッド2.5点
実は俺、こういう守りを固めるカードって好きなんだ(守れるカードがないと禁断症状で手が震える)。それに3マナと軽めだから、その程度のマナなら立てていても露骨な構えには見えんだろう。ブロックに回れない長久クリーチャーを使わずに3マナ立てたら、これがありますって言ってるようなものだから、ちょっとばかり長久とは相性が微妙だけどね。マナ効率も良好とはいえ、守るカードだから使わないデッキもあるだろう。後ろ向きな戦略を考えてたら棚ボタ的に取れたりするかもね。
《マルドゥの悪刃/Mardu Hateblade》
リミテッド2.0点
マナを立てておいて結局使わないというのは嫌なんだけど、こいつはマナ効率がいいから多分使うと思う。どんな盤面でも大体何も恐れずに突っ込んでいけるだろうし、ブロックするなら1マナくらい、立てておいてもどうということはない。最初の3ターンに展開できるカードが必要なこともあるからね。こいつなんてぴったりさ。
《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
リミテッド3.0点
サイドボードにこいつを置いておくようなデッキとかあるのかね。クリーチャーの多くない、守りを固めるデッキでも、3マナ2/3は別に悪くない。しかもたまにオマケの従者までくっついてくる(しかもなんと両方戦士だ)。クリーチャーが7体しかいないとかなら、入れないこともあるかもしれないけれど、そんなデッキ自体そう滅多にあることじゃないだろう。
《真珠の達人/Master of Pearls》
リミテッド4.0点
こちらに真珠の達人がいるとバレてたり、あるいはいそうな気配を察知されてても、これだけ強力な効果だとケアしてプレイするのは難しい。攻勢に回ってて相手が追いつめられていたら、一方的な《神の怒り/Wrath of God》みたいに使えるだろう。素敵だね。どうしても必要なときに2/2として展開することだって可能だ。貝のごとくに閉ざしたる世間の口をこじあけて、真珠をちょうだいするのみだってね。
《戦場での猛進/Rush of Battle》
リミテッド1.5点
こいつが輝くのは戦士デッキで使ったときだと思うけれど、ソーサリーだからねえ。《清められた突撃/Sanctified Charge》が強すぎたせいで見劣りしてるのかもしれないけど、《踏み荒らし/Overrun》系の中でも底辺だと思う。絆魂がつくのは魅力的だから、10~15点くらいライフ回復できるなら中々良さそう。でもドラフト中に急いで取る必要があるとは思わないな。仮に俺がこれを欲しいと思うくらい戦士を取っていたなら、他の人は欲しいと思わないはずのカードだからね。
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
リミテッド2.0点
変異がついてて空の守りもガッチリとくればどんなデッキに入れても申し分ない。とはいえ、どんなデッキでも優先して取られるカードにはならないだろう。中堅どころのサイズをもった変異クリーチャーがいれば、変異で出して除去を誘うことで、生き残らせたい変異を守ったりできて中々結構だけど、1ゲーム目はそれほど関係ないことでもあるし、変異ばかり取ろうとは思わないよ。
《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》
リミテッド2.5点
長久を払わないといえば、こいつなんかは長久しなくても支障がないカードの代表格だ。この高タフネスはいいね。序盤生き延びるのに貢献して、終盤は殴りにいくこともできる。仕事のできる生物ってのはこういう奴だ。
《道の探求者/Seeker of the Way》
リミテッド3.0点
大きくなる上に、絆魂を得られる熊とくればかなり魅力的だ。果敢デッキを組むとすれば、まさにこういうカードこそが立役者になるだろう。ダメージレース中のライフゲイン目的で送り込むのもいい。コンバットトリックが十分あれば、手痛い一撃をお見舞いするのも難しくないはずだ。
《包囲戦法/Siegecraft》
リミテッド1.0点
全世界1億人の《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》ファンの皆、やったね!一般的にオーラは強くない。それにこいつはリスクに見合うだけの強さすらない。
《大物潰し/Smite the Monstrous》
リミテッド3.0点
こういった限定的な除去がどの程度必要なのか、何度も使ってみないで正確に評価するのは難しい。《大物潰し/Smite the Monstrous》自体、特別マナ効率に優れているわけではないからね。特に噛み合わないで撃てないこともままあるとくれば尚更だ。それでも、相手の巨大クリーチャーを倒す手段が必要で、しょっちゅうデカブツに悩まされるなら、1,2枚は確保しておきたいカードになるだろう。潰しがきかなそうに見えても、取っておいた方がいいのかもね。普通なら2.5点くらいだけど、3.5点級のカードに出世しても驚かないよ。大物つぶし、獰猛、長久、果敢と、活躍できる下地はあるからね。
《停止の場/Suspension Field》
リミテッド3.5点
なんて奇妙なカードなんだ。《未達への旅/Journey to Nowhere》が強すぎたのは理解できるし、これが弱すぎると主張するつもりもない。実際、強さは全く問題ない。何がヘンなのかって、《大物潰し/Smite the Monstrous》(と獰猛)でパワー4以上を参照したと思ったら、今度はタフネス3以上をチェックするのかい?ややこしくて絶対、間違う人が出てくるぜ。それはともかくとして、軽くて幅広いクリーチャーに通用する。優秀な除去だ。やったね!
《武器を手に/Take up Arms》
リミテッド2.5点
スッゴイ急報なだけあって、凄い名前に凄い効果だ。とはいえ何も考えずに投入するんじゃなくて、正当な理由が欲しいところかな。気高く戦士が好きと言ってみるとか、神秘的に果敢を誘発させたいとか、あるいは生贄が欲しいという邪悪な理由でもいいだろう。まあ事情は人それぞれでも、表面上大したことが無さそうに見えて中々のやり手だから、手を伸ばす人もぼちぼちいて、結構早めに消えるカードだと思う。それと、全軍突撃して勝ちに行くかどうか決断する上で、こういうカードの存在は覚えておきたい。撃てば大体の攻撃は受け止めてくるカードだからね。
《機を見た軍族朋/Timely Hordemate》
リミテッド3.0点
こいつの点数は他にどんな2マナがいるかによって変わるものの、強いときは本当に強い。殴ったクリーチャーが止められて討ち死にしても、すぐさまこいつを出せば死んだクリーチャーが帰ってくるから、何も犠牲にすることなく攻撃できるのは素晴らしいね。《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》二世と呼んでもいいくらいだぜ(ん!?まちがったかな…)
《尊いラマスー/Venerable Lammasu》
リミテッド1.5点
アンコモンでパワー5の飛行が欲しければどうぞ。見た目どおりです。デッキによっては血眼でフィニッシャーを探し求めることもあるだろうけど、俺は重たい変異や長久クリーチャーを使う方がいいなあ。
《軍用ビヒモス/War Behemoth》
リミテッド2.5点
変異といえば、軍用ビヒモスは素敵なサイズの上に、分割支払いにも対応してる。まさに求めていた人材だ。3マナ域をこいつで埋められるのは中々良い感じだから、入れ過ぎることは中々ない。カードのどの面を取っても、そこまで凄い強い感じはしないのにね。マナコスト、変異コスト、サイズとどれも一級ではないのに、全部が合わさって柔軟なカードに仕上がってる。
《休息地の見張り/Watcher of the Roost》
リミテッド3.0点
これまた特別優れた点はないけれど、カード全体でみると優秀な奴だ。3マナ2/1飛行は良好だし、変異がついてるのも中々いい。飛び上がりつつ2点ライフゲイン出来るのも悪くない。マナを使わないで解除できる変異のアイディアはとてもいいと思うけど、2点のライフゲインよりスゴい効果がついてると、もっと盛り上がれると思うんだけどね。
《風番いのロック/Wingmate Roc》
リミテッド4.5点
神話レアらしさについての議論は別にして、リミテッドでこいつは驚異的なカードだ。5ターン目に強襲を達成してこいつを唱えたら、攻撃についてくるライフゲインを抜きにしても負けようがない。押されていても押し返せて、元から優勢なときは速やかに相手を倒せる強力なカードは、まさに爆弾レアに求める性能そのものだ。
白のリミテッドトップ5
5.《必殺の一射/Kill Shot》
4.《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
3.《大物潰し/Smite the Monstrous》
2.《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
1.《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
白のコモンはどれも超強力ではないものの、マルドゥのコモンは気に入ったよ(子馬乗り部隊のことね)。《必殺の一射/Kill Shot》を過大評価しているかもしれないというのは分かってるんだけど、対戦相手の巨大な多色カードに対する回答は、持っておくのが望ましいと思うんだ。《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》は本当に強いと思うし、《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》は攻守ともに隙がない。この環境では全ての色が、それぞれ異なるスタイルを持つ氏族に複数属しているせいで、同じ色でもカードの性質に競合が起きている。白のコモンにも見て取れるね。氏族ごとの食い合わせによって、単色の柔軟さが決まってくるだろう(強襲と果敢は相性のいい組み合わせだけど、長久は合わないなど)。あと、真の力を発揮するのに、どのくらい氏族のテーマに合わせた構築をする必要があるのかというのも未知数だ。考えるのはきっと楽しいぜ。難しい問題だけど、リミテッド環境に習熟するためには、考えるのが大切さ。
明日はティムールをレビューするよ。もしかすると、ティムールこそ最強の氏族かもしれないぜ(文字通りの意味でね)。
LSV